川 ゚ -゚)なんかこわい館のようです

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:08:33.38 ID:GMME+NqN0
川 ゚ -゚)

生来、孤独を愛してきた私、素直クールは、『だだっ広い館に一人で住む』と言うかねてからの念願をとうとう叶えることが出来ました。
人気の無い森の奥深くにひっそりと佇む瀟洒なつくりの館。
誰にも侵されることの無い自分だけの領域を手に入れられたということで、私は自由気ままに日々の暮らしを楽しんでいました。

ほんの三ヶ月程前までは。

孤独を愛すると言うのは、その言葉の通り、独りでいることを愛していると言うことです。
ですから、それが例え生身の肉体を持たない、俗に幽霊と呼ばれる存在であっても、私の領域を侵すようなことがあれば、それは不快以外の何物でもありません。

そして、そんな例え話がここ三ヶ月の間に実際に起きてしまっていることについて、私は今、大変困っているのです。

川 ゚ -゚)「なんかくるぶしの周り辺りがかゆくてたまらん」



2: ◆EZjDEPVNl6 :2009/08/23(日) 22:11:28.28 ID:GMME+NqN0









                      川 ゚ -゚)なんかこわい館のようです







                                                                     .



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:13:09.30 ID:GMME+NqN0
川 ゚ -゚)「今日もひとっ風呂浴びて寝るとするか」

その一連の不可思議な現象の始まりは、まず風呂場で起こりました。
自慢ではありませんが、館自体がそれなりの大きさを持っているため、必然的に風呂場のスペースと言うのもちょっとした銭湯程度の広さがあります。
そんな風呂場から、ある日、こんな声が聞こえ始めたのです。

川 ゚ -゚)フンフフーン

川 ゚ -゚)フンフンフフーン         !!ィョシ>

川 ゚ -゚)フンフフフーン        !!ィョシッワ>

川 ゚ -゚)フンフフ     !!ィョシッワ !!ィョシッワ>

川 ゚ -゚)         !!ィョシッワ !!ィョシッワ>

川 ゚ -゚)         !!ィョシッワ !!ィョシッワ>

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「なんかわっしょいわっしょい聞こえる!!」



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:15:43.56 ID:GMME+NqN0
風呂場から聞こえる「わっしょい!!わっしょい!!」と言う何とも威勢の良い掛け声に、初めは私もたじろぎました。

川 ゚ -゚)        !!ィョシクッハ !!ィョシッワ>

川 ゚ -゚)「なんかたまにくしゃみしてる奴も混じってる!!」

しかし、だからと言って風呂に入るのをやめるわけにもいきません。
私はその声の正体を暴くため、躊躇無く風呂場の戸を開きました。

川 ゚ -゚)ノガララッ!!

(;´∀`)「わっしょい!! わっしょい!!」

(;゚∋゚)「わっしょい!! わっしょい!!」

ワサワサ(´・ω(;゚Д゚)「わっしょい!! わっしょあっ……ショボンさん……どさくさに紛れてそんなとこ……」

すると、そこではねじり鉢巻を頭に巻いたふんどし姿の暑苦しい男達が風呂桶一杯にぎゅうぎゅうに詰まっていたのです。
彼らは「わっしょい!! わっしょい!!」と力の限り叫びながら、目には見えない(恐らく彼らの目には映っているのでしょう)御輿を担ぎ続けていました。

川 ゚ -゚)ノピシャッ!!「なんか想像以上に気持ち悪い!!」

その音量と熱気と言ったら、それはもうたまったものではなかったので、とりあえず私は風呂場の戸を閉めました。
そして、私は考えました。あれは、まさか御輿好きの幽霊だったのではないかと。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:18:38.82 ID:GMME+NqN0
その日は、結局風呂に入るのを諦めました。別にあの幽霊達が恐かったわけではありません。
ただ、あの幽霊達がみっちり詰まっている風呂に入るのが生理的に無理だっただけなのです。

しかし、生まれてこの方風呂に入らず床に就いたことがないかと言われればそういうわけでもない私は、
一旦ベッドの中に潜り込んだのはいいものの、やはり中々眠りにつくことが出来ませんでした。

川 ゚ -゚)「なんかベットベトして眠れん!!」

とうとう痺れを切らした私は、あのお御輿野郎どもがいなくなっていることを切に願いつつ、もう一度風呂場へと向かうことにしました。

川 ゚ -゚)        !!ィョシクッハ !!ィョシクッハ>

川 ゚ -゚)「なんか最早くしゃみしてる奴しか居ない!!」

くしゃみで飛んだ唾で風呂場を汚されるのも、どちらかと言えば死ぬほど許せなかったので、私は思い切って戸を開けました。

川 ゚ -゚)ノガララッ!!

(;´∀`)「はっくしょい!! はっく……うわあぁぁぁぁ!!」

(;゚∋゚)「はっくしょい!! どうしたモナー!! 声が……うわぁっぁぁああ!!」

ワサワサ(´・ω(;-Д-)「あぁ、いいっす……いいっすよ、ショボンさん……」

川 ゚ -゚)「なんか流石に笑えないくらいのレベルで気持ち悪い!!」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:22:26.64 ID:GMME+NqN0
彼らは私の姿を認めると、叫び声をあげて固まってしまいました(一部を除いて)。
私は、その中でも何とか話の通じそうな奴を呼び寄せ、話を聞くことにしました。

川 ゚ -゚)「お前ら何? 何様? 死に晒せ」

(;´∀`)「ひ、ひぃ、本当にこの人、僕達が見えるんだ……恐い……」

(;゚∋゚)「す、すいません、生憎俺達もうすでに死んでるんで……死に晒せと言われても……」

ワサワサ(´・ω(;゚Д゚)「ああっ!! ああ!! いいっす!! いいっすよ!!」

話を聞いてみると、彼らはやはり私の予想通り御輿好きの幽霊であることが分かりました。
何でも、彼らは生前御輿を担ぐのが死ぬほど好きで、祭りでも何でもない平日にもみんなで集まっては御輿を担いでいたらしく、
中には御輿のために職を捨てた者、家族を捨てた者や元からニートだった者までいたようです。

私は、何となく興味が沸いたので更に詳しい話を聞いてみることにしました。

(;´∀`)「え、僕達が死んだ時の話ですか?」

( ゚∋゚)「そうですね……あれは確か、冬の寒い日だったと思います」

ワサワサ(´・ω(;゚Д゚)「よっしゃ!! よっしゃよっしゃ!! いいっすよ!!」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:25:11.25 ID:GMME+NqN0
御輿を担いでいる間、彼らの頭の中には御輿の一番上についてるなんかアスパラみたいなというかどう見てもアスパラにしか見えないもののことしかなく、どうしても注意散漫になりがちでした。
そのため、車に轢かれたり、崖から落ちたり、道端に落ちた尖った石を踏んだり(素足なのでとても痛い)して命を落とす者が、月に二、三人は必ず出たそうです。

その日もいつもと同じように、彼らは御輿を担ぎながら道なき道を駆けずり回っていました。
そして、御輿を担ぐことに夢中になり過ぎる余り、知らず知らずの内に険しい雪山の中へと踏み込んでしまったのです。

( ´∀`)「御輿を担いでると身体が火照るので、今自分達の居る場所が雪山であることになかなか気付きにくいんですよね」

( ゚∋゚)「ああ、気付いた時にはもう部隊の大半が寒さにやられていた……」

川 ゚ -゚)「なんか部隊とか言っとる!!」

( ´∀`)「僕が汗っかきでさえなかったら……もっと早く気付くことが出来たのに……」

( ゚∋゚)「くそ……俺が冷え性だったら……皆を助けられたかもしれないのに……!!」

ワサワサ(´・ω(;-Д-)「はぁぁっ……ぁぁ……よかった……」

初めのうちは御輿を担ぐことで発生する熱(彼らは御輿熱とか業界用語っぽく言っていたけど、何か癪に障るので絶対使わない)のおかげで、意識を保っていられたものの、
それも結局は時間の問題、彼らは愛する御輿と共に敢え無く力尽きてしまったそうです。

そこまで語り終えたところで、場に沈黙が訪れました(一部を除いて)。
未だに風呂場に詰まってる者達も含め、皆悲しみに浸っているようでしたが(一部を除いて)、私はどちらかと言えば死ぬほど風呂に入りたかったので、
とりあえずここから出て行ってもらうよう、あちらの神経を逆撫でしないように細心の注意を払って伝えました。

川 ゚ -゚)「邪魔だから出て行け。もしくは消え失せろ」

(;´∀`)「そ、そこを何とか!! 僕達にはもうここしか御輿を担げる場所がないんです!!」

(;゚∋゚)「頼む!! 一生のお願いだ!! 俺死んでるけど!!」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:29:22.39 ID:GMME+NqN0
ワサワサ(´・ω(;゚Д゚)「お願いします!! もう一回!! あぁ!! いいっす!! 最高っす!!」

