( ^ω^)ブーンがハンドボールを始めるようです
- 4: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 16:42:36.01 ID:LhkbCLRS0
- 第十九話 土壇場のブーン
それから、彼等は同じ練習をさらにきつくして、一ヶ月練習を続けていた。
筋トレは少ししか効果がなかったみたいだが、シュート、プレー、ディフェンス能力は確実に上がっているようだ。
( ^ω^)「よし!いくお!!」
今日は練習試合前日の練習。速攻の練習もそこそこ出来る様になってきたので、
次の段階、キーパーが入っての速攻練習になっていた。
だがブーンは何故か、サイドの位置からシュートを打て!としぃ先生にいわれていたので、サイドの位置までいってシュートを打っていた。
ブーンはもの凄い速さで、コートを駆け上がる。
( ^ω^)「よし!うつお!」
祐はブーンのシュートを待ち構えている。
- 5: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 16:43:26.56 ID:LhkbCLRS0
- (´―`)「ブーンが、こういうときに打つ方向・・それは決まってる。
インは確実に狙ってこない。キーパーがいて入らないと思ってるからだ。
あいつは俺の早く動く癖も見破れてないからな」
ブーンは人のプレーを分析するのは苦手らしく、未だに祐の弱点を見破れていなかった。
それだけじゃない。今まで数々のサイドシュートを外してきている。
それはおそらく、プレッシャーに負けているからだろう。
この前のシュート練習も、しぃ先生に言葉をかけられたせいだったのか、十五本中一本もシュートが入らなかったのだ。
しかも半数はふかし。これは異常だ。
ブーンが改善すべき所、それは、プレッシャーに負けてしまう所だろう、としぃ先生は考えているらしい。
- 6: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 16:45:03.20 ID:LhkbCLRS0
- (´―`)「ブーンが、こういうときに打つ方向・・それは決まってる。
インは確実に狙ってこない。キーパーがいて入らないと思ってるからだ。
あいつは俺の早く動く癖も見破れてないからな」
ブーンは人のプレーを分析するのは苦手らしく、未だに祐の弱点を見破れていなかった。
それだけじゃない。今まで数々のサイドシュートを外してきている。
それはおそらく、プレッシャーに負けているからだろう。
この前のシュート練習も、しぃ先生に言葉をかけられたせいだったのか、十五本中一本もシュートが入らなかったのだ。
しかも半数はふかし。これは異常だ。
ブーンが改善すべき所、それは、プレッシャーに負けてしまう所だろう、としぃ先生は考えているらしい。
- 7: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 16:46:05.42 ID:LhkbCLRS0
- (*゚ー゚)「ブーン君は、能力はそこそこある方なのよね。シュートも悪い訳じゃないのに。
次の試合ではそれを克服させる為に、大めにパスを回すべきね」
ブーンがシュートを放っていた
(; ^ω^)「あっ!!」
またふかし。最近、実戦になるといつもこうなってしまう。
(´・ω・`)「ブーン、ちゃんと狙え!あきらかにシューターの方が有利だぞ!」
(^Д^)「お前がそこで決められないと、チームが負けるぞ!!」
( ;^ω^)「ううぅ・・だお」
チームが負ける。彼にはその言葉はさらにプレッシャーになる。
- 8: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 16:46:53.44 ID:LhkbCLRS0
- ( ;^ω^)「もし負けた時。僕が入れていたら勝ってた。そういう風になるのが恐いんだお」
ブーンはどうやら失敗を恐れているみたいだ。
誰だって失敗は恐れる物。だけど、それを恐れていたら前には進めない。
それくらいはブーンもわかるはずなのだが。
( ;^ω^)「明日の試合。ちょっと恐いお」
彼は、試合に恐怖している。とにかく自分の責任で負けた。と言われるのが恐いはずだ。
今はその事で頭がいっぱいみたいだ。負けると決まった訳でもないのに。
それから、セットでプレーを確認して、今日の練習は終了した。
- 9: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 16:48:47.38 ID:LhkbCLRS0
- (*゚ー゚)「それじゃ明日は練習試合だから遅れないようにね!
場所は天国高校だから迷わないようね?
