嫌われ( ^ν^)の一生のようです
- 1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 22:32:56.74 ID:4K8bIK3V0
- 僕のお兄さんは幻にとりつかれ
- 個性を主張して革命を叫んだ
- 夢見たものたちはその分叩かれた
- 理想を持つものは厳しく裁かれた
- 僕らはそれを見てきたから失敗は繰り返さない
- かしこい僕たちは楽しい人生を送ろう
- 僕のお姉さんはきれいごとに騙され
- いつでも正直でまじめにやってきた
- 他人を恨まずにいつも人を信じて
- 騙され裏切られ損ばっかりしてきた
- 僕らはそれを見てきたから誰も信じてはいない
- かしこい僕たちは愉快な人生を送ろう
- かしこい僕たちは涙なんて知らない
- かしこい僕たちは空っぽに生きてゆく
- おくにのためなんてどうでもいいんだ
- 社会のためなんてどうでもいいんだ
- 誰かのためなんてどうでもいいんだ
- 自分が良ければどうでもいいんだ
- 僕らはどうでもいいことで悩み込んだりしたくない
- かしこい僕たちは陽気な人生を送ろう
- かしこい僕たちは涙なんて知らない
- かしこい僕たちは空っぽに生きてゆく
- かしこい僕たちは涙なんて知らない
- かしこい僕たちは空っぽに生きてゆく
- かしこい僕たちは涙なんて知らない
- かしこい僕たちは空っぽに生きてゆく
- 〜真島昌利 『賢い僕達』より〜
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 22:33:54.91 ID:4K8bIK3V0
- 始めに断っておきますが、( ^ν^)は無能ではありません
- 頭は悪くないし、常識も知っています
- ただ、愛が欠けているだけなのです
- それは思考が鈍いだとか、顔が醜いだとか、五体満足でないことより、ずっと哀しくて残酷な欠陥だと思います
- それでは、愉快で孤独な( ^ν^)の人生を追ってみましょう
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 22:34:36.85 ID:4K8bIK3V0
- ◇◆◇◆◇◆◇
- (*^ν^*)「おぎゃあ! おぎゃあ!」
- 新しい命が元気一杯の産声をあげました。産まれたての真っ白な( ^ν^)です
- ( ^ω^)「ツン、良く頑張ったお。とっても可愛らしい男の子だお!」
- ξ゚听)ξ「ホントね。…こんにちは、私達の赤ちゃん」
- そこには幸せしかありませんでした
- この夫婦は疑ってすらありません
- この子が元気に育ってくれることを
- 休日には親子でキャッチボールをしたり、遊園地や海水浴に出かけて思い出を積み重ねていくことを
- 思春期にはちょっぴり親に反抗したり、好きな女の子ができて戸惑ったりすることを
- そして、立派に自立して、老いた自分達より大きな人間になってくれることを
- 高望みをしている訳ではありません。なぜなこの夫婦が、いや『大人』なら当たり前にこなしてきたことだから
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 22:35:23.81 ID:4K8bIK3V0
- ( ^ω^)「ニュッ! 今日はいい天気だお、公園でキャッチボールでもするお!」
- ( ^ν^)「お腹痛い」
- (;^ω^)「そ、そうか、残念だお」
- ( ^ν^)(ゲームやってたほうがいいっつーのバーカwwww)
- ピコピコピコ…イマノアンタガイチバンミニクイゼ!