私が物腰低く頼んでいると言うのに、彼らは頑なにその場から動こうとはしませんでした。
これ以上喋るのも面倒だったので、風呂桶の外で担ぐと言う条件付で、私は仕方なく譲歩しました。

様子を見る限り、彼らはガチガチのガチホモ達だったので、私は彼らの目を気にすることなく風呂に入ることにしました。
お湯をためたことで室内の温度が上がり、掛け声の合間にくしゃみを挟む者もほとんどいなくなりました。

川 ゚ -゚)         !!ィョシッワ !!ィョシッワ>

独りで風呂に入っていたころと違い、湯船に浸かっている時も身体を洗っている時も、
私を包むのは冷たい静寂ではなく、暑苦しいまでに威勢のいい掛け声でした。

最初はそれが鬱陶しくてしょうがなかったのですが、だんだんと慣れてくると
これがまた非常に鬱陶しいもの以外の何物でもないことにはっきりと気付かされたので
度々「冷えろ! 冷え死ね!!」と怒声をあげては、シャワーで冷たい水を浴びせて黙らせてやりました。

川 ゚ -゚)ノピシャッ!!   !!ィョシクッハ !!ィョシッワ>

風呂に入り終え、風呂場から出た後も、彼らの掛け声が止むことはありませんでした。
それから彼らは、週に二、三回は必ずと言っていいほど風呂場に出現し、目には見えない御輿を担ぐようになりました。
しかし、私の言いつけはちゃんと守っている様で、風呂桶の中にみっちり詰まっているということは、それ以来なくなりました。



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:32:22.65 ID:GMME+NqN0
次に異変が起きたのは、一階のトイレでした。
ある日、私が用を足そうとトイレに向かうと、トイレの中からこんな声が聞こえてきたのです。

川 ゚ -゚)ホンホホーン

川 ゚ -゚)ウホホンホーン

川 ゚ -゚)ウホホーン               !!-プン>

川 ゚ -゚)ウホ                !!-プンャジ>

川 ゚ -゚)           !!-プンャジ !!-プンャジ>

川 ゚ -゚)           !!-プンャジ !!-プンャジ>

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「なんかジャンプジャンプ叫んどる!!」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:36:13.75 ID:GMME+NqN0
試合に負けてリングに這いつくばった元相撲取りのようなピザ声は、
何度も何度も「ジャンプー!! ジャンプー!!」、と外に向かって叫んでいました。

そいつの声からして、トイレの中は酷く汗臭くブタ小屋のような臭いがして吐き気を催すほどにブタ小屋臭く、
とても臭くて臭死してしまうくらいのブタ小屋っぷりだろうと容易に想像がついたので
その日は結局、わざわざ二階のトイレまで行って用を足さなければならず、
私のイライラは「突っ張り棒」を「とっぱりぼう」と読み間違えてしまうほどのレベルにまで達してしまいました。

そして、その次の日。の次の日。

川 ゚ -゚)ワホホーイ

川 ゚ -゚)ワッホホホーイ

川 ゚ -゚)ワッホホーイ              !!-デン>

川 ゚ -゚)ワッホホ         !!-デンサ !!-デンサ>

川 ゚ -゚)             !!-デンサ !!-デンサ>

川 ゚ -゚)             !!-デンサ !!-デンサ>

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「なんか今度はサンデーサンデー叫んどる!!」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:38:40.67 ID:GMME+NqN0
私がいつものように一階のトイレへと向かうと、またしても中から死んだヒキガエルのような声が聞こえてきたのです。
そして、今度は「ジャンプー!」ではなく、「サンデー!」と繰り返し繰り返し何かを訴えるように叫んでいました。

しかし、この叫びは一体何を表しているのでしょう。
今日は水曜日、英語で言えばサンデーではなく、ウェンズデーです。
私は意味が分からず、この日もまた二階まで行かねばならないイライラのせいで、「エベレスト」を「エレベスト」と言い間違えてしまいました。

そして、また次の日。

川 ゚ -゚)オッホホーイ

川 ゚ -゚)オッホホホーイ

川 ゚ -゚)オッホホーイ              !!-プン>

川 ゚ -゚)オッホホ              !!-プンャジ>

川 ゚ -゚)                 !!-プンャジグ>

川 ゚ -゚)               !!-プンャジグンヤ>

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「なんとなくどういうことだったのかわかった!!」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:42:31.23 ID:GMME+NqN0
みなさんもう既にお気づきかとは思いますが、このトイレから聞こえてくる謎の叫びは、その日に発売される漫画雑誌の名前を表していたのです。
丁度、この日は木曜日。週刊ヤングジャンプの発売日です。

恐らく、トイレの中にいると思われる豚糞野郎は、その日に発売される漫画雑誌を求めて、
わざわざ何度も何度もその名前を叫び続けていたのでしょう。

川 ゚ -゚)               !!-プンャジグンヤ>

と、謎が解けたところで、私はどうしたものかと思い悩みました。
私の推測だと、叫びの指す雑誌をトイレの中にいる豚糞に渡せば、きっとこの耳障りな叫びも止むのではないかと思います。
そして、私は生粋のヤングジャンプ愛読者。この上なくきっちりと条件は揃っているのですが。

川 ゚ -゚)               !!-プンャジグンヤ>

何となく渡したくない、と言う私の気持ち、皆さんご理解いただけないでしょうか。
いつかは捨てるものとは言え、好きなものを汚らわしい糞なんぞに渡すのは、誰しもが嫌がることでしょう。

川 ゚ -゚)

私は、しばらく悩んだ末、もう一冊ヤングジャンプを買いに行くことに決めました。



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:45:05.53 ID:GMME+NqN0
川 ゚ -゚)ノ□「ほら、わざわざ買ってきてやったぞ、糞野郎」

私はわざわざ徒歩五分の距離にあるコンビニまでヤングジャンプを買いにいきました。
そして、館へと戻ってくると、一階のトイレの前で、ウンコ野郎へと声をかけました。

川 ゚ -゚)ノ□                    >

川 ゚ -゚)ノ□                    >

川 ゚ -゚)ノ□               !!-ケテイオ>

と、今度はどこぞの怪談で聞いた事のあるような声がトイレの中から響き始めました。

川 ゚ -゚)ノ□          !!-ケテイオ !!-ケテイオ>

川 ゚ -゚)ノ□          !!-ケテイオ !!-ケテイオ>

川 ゚ -゚)ノ□          !!-ケテイオ !!-ケテイオ>

何となくそのままただで置いていくのも、パシリに使われたような気がして気に食わなかったので、
私はヤンジャンのページの間にそこら辺に転がっていたゴキブリの死体を仕込んでから、その場に放置していくことにしました。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:47:58.03 ID:GMME+NqN0
翌日、また一階のトイレの前へと行ってみると

川 ゚ -゚)

昨日と同じ位置にヤングジャンプが置かれていました。
結局、読まなかったのかと思い手にとってみると

川 ゚ -゚)ノ□

篠崎愛のグラビアページが、変にカピカピになっていることに気がつきました。

川 ゚ -゚)ノ□                 !!-ウツ>

川 ゚ -゚)ノ□                !!-ウツミァ>

川 ゚ -゚)ノ□               !!-ウツミァフ>

川 ゚ -゚)ノ□

川 ゚ -゚)ノ□「許さん」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:50:28.62 ID:GMME+NqN0
私は怒りをぶつける様に、トイレのドアを思いっきりノックしました。
すると、

「ちょ、そういうのやめろって、おい。叩くな。ドア叩くな。やめろっておい、ちょっとやめろ」>

今までの真っ直ぐな叫びはどこへやら、といった感じのおろおろとした声が中から響いてきました。
私はそれが面白くて、更にドアをノックし続けました。

川 ゚ -゚)ノ|扉 ドンドコドーン!!