はい、今日の練習は終了よ〜!」
( ^ω^)「ありがとうございましたお!」
今日も無事練習が終了する。だがブーンはまだ悩んでいるみたいだ。
(´・ω・`)「まああんまり深く考えるなよ?それじゃあお先」
ショボンが帰っていく。そしてみんなも続々と帰り始め、部室に居るのはツンとブーンだけになった。
ξ゚听)ξ「ほら、何悩んでんのよ。そろそろ帰るわよ?」
( ;^ω^)「あ、うんだお」
二人は部室にちゃんとカギがかかってるかどうか確認し、学校を後にした。
- 10: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 16:58:19.51 ID:LhkbCLRS0
- ξ゚听)ξ「・・んで、何で悩んでるの?力になれるかもしれないから話してみなさいよ?」
ツンはブーンの幼馴染だ。誰よりもブーンとの付き合いは長い。
彼の表情からほとんどはどんな感情で居るのかも分かるようになった。
ブーンは口を開く。
( ;^ω^)「練習の様子を見てるとおり、僕はサイドシュートをよく外すお
原因はおそらくプレッシャーなんだお。自分で分かっていても、なかなか改善できないんだお」
これは確かに難しい悩みだ。ツンは少し間をおいて、
ξ゚听)ξ「そういう風に自分を追い詰めちゃうと、逆に失敗しちゃうものよ?
少しリラックスして、いつもみたいに普通にやれば、できるようになるわ」
そんなもんなのか。ブーンは少し考えて、
( ;^ω^)「うん。明日はそうするお」
すっきりしない顔でそういった。
- 11: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 16:59:05.88 ID:LhkbCLRS0
- ツンはそんなブーンの様子に気がつき、少し首をかしげながら、
ξ゚听)ξ「・・?まあいいわ。明日頑張りなさいよ?私もだけど。それじゃ明日ね」
分かれ道で挨拶を交わし、それぞれ自分の家に向かう。
( ;^ω^)「リラックス・・いつものプレー・・」
自分はそんな精神状況で試合に望めるか不安だ。
自分達の代になるまではそんなこと思っていなかった。
キャプテンになり、自分がチームを引っ張る立場になってから感じるようになった。
( ;^ω^)「不安だけど・・まぁいいお」
ブーンはさっさと明日の準備をし、早く寝る事にした。
- 12: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 17:10:59.60 ID:LhkbCLRS0
- ( ;^ω^)「ここはどこだお?」
ブーンはハンドコートが一つしかおいてない、広い広場にいた。
とそこに、知らない人が近くにやってくる。
/^o^\「フッジサーン!!!!!!!!!」
ブーンは言葉を失った。警察にとりあえず電話しようとして、携帯を取り出した。
/^o^\「ちょwwwwやめれwww てか君ハンドやるんでしょ?ちょっと俺のチームに入ってよ」
( ;^ω^)「あうう・・」
ブーンは強制的にフッジサーン!のチームのサイドとして入る事になってしまった。
- 14: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 17:18:04.27 ID:LhkbCLRS0
- ( ;^ω^)「めんどくせーお。なんで僕がこのチームに・・」
そうつぶやいた瞬間、試合は始まった。
どうやらただのゲームみたいで、十分の短い時間だ。
/^o^\「よし、負けた方は飯おごりね」
( ^ω^)「ホントかお!じゃあ負けないお!!」
試合はあっというまに流れていき、同点でラスト三十秒を向かえる。
ここでブーンチームのキーパーが、あっさりボールを止め、速攻の体制に入る。
( ^ω^)「こっちだお!!」
ブーンは既にスタートダッシュを切って、走っていた。
ボールを貰い、何故かサイドの方へ向かって走っていった。
( ;^ω^)「うっ・・僕の一本で試合が決まるお・・」
ブーンはいつものプレッシャーを感じて、打つか一瞬ためらった。
- 15: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 17:20:47.43 ID:LhkbCLRS0
- そこで目が覚める。どうやら夢だったみたいだ。
( ;^ω^)「うあ、妙にリアルな夢だったお。でもいい所で終わってしまったお」