- ( ^ν^)「サガ2面白れぇwwww」
- ξ#゚听)ξ「ニュッ! ゲームばっかしてちゃ駄目でしょ!」
- ( ^ν^)「…宿題はもう済ませたよ」
- ξ;゚听)ξ「そんなことを言ってるんじゃ…もっと外にでかけたり、友達と遊んだりとか…」
- ( ^ν^)「(うぜぇ) 成績表見せたでしょ? だいたいの科目が4〜5だし体育も悪くない」
- ( ^ν^)「オマケに視力は1・5wwwwゲームしても問題無し! はい論破wwwwwwww」
- ξ;゚听)ξ「……」
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 22:36:33.20 ID:4K8bIK3V0
- ( ^ν^)は物心がついた時から打算と欲求のみで生きてきました
- 親は衣食住を提供するもの
- 学校は嫌々ながら通わなきゃいけない義務
- 友達なんていません
- いじめだとか、うざったい両親や教師にゴチャゴチャ言われないために『仲間』を作っているだけです
- 『仲間』とはただの集まりです
- それは少し、異質で湿った関係です
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 22:42:45.60 ID:4K8bIK3V0
- (;´・ω・`)「ああっ! 僕のお弁当にウンコが! 一体誰が!?」
- ( ^ν^) ニタニタ
- <ヽ`∀´> ニヤニヤ
- ( ・∀・) ヘヘヘ
- ( ^ν^)は自分のグループを作りました
- ヤンチャなグループのようにエネルギーを使わず、優等生が仕切るグループ特有の正義感もない人種、いわゆるオタク気味の人間を集める
- そして無力でおとなしい人間をいじめることによって結束を強めるのです
- これで学校内の地位は確保されました
- (*^ν^)「はぁぁぁぁ…メシウマだぜ!!!!」
- 同時にこれは、( ^ν^)にとって極上の喜びとなったのです
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 22:45:40.92 ID:4K8bIK3V0
- ( ^ν^)「だから僕はやってませんってば先生。犯人はニダーがモララーじゃないですかぁ?」
- ( ´_ゝ`)「…あくまでシラを切るか」
- ( ^ν^)「証拠はあるんですかぁ? しょ・う・こ!」
- ( ^ν^)は自分を守る術に長けています
- しっぺ返しを食らうような事は決してしません
- ( ´_ゝ`) 「なぁ、ニュッ。大人はな、そういう小細工なんか全部見抜いてるんだ。世の中、お前が思っているような甘いもんじゃないぞ」
- ( ^ν^)(この俺様に説教だと)
- (#^ν^)(復讐リストに追加だ!)
- 忠告は何度も受けてきました
- 「このままではいけない」と
- しかし( ^ν^)はハイハイと頷くだけで、最後まで理解することはできませんでした
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 22:47:24.82 ID:4K8bIK3V0
- ピコピコピコ…ア、アリノママイマオコッタコトヲ(ry
- ( ^ν^)「サガ3微妙すぎるwwww」
- プルルルル…プルルルル…ガチャ
- ξ゚听)ξ「はい、内藤です。…えっ! そんな、お気の毒に…分かりました。息子に伝えます」
- ξ;゚听)ξ「ニュッ! 兄者先生がお亡くなりになったそうよ。交通事故に遭われたって…」
- ( ^ν^)(ざまぁぁぁぁwwwww)
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 22:51:59.64 ID:4K8bIK3V0
- ( ^ν^)「奴の汚ねぇ死体でも見にいくか。ションベンぶちまけてやるwwww」
- ( ^ν^)は本当に、心から喜んでいました
- ただ復讐ができなかったのは残念だ、せめて遺族に嫌な思いをさせてやろう。もちろん捕まらない範囲で
- そんなことをずっと考えながらお通夜に向かいます
- ( ‐_ゝ‐)「……」
- ( ,,;Д;) 「うおー先生! 起きてくれよ!」
- ( ^ν^)(起きる訳ねーだろバーカwwww)
- 川 ; -;) 「先生…どうして…」
- ( ^ν^)(マヌケだからさ! いや、俺様に逆らったからだな。天罰だ天罰!)
