( ^ω^)ブーンがハンドボールを始めるようです

24: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 18:13:22.74 ID:NVINOCM+0
  
第十五話 絆

ついに県大会の日はやってきた。

ピピピピッ!!ピピピピピッ!!

(´−`)「・・ついにこの日がやってきたのか」

祐は緊張のせいかいつもより早く起床した。

(´−`)「貞治・・」

いや、緊張のせいではないみたいだ。貞治が来るかどうか、これが重要だ。

彼は考えていてもしょうがないと思い下に降りていった。



25: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 18:15:52.31 ID:NVINOCM+0
  
彼は下に降りた。

カーチャンの居ない台所。これだけ静かなものはない。

彼のカーチャンはもう少ししたら退院できるらしいが、

(´−`)「・・寂しいなぁ」

カーチャンが居ないせいか、どこか元気が無いみたいだ。

とりあえず行く準備をして、

(´−`)「・・カーチャン。必ず勝利報告するからな」

そう誓って家を出た。



26: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 18:19:34.50 ID:NVINOCM+0
  
今日の相手は庸行西高校。

全く名前は知らないが、弱いと決まっている訳じゃない。

やっぱり全く分からない相手と戦うのはプレッシャーは大きいし、

対策も立てられない。そんな所に、チームのメンバーは不安をもってたみたいだ。

(´−`)「あっ、ブーン」
( ^ω^)「あっ、祐、おはようだお」

ブーンもどことなく、いつもより落ち着きがないように見える。
やはり貞治のことなのか。



27: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 18:24:18.28 ID:NVINOCM+0
  
(´−`)「今日、勝とうな。きっと貞治もくるしさ」
( ^ω^)「そうだお!今日勝って、全国に行くんだお!」

ブーンはやる気満々だ。それとは対照的に、祐はなんだかパッとしない顔つきをしている。

( ^ω^)「ん・・?祐、なんか心配なのかお?」
(´−`)「ん、いや。別に」

しまった。見破られた?ブーンは意外に勘が鋭い。

祐は結局、学校につくまで浮かない顔をしていた。



28: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 18:27:20.38 ID:NVINOCM+0
  
( ^ω^)「・・・?」

ブーンには何故祐が浮かない顔をしているかまでは分からなかった。

人の心というのは読めないものだ。

( ^ω^)「・・まあ、いいお」

ブーンはあまり気にしない事にしたみたいだ。

小さなことを気にしてちゃダメだお。

ブーンはそんな感じに考えてたみたいだ。

学校にも到着して、二人は部室に入る。



29: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 18:31:28.18 ID:NVINOCM+0
  
( ^ω^)「おいすー」
(´−`)「おはよう」
ξ゚听)ξ「あら、ブーンと祐、今日も早いじゃない。よっぽどショボンが恐いのね」

(;´−`)( ;^ω^)「・・・・・」

もっともだったらしくて、二人は何も言えなかった。

ショボンはホモッ気がある。「アレ」とは何となく二人には想像がついてたみたいで、

ショボンに注意されてからすぐに改善したいみたいだった。

二人が着替えを始めると、誰かがやってきた。

ガラッ。



31: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 18:38:02.89 ID:NVINOCM+0
  
川 ゚ -゚) 「おはよう」
( *^ω^)「キャー!!クー、Hだお!僕のはd・・」

ボコッ!!

ξ#゚听)ξ「前々から言ってんでしょ!あんたの裸なんて見たい奴いないって!」

いつかみたいにブーンは腹を思い切り殴られた。

( ;^ω^)「グフッ!ごめんなさいだお。
ツン・・いいボディーブロー持ってるお」

ブーンは痛がりなが何故か感心していたみたいだ。

川 ゚ -゚) 「ブーン、私はお前の裸なんぞ死んでも見たくないから大丈夫だ」
( ;^ω^)「・・・・・」

ブーンは痛いパンチを二発もくらってしまった。



32: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 18:42:00.84 ID:NVINOCM+0
  
時間も少し立ち、皆集まり始めた。

(´・ω・`)('A`)「やあ」

(゚∀゚)「おっぱいおっぱい!」

(^Д^)「プギャー!!」

皆元気みたいだな。

だが何分立っても、準備の時間になっても貞治が来る様子はない。

一同「・・・・・・・・」

皆は一瞬、沈黙した。おそらく考えてる事はみな同じだろう。

( ^ω^)「まあ暗くなっても仕方ないお!準備始めるお!」

ブーンが精一杯の声で皆に声掛けた。

皆はその声を聞いてようやく我に帰ったみたいで、部室から出て行った。



33: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 18:45:16.97 ID:NVINOCM+0
  