ブーンは眠い目をこすり、いく準備を始めた。
黒い学ランに袖を通す。もう十二月だ。そろそろクリスマス。
ブーンはそんな事を考えながら、少し悲しくなる。
( ;^ω^)「まぁいいお。早く行くお」
ブーンは着替えを済まして下に向かう。
- 16: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 17:44:48.83 ID:LhkbCLRS0
- さっさと家をでた。今朝の夢がどうも頭からはなれないらしい。
( ;^ω^)「続きがきになるお・・」
何故かはよく分からない。だが気になるらしい。
ブーンはそのまま考え事をしながら、駅についた。
今日の天国高校はわりと近場にあるので、すぐつくし、結構昔からある高校だ。
場所も駅のすぐ近くという事で、今日は現地集合ということになった。
( ;^ω^)「うぅ・・緊張するお」
ブーンはいつものシュートのことを考えっぱなしで緊張していた。
「次は天国横丁〜天国横町〜」
( ;^ω^)「もうついたのかお。早いお」
緊張してるとわりと時間が過ぎるのが早く感じた。急いで電車からおりようとするも、人の大群に阻まれ、結構てこずったらしい。
- 17: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 17:51:58.82 ID:LhkbCLRS0
- ここ、天国横丁は随分昔からある商店街が名物だ。
すべての店にタイムサービスがあり、四時頃はもう主婦でいっぱいになる。
まさに激戦区といった感じだ。
他には、かの有名なラーメン屋 「総擬古」 があることでも有名だ。
豚骨なのにあっさりしつつ、なのにコクのあるスープで連日大盛況だ。
それと、
ミ,,゚Д゚彡「いらっしゃいだゴラァ!!!」
という店長の威勢のいい声でも有名である。
天国高校はその商店街を真っ直ぐに抜けた所にある。
( ;^ω^)「うへぇ・・きたねえ校舎だお」
- 18: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 17:58:40.10 ID:LhkbCLRS0
- ここ、天国高校は築三十年の歴史のある高校だ。
公立だが、頭脳優秀、部活もどの部活もそこそこ強い。
例に漏れず、ハンド部もそこそこの強さを持っている。
大会で三位や四位など惜しいところで負けてしまうチームだ。
( 'A`)「おっ、ブーン、ようやくついたか」
ドクオがブーンに声をかける。どうたら皆もうついてるみたいだった。「
( ^ω^)「おはようだお。皆早すぎだおw
それじゃあグランドに向かうお」
ブーンは軽く皆に謝罪をして、みんなでグランドに向かった。
謝罪したのはショボが恐かったからだろう。
- 20: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 18:07:28.47 ID:LhkbCLRS0
- (; ^ω^)「うへぇ・・うちより狭いお。どうやったらあんなに強くなったんだお?
全ての部活が入りきらないお」
天国高校は公立の高校の中でも結構狭いほうだ。
しかし、部活は沢山あり、この広さではとても全ての部活は入りきらない。
( ^人^ )「なんでこんなに狭いのにあんなに強い部活が出てくるのかきになるだろ?
私にもよくはわからんが、要は気持ちだと思うぞ。場所がなくなって、練習は出来る。
そういう気の持ちようと、後はやる気さえあれば勝てるさ」
知らないおじさんが話し掛けてきたみたいだ。そこそこいい話をしてきたが、
(; 'A`)「あ、あなた誰ですか?」
当然の質問だ。すると男は、
( ^人^ )「私はこの高校の校長だよ。今日は練習試合にきたのだろう?
その制服・・VIP高校だね?そして、その荷物、君たちハンド部だろう?
うちのハンド部は強いから、油断しないようにな。それじゃ」
そういうと校長は去っていった。
- 22: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 18:10:52.21 ID:LhkbCLRS0
- 一同「な、なんだってー!!!」
(;^Д^)「あの人校長だったのか」
(;´・ω・`)「どうりで、普通の人とは雰囲気が違ったわけだ」
皆はビックリしていたが、疑問は一つに向けられた。
何故、休みなのに学校にいたのだろうか?
