( ^ω^)ブーンがハンドボールを始めるようです

142: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 01:12:19.35 ID:YOUztvcF0
  
第11話 覚悟

こんな夜は全てをなげだしても、君に会いたい。

会えたら何を話そう・・?

って今は目の前にいるんだけどね。

川 ゚ -゚) 「今日の試合、本当におめでとうだったな。
感動したよ」

(´−`) 「俺もだよ。中学の頃、優勝とか体験してなかったから」

川 ゚ -゚) 「これからもこの調子でいけるといいな
・・ところで話とは何なんだ?」

キーター・・よし、言うぞ。言うぞ・・



144: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 01:17:01.04 ID:YOUztvcF0
  
(´−`) 「・・クー、俺らが初めて話した時、覚えてる?」
川 ゚ -゚) 「あぁ、覚えてるよ。祐、なんか緊張してたな」
(´−`) 「うん、俺、女の子と話したこと、あんまりなかったから・・
でも、理由はそれだけじゃない」

・・沈黙が流れる。俺、こういうの初めてだから耐えられないよ。

川 ゚ -゚) 「・・他の理由とは?」

(´−`) 「その時は良くわからなった。だけどなんか胸の奥が
キュンってなるって言うか・・良く分からないけど・・」

(´−`) 「きっと、その時からもう、この感情は生まれてたんだとおもう」

・・しばしの沈黙。俺は、なかなか次の言葉が言い出せない。



145: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 01:20:38.48 ID:YOUztvcF0
  
・・・かれこれ、もう沈黙が続いて五分程経つだろうか。

俺の意気地なし!なんでここから先の言葉が言えない?

クーはその間、黙って俺の方を向き、待っててくれた。

だけど、そのくっきりした目を見ると、何故か言いたいことは心の奥底に隠れてしまう。

・・ちくしょう、ちくしょう、俺の意気地なし。

この言葉を一体何度頭の中で繰り返しただろうか。

まるで、待ちくたびれたかのように、クーが口を開く。



147: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 01:22:36.34 ID:YOUztvcF0
  
川 ゚ -゚) 「言いたい事があるなら・・はっきり言ったらどうだ?
男の子だろう・・?」

俺はその言葉でハッとする。そうだ、女の子を待たせちゃいけない・・

俺は立派な男だから・・

(´−`) 「お、俺は・・」

川 ゚ -゚) 「俺は・・・?」



148: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 01:24:42.53 ID:YOUztvcF0
  
(´−`) 「お、俺は・・クーのことが・・」

その先の言葉がどうしても出てこない。

女の子を待たせちゃいけない・・いけないのに。

俺は何やってんのかな・・もう言うしかない。

(´−`) 「おおお、俺は、クーの事が・・好きです」

言ってしまった・・もう戻れない。



149: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 01:27:37.80 ID:YOUztvcF0
  
その時の俺にはその後の沈黙がとても長く感じられた。

・・一体何分の間だったんだろうか。

俺はその間ずっと、なんて大それた事をしたんだろうと思ってた。

でも不思議と後悔はしていない。

もしダメでも、これからもきっと仲良くやっていける・・

だからそんなに心配する必要ないって・・

でも体は正直だ。ずっと心臓がドキドキしてる。

クーが静かに口を開いた。



150: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 01:32:16.12 ID:YOUztvcF0
  
川 ゚ -゚) 「その言葉・・嬉しいよ。
でも祐、お前に私を受け入れる覚悟はあるのか?」

一瞬、何のことかわからなかった。

そんな覚悟、あるからこんな事を言ったんだ。

でも不思議とその言葉は俺の口からは出てくれない。

何故だ・・何故言えない?何故一言「大丈夫」って言えない?

川 ゚ -゚) 「ふう・・じゃあ私の話をするとしようか
他人に聞かせるのは初めてだな・・」



152: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 01:35:48.93 ID:YOUztvcF0
  
クー 幼少期

私の親父は、ギャンブルとか賭け事、お酒が大好きで・・

私と母親はまるでどうでもいいという態度をいつもとっていた。

「酒もってこい!酒!」
「もうウチにはそんなお金残ってないのよ・・」
「うるせえ!もうこんな家出て行くからな!離婚だ離婚!」

・・そういうと父親は家から出て行き、二度と帰ってこなかった。

私は母親との二人暮しになった。その頃からだろうか。あまり笑わなくなったのは。



154: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 01:38:07.89 ID:YOUztvcF0
  
「クーちゃん・・ごめんね。お母さんが不甲斐ないばっかりに・・」

お母さんは何も悪くない・・。悪いのはあのお父さんじゃないの・・?