( ;^ω^)「皆、貞治はいないけど頑張ってお。
必ずこの後でくるはずだお。僕はそう信じてるお」

皆が居なくなった後の部室でブーンはそうつぶやいた。

おそらく誰よりも辛いのはブーンだろう。キャプテンとしての責任。

貞治をしっかり見ていなかった・・。

そんな思いがブーンの胸を締め付ける。

( ;^ω^)「僕まで暗くなったらチームが沈むお。いくお」

ブーンは重い足取りでグランドに向かう。



34: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 18:49:15.32 ID:NVINOCM+0
  
(*゚ー゚)「・・・・・・」

しぃ先生もグランドに向かっていた。

だがその足取りはブーンと同じで重い。

(*゚ー゚)「貞治君・・」

しぃ先生も顧問としての責任、生徒とちゃんと向き合ってなかった責任。

そんなことを感じていた。

(*゚ー゚)「貞治君・・ごめんね。私のせいで」

彼女も自分に責任があると感じていたみたいだ。

だがいくらそう思ったところで、誰も慰めの言葉などかけてはくれないのだった。



36: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 18:52:47.87 ID:NVINOCM+0
  
( ^ω^)「じゃあ準備するお!」

いつも通りの準備が始まる。

だが貞治もいないことがあってか、準備にはいつもより時間がかかってしまった。

('A`)「貞治・・」
(´・ω・`)「彼はきっと来るさ。僕には感じる」

ショボンは優しくドクオの肩を叩く。

それはいつものような感じでない。ホントに優しさのみの励ましだった。

だが貞治が来る。そんな保証はどこにもなかった。

声をかけたショボン自身も、不安で不安で仕方が無かった。



38: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 18:58:26.25 ID:NVINOCM+0
  
ようやく準備が終わり、ブーンは皆を集合させた。

どうやら今日はアップを始める前にしぃ先生からの話があるようだ。

(*゚ー゚)「今日は貞治君、まだ来てないわね。彼のことは忘れなさい」

しぃ先生からの冷徹な言葉。当然皆は黙っている事が出来なかった。

(゚∀゚)「先生!!そんな薄情な!!」

(*゚ー゚)「「いつまでも考えていても仕方ないわ。
考え事なんかしてても、プレーに支障がでるだけよ。
いい?貞治君のことは今だけ忘れなさい!」

いつもより強い言葉をかけるしぃ先生に皆ビックリしながらも、

(# ^ω^)「先生・・」

ブーンは明らかに不快な表情を露わにしていた。



39: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:02:30.13 ID:NVINOCM+0
  
(# ^ω^)「・・。皆アップするお」

いつもと違う、この前キレた時のブーンの様子に、

皆は少し遠慮がちにアップに向かう。

(*゚ー゚)「・・皆、許して。今の状況では満足に試合出来ないわ。
私が。私が悪役になるしかなかったの」

(*;ー;)「貞治君・・ごめんね」

しぃ先生はみなに悟られないように声を殺して泣いていた。

川 ゚ -゚) 「先生だけのせいじゃありません。
気にしないで下さい」

そんな様子もクーには見破られていた。



40: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:07:19.09 ID:NVINOCM+0
  
(*;ー;)「クーちゃん。あたし、あたし・・」

川 ゚ -゚) 「今は泣いてて構いません。試合までにいつも通りに戻ってください。
先生も大事なチームの一員ですからね」

しぃ先生は顔を涙でくしゃくしゃにしながら、

(*;ー;)「そうね・・。ごめんね、クーちゃん。
頼りない先生で」

川 ゚ -゚) 「いえ、先生は先生です。先生に代わる人なんて居ません。
だから自信を持ってください。貞治くんはきっと来ます」

なんて強い子なんだろう。しぃ先生はそう思った。

私がしっかりしなくちゃね。彼女はそう思った。

(*つー゚)「ありがとう、クーちゃん。それじゃ戻りましょ」

クーとしぃ先生はベンチの方へ戻っていった。



43: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:11:39.12 ID:NVINOCM+0
  
その間、プレーヤーは既にランニングを済まし、体操も終わりかけていた。

ブーンはショボンに話し掛けた。

(# ^ω^)「しぃ先生のこと見損なったお」

ブーンはまだ腹が立ってたみたいだった。

(´・ω・`)「ふぅ・・君は本当にバカだね」

その言葉にブーンは怒って反論する。

(# ^ω^)「ショボンは先生の味方かお!?最低だお!」

(´・ω・`)「先生の気配りに君は気が付かなかったのかい?
先生は今の僕らじゃ試合にならない事を踏んで、自ら悪役になったのさ
それくらいも気が付かないようじゃ、まだまだ半人前さ」