まぁ、全員深くは考えてはいなかったようだ。
次にハンドボールコートに向かった。
- 23: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 18:17:33.25 ID:LhkbCLRS0
- (;゚∀゚)「うわっ、ゴールも随分年季の入った感じだな」
さすがに三十年ともなると、ゴールもボロボロだ。
なぜ新しいものを買わないのだろうか?またそんな疑問にかられた一同だった。
( ^人^ )「きっと、大切に使ってるからだろう。
私が転任してきた頃もそのゴールのままだった。今時、古い物をずっと使ってるも珍しいと思ったよ」
(; ^ω^)「うおっぉ!!さっきの人だお。
なんで休みの日なのに、わざわざ校長先生が学校にきてるのかお?」
ブーンは思い切って聞いてみた。すると、
( ^人^ )「今日はハンド部が練習試合と聞いてね。見にきたんだ」
生徒思いのいい先生みたいらしい。するともうアップを始めていた相手チームが、
「おはようございまーす!!」
と元気のいい声で校長先生に挨拶していた。きっと生徒からも人気のある先生なんだと皆は思った。
- 24: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 18:22:38.44 ID:LhkbCLRS0
- (; ^ω^)「こうしちゃいられないお!アップ始めるお!」
皆はすぐに着替えをはじめて、アップに入る。
今日のグランドは何か違う。踏み心地が非常にいい。凄くスポーツに適した土だ。
(゚∀゚)「このグランドなら今日はいいプレーが出来そうだな」
皆同じ事を思っていたようだった。
ブーンはランニング中も少し不安そうな顔をしていた。
今日の試合でちゃんとしたプレーを出来るか心配なのだ。
(; ^ω^)「いつもどおりだお・・」
それでも緊張は止まらない。ずっと心臓が高鳴っていた。
ストレッチをおえ、いつものようにキャッチボールを始める。
- 27: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 18:27:51.40 ID:LhkbCLRS0
- ブーンはどうも緊張しているので動きが固く見える。そんな姿をプギャーは見破っていた。
(^Д^)「ブーン、あんまり緊張するなよな?お前はやればできるんだからな」
(; ^ω^)「うんだお。・・あっ!ごめんだお!!」
ブーンは暴投をだしてしまった。完全にいつもと違う。いや、体の調子はいつも通りだが、
どうも精神面では優れない。プギャーはそんなブーンの様子を少し不安に思った。
(^Д^)(あいつ、大丈夫かな?あまりプレッシャーはかけないほうがいいな)
原因は判らないが、そこらへんの判断はさすが副キャプテンだ。
ブーンには非常に長く感じられたキャッツチボールも終わり、
ミサイル、ポジションシュート、逆速攻と練習を続けたが、ブーンはその間もミスを連発していた。
- 29: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 18:34:30.60 ID:LhkbCLRS0
- とりあえずアップも終わり、しぃ先生が皆を集合させた。
(*゚ー゚)「今日の相手は強豪よ!油断しちゃダメよ!
特にあの子・・凄いわよ。ちょっと見てみて」
皆の視線はしぃ先生が指さした方向に向く。
( ゚∋゚)「・・・・・・・」
全く声を出していない。プレーはまだ見てないが、ホントに上手いのかどうか皆は疑問に思った。
がその瞬間、彼は間髪居れずにロングシュートを放つ。
そのシュートはもの凄い勢いでポストに直撃して、跳ね返りゴールを割った。
一同「・・・・・・・・」
あまりの凄さに全員声を出せなくなってしまった。あのボールはぃょぅよりも速く、重たいボール。
祐はそう感じていた。
- 30: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 18:40:15.56 ID:LhkbCLRS0
- (*゚ー゚)「彼はクックル君。あまり話はしないけど、プレーはどれをみても一流よ。
身のこなし、パワー、技術・・相手にすると恐ろしい人ね。
彼は昔から結構有名な選手で、ジュニアオリンピックにも選抜された事のある凄い子よ」
そんな凄い選手だったのか、と言わんばかりの表情で皆はしぃ先生の顔を見る。
プギャーを除いて。
(;^Д^)「あいつはやばいぞ・・アマゾンよりも厄介な相手だ」
プギャーはそうつぶやいていた。やはり有名な選手らしい。
(*゚ー゚)「まぁ相手がそんな人でも萎縮しちゃダメよ!