「おい、だからそういうのやめろって、やめろ。叩くなって、やめろ。おい、頼むから、やめろって」>

ドアの内側から聞こえる情けない声がだんだんと面白く感じられてきて、私は次にトイレの鍵を十円玉でガチャガチャとやり始めることにしました。

川 ゚ -゚)ノ|扉 ガチャガチャ

「おい! ちょっとやめろ!! そういうのやめろって! おい! やめろあけんなやめろ!!」>

川 ゚ -゚)ノ|扉 ガチャガチャ

「だからやめろって! おいやめろ! お、おね、お願いだからやめろー!!」>



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:54:44.32 ID:GMME+NqN0
( ゚д゚ )

川 ゚ -゚)

しばらくそういったやり取りを続けていると、とうとう観念したのか、声の主は外へと出てきました。
トイレの中から現れたのは予想通りのデブ野郎。その体臭の余りのキツさに思わず顔を顰めそうになりましたが、
流石に当人の目の前でそれをやるのは失礼と思い、私は何とか表情に出さないように必死に努めました。

川 ゚ つ゚)「おい、なんだこのページのカピカピ具合は。死ぬか? 塵も残さず消滅するのか?」

(;゚д゚ )「す、すびばぜん!! で、ででででも、愛ちゃんのグラビアを見てたらもう辛抱堪らなくなっちゃって! それで、それでふひひ!!」

こんなキモ野郎の精液のついたヤングジャンプなど最早取っておく価値もないと思い、
私はそれを一ページずつ破り、丸めて、目の前の肉野郎に向け投げつけてやることにしました。

川 ゚ つ゚)ノ=○ヒュッ

(;゚д゚ )「ひ、ひぎぃっ!!」

川 ゚ つ゚)ノ=○シュッ

(;゚д゚ )「や、やめてください!! うひぃっ!! あ! 愛ちゃんのページ! 勿体無い勿体無い……」

私が投げつけた丸まった篠崎愛のグラビアページを拾い上げ、
キモ男はそれをしっかりと広げて折り畳み、ポケットの中へと突っ込みました。

川 ゚ つ゚)「なんかもうこいつどうしようもない!!」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 22:58:13.31 ID:GMME+NqN0
それから詳しい話を聞いた所、彼もまた風呂場に現れるお御輿野郎共と同様、この世の者ではないことがわかりました。
昔からトイレでうんこぶりぶりする時には必ず何かしら雑誌を持ち込んでいた彼はその昔、
トイレの中に積み上げすぎた雑誌の山に押し潰されて死んでしまったとの事でした。

川 ゚ つ゚)「お前、本当どうしようもないけど、死に方だけは面白いな」

( ゚д゚ )「地震の時はトイレにいれば安心と前から聞いてましたから、それを信じきり、安心し過ぎていた節が僕にもあったように思います。
     僕はトイレの安全性を過信しすぎていました。いくらトイレでも、雑誌を積み重ね過ぎてしまえば話は別なんですよね」

それは別にトイレとか関係なくどこでもそうだろ、と突っ込みたくなりましたが、
口を開くと否が応にもデブ臭(時折精液の匂いも混じった)を吸い込むこととなってしまうので、私はそれからしばらく無言を貫き通しました。

( ゚д゚ )

川 ゚ つ゚)

( ゚д゚ )

川 ゚ つ゚)

( ゚д゚ )

川 ゚ つ゚)



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:01:31.48 ID:GMME+NqN0
しかし、ずっとこうしているわけにもいきません。こいつがいる限り、一階のトイレは使用不可も同然。
何とかして、この肉野郎をトイレから追い出さねばなりません。
私は、彼を刺激しないよう細心の注意を払って、彼にトイレから出て行ってもらえるよう頼むことにしました。

川 ゚ つ゚)「そこ誰のトイレだか分かってんの? 腐り死ね」

(;゚д゚ )「そそそそそ、そこをなんとか!! 頼みましぃ!! 僕にはここしか安住の地がないのデシ!!」

「こいつ話すごとに益々キモさを増すな、化け物か?」と思いつつ、
私は余っていた篠崎愛のグラビアページを破り、それに火をつけようとする素振りを見せつけてやりました。

(;゚д゚ )「ちょいちょいちょい!! 何してるんデシか! やめ! やめろって!! 愛ちゃんに火つけるのやぁめぇろぉ!!」

彼の台詞の「やぁめぇろぉ!!」と言う部分がやけにおかしかったので若干噴き出しそうにもなりましたが、
そこは状況が状況ですから、笑うわけにもいきません。私は心を鬼にして、彼に一言こう告げました。

川 ゚ つ゚)「これを燃やされるか、それとも大人しく地獄へ落ちるか、どちらか選べ」

(;゚д゚ )「えぇ、トイレを出て行くだけじゃダメなんですか!? そんなぁ、ひどいデシ!!」

ともすれば、すぐにでも私に飛び掛ってきそうな勢いで、彼が文句を言ってきたので、私は少したじろいでしまいました。
いわゆる根負けという奴なのでしょう、私は仕方なく篠崎愛のグラビアページをその場で跡形もなく燃やし尽くしました。

(;゚д゚ )「あああああああ、愛ちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:04:27.08 ID:GMME+NqN0
「もう怒ったのデシ!! 絶対にここから動いてやらないのデシ!!」>バタン!!

それを見た彼は、すぐさまトイレの中へと逃げ込み鍵をかけてしまいました。
どうやら、私の作戦は逆効果だったようです。私は懐から十円玉を取り出し、またトイレの鍵をガチャガチャとやり始めました。

川 ゚ -゚)ノ|扉 ガチャガチャ

「だから、そういうのやぁめぇろぉ!! やめろって!! やめ、やめてください!! やめてーー!!」

彼が余りに「やぁめぇろぉ! やぁめぇろぉ!」と、うるさかったので、私はしょうがなくガチャガチャするのをやめました。
その代わりと言っては大分質の落ちる作戦ではありますが、
今度はバルサンを物置から持ってきて、ドアの下の隙間から差し入れることにしました。

「ちょ、それは洒落にならんって!! やぁめぇろぉ!! マジで! すいません!! 出て行きますからやめてー!!」!!ッホゴ !!ッホゴ>

必死の説得の甲斐もあってか、それからしばらくの間、彼がトイレに出現することはなくなりました。
が、それから数週間も経つと、ほとぼりも冷めた、とでも思ったのか、
またしても度々一階のトイレからキモ野郎の叫びが聞こえるようになりました。

これはもう言っても聞かないだろうなと思った私は、その度にバルサンを一つずつ消費して、
彼を一つのストレス解消手段として利用させてもらうようになりました。



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:06:48.35 ID:GMME+NqN0
次に怪現象が起きたのは、キッチンでした。
ある朝、いつものように朝食を作ろうとキッチンに向かうと、ふと誰かの話し声が聞こえてきたのです。

川 ゚ -゚)

特別おかしなことは言っていなかったので内容は省きますが、今まで何度も言っているようにこの館には私しか住んでいないはず。
誰かの声が聞こえることなど、本来あってはならないのです。私は恐る恐るキッチンの中を覗き込んでみました。

ξ゚听)ξ「デレー、卵とってー」

ζ(゚ー゚*ζ「はい、お姉ちゃん」

川 ゚ -゚)

そこには、せっせと料理に励む、二人の可愛らしい少女の姿がありました。
二人とも、窓から差し込む日の光を照り返す美しい金色の巻き髪を持っており、
その手の趣味を持ったロリ野郎の目から見れば眼福物の光景間違いなしと言ったその姿に、一瞬私は呆気にとられてしまいました。

ξ゚听)ξ「よーく、かき混ぜてっと……」

ζ(゚ー゚*ζ「……ん?」

と、身長が幾分小さい方の女の子が、呆然としている私の姿を視界に捉えました。



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:09:30.35 ID:GMME+NqN0
ζ(゚ー゚;ζ「お、お姉ちゃん!!」

ξ゚听)ξ「ん、どうしたのよ、デレ。そんなに慌てて……」

ζ(゚ー゚;ζ「ひひひ、人が!」

ξ゚听)ξ「え」

川 ゚ -゚)

ξ;゚听)ξ「あっ!!」

二人は私を見つけると、そのまま固まってしまいました。
私は硬直したままの二人に近づき、何を作っていたのか聞きました。

ξ;゚听)ξ「えっ……あぁ、これは……」

ζ(゚ー゚;ζ「あの……オムライス……オムライスを作ってたんです」

話を聞いてからキッチンを眺めると、なるほど、並べられている材料から見ても、
彼女達が作っていたものはオムライスで間違いなさそうでした。
と、今度はお姉ちゃんと呼ばれた方の少女が、私に何か尋ねたいことがあるようで、もじもじとしていました。

ξ;゚听)ξ「あの……一ついいですか?」

こちらも一つ質問をしたのだから、ここは素直に相手の質問に答えるというのが道理でしょう。
私は小さく頷き、彼女の言葉を待ちました。

ξ;゚听)ξ「どうして……私達の姿が見えるんですか?」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:12:23.73 ID:GMME+NqN0
川 ゚ -゚)

彼女の質問は至極真っ当なものでした。
私ももし自分が幽霊で、その姿をはっきりと見て取ることの出来る人間に出会ったとしたら、同じ質問をしていたことでしょう。
彼女の問いに対し、私は優しく返答しました。

川 ゚ -゚)「生まれつき、そういう体質でね」

ζ(゚ー゚*ζ「霊感が強い……って奴ですか?」

川 ゚ -゚)「まぁ、そうだな」

ξ゚听)ξ「じゃあ、それが原因で私達も……」

川 ゚ -゚)「引き寄せられた……ってところか」

私の言葉に、彼女達は小さく頷きました。

川 ゚ -゚)「君達、名前は?」

ξ゚听)ξ「あ、えっと、私が姉のツンで」

ζ(゚ー゚*ζ「私が妹のデレです」

ぺこり、と二人同時に頭を下げる姿には、どこか西洋の人形を思わせる優雅さがありました。
私は続けて、彼女達について詳しく聞いてみることにしました。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:16:39.24 ID:GMME+NqN0
数年前、彼女達は料理中、ふとしたミスで火事を起こしてしまい、そのまま二人とも燃え盛る炎に飲まれて、亡くなってしまったとのことでした。
その日は丁度、彼女達の母親の誕生日。彼女達が幼い頃、夫を病で亡くし、女手一つで彼女達を育ててきた彼女達の母親。
そんな母親の好物であるオムライスを作り、彼女を喜ばせようとした末に起こった悲劇でした。

