( ^ω^)ブーンがハンドボールを始めるようです
- 41: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 13:37:32.86 ID:rsgEZlLU0
- 第二十三話 決戦
(; ^ω^)「緊張して熟睡できなかったお」
ブーンは昨日、緊張しすぎていてすぐには寝付けなかった。
今日は決戦当日である。会場はVIP高校。
VIP高校はそこそこ試合の場所には恵まれている。きっとキャプテンのブーンの運がいいのだろう。
( ^ω^)「うん、今日も体調はばっちりだお!打倒庸行西だお!!」
ブーンは勢いよくベットから飛び出して、部屋をでようとするが・・
( ^ω^)「あ、昨日準備するの忘れてお」
彼はどこまで忘れっぽいのだろうか。ブーンはすぐに準備を終わらせて、下に降りていった。
- 42: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 13:40:31.89 ID:rsgEZlLU0
- J( ^ω^)し「ブーン、今日の試合頑張ってきなさいね!!
全国にいったらテレビにも映るかも知れないわ!私楽しみで!!」
( ^ω^)「カーチャン、朝からテンションたけーお」
ブーンの母はブーンにそっくりだ。芸能人で例えるならば・・特にいない。
どこにでもいる普通の母だ。だが、テレビとかそういうことには人一倍反応しやすい。
だから今も力の限り騒いでいるのだ。
(; ^ω^)「カーチャン、ハンドはメジャーじゃないから、TVには映らないと思うお
映ったとしても、大してメジャーじゃないとこだお」
J( ^ω^)し「そうなのぉ・・?残念。でも勝ちなさい!!カーチャン応援してるわ!!」
カーチャンの熱い声援を受けて、ブーンは今日は必ず勝つという気持ちが強くなった。
- 43: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 13:45:03.11 ID:rsgEZlLU0
- ブーンは家から出発し、VIP高へ向かう。
(; ^ω^)「・・・・・・」
頭の中はもう試合の事でいっぱいみたいだ。顔がそう物語っている。
(; ^ω^)「き、緊張するお」
いまだかつて無い緊張に襲われているブーン。今日はこんなんで試合を楽しむことなんてできるのか。
おそらくショボンなどが上手くやってくれるだろうが。
ブーンはいつもより違和感のあるチャリのこぎ方のまま、学校に到着する。
部室に向かう間もその表情は変わらなかった。
部室はもう開いていた。誰かがもう来てるみたいだ。
(; ^ω^)「ショボンじゃありませんようにだお」
ブーンは強い念を込めて、部室のドアを勢いよくあけた。
- 44: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 13:52:14.51 ID:rsgEZlLU0
- (゚∀゚)「あっ、ブーンじゃん。今日は早いじゃん?」
ジョルジュだった。ブーンは心から安心したようだ。
(; ^ω^)「ふーっ!ジョルジュかお。安心したお」
(゚∀゚)「ショボンだったら危なかったなw さあ、早く準備しよう」
今日のジョルジュはいつにも増して、やる気があるようだ。
県決勝だから、力むのも当然だろう。
(; ^ω^)「あっ、副キャプテン二人早く来ないとやられちゃうお」
ブーンがそういった瞬間、部室のドアが勢いよく開いた。
まさかショボン!?ブーンの身は硬直した。
- 45: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 13:57:20.62 ID:rsgEZlLU0
- (´−`)(^Д^)「アブねー!!!!」
副キャプテン二人組みが滑り込んできた。どうやらセーフみたいだ。
(; ^ω^)「二人とも危なかったお。早く着替えるお!!」
(´−`)(^Д^)「ラジャ!!」
二人は速攻で着替えをすませ、すぐにグランドに出れる格好になった。
これでいつショボンがきても問題ない!!
二人は完全に自信に満ちた表情になっていた。
- 46: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 14:03:18.88 ID:rsgEZlLU0
- 続々と皆揃いはじめるが、ショボンはまだこない。
いつも一番か二番に集合するショボンが遅れる事は極めて珍しいので、皆少し焦った。
(; ^ω^)「ショボン遅いお・・仕方ないお、準備に入るお」
もう時間は試合時間二時間前ほどだったので、彼等はグランドに意気揚揚と向かっていく。
(; ^ω^)「ん・・?誰かもういるお」
一人で黙々と準備をしている人が居る。後ろ姿だけではまだ誰だか特定できない。
('∀`)「あれは!!」
ドクオの表情は思わず緩んだが、キャプテン、副キャプテンには寒気が走る。
そこにいた人物はこちらを振り向いた。
- 47: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 14:07:45.18 ID:rsgEZlLU0
- (´・ω・`)「やあ、皆。今日は大切な大会だってのに、出てくるのが遅いじゃないか」
やはりショボンだった。思わずブーンは口から言い訳がでる。
(; ^ω^)「い、いや!今日はいつもより早めにきたんだお!だから許してお!