確かにクックル君の他の選手も上手いけど、私たちはそういうチームに勝たないと、全国には進めないわ。
とりあえず、しっかり練習の成果を出しなさい。それじゃあスタメンはいつも通りね」
そういうと、しぃ先生はベンチに戻っていった。
- 32: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 18:44:50.13 ID:LhkbCLRS0
- (;^∀^)「そんな凄い人たちを相手にするのか。ちょっと不安だな」
貞治は率直に思ってる事を口にした。多分皆もそう思ってると思って。
だがブーンだけは違った。ブーンはいきなり声を張り上げる。
(; ^ω^)「そんな弱気じゃ勝てるもんも勝てないお!
今日の試合は今までの成果を試すいい機会だお!折角だから勝って、次の試合につなげようお!」
(^Д^)「まるでさっきで不安がってたブーンとは別人だな」
プギャーがそういう。だがブーンは内心はやはり自分のプレーのことで頭がいっぱいだった。
(; ^ω^)(やっぱり今日みたいな相手は失敗できないお。不安だお・・)
- 34: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 18:50:58.49 ID:LhkbCLRS0
- だが試合の時間はまってはくれない。すぐに試合開始時間がやってくる。
(; ^ω^)「じゃあ集合するお!!」
両チームがセンターラインにやってくる。
「お願いしまーす!!!」
元気のいい声が響き、集合する。
(^Д^)「今日は俺から言わせてもらう。皆それぞれ一ヶ月間練習してきた事を試せ。
特にブーンとジョルジュ。今日はお前らに沢山走ってもらうつもりだからそのつもりで」
(゚∀゚)「了解!!」
ジョルジュは元気のいい声をだす。それとは対照的に、
(; ^ω^)「・・・把握した」
ブーンは自信のなさそうな声をだす。
(^Д^)「?まあいいか、ブーンいつもの頼む」
(; ^ω^)「いくおー!!!」
一同「ワァァァァァァ!!!」
試合開始だ。VIP高はディフェンスからのスタートだ。
- 36: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 18:59:14.12 ID:LhkbCLRS0
- 相手がパスを回す。まるで流れるようなパス回し。
今までのチームとは一味も二味も違う。プギャーはすぐにそう感じた。
(^Д^)(・・やっぱマズイ。このチームには勝てないな)
プギャーが珍しく弱気になっている。だが皆はそんな様子に気がつくはずも無い。
噂の彼にボールが渡る。すると、
( ゚∋゚)「・・・・・・」
彼は何も言わずにステップでロングを打ち込んでくる。
今までのシュートとは訳が違う。
(´−`)「!」
祐は全く反応出来ないまま、あっさりとゴールを決められてしまう。
- 37: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 19:05:57.00 ID:LhkbCLRS0
- (´−`)「反応すら出来なかった・・」
(^Д^)(やはりな、今日は一体何点取られるのか、それが気になるな)
プギャーはこの一本で既に、自分たちの負けを確信していた。
かなうはずが無い。彼だけでなく、周りの選手も少なくとも自分達より上。
おそらくそれは全員がそう思っていただろう。
ちなみにこの試合は練習試合なので三十分一本で終了になる。
自分達の攻撃に入っても先ほどの相手のプレーを見てしまったせいか、どこか元気がない。
思いのほか、パスも雑になっていた、そんな隙を相手に見破られ、パスカットされて相手の速攻。
相手のディフェンスが2−4ディフェンスで、わりと得意なロングシュートも封じられ、
ラスト五分まで既に2対15という大差がついていた。
- 40: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 19:12:30.31 ID:LhkbCLRS0
- だが、ブーンだけは諦めていない。いや、勝負うんぬんよりも自分のことだろう。
(; ^ω^)「なんとしても、いつもの癖を直すんだお。今直しておかないとのちのち苦労するお・・」
ブーンはプレッシャーに弱いという自分から今日こそ脱却すると決めていた。
だが速攻を貰おうにも、全く自分のチームのディフェンスは相手に通用せず、