ξ゚听)ξ「こうして、幽霊になっちゃった後で、一度家に行ってみたんだけど」

ζ(゚ー゚*ζ「やっぱり、普通の人には私達の姿が見えないらしくて、お母さんにも気付いてもらえなかったんです……」

川 ゚ -゚)

私は、彼女達の話を聞きながら、考えていました。

これまでにも、彼女達のような霊に出会ったことは何度かありました。
自分達の思いを伝えたい人に伝えられず、そのことを自分達の姿が見える私に打ち明けてくる霊達。
そんな霊達に出会う度、自分が彼ら彼女らに対し、何をしてあげられるのか、どうすることが最善であるのか、いつも考えてきました。

しかし、どんなに考えたところで正解など分からないし、そもそも正解なんてどこにもないのかもしれません。

川 ゚ -゚)「それは……」

ξ;゚听)ξ「えっ……あ! これは……」

私がまな板の上に乗っているハサミを指差すと、ツンは恥ずかしそうに苦笑いを浮かべました。



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:18:38.60 ID:GMME+NqN0
ζ(゚ー゚*ζ「お母さんが、ツンとデレはまだ小さいから包丁は危ないよ、って言ってて」

ξ;゚听)ξ「そう、それで、私達まだハサミしか使えなくて……材料もそうだけど、勝手に借りちゃってごめんなさい」

気にしないでいい、と彼女達に告げた後、私は一つの提案を持ちかけました。

川 ゚ -゚)「包丁、使ってみるか?」

ξ;゚听)ξ「え?」

川 ゚ -゚)「ついでにオムライスの上手な作り方も教えよう。私が見てれば、心配ないだろう? 一応、これでも大人だ」

ζ(゚ー゚;ζ「でも、私達幽霊ですよ? なんていうかその……」

川 ゚ -゚)「幽霊なら他にもいる。今更女の子の二人くらい増えたところで、何も変わらない」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:21:03.36 ID:GMME+NqN0
ξ;゚听)ξ

ζ(゚ー゚;ζ

川 ゚ -゚)

ξ゚听)ξ

ζ(゚ー゚*ζ

川 ゚ -゚)

ξ゚听)ξ「じゃ、じゃあ!」

ζ(゚ー゚*ζ「よろしくお願いしてもいいですか!」

川 ゚ -゚)「ああ」

棚から包丁を取り出し、私は返事をしました。
顔を見合わせ笑い合う二人の姿を見ていると、胸の中に何か暖かなものが湧き上がってくるのを感じました。

川 ゚ -゚)「じゃあ、まずは包丁の使い方からだな」

ξ*゚听)ξ「はーい!」ζ(゚ー゚*ζ

こうして、私達のちょっとしたお料理特訓が始まったのでした。



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:25:50.84 ID:GMME+NqN0
川 ゚ -゚)「押さえている方の指を切らないように気をつけて」

ξ;゚听)ξ「は、はい……こわー……」

川 ゚ -゚)「フライパンはよーく熱しておくんだ。でないと、卵がふわっと仕上がらない」

ζ(゚ー゚*ζ「はい、わかりました」

それから、彼女達は毎朝必ずキッチンへと姿を現し、私と一緒に料理の勉強をするようになりました。
やる気が満ち溢れている分、彼女達の飲み込みは、それはそれは早いものでした。
一度言ったことは忘れず、一度犯したミスは二度と犯さない。子供ならではの学習能力の高さをまざまざと見せ付けられたように思います。

ξ;゚听)ξ「指を切らないように……っと」

ξ;゚听)ξ               !!ィョシ>

ξ゚听)ξ              !!ィョシッワ>

ξ;゚听)ξ

ξ;゚听)ξ「あ、あの……何か変な掛け声が聞こえるような」

川 ゚ -゚)「あれは気にしたら負けだ。無視しよう」

ζ(゚ー゚;ζ「そういえば私もこの前、トイレから変な叫び声が聞こえたような気が……」

川 ゚ -゚)「それも無視だ。耳を傾けたら、地獄に落とされるぞ。気をつけろ」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:28:24.12 ID:GMME+NqN0
川 ゚ -゚)「よし、完成だな」

ξ*゚听)ξ「わぁー」ζ(゚ー゚*ζ

私の助力もいくらかはありましたが、彼女達はそれから一週間も経たない内においしそうなオムライスを作り上げることが出来ました。
出来上がった三人分のオムライスをそれぞれ皿に取り分けると、私達は食卓につきました。

川 ゚ -゚)「君達は食事をすることは出来るのか?」

ξ゚听)ξ「うーん、食欲はないけど、多分食べることは出来るんじゃないかなー」

ζ(゚ー゚*ζ「こうして、物は握れるわけですし、多分ですけど」

川 ゚ -゚)「そうか」

改めて考えてみると、幽霊であるのに寒さを感じるだとか、幽霊であるのに射精出来るだとか、幽霊であるのに包丁を握れるだとか、
どれもおかしな話であるように思えます。

実体が無いはずの幽霊が、さも生きた人間であるかのような振る舞いをすることに、私自身慣れ過ぎてしまっていたのかもしれません。
ですが、この際、細かいことはどうでもいいのです。所詮、私達の持つ幽霊に対するイメージなど、勝手な偏見に過ぎないのですから。

川 ゚ -゚)「それじゃ、いただきます」

ξ*゚听)ξ「いただきます!」ζ(゚ー゚*ζ



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:31:29.01 ID:GMME+NqN0
ξ*゚听)ξ「うわ、おいしい! これ、本当に私達が作ったの!?」

ζ(゚ー゚*ζ「本当おいしいね。これもクーさんのおかげだね」

川 ゚ -゚)「私は作り方を教えただけだよ。作ったのは君達だ」

表向きには冷静に返答したように見せたものの、実際心の中ではどこか照れくさいものを私は感じていました。
久しく忘れていた(しっかりとした)他人との交流。長い間、間隔を空けてみると、それ程悪いものでもありません。

ξ*゚听)ξキャッキャ

ζ(゚ー゚*ζキャッキャ

川 ゚ ー゚)

気付けば、明日から何を教えようか、と考えている自分がいました。
彼女達との交流をこれからも続けていきたい、と考えている自分がいました。

川 ゚ -゚)

しかし、これが本当に彼女達のためになるのだろうか、と疑問に思う自分もまた、そこにはいたのです。



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:33:17.27 ID:GMME+NqN0
食事を終えた後、私は彼女達に聞きました。

川 ゚ -゚)「君達は、これからどうする?」

ξ゚听)ξ「え?」

川 ゚ -゚)「これで、望みは叶っただろう。成仏とかそういったものはしないのか?」

ζ(゚ー゚*ζ「成仏……ですか」

私の問いに、彼女達は首を傾げ、悩みました。

ζ(゚ー゚*ζ「よくはわからないですけど、別に私達は天国に行きたいとか、そういうことは考えてないです」

ξ゚听)ξ「うん。まだまだこの世で知らないこととかたくさんあるし、まだ天国には興味ないなー」

川 ゚ -゚)「……そうか」

ξ゚听)ξ「クーさんさえ良ければ、もっと他の料理も教えてもらいたいんですけど、ダメですか?」

川 ゚ -゚)「いや、私は別に構わないよ」

ζ(゚ー゚*ζ「なら、お願いします! 私達、もっといろんな料理を作れるようになりたいんです!」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:37:43.57 ID:GMME+NqN0
私は正直、悩みました。きっと、彼女達にとってこの場に長く留まることはよくないことなのでしょう。
この世に留まる霊とは、何かしらの未練があってあの世へと行けない者達である、と話に聞いたことがあります。
このままずるずるとここに居続けると、彼女達の未練は一層強まるばかり。私にはそう思えてならなかったのです。

ですが

川 ゚ -゚)「じゃあ、今度はハンバーグの作り方でも教えようか」

ξ*゚听)ξ「やったーっ! ハンバーグは私の大好物ー!!」

ζ(゚ー゚*ζ「私もハンバーグ大好きー! お姉ちゃん! ちゃんとおいしく作れるよう頑張ろうね!」

私の口は、そんな考えもお構いなしに、許諾の言葉を紡いでいました。

川 ゚ -゚)