僕にあっち側の趣味なんてないんだお!!!」
ブーンは何とか罰のksmsを回避するのに必死だ。それは副キャプテン二人も同じだった。
(;´−`)(;^Д^)「許してオクレ!!」
ショボンはそんな三人の様子に少し首を傾け、少し考えた後、
(´・ω・`)「・・まあ早めにきたのはホントみたいだし、君たちは許してあげるよ。
でも、ドックンはちょっと来い」
('∀`)「了解!」
ドクオは罰だというのに、元気良く受け答えをし、ショボンと一緒にどこかへいってしまった。
一同「・・・・・・・・・・」
試合前から少し嫌な気分になった一同だった。
- 49: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 14:12:14.74 ID:rsgEZlLU0
- 数分後・・
(´・ω・`)「ふぅ、ドックン、君はさすがだね」
('∀`)「いやいや、ショボンの方こそ。さすがのテクニックスだ」
二人の間に何があったのかはわからない。でも顔は妙に艶があった。
(; ^ω^)「ま、まあ気を取り直して準備するお!!ショボンがだいぶ準備してくれたから早く終わるお!!」
ブーンは嫌な思考を振り払って、皆に呼びかけた。少し放心していたメンバーたちも気を取り直し、準備を始める。
準備中に貞治はブーンに近くに来た。何か話したそうな表情をしている。
ブーンはそんな貞治の様子に気がついて、話し掛けてみた。
- 50: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 14:16:13.84 ID:rsgEZlLU0
- ( ^ω^)「どうしたんだお?貞治」
ちょっと貞治は照れた顔をしながらブーンに返事をした。
(^∀^)「いやぁ、ちょっと迷惑かけたことをもう一回謝りたいと思ってさ」
( ^ω^)「もう気にすることなんてないお。貞治が戻った事で充分なんだお」
(^∀^)「そうかなぁ・・。あの時、俺が教室から出ようとしたとき、俺に向かって叫んでくれた事、おぼえてる?」
(; ^ω^)「・・・・・・・・・・」
ブーンは忘れっぽいのですぐに自分の言った事も忘れてしまう。
(^∀^)「ははっ、なかなか覚えてないよな。俺はあの言葉に本当に感謝してるよ。
俺みたいなヤツを、見捨てないでちゃんと引き止めてくれてありがとうな。
この部活で、今までなかったいろいろな思い出を手に入れることができたんだ。本当に辞めなくて良かったって思ってる」
(* ^ω^)「改めて言われるとなんか照れちゃうんだお」
ブーンは軽く顔を赤く染めながら、貞治の話を聞いていた。
- 52: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 14:20:43.96 ID:rsgEZlLU0
- (^∀^)「ホントにありがとう。それだけ言いたかったんだ」
( ^ω^)「そうかお。その言葉しっかり覚えておくお。
その思い、今日の試合にしっかりぶつけてくれお」
(^∀^)「ああ、任しとけ。それじゃあな」
貞治は準備に戻っていった。その背中は随分たくましくなっている。
( ^ω^)「頑張ろうだお」
ブーンは静かにつぶやいた。その瞬間、誰かが後ろから軽く叩いてきた。
(# ^ω^)「ちょっ、なんだお!!」
(´・ω・`)「ボーッとしてた割には偉そうだね。掘るよ?」
(; ^ω^)「ひいいい!!すいませんだお!!すぐ準備に戻りますお!!」
ブーンは一目散に駆け出して、準備に戻った。今日の準備はいつもの数倍早くおわった。
朝早くから来てくれて、一生懸命準備をしてくれたショボンのおかげだろう。
- 53: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 14:29:21.92 ID:rsgEZlLU0
- ( ^ω^)「ショボンのおかげもあって、練習時間がふえたお!さあすぐにアップするお!!」
リベンジということもあってか、ブーンだけでなく、全員気合は充分だった。
速いペースでランニングを始めた。
( ^ω^)「VIP高!ファイ!!」
一同「オッ!オッ!オッ!!」
ブーンはもうしっかりとキャプテンの仕事を果たしている。声の出し方も上手くなった。
( ^ω^)「これにもてこずってた昔が懐かしいお」
引退のかかってる試合だからなのか、ブーンはよく昔のことを思い出している。
一年の頃のブーンとはも別人だ。ランニングもすぐに済ませ、ストレッチ、キャッチボールといい流れですましていく。
- 55: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 14:31:41.02 ID:rsgEZlLU0