どんどんシュートを打たれ、それを止める事もできず、速攻には持っていけなかった。
(; ^ω^)「祐、なんとか一本速攻を出してくれお・・」
ブーンの願いも届かず、結局ラスト一分まで速攻の出来る状況は整わなかった。
これが実力の差。それを嫌という程突きつけられ、VIP高は既に意気消沈していた。
- 41: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 19:19:10.06 ID:LhkbCLRS0
- 既に得点は2対22。もう逆転できる得点差ではない。
仮にも自分達は前々の大会は優勝したチーム。
それが何故にこんなに離されるのか。全員は絶望にも似た感情に襲われていた。
(; 'A`)「何故・・?」
ドクオは完全に自信を無くしていた。ドクオだけじゃない、全員がそうだ。
そんなVIP高にも最後のチャンスがやってくる。
相手の45の放ったシュートが偶然にも祐の手に当たり、下にはじく事が出来た。
(´−`)「よしッ!!」
既にブーンはこのチャンスを逃すまいとスタートを切っていた。
祐はブーンに向かって速攻のパスをだす。さすがに足の速いブーンだ。
完全なワンマン速攻になった。
- 42: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 19:23:51.80 ID:LhkbCLRS0
- 幸い、クックルも追いついてはいない。
しかし、ブーンはいつもの感情に襲われる。
(; ^ω^)「ここで決めなきゃ・・結局は意味ないお」
もうキーパーは目の前だ。迷ってる暇はないのに。
(; ^ω^)「うぅ・・ダメだお。打つのが恐いお」
ブーンは完全に弱気になっていた。
すると、ツンが叫びだす。
ξ゚听)ξ「そのくらいで打てないなんてこれからどーすんのよ!!
男らしくびしっと決めてみなさいよ!」
ブーンはツンの言葉でハッとした。
- 43: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 19:27:47.50 ID:LhkbCLRS0
- (; ^ω^)「確かにそうだお。ダメ元でもいいからやってみるお!!」
ブーンはシュートの体勢に入る。どうやら真っ向勝負を仕掛けるようだ。
( ^ω^)「きめるお!!」
その言葉にもう迷いはない。思い切りブーンはシュートをゴールへと打ち込む。
練習でやったようなふかしではない、いいシュートだ。
そのシュートはゴール右上に飛んでいく。だが、キーパーも反応が早い。すぐにボールへと向かっていく。
(; ^ω^)「入ってくれお!!」
ブーンはもう願うような気持ちで自分の打ったシュートを見た。
- 44: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 19:32:54.87 ID:LhkbCLRS0
- そのシュートはキーパーの右上を通過していく。
見事にブーンはプレッシャーに打ち勝って、ゴールをきめたのだ。
(* ^ω^)「やったお!!」
ブーンは自分達が負けている事も忘れ、一人で歓喜した。
だが結局追いつく事は出来ず、VIP高は大差で敗北した。
やはり現実はこうなのだ。と明らかに思い知らされた形になった。
(*゚ー゚)「これが実力よ。上には上がいるわ。今は敵わなくても後二年、しっかり練習すれば大丈夫よ。
ここは通過点に過ぎないわ」
だが、やはり皆は圧倒的大差を付けられ、がっくりしていた。
これが前後半だったら・・という考えにさえ襲われていた。
- 46: ◆gk43jgqTBM :2006/12/01(金) 19:37:54.64 ID:LhkbCLRS0
- ( ^ω^)「まだまだこれからだお!頑張るしかないお!!」
暗い皆とは正反対で、ブーンの気分は明るかった。おそらく自分に勝てたからだろう。
軽いミーティングを済ませ、今日は解散した。
その夜、ブーンはあの夢の続きをみた。
/^o^\「君〜決めてくれよ!」
ブーンはまた打つかどうか迷っていたが今日のことを思い出した。
( ^ω^)「男らしくびしっと決めるお!!」
ブーンが打ったシュートは見事に決まり、飯おごりの権利を獲得した。
もうブーンは迷う事はないだろう。この夢はまるで今日のことを予告していたのかもしれない。
彼等の戦いはまだまだ続く。
第十九話 土壇場のブーン 完
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