ξ*゚听)ξキャッキャ

ζ(゚ー゚*ζキャッキャ

自分自身の中に潜むエゴに苛まれながら、私は複雑な気分で彼女達のはしゃぐ姿を見つめていました。



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:41:41.65 ID:GMME+NqN0
それからまた、彼女達との日々は続きました。

川 ゚ -゚)「そこはこうやってだな……」

ξ;゚听)ξ「うーん、難しい……」

川 ゚ -゚)「今のうちにこっちの材料を切っておくんだ。時間短縮になる」

ζ(゚ー゚*ζ「なるほどー……メモメモ……」

彼女達の料理の腕の上達はやはり早く、瞬く間に何種類もの料理を覚えてしまいました。
そんな彼女達を見ながら、私は温かい気分に包まれるとともに、どこか暗い影が心の中に射すのを感じずにはいられませんでした。

そして、そんなある日の朝、一人の男が私の館を訪ねてきたのです。



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:45:12.71 ID:GMME+NqN0
川 ゚ -゚)                 !!ンードコドンド|玄関

勢い良く叩かれるノックの音に目を覚ました私は、イライラのあまり「ズームイン!」と
テレビの中の羽鳥アナに向かってノリノリで言い返してしまったことを後悔しつつ、玄関の鍵を開けました。

すると
               ∧   ∧
川 ゚ -゚)     !!ッンタバヽ(ФωФ )

               ∧   ∧
川 ゚ -゚)         ヽ(ФωФ )

そこには猫耳の生えた、いかついおっさんの姿があったのです。
                                              ∧   ∧
「あんた! この家、霊に取り憑かれてるわよ!! 早くお逃げなさい!!」(ФωФ )

川 ゚ -゚)「なんかいろいろとありえない!!」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:50:13.72 ID:GMME+NqN0
顔つきはクッキングパパのように無骨で、
どっからどう見てもおっさんにしか見えないそのネコ耳カマ野郎は、館へと入ってくるなり叫びました。
∧   ∧
( ФωФ)「ほら、早く! 私がすぐ除霊してあげるから、今のうちに!!」

しかし、いきなりそんなことを言われても、名前も知らないこんな怪しいおっさんの言うことを、
はいそうですか、と受け入れる馬鹿がどこにいるのでしょう。
私は、彼を怒らせないよう慎重に言葉を選びつつ、彼に事情を尋ねました。

川 ゚ -゚)「いきなり人の家に上がりこんでその態度はなんだ? 千切られたいのか? 
     その耳をビリビリに引き千切られたいのか? 失せろ」
∧   ∧
( ФωФ)「なーに、悠長なこと言ってんのよ!! 
        超強力な霊能者である私が除霊してあげるって言ってるんだから早くそこをどきなさいよオタンコナス!!」

質問にちゃんと答えてもらえなかったので、私は宣言通り彼の耳を一つ引きちぎりました。

川 ゚ -゚)ノビリッ!!
 ビリッ!! ∧
( ФωФ)「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!」



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:53:19.58 ID:GMME+NqN0
どうやら驚くべきことに、彼のネコ耳はつけ耳などではない、ちゃんと地肌から生えたものだったらしく、
彼はひき千切られた方の耳がついていた部分を手で押さえながら、ごろごろとのた打ち回りました。

川 ゚ -゚)「なんかごめん」
     ∧
(;ФωФ)「何すんのよ、この冷血暴力ヒステリック女!! あー、痛い痛い……これまた生えてくるまでに三日くらいかかるんだからね!!」

耳が再生すると言う事実を聞き、また彼の態度に反省の色が見られなかったため
(決して耳を引きちぎるのが案外気持ちよかったとかそういうわけではない)、
私は次に残った耳の方に手をかけ、これまた思いっきり引き千切ってやりました。

川 ゚ -゚)ノビリッ!!
   ビリッ!!
( ФωФ)「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!」



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:55:27.50 ID:GMME+NqN0
( ФωФ)「もう嫌……私お嫁に行けない」

床へと崩れ落ち、女の子座りのままさめざめ泣くおっさんの姿はどう見ても、狂気の沙汰としか思えませんでした。
そのまま放っておいても話が進まないし、何より見てて吐き気を催しそうだったので、私は彼に除霊とは一体どういうことなのか、尋ねました。

( ФωФ)「どういうことなのかって……この館からすんごい霊気を感じたから来ただけよ。さっきから言ってるけど私は霊能力者なの!
        霊気あるところにこの私、杉浦ロマネスクちゃんあり! と世間ではたまに言われてるわ」

実際、この館には霊がいるわけですから、恐らく彼も嘘っぱちの霊能力者である、というわけではないのでしょう。
ネコ耳が直に生えていたところから見ても人間離れしていますし、きっと彼ならその姿を見せるだけで霊を成仏させるとか
そういうおぞましい能力が備わってるのではないか、と勝手に想像せずにはいられませんでした。

( ФωФ)「で、あんたどうするの? 私は一応警告したわよ」

川 ゚ -゚)「どうするも何も、今まで私はここに住んできたが、特別問題なかった。今更逃げると言うのもおかしな話だ」

(;ФωФ)「え、これだけの霊気に包まれた館に住んでて、なんとも無かったわけ? ……もしかして、あんた幽霊?」

そう言って一歩退くところを見ると、彼がそれ程大した霊能力者ではないようにも思えました。
私は、その言葉に対し何の感情の色も見せることなく、淡々と答えました。

川 ゚ -゚)「私自身は幽霊ではない。ただ、お前と同じように幽霊が見える体質を持っているだけだ」

( ФωФ)「あ、あら、あんたも同業者だったのね。なら、納得だわ」

川 ゚ -゚)「別に職業にした覚えはない。単なる体質だよ」



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/23(日) 23:57:42.02 ID:GMME+NqN0
( ФωФ)「じゃあ、私の出る幕は初めから無かったってわけね。そっか、それならいいわ」

私が彼と同じような体質であることを知ると、元猫耳おっさんはけろっとした顔で言いました。
そして、再び玄関の扉を押し開き、彼が外へと出ようとした瞬間、私は彼を呼び止めていました。

川 ゚ -゚)「待ってくれ!」

( ФωФ)「え?」

ドアノブに手をかけたまま、こちらを振り向くおっさん。
私は一つだけ気になることを聞いてから、彼に頼みごとをしようと考えたのです。

川 ゚ -゚)「除霊と言うのは、幽霊を成仏させ、天国へ送る、という解釈でいいのか?」

( ФωФ)「んー、まぁそうね。その霊の未練があまりに強すぎた場合、うまくいかないときもたまにあるけど」

川 ゚ -゚)「そうか」

( ФωФ)「それがどうかした?」

川 ゚ -゚)

( ФωФ)

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「一つだけ」

川 ゚ -゚)「頼みたいことがある」



59: ◆EZjDEPVNl6 :2009/08/24(月) 00:00:22.49 ID:Z2MsJrzC0
ξ;゚听)ξ

ζ(゚ー゚;ζ

( ФωФ)

川 ゚ -゚)

私は彼をキッチンまで連れてくると、いつものように料理の準備をしていたツンとデレと彼を対面させました。
彼のウラガンキンのようにゴツゴツとした顔つきに彼女達が怯えているように思えましたが、
今ここで整形手術を執り行うというわけにもいかないので、そこは仕方なく、我慢してもらうことにしました。

ξ;゚听)ξ

ζ(゚ー゚;ζ

( ФωФ)「あらあらぁー、可愛らしいお嬢ちゃん達じゃなぁーい? こんにちはぁー。私、杉浦ロマネスクって言うの。よろしくね」

☆( ゝωФ)vキャピッ

ξ;゚听)ξヒィィッ!!

ζ(゚ー゚;ζヒィィッ!!

!!ッンフ川#゚ -゚)=つ)ωФ)ギャアアア!!