44: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:15:37.08 ID:NVINOCM+0
  
(;^ω^)「・・・・!!!」

ブーンは全く気が付いていなかった。

自分は本当に情けないキャプテンだ。そう思い、落胆していた。

(^Д^)「おいおい、そのくらいで落ち込まないでくれよ。
勘違いは誰にでもある。後で謝ればそれでいいさ。
今は目の前のことに集中してくれよ」

(;^ω^)「ごめんだお・・」

ブーンはなんとか気を取り戻し、練習に戻る。

キャッチボールも終わりミサイルが始まった。



45: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:20:00.73 ID:NVINOCM+0
  
(´−`)「貞治が居ない穴は俺が頑張るぞ」

祐はいつもより気合が入っている。

ハンドの試合は五割方キーパーにかかっていると言っても過言じゃない。

だから祐は貞治の攻撃力が無い分、自分が止める。

そう考えていたのだろう。

(;´−`)「クッ・・」

どうも上のボールの反応がいつもより悪い。

その事もあり、祐はいつもより焦り始めていた。



47: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:26:47.21 ID:NVINOCM+0
  
(;´−`)「俺が止められなきゃ・・負ける」

彼はそんな考えに頭の中を支配されていた。

こういうマイナス思考はさらに失敗を呼ぶ。

練習はポジションシュートに移っていたが、ロングシュートに加え、サイドシュートの止める確率も低くなっている。

(゚∀゚)「・・あいつ、マズイかもしれんね」

その様子に気がついていたのはジョルジュだけだった。

ポジションシュートが終わり、ブーンは祐に話し掛けた。



48: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:28:56.04 ID:NVINOCM+0
  
(;^ω^)「祐、今日調子悪いのかお?」

とブーンに聞かれても祐は

(´−`)「・・すまん」

としか答えられず、その場から水分補給に向かう。

(:´−`)「俺が止められなきゃ・・」

祐の考えは更にマイナス思考へと向かっていた。



49: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:32:00.87 ID:NVINOCM+0
  
ジョルジュは機会をうかがっていたかのように祐に話し掛ける。

(゚∀゚)「祐、あんまり気負うなって」
(´−`)「・・すまん」

祐はそう繰り返すだけ。ジョルジュはあきれたように、

(゚∀゚)「いいか、これだけは言っておく。ハンドは個人競技じゃないんだぜ?
チームでやるんだ。お前一人でやってるわけじゃないんだ。
その事、よく理解しておけよ」

そういい、ジョルジュは戻っていった。

(´−`)「・・チームプレー、か」

今の祐にその言葉はどう響いたのかは分からない。



51: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:36:30.73 ID:NVINOCM+0
  
どうやら、庸行西高校が到着したらしい。

ガタイのいい人も居なければ、そんなに目立つ人もいない。

だが油断したら確実に勝てない。そう皆は自分に言い聞かせる。

そろそろスタメン発表がある頃だ。

(*゚ー゚)「皆〜メンバー発表するよ」

どことなく声に元気がないが、みなはもうあまり気にしていない。

サイド( ^ω^) 45(´・ω・`) センター(^Д^) 逆45('A`)

逆サイド(゚∀゚) ポスト? キーパー(´−`)

・・貞治がいないのでその穴をどう埋めるかがカギになる。



53: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:41:23.20 ID:NVINOCM+0
  
相手はそれほど気になる選手はいない。

でも監督だけは異質な雰囲気を放っているみたいだ。

/ ,' 3「・・・・・」

なんで練習を見ずに寝てるのか?