なんでお母さんが泣くの・・?

私まで悲しくなっちゃうよぉ・・。

母親はこの頃から、働き出した。でも、当時はまだまだ女性差別の残ってる時代。

かなり苦労してたみたいで、いつも疲れていた。



155: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 01:40:50.25 ID:YOUztvcF0
  
私は私で、小学校に進学したけど、両親の問題もあってか、

どんどん暗い性格になっていた。

友達なんて自分から作れない。心から笑えない・・

時にはいじめのターゲットにもなったりした。

なんで私がこんなに不幸にならなきゃいけないの・・?

・・私は何故生きてるんだろう?こう思う時もよくあった。



159: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 02:00:42.07 ID:YOUztvcF0
  
結局小学校では何一ついい事なく卒業したんだ。

そして私は中学校に入学した。

全く期待なんてしていない。まだあのつまらない生活が待ってるんだろう・・

こんな性格が嫌いで、死にたくなった

そんな時だった・・あの子が話し掛けてくれたのは

「同じクラスなんだ〜ヨロシクね」

この子のおかげで私の人生は変わった・・



160: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 02:01:18.80 ID:YOUztvcF0
  
この子のおかげで、私は笑う事を思い出した。

楽しいこと、悲しい事、ドキドキする事、そして恋愛・・

中学で今までできなかった事が出来る様になった。

毎日が楽しみになった。それまでの暗い日々が嘘のようだったんだ。

その子とは三年間ずっと仲良くした。喧嘩もしたけれど・・

それでもその子との生活は大切な思い出だ。

今は学校が違うけど時々遊んだりしてる・・



161: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 02:01:48.24 ID:YOUztvcF0
  
川 ;-;) 「それでも・・昔のことを思い出すと辛くなる。
こんな心の傷を持つ私を受け入れる覚悟があるのか・・?」

クーはいつのまにか泣いていた。

今の俺にできる事。それは・・

俺は・・俺は・・いつの間にかクーを抱きしめていた。

川 ;-;) 「!」

(つ−`) 「グスッ・・そのくらいの覚悟、あるからこうして告白したんだよ
過去にどんなことがあってもクーはクーだよ。
そんなクーを俺は好きになった・・絶対・・後悔させないから」

川 ; -;) 「祐・・」



163: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 02:08:00.15 ID:YOUztvcF0
  
(つ−`)「だから・・俺と付き合ってくれ。絶対、絶対に後悔させないから」

俺がそういうとクーは静かに頷いた。

そして、静かに目を閉じた。

俺はその気持ちにこたえるように、ゆっくりとキスをする・・

このとき誓った。クーを必ず幸せにする。と・・

もう夜も遅い、俺はクーの家までクーを送っていった。

川 ゚ -゚) 「今日はありがとう。気をつけて帰れよ」

もういつものクーだ。安心した

(´−`) 「うん、それじゃあ明日ね」

そういって俺は家に帰った。星が・・綺麗だったな



164: ◆gk43jgqTBM :2006/11/24(金) 02:14:44.51 ID:YOUztvcF0
  
一方、他の所では・・

('A`)「す、スキです!突き合ってください!!」

・・ドクオが誰に告白したか、それは皆さんの想像にお任せするとしよう。

そろそろ夏休みも終わる。

そこには、自分の存在を考える、一人の若者がいた。

(;^∀^)「何で俺ってハンド部にいるんだっけか・・?」

貞治である。彼、一応主要メンバーなのに目立ってない。

(;^∀^)「このままハンド部にいて、埋もれるのも嫌だなぁ・・
元々他の部活したかったけど、なんか強制的にいれられたし・・
いい機会かもしれない・・良く考えてみよう」

・・どうやらいい事ばかりが続く訳ではなさそうだ。

彼の真意は一体どこにあるのだろうか。

第11話 覚悟 完



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