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:03:24.99 ID:Z2MsJrzC0
(;TωФ)「右目がーー!! 右目が見えないー!! ひーーーーん!!」

彼は私に潰された右目を押さえながら、悶え苦しんでいましたが、同情の気持ちはこれっぽっちも生まれてきませんでした。
無垢な少女達の心を傷つけた罪が、これくらいで償えたことにむしろ感謝してもらいたいくらいだ、とそういう気持ちでいっぱいです。

ξ;゚听)ξ「ねぇ、クーさん。この人、凄い痛がってるみたいだけど……大丈夫なの?」

川 ゚ -゚)「ああ、心配いらない。この人はどちらかと言えば痛い方が好きなタチらしいから、むしろこれは喜んでると見ていいんだよ」

ζ(゚ー゚;ζ「……大人って、いろんな人がいるんだなー」

しばらく苦しんでいたおっさんが回復した頃合を見計らって、私は彼女達に事情を説明しました。

(;TωФ)「うぅぅぅ……今日はもう散々だわ……。早く家に帰って牛乳プリンが食べたい」

川 ゚ -゚)「実はね、今日この変なおっさんを連れてきたのには理由があるんだ」

ξ;゚听)ξ「でしょうね……理由なく連れてこようと思えるような人には見えませんから」

ζ(゚ー゚;ζ「もしかして、その人が料理の達人とかで、私達にすっごい料理を教えてくれるとか……?」

川 ゚ -゚)「いや、違う」

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「このおっさんに君達を成仏させてもらおうと思って、つれてきたんだ」



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:06:25.04 ID:Z2MsJrzC0
ξ゚听)ξ「え?」ζ(゚ー゚*ζ

私の一言に二人の表情が即座に固まりました。
しかし、それでも私は続けます。

川 ゚ -゚)「別に君達が邪魔になったとかそういうわけではないんだ」

ξ;゚听)ξ「じゃ、じゃあ、どうしてですか? 私達が邪魔になったんじゃないんなら……どうして」

川 ゚ -゚)「これ以上、ここに留まり続けることは君達にとって良くないことだと、私が思ったからだ」

ζ(゚ー゚;ζ「良くないこと……って、私達は好きでここにいるんですよ?」

川 ゚ -゚)「そうだとしても、だ。幽霊とは本来この世に残っていてはいけないものだと、君達自身もわかってはいるだろう?」

ξ;゚听)ξ

ζ(゚ー゚;ζ

彼女達は、何も言えなくなりました。
自分の意見ではなく、正論で彼女達をねじ伏せた自分が酷く卑怯な人間のように思えて、ちくりと心に刺すような痛みが走りました。

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「じゃあ、頼む」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:09:43.03 ID:Z2MsJrzC0
( ФωФ)「本当にいいの? こういう小さい子を無理に除霊するっていうのはあんまり気が進まないんだけど」

川 ゚ -゚)「自ら成仏しようとしない霊を成仏させるからこその除霊じゃないのか」

( ФωФ)「まぁ……そうなんだけどさ」

ξ;゚听)ξ

ζ(゚ー゚;ζ

( ФωФ)「……じゃ、悪いけど始めさせてもらうわよ」

そう言って、おっさんはおもむろに懐からマラカスを取り出すと、何やら呪文のようなものを唱え始めました。

カャシカャシФ( ФωФ)Фシャカシャカ

ξ;゚听)ξ

ζ(゚ー゚;ζ

川 ゚ -゚)

カャシカャシФ( ФωФ)Фシャカシャカ「はっ!」

カャシカャシФ( ФωФ)Фシャカシャカ「ちんぽそいや!!」

カャシカャシФ( ФωФ)Фシャカシャカ「ちんぽちんぽそいや! ちんぽちんp」

!!ッァヌンフ川#゚ -゚)=つ)ωФ)ギャアアアア!!



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:13:18.58 ID:Z2MsJrzC0
(;TωФ)「目が痛いいぃぃぃぃ!! 見えない!!! ひーーーーーん!!!」

川 ゚ -゚)「次は……抉り取る。必ずだ……次は必ずお前の目玉を抉りとってやる……」

ξ;゚听)ξヒィィィ!!

ζ(゚ー゚;ζヒィィィ!!

(;TωФ)「しょうがないじゃない!! これも除霊の儀式の内なんだから!!」

川 ゚ -゚)「もっと他のにしろ。それは許さん。断じて許さん。抉り取るぞ」

(;TωФ)「ひーーーーん!! 分かったわよぅ!! 違うのにすればいいんでしょ! 違うのに!!」

おっさんはその後も「せっかく私のお気に入りだったのに……」とか「この冷血暴力ヒステリックグラマー女……」などとぶつくさ言っていましたが
私がケツを一蹴りしてやると「あひーん!!」といい声で鳴き、それからは素直に私の指示に従うようになりました。

(;TωФ)「じゃ、じゃあ、今度こそ行くわよ」

川 ゚ -゚)「早くしろ、変態」

ξ;゚听)ξ

ζ(゚ー゚;ζ

除霊される寸前、彼女達が私に向けていた視線には、恐怖の色が含まれていたように思います。
きっと、私がおっさんに対してした酷い仕打ちを見て、私が実は怖い人間だということに気付いてしまったのでしょう。
でも、いいのです。もう私達は二度と会うことはないのですから、それでいいのです。

天国へと昇っていくまで、結局、彼女達は私に一言も言葉をかけてはくれませんでした。



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:15:38.92 ID:Z2MsJrzC0
川 ; -;)

その夜、私は自室の隅で一人泣きました。
こんなに泣いたのは赤ん坊の時以来だといっても過言ではないほどの大泣きでした。

私はちゃんと正しい選択肢を選ぶことが出来たのでしょうか。
ちゃんと彼女達のためになる選択肢を選ぶことが出来たのでしょうか。
その人が正解の持ち主ではないとしても、そう誰かに聞かずにはいられませんでした。

あのおっさんは言いました。

( ФωФ)『確かに、あの子達のためになると言う点から言えば、あなたのとった選択はある面では正しいと思うわ』

( ФωФ)『でも、時にはそういった正論よりも、選ぶべき選択肢があると思うの』

( ФωФ)『ま、結局選択肢は選択肢。選べるのは一つしかないのだから、そうやって自分の選択を後悔するよりも
        自分の選んだ選択が正しかったんだ、と信じきってしまった方が精神衛生上は良いと思うけどね』

川 ; -;)

後悔は人をネガティヴにする、という言葉もどこかで聞いたことがあります。
それは全くその通りで、私は今自分の選択を後悔しながら、こうして小さな子供のように泣き腫らしているのです。
頭ではわかっていても心は思うように動いてくれないものなのです。

抑えても抑えても、後悔の念はひび割れた心の隙間から次々噴き出してくるばかりでした。



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:18:10.29 ID:Z2MsJrzC0
思えば、私は小さな頃からあまり泣くような人間ではありませんでした。
と言うのも、自分には昔から友達と呼べるものがほとんどおらず、独りぼっちだったからなのです。

ノパ听)『おーい、みんなー!! ドッジボールしようぜー!!』

(,,゚Д゚)『おお、いいねー!! やろうぜやろうぜ!』

(*゚ー゚)『私もやるー!』

川 ゚ -゚)

自分のこの特殊な体質は生まれついてのものでした。
ですから、まだ幼かった自分には、それがどういう能力で、
今自分の目に写っているものがどういうものなのか、しっかりとは理解できていませんでした。

そのため、この体質が原因で他人から白い目で見られたり、気味悪がられたりするということは、
割と日常茶飯事のことだったのです。

( ・∀・)『……おい、またクーが変なとこ眺めてるぜ』

(・∀ ・)『うわ、こわっ……あそこ近づかない方がいいんじゃね? なんかいそうだぜ、幽霊とか』

川 ゚ -゚)

否応なしに孤立していく自分の境遇に慣れるため、私は次第に孤独を愛さざるを得なくなっていきました。



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:20:27.25 ID:Z2MsJrzC0
生まれつき、独りきりでいることは好きな方だったので、特に苦痛は感じませんでした。
それに、独りきりとはいっても、周りにはちょくちょくこの世の者ではない者が現れます。

見た目だけでは、生きている者とさほど変わらない者が多いため、
それ程自分が孤独であることを意識せずにすんだ、というのも関係あるのかもしれません。

私は、生来、孤独を愛してきたのです。

川 ; -;)

ですが、今回のことをきっかけに私は気付いてしまいました。
私は孤独を愛しているのと同様に、他人との交流もまたそれと同じくらい愛していたのです。

孤独を愛している人間は皆、他人との交流を嫌う、などと誰が決めたのでしょう。
孤独を愛する人間が他人との交流を望むことの何がいけないと言うのでしょう。
人間なんて矛盾の塊のような生き物です。心の内に相反する欲求が同時に存在することなど、いくらでもありえます。

私は、彼女達ともっと話したかった。彼女達ともっと触れ合っていたかった。

この館へと移り住んできたのも、きっかけこそ両親が不慮の事故で亡くなってしまい、
二人が私に残してくれた遺産が予想以上に膨大なものであったということで、この館を買い取ることが出来た、
そういうわけではありましたが、結局、私は自らの心の内に潜む矛盾から目を逸らしたかっただけに過ぎなかったのでしょう。

それなのに

川 ; -;)

自ら孤独へと逃げ込んだ先で、こうしてその矛盾を突きつけられてしまうとは、何とも皮肉なものです。
他人との交流は、いとも容易く私の心にヒビを入れました。そのヒビが大きくならない内に、他人との接触を絶つ。
それしか、私に出来ることはなかったのです。



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:23:16.68 ID:Z2MsJrzC0
ξ゚听)ξ

ζ(゚ー゚*ζ

正論と言う名の皮を被ったエゴで、私は二人を自分の下から遠ざけました。
表向きでは彼女達のためと言いつつも、結局私は自分のために、彼女達を除霊してもらえるよう頼んだに過ぎなかったのです。
そして、今、それが本当は、自分のためにすらなっていないということに気付き、私は吐き気を催す程の後悔に襲われているのです。