- ( ^ν^)は緩む頬をなんとか引き締め、なんとかばれないよう嫌がらせができないか辺りを見渡します
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 22:54:00.95 ID:4K8bIK3V0
- ( ^ν^)「まずはニダーでも使っ…
- <ヽ;∀;>「う、うぐ…せんせぇ…」
- ( ;∀;)「もうショボンのことをいじめたりなんかしません。だから先生、死なないでよぉ!」
- (;^ν^)「え?」
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 23:04:46.24 ID:4K8bIK3V0
- ( ,,゚Д゚)「おれさぁ、いつも乱暴なことばっかしてたんだ。それでも兄者先生は頭ごなしに叱ったりしなかった。ちゃんとおれの話を聞いてくれたんだ」
- 川 ゚ -゚)「わたしは兄者先生に褒められるのが大好きだった。先生、ホントに嬉しそうな顔をしてくれるんだ。おかげで勉強も頑張れたよ」
- (;^ν^)(な、な…)
- (´;ω;`)「ぼ、ぼく、勉強も運動もからきし駄目だけど、毎日先生が遅くまでずっと教えてくれていたんだ。ぼくがいつまでもぐずついてても、決して怒ったりしなかった!」
- (;^ν^)(なにこいつら…)
- ( ^ν^)はなぜクラスの皆が泣いているのか分かりません
- 不良も、優等生も、いじめっ子もいじめられっ子も悲しんでいます
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 23:13:31.49 ID:4K8bIK3V0
- (´<_` )「兄者…アンタ、いい教師だったんだな。見ろよこの子供達を! アンタはきっと幸せだった!」
- (;^ν^)(違う違うあいつは負け犬死ねば何もないいや敗北! 俺の勝ち、俺の勝ち、俺の勝ち!)
- ( ^ν^)は気がついてしまいました。「自分は何かが欠けている」と
- 普通とは違うことに
- 悲しみを感じないことに
- 涙を流せないことに
- ( ^ν^)「…帰ろう」
- モヤモヤとした疎外感に包まれながら、逃げるようにお通夜を後にしました
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 23:28:54.32 ID:4K8bIK3V0
- 「大人は小細工なんか見抜いている」
- ( ^ν^)は中学生になりました。ここから彼は初めて苦しみを味わうことになります
- (;^ν^)「サインコサイン…なんだっけ? 水上痴漢んん?」
- 頭の回転で補う科目が減り、代わりに暗記、即ち努力が重要視されるものが増えました
- (´・ω・`)「わわ、クーさん100点か。相変わらず凄いなぁ」
- 川 ゚ -゚) 「お前もよく頑張ってるじゃないか。それに国語はいつも私が負けている」
- (*´・ω・`)「えへへ、ぼく、絵本作家になりたいんだ。それで子供達に夢を与えるんだ!」
- ( ,,゚Д゚)「おれは教師だ。兄者先生みたいになるんだ!」
- 46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 23:35:47.20 ID:4K8bIK3V0
- 川 ゚ -゚) 「ふふ、私はな…聞いて驚くなよ、国会議員だ!」
- ( ;,,゚Д゚)「すげぇ! さすがクーだな」
- <ヽ`∀´> 「ウリたちは」
- ( ・∀・) 「漫才コンビだ!」
- (;^ν^)(く、くそ。アホどもが夢見やがって)
- 嘲りながら、なんとか明日のテストを楽に切りぬける方法を必死で考える
- ( ^ν^)(やはり机に書き込むのがシンプルでベスト。いざとなったな指を擦って証拠を消せるしな)
- 『未来』は考えられないのです。『今』と『迫りくる明日』しか視界に入らないのです
- 50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 23:42:21.30 ID:4K8bIK3V0
- それでもまだ、かろうじてごまかしは利きました
- ( ^ν^)は学区の中でも中の上クラスの高校に入ることができました
- 「大人は小細工なんか見抜いている」
- もう16歳、成人まで、あと少しです
- 56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/05(土) 23:52:31.86 ID:4K8bIK3V0