VIP高校の疑問は全部そちらに向けられていた。

(*゚ー゚)「ん・・?あの人」

しぃ先生は見覚えがあるみたいだが、思い出すまでは出来なかったらしい。

皆は今日は気を抜かなければ勝てる。そう思っていた。

そろそろ試合が始まる時間だ。



54: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:45:58.35 ID:NVINOCM+0
  
それぞれ選手は整列し、挨拶を交わす。

「ヨロシクお願いしまーす!!」

そしていつものようにブーンの下に集合する。

( ^ω^)「今日はまだ貞治が来てないお!だから、貞治が来るまで僕らだけで頑張るお!
みんな、一人少ないからって、萎縮しちゃダメだお!!
苦しかった夏の練習を思い出して、必ず勝つお!!」

そしてブーンはいつものように気合を入れる。

( ^ω^)「VIP高校に栄光あれ!!」
一同「ワァァァァァァァ!!!!!」

失礼、夏休み中に新しい掛け声を考えてたらしい。

ブーンたち率いるVIP高校はディフェンスからのスタートになった。



57: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:51:46.02 ID:NVINOCM+0
  
VIP高のディフェンスは貞治が居ないので一人分あいている。

たった六人でディフェンスするにはかなり苦しいものがある。

相手がパスを回し、仕掛ける機会をうかがっている。

祐は何か相手に違和感を覚えていた。

(´−`)「練習の時より動きがいい・・?そんなはずは」

早速相手は仕掛けてきた。45のショボンとの勝負になる。

(´・ω・`)「そんなのよゆ・・!!!」

相手は1対1を仕掛ける。速い。動きが格段に速い。

ショボンは焦る。相手は自分のポストにパスを出そうとする。

(´・ω・`)「させるか!!」

ショボンそれを食い止めようと、パスの方向に反応する。

(´・ω・`)「・・!!」

それはフェイントだった。もうショボンのスピードでも追いつけないくらいに前に進んでいた。

マズイ。これはマズイ。



58: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 19:56:11.40 ID:NVINOCM+0
  
(^Д^)「やらせない!!」

プギャーが急いで相手を追う。

だが相手はもうシュートモーションに入っていた。それでもプギャーの勢いは止まらない。

相手「くっ・・・」

プギャーは勢い余ってシュートモーションに入っていた相手を押してしまった。

相手は倒れこむ。

ピーッ!!

審判「イエローカード!!」

早速カードが出てしまう。しかもPTを取られてしまった・



62: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 20:00:47.06 ID:NVINOCM+0
  
PT。これを止めるのは至難の技だ。

確かに祐はいつか謎のおじさんにコーチしてもらった。

だがそれでもPTを止められる確率は少ししか上がらなかった。

しかもこれは本当の試合。彼はこの試合のプレッシャーにただでさえ押しつぶされそうになっていた。

そんな時、彼の頭の中には貞治が現れた。

(´−`)「貞治、お前がくるまでなんとか押さえてみせる」

合図が出ようとしていた。



63名前: ◆B3bqO0qISs 投稿日: 2006/11/26(日) 20:04:23.25 ID:NVINOCM+0
  
ピーッ!!!!

合図がでた。祐はあまりからだが大きい方ではない。

なので少し前にでて守っている。

前にでれば飛ぶスペースが小さくなる代わり、反応をより早くしないと取れない。

祐は自分の反応に勝負をかけた。

一瞬の静寂。祐とプレーヤーは睨みあう。



64: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 20:09:03.32 ID:NVINOCM+0
  
仕掛ける・・!!

祐はそう思い、あらかじめ飛ぶ方を決めておいた。

が、一回目はフェイント。だが祐は動かなかった。

相手は腕を戻したかと思うと間髪いれずにシュートを打ってきた。

幸いにもボールは祐が予想した方向に飛んできた。

だがシュートが速い。しかもコースはとても厳しい上のコースだ。

(´−`)「とぅ!!」

祐はまるで特撮のヒーローみたいな声を出し、ボールに飛びついた

反応は申し分ない。後は届くかどうかだ。



65: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 20:11:49.64 ID:NVINOCM+0
  
(´−`)「届け・・届け届け!!!」

祐は精一杯手を伸ばす。

もう少しで自分の横をすり抜ける。祐は祈るように手を出し続けた。

だが、無常にもボールは祐の手先に触れただけで、祐の横を抜けていく。

(´−`)「ちくしょう・・」

祐はもう入ってしまったと諦めてしまった。確かにもう止め様はない。



66: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 20:15:27.48 ID:NVINOCM+0
  
そのボールは勢い良くVIP高側のゴールに飛んでいく。

(^Д^)「いやっ!!入らない!!」

狙いが良すぎたのだ。そのボールはポストに当たり跳ね返ってきた。

(´−`)「よしっ!!」

祐は復活し、ボールを追った。だが、球のスピードが速すぎて追いつけなかった。

(´−`)「マズイ!!」

さっきPTを打った相手が目の前にボールを持って立ちふさがっていた。

(´−`)「くそっ!!」

祐は思い切りジャンプをし、相手の腕に飛びかかる。その様子はさながら無謀にしか見えない。



67: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 20:19:34.07 ID:NVINOCM+0
  