川 ; -;)「でも……これが二人のためでもあるんだ」

選択肢を選んでしまった今となっては、そう自分に言い聞かせるしかありません。

川 ; -;)

川 つ-;)ゴシゴシ

川 つ-⊂)ゴシゴシ

川 つ-⊂)

川 つ-゚)

川 ゚ -゚)

この日は、他の連中も空気を察したのか、風呂場からの掛け声もトイレからの叫び声も何も聞こえませんでした。
私はいつものようにベッドに潜り、いつものように静かに眠りに就きました。



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:25:37.11 ID:Z2MsJrzC0
翌朝、目を覚まし、キッチンへと向かうと

ζ(゚ー゚*ζ「お姉ちゃん、ボウル出して」

ξ゚听)ξ「はいはい、今出しますよ、っと」

川 ゚ -゚)

そこには何故か、昨日いなくなったはずの二人の姿がありました。

ζ(゚ー゚;ζ「ありがと……あっ……」

ξ;゚听)ξ「ん?……あ」

川 ゚ -゚)

私は我が目を疑いました。何か言おうと口を動かそうとはしてみるのですが、驚きでうまく言葉が紡げません。
そうして、沈黙を保ったまま固まっていると、デレがおずおずと口を開きました。

ζ(゚ー゚;ζ「……ごめんなさい……戻ってきちゃいました」

川 ゚ -゚)

ξ;゚听)ξ「あの、違うの!! 別に私達が無理矢理戻ってきたわけじゃないの!」

ζ(゚ー゚;ζ「そ、そう! あの後、ふわーって空高く浮かんだ後、結局私達落ちてきちゃったの!!」

川;゚ -゚)「は? 落ちて……きた?」

彼女達の話によると、あの除霊の後、こういった一部始終があったらしいのです。



77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:29:36.28 ID:Z2MsJrzC0
〜天国へと向かい上昇中【高度3000メートル】〜

ξ;゚听)ξグングン「ねぇ、デレ……これいつまで昇り続けるのかしら」

ζ(゚ー゚;ζグングン「さぁ? 天国なんて行ったこと無いから、分かんないよ」

ξ;゚听)ξグングン「落ちることはないとは言え、ここまで高いとちょっと怖いわね」

ζ(゚ー゚;ζグングン「そうだねー、スカイダイビングとかは、こういうところから飛び降りるんだよね。怖いなー」

ξ;゚听)ξピタッ「あ、あれ、止まった?」

ζ(゚ー゚;ζピタッ「あ、本当だ。もしかして、着いたのかな」

ξ;゚听)ξ「え、でもここまだ空しか見えないよ? さすがにそれはないんじゃない?」

ζ(゚ー゚;ζ「確かにそうだね……じゃあ一体なんでこんなところで?」

ξ;゚听)ξヒュ

ζ(゚ー゚;ζヒュ

ξ;゚听)ξヒュゥ「え」

ζ(゚ー゚;ζヒュゥ「え」

ξ;゚听)ξヒュゥゥ「ちょ、ちょっと! デレ!! これってもしかして落ちてるんじゃないの!!」

ζ(゚ー゚;ζヒュゥゥ「もしかしなくても落ちてるよお姉ちゃん!! なんで!? 天国行き過ぎちゃったって事!?」

ξ;゚听)ξヒュゥゥゥ「でも私達ちゃんと周り見てたじゃない! 天国っぽいとこなんて途中で見えたりした!?」

ζ(゚ー゚;ζヒュゥゥゥ「ううん、全然!! 飛行機とか雲とか鳥とかそういうのしか見えなかったよ!!」

ξ;゚听)ξヒュゥゥゥゥ「じゃあ、何でよ! なんで私達落ちちゃってるのよ!!」

ζ(゚ー゚;ζヒュゥゥゥゥ「私に聞かれたって分からないよ!!」

ξ;゚听)ξヒュゥゥゥゥゥ「ああー、もう駄目ー!!」

ζ(゚ー゚;ζヒュゥゥゥゥゥ「お姉ちゃーん!!」

!!ゥゥゥゥゥゥュヒξ;><)ξ「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」ζ(>ー<;ζヒュゥゥゥゥゥゥ!!

――――――

――――

――



83: ◆EZjDEPVNl6 :2009/08/24(月) 00:37:21.28 ID:2VV+zdy00
ξ;゚听)ξ「――とまぁ、そんなわけだったんです」

川;゚ -゚)

ζ(゚ー゚;ζ「だから、別に私達が無理矢理戻ってきたとかそういうわけじゃないんです」

川;゚ -゚)

彼女達の話を聞き、私の脳裏にふとあのおっさんの台詞が過ぎりました。

( ФωФ)『んー、まぁそうね。その霊の未練があまりに強すぎた場合、うまくいかないときもたまにあるけど』

川;゚ -゚)

ξ;゚听)ξ

ζ(゚ー゚;ζ

川;゚ -゚)「君達の未練が強すぎた……それが原因かもしれない」

ξ;゚听)ξ「え!」

ζ(゚ー゚;ζ「未練?」

川;゚ -゚)「いや、もしかしたら単純にあのおっさんの能力がお粗末だったせいかもしれない。
      というか私にはそう思えてならない」

ξ;゚听)ξ「えー……」ζ(゚ー゚;ζ



84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:40:22.48 ID:2VV+zdy00
と、考えてみたところで、とどのつまり、どういった理由で彼女達がここへと戻ってきたのかはわからないのです。
それよりも今大切なのは、彼女達がここにいるという事実。
私は胸に湧き上がる嬉しさを無理矢理押さえつけ、努めて冷静に彼女達に向かって話しかけました。

川 ゚ -゚)「……まぁ、理由は何であれ、君達はまたここへと戻ってきてしまったわけだ」

ξ;゚听)ξ

ζ(゚ー゚;ζ

川 ゚ -゚)「しょうがない。とりあえず、もう一度あのおっさんを呼んで、話を聞いてみるとしようか」

ξ;゚听)ξ「あ、あの、クーさん!!」

川 ゚ -゚)「ん、なんだ?」

ζ(゚ー゚;ζ「私達、まだここにいたいんですけど、ダメですか!?」



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:43:21.85 ID:2VV+zdy00
デレの言葉に、私の胸がどくん、と疼くのを感じました。
しかし、それでも私は、冷静さを欠くことなく話を続けます。

川 ゚ -゚)「だから、昨日も言ったように、それは君達のためにならないと」

ξ;゚听)ξ「私達のためになるかどうかなんて、私達が決めることです!!」

川;゚ -゚)「言って……」

ガン、と頭を強く殴られたような衝撃が私を襲いました。
ツンの言葉が頭の中で反響し、何度も何度も私の心に響いてくるのです。

ζ(゚ー゚;ζ「あの時は咄嗟のことだったから何もいえなかったけど、あの後、私達考えたんです! 
       正論なんてその人その人一人一人にあるものです! 人から見たらどんなに馬鹿な選択肢でも
       自分自身がそれを正しいと思ったのなら、それはその人にとっての正解だと私は思うんです!!」

川;゚ -゚)

ξ;゚听)ξ「私達はまだクーさんといっしょにいたいんです!」

ζ(゚ー゚;ζ「クーさんといっしょにお料理したり、お話したり、まだまだしたいことがいっぱいあるんです!」

ξ;゚听)ξ「それがもし未練として私達の中に残ってて、
       それが原因で天国へ行けないんだったら、どのみち天国にはいけないじゃないですか!!」

ζ(゚ー゚;ζ「だったら、もうしばらくここにいて、それから天国へ行ったっていいと思いませんか!?」

ξ;゚听)ξ「ねぇ、クーさん!!」ζ(゚ー゚;ζ



89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:46:31.03 ID:2VV+zdy00
川;゚ -゚)

追い討ちをかけるように、続けざまに放たれる彼女達の言葉が、次々私の心に突き刺さっていきました。
それと同時に昨日おっさんが言っていたあの言葉がまた、フラッシュバックしました。

( ФωФ)『確かに、あの子達のためになると言う点から言えば、あなたのとった選択は正しいと思うわ』

( ФωФ)『でも、時にはそういった正論よりも、選ぶべき選択肢があると思うの』

川;゚ -゚)

私は間違っていません。

そして

ξ;゚听)ξζ(゚ー゚;ζ

彼女達もまた間違ってはいないのです。

川;゚ -゚)

私は悩みました。今、一番優先すべきなのは何なのか。



91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:50:16.67 ID:2VV+zdy00
ξ;゚听)ξζ(゚ー゚;ζ

それは、彼女達のためを思って放たれる正論か。

川;゚ -゚)

それは、私の心の中の矛盾から目を逸らすための逃げ道か。

それとも、

川;゚ -゚)

ξ;゚听)ξ

ζ(゚ー゚;ζ

川 ゚ -゚)

川 -_-)

川 ゚ -゚)