- ('A`)「おいニュッ! お前文化祭の手伝いしろよ! 皆やってるんだぜ!?」
- ( ^ν^)「頭痛が痛い」
- (*゚ー゚)「ちゃんとクラスに参加しなさいよ!」
- ( ^ν^)「ムクドリが、いやヒナドリが飛んできて…」
- ミ,,゚Д゚彡「もういいよ、そいつ放っとけ!」
- ( ^ν^)は昔のように仮面を被らなくなりました。高校は地元から離れているし、同級生はそこそこ賢い人間が揃っている。なのでたいしたいじめはないだろう
- 皮肉ではなく( ^ν^)はとてもハッピーでした
- 性欲という新しいおもちゃが増えたから
- 知識が増えたおかげで娯楽や嫌がらせのバリエーションが増えたから
- それ以外は何も変わってはいません。子どもの頃のままです
- 63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 00:03:20.97 ID:VvQzcD710
- 「世の中は甘くない」
- ( ゚ ν゚ )「あぁぁぁぁなぜだ! なぜこの俺様が落ちる!?」
- 大学受験に何度も失敗しました。難関大学はとても無理、せめて私立の上位校ならメンツが立つだろうと背伸びをしているからです
- ξ;゚听)ξ「落ち着いてニュッ!」
- ( ゚ ν゚ )「うるせーババぁgじおえあhふぃうあhふいお」
- バシン
- ξ;゚听)ξ「あうっ!」
- バシンバシン! ドンガラガッシャン!
- ξ;凵G)ξ「うう…」
- ( ^ν^)「ハァ…ハァ…むかつくぜ。俺には息抜きが必要だ、XBOX買ってこいババァ!」
- 68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 00:12:50.58 ID:VvQzcD710
- ^ω^)「……」
- スッ
- (#^ν^)「俺様は受験生だ! 全ては優先され…なんだよおやz
- ドガッ!
- (;゚ ν゚ )「ウゲッ!」
- ( ^ω^)「……」
- ドガッ! ドガッ! バギ!
- (;#ν# )「うぎゃぎぃ!? 痛い、痛い! やめてお父さん!」
- 73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 00:15:27.26 ID:VvQzcD710
- ( ^ω^)「…痛いだけかお」
- (;#ν# )「止めてください! 勉強も頑張ります、二度とお母様に八つ当たりなんかしません! だから…」
- ( ;ω;)「殴るのを、止めてほしいだけなのかお?」
- 80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 00:21:52.47 ID:VvQzcD710
- (;#ν# )「心を入れ替えます…二度としませんから…」
- ( ;ω;)「もう、いいお」
- そういったきり、父親はその場を立ち去りました
- ξ;゚听)ξ「あなた!」
- ( ^ω^)「ツン…」
- ξ;凵G)ξ「あ、あの子を見捨てないで…ホントはいい子なの。カッとなっちゃうだけなの…」
- ( ^ω^)「…どうして、こうなったんだろうなぁ」
- 87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 00:31:06.10 ID:VvQzcD710
- 「世の中は甘くない」
- 何とか中堅私学に合格した( ^ν^)
- 彼の大学生活は…とても楽しいものでした!
- 朝 通学電車にて
- ( ^ν^)(いい具合のメスは…おっいたいた。背後にまわって、と)
- 从;゚∀从「んぁ!?」
- (*^ν^)(チーンチン押し付けぽこちん押し付けwwww)
- 96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 00:36:03.68 ID:VvQzcD710
- 从;゚∀从「こ、この人痴漢…」
- (#゚ ν゚ )「あぁぁ!!!? このガキ俺の財布をスろうとしやがったな!? ちょっと交番までこい!」
- 从;゚∀从「な、な…」
- (#゚ ν゚ )「文句あんのかゴルァァァァ!」
- 从;∀从「ヒッ!」
- ( ^ν^)(ちょろいもんだお)
- 109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 00:43:48.62 ID:VvQzcD710
- 大学にて
- ( ^ν^) シコシコピュッピュッ
- (^ν^)キモチイイ!