だがシューターもPTをはずしたせいか慌てていた。

祐がかなり前にきていたので、安易にループシュートに走った。

だがそのループは祐の身長では止められない位置にあった。

(´−`)「届かない!!!」

祐はそう判断し、後ろに行くボールを追っていく。

大抵はこうしても間に合うものではない。

だが祐は必死になっていた。先制点を取られる=流れを取られると感じたのだろう。

(´−`)「うおおおおおお!!」

祐はそのボールに向かって飛び込んだ。果たして間に合うのか・・



68: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 20:28:15.30 ID:NVINOCM+0
  
祐の飛び込みも虚しくそのボールはゴールを割る。

(^Д^)「祐!気にするな!まd・・」

そのプギャーの声は審判の笛によりさえぎられた。

審判「ライン!!」

審判はしっかり見ていたみたいだ。相手は動揺してラインを見てなかったらしい。

ボールはこちらに回る。

(´−`)「よし、プギャー!!」

俺はプギャーにボールをだす。

(^Д^)「よし、行くぞ!!」

プギャー前線の味方にパスを回す。まるでさっきの分を返そうと言わんばかりに速い。



70: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 20:32:45.03 ID:NVINOCM+0
  
そのボールは45のショボンに渡る。

(´・ω・`) 「決める!」

ショボンは積極的にロングを狙った。この距離なら、相手に近すぎず遠すぎず丁度いい。

(´・ω・`) 「うおっ!!」

ショボンは渾身のロングを放つ。だが・・

ピッ!!

審判の笛が鳴る。



71: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 20:35:45.41 ID:NVINOCM+0
  
審判「オーバー!!」

(´・ω・`) 「!!」

ショボンは一刻も早くディフェンスに戻るために必死だった。

オーバーとはドリブルをせずに四歩以上歩くとなってしまい、ショボンの投げた位置から相手のボールにで始まってしまうのだ。

ショボンはダッシュでディフェンスに戻ってきて、

(;´・ω・`) 「スマン皆!!!」

と謝った。冷静沈着なショボンが珍しいミスをした。



72: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 20:41:22.77 ID:NVINOCM+0
  
再び相手の攻撃になった。

相手は流れるようなパス回しでVIP高校を翻弄する。

いつくるのか・・いつくるのか・・。

完全に祐の意識、そして、ディフェンスの意識は45、センターに行っていた。

相手はその意識を読むかのように、カットは絶対に出来ない速いパスをサイドにだした。

( ;^ω^)「しまったお!」

ブーンがシュートを防ぎに行こうとした時、相手のシューターはモーションに入っていた

この状態でディフェンスするとまたカードを貰ってしまう

(;^ω^)「祐・・ごめんだお!」

完全にシューターと祐の一対一になった。



74: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 20:47:35.89 ID:NVINOCM+0
  
(´−`)「止めて見せる!!」

祐は勢いよく前に飛び出した。

するとシューターは多少焦りの色を見せ、ボールは祐の正面に来る。

(´−`)「うぐっ!!!」

そのボールは思い切り顔面を直撃した。

サイドにイエローがでた。ハンドは、顔、股間にシュートを当てると、危険行為としてイエローがでるのだ。

(;^ω^)「祐!大丈夫かお!?」

(´−`)「あ、ああ・・」

そうはいったものの、少し視界が見えずらくなったのを祐は感じていた。



75: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 20:51:47.38 ID:NVINOCM+0
  
その後、一進一退の攻防を繰り広げるが、

ポストの居ないVIP高校が次第に押され始めて、相手の得点が重なる。

さっきの顔面セーブのせいがあったのか、祐の動きも鈍っていた。

前半は6対10と四点差をつけられ、終了した。

祐の目のあたりは少しはれている。

川 ;゚ -゚) 「祐!!平気か!?」
(;´−`)「なんとか・・とりあえず冷やすもんくれ」

祐はクーから氷のうを貰うと、座って休んだ。



76: ◆gk43jgqTBM :2006/11/26(日) 20:54:01.13 ID:NVINOCM+0
  
まだ貞治は来ない。このまま来ないんじゃないかと皆は不安になった。

( ;^ω^)「貞治・・頼む、きてくれお!」

ブーンだけでなく、皆そう思っていた。

試合に勝つ為だけでなく、仲間として・・

そんな悲痛な願いは届くのだろうか?

勝負は後半に持ち越される・・

第十五話 絆 完



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