- ミサイルに入っても皆の気合の入り具合は変わらない。
打たれるシュートはキーパーがとるのも大変そうなボールばかりだ。
(;´−`) 「全く、気合を入れるのは構わないが、少しは加減してくれよ」
シュートを受けた腕をさすりながら、祐はつぶやいた。
(`Д)「いいじゃないですか。やる気のある方が楽しいですよ?」
たけしはこの感じがとても好きなようだ。
(´−`) 「まぁな。試合に勝ってりゃ、痛かったけど許すわw」
この二人もまた、今日の試合に普段よりも数倍熱い気持ちを込めていた。
メンバーの気持ちは既にひとつにまとまりかけていた。
- 56: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 14:36:46.93 ID:rsgEZlLU0
- ミサイルもそこそこに終了し、ポジションシュート、逆速攻の練習を始めてた。
ミサイルの時点ですでに庸行西高は到着していたが、VIP高は全くその姿を気にせずに練習に励んでいた。
/ ,' 3「ほぉ・・今日はいい勝負が出来そうだな」
荒巻監督は一目でVIP高に変化があったのを見切っていた。さすがは元オリンピック代表といった所か。
凄く対戦を楽しみにしているようにも見えた。やっと対等の相手と戦える。
そんな表情にも見える。
/ ,' 3「じゃあ僕等もアップを始めよう」
荒巻は部員に呼びかけた。すぐに部員は準備を始める。
/ ,' 3「一回戦は突破した。ここに勝てるかどうか、それが第二の試練だろう」
そうつぶやき、荒巻は表情を変えないまま、自分のチームのアップを眺めていた。
- 57: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 14:39:49.91 ID:rsgEZlLU0
- (*゚ー゚)「うん、今日の調子は充分ね。普段より皆体にキレがあっていいわ。
必ず、荒巻先生のチームを超えるんだから・・」
しぃ先生もこの試合にかける思いは部員と同じくらいある。
全国が目の前という事もあるし、相手が荒巻先生率いるチームだからというのもあるだろう。
(*゚ー゚)「・・必ず勝つわ。二度も同じ事は起こらないのよ」
キュッと拳を握りながら、しぃ先生は思わずつぶやいた。
逆速攻もそろそろ終わる頃だ。
そこでしぃ先生はある人影を発見する。
(*゚ー゚)「・・・ギコ君?」
- 59: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 14:45:01.93 ID:rsgEZlLU0
- ( ゚Д゚) 「・・・・・」
確かにギコだった。しぃ先生は小走りしながら、ギコのいる方へ向かった。
(*゚ー゚)「久しぶりね!ギコ君!!」
しぃ先生は満面の表情を浮かべながら、ギコに話し掛けた。
(* ゚Д゚) 「ひ、久しぶりです!!しぃ先生!」
ギコは思わず、ステキな笑顔をみて赤面してしまった。
(*゚ー゚)「大学は楽しい?頑張ってる?」
( ゚Д゚) 「はい。楽しいですゴラァ!!にしても、よくここまで強くなりましたねゴラァ!!」
やはり語尾にゴラァ!をつける癖はぬけてないみたいだ。
- 61: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 14:52:35.58 ID:rsgEZlLU0
- (*゚ー゚)「大変だったけど彼等はよく頑張ってくれたわ。私の自慢の生徒よ」
自信満々の顔でギコにそういった。
( ゚Д゚) 「そうですねゴラァ!!よくこんなに上手になってくれたゴラァ!!
ところで、しぃ先生・・この試合が終わったらはなs」
( ^ω^)「しぃ先生!集合だお!!」
(*゚ー゚)「あら、ギコ君ごめんね!また後で!!」
( ^ω^)「おっ!ギコ先輩!見に来てくれたんだお!僕等の勇士見といてくださいお!」
( ゚Д゚) 「お、おう・・」
空気嫁、ブーン。ギコは仕方ないと思い直し、試合を見学することにした。
( ゚Д゚) 「まあ仕方ない。ブーンは昔から空気読むのは苦手だったもんな」
- 62: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 14:58:20.25 ID:rsgEZlLU0
- 全員集合し、しぃ先生が話を始める。
(*゚ー゚)「いい!?今日は県決勝よ!ここで負けたら引退なのよ!!
気合はしっかり入ってるわね!?」
一同「はいっ!!!!!!!」
(*゚ー゚)「よろしい!!能力的にはもう昔闘った時ほど、大差は無いはずだわ。
あなた達はそれだけ練習してきてるから大丈夫よ!弱気にならないこと!