- ( ^ν^)「さ、授業にいくか」
- (`・ω・´) 「出席カードを配ります」
- ( ‐ν‐)zzz
- (`・ω・´) 「はい、授業終わり。カードだしてね」
- ( ^ν‐)「んあ、もう90分たったか」
- ( ^ν^)「ちょろいもんだぜwwww」
- 121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 00:50:04.13 ID:VvQzcD710
- 帰宅
- ガチャリ
- ξ゚听)ξ「あ、おかえりなさ…」
- ( ^ν^)カンゼンニムシ
- ドタドタドタ ガチャン
- ξ;゚听)ξ「……」
- ( ^ν^)カチャカチャ
- ( ^ν^)「お、割れ厨のハメ撮り画像か。これをネットで広めりゃ、祭りは確実だぜ!」
- 127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 00:55:05.52 ID:VvQzcD710
- 繰り返しになりますが、( ^ν^)は馬鹿ではありません。むしろ、自身にとって有益だと思うことはどんどん吸収していきます
- 彼は色んなことを学びました
- グレーゾーンで楽しむ術を
- 危険に晒されないないための立ち振る舞いを
- それ以外は何も変わってはいません。子どもの頃のままです
- 138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 01:04:06.62 ID:VvQzcD710
- 就職は、案外すんなりと決まりました
- ( ^ν^)「お気楽公務員生活だ。税金うめぇwwww」
- ( ^ν^)は家をでて一人暮らしを始めました
- 22歳、社会人です
- ( ^ω^)(ニュッ、お前はいったい、どうしたいんだお…?)
- 振り返りもせずに歩いていく息子の背中が、なんだか、とても小さく見えました
- 142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 01:09:00.41 ID:VvQzcD710
- 5年、10年…時間はあっという間に過ぎていく
- ( ^ν^)カチカチ
- ( ^ν^)「産まれた時からどんぶり飯! もう一杯!」
- 両親は他界しました。結婚はしていません。出世も他より遅れています
- それでも、やっぱり、彼は幸福だったのです
- 147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 01:12:41.10 ID:VvQzcD710
- ユウビンデース
- ( ^ν^)「あ? 踏み倒した飲み屋の領収書か?」
- ハンコオネガイシマース アリガトウゴザイマシター
- ( ^ν^)「配達業なんざ底辺の極み…っと、手紙? 誰からだ?」
- ビリビリ
- ( ^ν^)「…VIP小学校同窓会だと?」
- 149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 01:18:10.42 ID:VvQzcD710
- ガヤガヤ
- ( ^ν^)「来てしまった」
- ( ^ν^)「なんでだろう、別にそこまで親しい奴なんかいなっかったのに」
- ( ^ν^)「そうだ。観察、観察。落ちぶれたクズを見てメシウマするためにきたんだ」
- ( ^ν^)「DQNはクソみたいな人生をおくっているはず」
- ( ^ν^)「ビッチも容姿が衰えてヒスババアになっていはず」
- ( ^ν^)「うん、そうに違いない。そうに違いない…」
- 153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 01:27:56.41 ID:VvQzcD710
- (´・ω・`) 「あ、ニュッくんだ! 久しぶりだねぇ」
- ( ,,゚Д゚)「お互いおっさんになったな!」
- (;^ν^)「あ、う、うん」
- (;^ν^)(一応仲良くはしていたっけ、そういえば)
- 好意的に話されるのなんて何年ぶりだろう
- ( ^ν^)は急に胸がむずむずしてきました
- 160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 01:42:15.67 ID:VvQzcD710
- <ヽ`∀´>「日本のせいにするニダ!」
- ズサーc⌒っ・∀・)っ「なんでやねーーん!」
- ワッハハハハ!