ξ;゚听)ξ

ζ(゚ー゚;ζ

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「私も……だ」



93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:53:10.90 ID:2VV+zdy00
ξ゚听)ξ「えっ?」

川 ゚ -゚)「私も、君達ともっと話したい。もっと触れ合いたい」

ζ(゚ー゚*ζ「……ということは」

川 ゚ -゚)「君たちが良ければ、もうしばらくの間、私と一緒にいてはもらえないだろうか」

ξ*゚听)ξ

ζ(゚ー゚*ζ

川 ゚ ー゚)

ξ*゚听)ξ

ζ(゚ー゚*ζ

ξ*><)ξ「やったーーーーーーーーーーーー!!!」ζ(>ー<*ζ



94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:55:20.87 ID:2VV+zdy00
悩んだ末に私が選んだのは、私の正論でした。
私自身の素直な欲求に従った結果出た、私自身の持つ正論でした。

私は、彼女達ともっと話したかった。彼女達ともっと触れ合っていたかった。

だから、私は彼女達とまたしばらくの間、一緒にいることを選んだのです。

ξ*゚听)ξ「ねぇねぇ、クーさん。じゃあ明日からは何を教えてくれるの?」

ζ(゚ー゚*ζ「私、今度は甘いものが食べたいな!」

川 ゚ ー゚)「そうだな、じゃあ次はケーキなんてどうだろう」

ξ*゚听)ξ「ケーキ!? やったー、またしても私の大好物!!」

ζ(゚ー゚*ζ「ケーキなんて食べるのいつぶりだろう……わくわく」

私はもう自分の心の中に潜む矛盾から目を逸らすのはやめました。
私の心に入ったヒビは、彼女達との関係を失うことを恐れた心の弱さが生んだもの。
失うことを恐れていては何も得ることは出来ない、とどこかの誰かも言っていたような気がします。

ξ*゚听)ξキャッキャ

ζ(゚ー゚*ζキャッキャ

川 ゚ ー゚)

今なら自分の中の矛盾すら愛せる、そう思えてならないほど、私の心の中は実に爽快な気分に包まれていました。



97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:57:38.57 ID:2VV+zdy00
とまぁ、ここまでが二週間程前の出来事だったのですが、
つい一週間程前から彼女達も含めたこの館に住む霊達全員が全く姿を見せなくなってしまったのです。

初めは私の能力がなくなってしまったのかとも思いましたが、館から外に出てそこら辺を歩いていると、
全裸の状態で息子をおったてたまま、普通に街中を歩いているにも関わらず、
誰にも咎められない変態野郎の姿が目に留まったので恐らくそれはないでしょう。

川 ゚ -゚)

となると、この館に住む霊達全員が皆一斉に成仏してしまったか、
もしくはどこか違うところへと移ってしまったのかどちらかである可能性が非常に高くなります。

川 ; -;)

私はそのことを考え、ここ一週間寝る前は必ずといっていいほど大泣きするようになってしまいました。
あの日以来、私の涙腺は大分緩くなっているように感じます。



99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 00:59:59.23 ID:2VV+zdy00
そして、一晩中泣き腫らしてはそのまま眠りに就くと言う生活を続けて七日目の朝。

川 ゚ -゚)

私がいつものようにキッチンへと向かうと

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)               !!ィョシ>

川 ゚ -゚)             !!ィョシッワ>

川 ゚ -゚)        !!ィョシッワ !!ィョシッワ>

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「なんかデジャヴを感じる!!」



100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 01:02:23.58 ID:2VV+zdy00
私はその声の出所を確かめるため、急いでキッチンの中へと入りました。
すると
                                                ∧   ∧
(*゚∋゚)(*゚д゚ )ξ*゚听)ξ「「「クーさん、お誕生日おめでとー!!」」」ζ(゚ー゚*ζ(ФωФ*)(´∀`*)
  パァーン!!パンパンパン!!ドンパンドンパン!! 川;゚ -゚) !ンパンドンパンド!!ンパンパンパ!!ンーァパ

慌てたように走りこんできた私を出迎えてくれたのは、盛大なクラッカーの音と、みんなの温かい歓迎でした。

川;゚ -゚)「な、なんだこれは! 一体、何が……」

ξ*゚听)ξ「えっへへー、どう? 驚いた?」

ζ(゚ー゚*ζ「このために私達、一週間も準備したんだから、驚いてもらわないと困るよ!」

川;゚ -゚)「何? 準備? 準備って……」

見ると、食卓の上には色とりどりの料理達が並べられていました。
オムライス、ハンバーグ、スパゲッティ、ピザにサラダにカレーライス、それに大きなホール型のバースデーケーキ。
それらは紛れもなく、私がこれまで彼女たちに教えてきた料理の数々でした。



102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 01:04:35.25 ID:2VV+zdy00
ξ*゚听)ξ「ほら、この前、ケーキを作った時に、クーさん、自分の誕生日を私達に教えてくれたでしょう?」

川;゚ -゚)「あ、ああ、そういえば」

確かに、ケーキを作ってる際、誕生日の話題になり、私は彼女達に自分の誕生日を教えていました。
しかし、それは別にこうして祝ってもらえることを期待して言ったのではありません。
ですから、私自身すっかりそのことを忘れていて、こうして驚きに心を震わせているのです。

ζ(゚ー゚*ζ「流石に私達二人でこれ全部作るのは大変だったから、ロマネスクさんに手伝ってもらったりもしたんだけどね」
∧   ∧
(*ФωФ)「うふふ、びっくりしたぁー? それはそうよね。館の中からすっかり幽霊の気配がなくなってたんだから
        きっと一週間くらい前からずーっとそわそわしておちつかなかったんじゃないかしら、とぅふふ」

除霊に失敗したことを詫びる様子もなく、平然とそう言ってのける復活猫耳カマ野郎に対し、一時は殺意すら湧きましたが、
よくよく考えるとこうして彼女達とまたいっしょに暮らせるのも一応はこいつのおかげだということに気付いたので、
何とか自分を抑えることが出来ました。

(*゚д゚ )「ふひひ! 実は僕もひっそりと力を貸してたんですよぉ!?
     いやぁー、それにしてもツンちゃんもデレちゃんもかわいいデシねー! こうして眺めているだけでうひh」

純粋無垢な少女達の前でこんな変態的な台詞を吐いたこの豚糞野郎に対しても、一時は殺意すら湧きましたが、
よくよく考えてみるまでもなく、こいつからは何の恩も受けていないことは明々白々だったので、
私はこいつの股間を思いっきり蹴り上げてやった後、トイレに閉じ込めた上で、
扉の外におっさんからもらった悪霊用のお札を貼った西洋の鎧を置き、封印してやることにしました。



106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 01:07:21.22 ID:2VV+zdy00
(*´∀`)「そーれ、今日はお祝いだー! わっしょい!! わっしょい!!」

(*゚∋゚)「皆、いつにも増して声を張れー!! わっしょい!! わっしょい!!」

ワサワサ(´・ω(*゚Д゚)「よっしゃ! 今日はお祝いっすよ!! わっしょい!! わっしょい!! あっ……」

私の誕生日祝いのために、お御輿野郎共も大張り切りで見えない御輿を担いでいます。

川 ゚ -゚)

川 ゚ ー゚)

今までここに住んできて、食卓がこれほどまでの賑やかさに包まれたことは今までありませんでした。
いや、ここに移り住んでからだけでなく、今まで生きてきた中でも、これほどまでの賑やかさに包まれたことはなかったかもしれません。

ξ*゚听)ξ「さ、クーさん食べよう!! 一杯あるからいくら食べても大丈夫だよ!!」

川 ゚ ー゚)「ああ、そうだな。今日はもう嫌って言うほど食べるとしよう」
∧   ∧
(*ФωФ)「このピザとか私が作ったのよ。どんどん食べてね!!」

ζ(゚ー゚*ζ「ロマネスクさんの料理、とーってもおいしいんですよ。どうぞ、食べてみてください!」



109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/08/24(月) 01:09:42.18 ID:2VV+zdy00
(*´∀`)ワッショイ!! ワッショイ!!

(*゚∋゚)ワッショイ!! ワッショイ!!

ワサワサ(´・ω(*゚Д゚)ワッショアッ!! ワッショアーッ!!

<チョ! ダカラヤメロ!! ソウイウノヤメロー!! ヤァメェロォッテー!!
∧   ∧
(*ФωФ)トゥフフ

ξ*゚听)ξキャッキャ

ζ(゚ー゚*ζキャッキャ

川 ゚ ー゚)

辺りを見回し、私は自分が他人との交流の中に身を置いていることを再度確認しました。
しかし、私の中にはもう、それを恐れる気持ちなど一切ありません。

今なら私は胸を張って言えます。

川 ゚ ー゚)

私は生来、孤独を愛してきました。
そして、それと同じくらい、私は他人を、他人との交流を愛しています、と。



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