- ニダーとモララーはリアクション芸人「ニダ&モラ」として関西ローカルでそれなりの知名度があるらしい
- ( ,,゚Д゚)「んでな、馬鹿な生徒ほどかわいいって…おいショボン! もっと飲め! そしておれの自慢話を聞け!」
- (´・ω。`)「もう飲めない…ころされぅ…」
- ギコは不良学校の熱血教師で、最近昔の教え子と結婚したらしい
- ショボンは執筆した絵本「ミラクルカーニバル」がちかじかアニメ化されるらしい
- 163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 01:48:22.39 ID:VvQzcD710
- カッカッカッ バン!
- 川 ゚ -゚)「皆! 遅れてすまない」
- 「おーおー生徒会長さんのお出ましだぞ」
- 「ばっか、今は京産党の議員センセだ!」
- 「その先生が遅刻してちゃ、世話がないわね!」
- ワッハッハッハッハ!
- 川; ゚ -゚)「うう…面目ない」
- 167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 01:57:40.25 ID:VvQzcD710
- 談笑が響き渡る。昔話に花を咲かせる
- 皆、とても幸せそうだった
- ( ^ν^)「うっ!」
- 川 ゚ -゚)「どうした? ニュッ」
- ( ^ν^)「…飲みすぎた。ちょっと席外す」
- 川 ゚ -゚)「そうか。気をつけてな…ってこら、そこ! 服を脱ぐんじゃあない!」
- ドンチャラ ドンチャラ ワハハハハハ!
- ( ^ν^)
- 171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 01:59:25.99 ID:VvQzcD710
- トボトボ
- ( ^ν^)
- ガチャ
- ( ^ν^)
- バタリ
- ( ;ν;)「うう!」
- 177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 02:05:23.20 ID:VvQzcD710
- ( ;ν;)「ううう!」
- なぜこんなに辛いのか分かりません
- ( ;ν;)「あぁぁ…」
- 涙がどこから溢れてくるのか分かりません
- ( ;ν;)「ぁ…ぁ…」
- ただ一つ分かったのは、他の人間は自分よりずっと満たされていることでした
- もうすぐ30歳の誕生日を迎えます
- 186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 02:20:38.08 ID:VvQzcD710
- 5年、10年、20年…
- 他人に馬鹿にされたり嫌悪を抱かれるのはまだマシだと言われています
- なぜなら自分に関心があるから。貴重な時間を割いてくれているから
- そうすると、『無視』が嫌いの最上級ではないですか?
- 「お前に構う時間がおしい」「お前は私にとって価値などない」
- ( ^ν^)はお爺さんになりました。誰とも繋がりを持っていません
- やっぱり、最後まで、子どもの頃から変わることはできませんでした
- 190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 02:29:47.76 ID:VvQzcD710
- ( ^ν^)「俺は、もうすぐ死ぬな」
- ( ^ν^)は薄っぺらなセンベイ布団に包まりながらそう呟きました
- 不思議と恐怖はありませんでした
- 腹がいっぱいになるまで食べ
- 性欲を満たすため自慰にふけり
- 眠くなったら寝る
- 何千何百回と繰り返してきた行為とさほど変わらないように感じられたからです
- 192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 02:37:07.63 ID:VvQzcD710
- ( ^ν^)「俺は幸せだった」
- そうです。あなたは何者にも縛られず、何者も背負うことはなかった
- ( ^ν^)「俺はいい人生をおくった」
- そうです。あなたは他の人や未来の子供たちに何も残さなかった。100%自分のためだけに生きたのです
- ( ^ν^)「俺は…何だったんだ?」
- あなたはあなたです。他の誰よりも混じり気のないあなた。『それだけ』です
- 195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 02:43:33.08 ID:VvQzcD710
- ( ‐ν‐)「お れ は …………」
- ああ、無理をしないで。いくら逆さに振っても、絞りだそうとしても、何もありませんよ。あなたはからっぽだから
- ( ‐ν‐)
- さようなら
- これで綺麗さっぱり0になりました
- …カワイソウ? そんなこと無いですよ
- こ れ は お ま え が
- え ら ん だ み ち だ
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