気持ちで負けない事!これを守れば、勝てるはずよ!!」
いつもより数段厚熱いしぃ先生の言葉に、皆は改めて気合を入れなおす。
( ^ω^)「しぃ先生、ちょっといいかお?」
ブーンがいきなり口をはさんだ。
- 64: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 15:01:11.17 ID:rsgEZlLU0
- (*゚ー゚)「ええ、いいわよ」
ブーンは少し間を空けて、ゆっくり、そして静かに語りだした。
( ^ω^)「ここまで僕等が勝ち進んでこれたのは、先輩、しぃ先生、コーチ、そしてみんなの努力のおかげだお。
皆、思い出すことはいっぱいあると思うお」
一同は少し自分達の過去についてふりかえってるみたいだ。
色々な事があった。全員表情が違う。
( ^ω^)「この三年間を無駄にしない為、目標を達成する為に、どんな強大な相手が来ても、
皆の絆があれば必ず勝てるんだお!いや、勝たなきゃいけないんだお!」
一同は軽く頷くような動作を見せた。
( ^ω^)「それと・・僕のようなキャプテンに今までついてきてくれてありがとうだお。
バカなキャプテンだったと思うお。本当に感謝してるお」
そんなブーンの言葉を聞いて、少しにやけながらショボンは言葉を口にする。
- 66: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 15:05:30.54 ID:rsgEZlLU0
- (´・ω・`)「ハハッ、馬鹿なのはいつもだろ?まだ感謝するのは早いよ。
君には最後までしっかりキャプテンの役目を果たしてもらわないとね」
その言葉につられるように、プギャーも言葉を口にする。
(^Д^)「そうだぞ!まだ試合の前なのにしんみりするのは早いんだ!」
そういうとプギャーは、
(^Д^)9m「プギャー!!!」
と対アマゾン戦の時よりもムカつくが、愛嬌のあるプギャーをした。
(^∀^)「フフッ、試合前から元気な奴等だよ」
貞治や、他のメンバー、しぃ先生もクスクス笑っていた。
(; ^ω^)「なんか急に恥ずかしくなったお。もう引退までお礼の言葉を口にしないお。
僕からはそれだけだお。今日は絶対勝とうお!!」
みんな「オーッ!!!!」
もう一度気合を入れなおし、しぃ先生からのスタメン発表に移った。
- 67: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 15:09:40.95 ID:rsgEZlLU0
- (*゚ー゚)「じゃあスタメン発表するわ!!」
サイド( ^ω^) 45(´・ω・`) センター(^Д^) 逆45('A`)
逆サイド(゚∀゚) ポスト(^∀^) キーパー(´−`)
いつも通りだ。もうこのメンバーは定着なのだろう。
(*゚ー゚)「状況によって二年生も出すから、しっかり準備しときなさい!」
( ^^)< ゚д゚>( `ー´)(`Д)「はいっ!!」
(*゚ー゚)「じゃあそれぞれ準備に戻って!今日は必ず勝つわよ!」
それぞれが自分の準備に入っていった。 ブーンは未だに緊張が隠せないようだ。
- 68: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 15:14:02.72 ID:rsgEZlLU0
- ( ;^ω^)「緊張するお・・」
やはりブーンは不安な表情をしている。
ツンはそんな表情にあきれたのか、ブーンに優しく話し掛ける。
ξ゚ー゚)ξ「あんまり気負っちゃダメよ?緊張すると動けなくなっちゃうわ」
いつものトゲトゲしい口調は全く無い。
(; ^ω^)「わかってるお・・でも」
緊張するのは当然だ。全国のかかってる試合なのだから。
ツンがいきなり近くにきた。そして・・
ξ///)ξ「しっ、仕方ないわね・・」
(; ^ω^)「・・・ッ!!」
ブーンは突然の感触にビックリした。何をされたのかはわからない。
ξ///)ξ「べっ、別にブーンのこと好きだからしたんじゃないからねっ!
あんたのせいで試合に負けてもらったら困るからしただけよ!!」
ブーンは頬に残るその感触に気がつく。ツンは恥ずかしさのあまり後ろを向いてしまった。
( *^ω^)「ツン・・!ありがとうだお!」
さっきの緊張などどこかに吹き飛んでしまった。
- 69: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 15:22:36.33 ID:rsgEZlLU0
- ブーンとツンがイチャイチャしてるのを、皆見つめていた。
(*^Д^)「フゥー!!おあついね!試合前なのに見せ付けちゃってくれるよ!」
プギャーが異常に興奮していた。
(´−`) 「いいな、ブーン。クー、俺にm」
川 ゚ -゚)「だが断る」
あっさりと断られて、祐は少し落ち込んでいた。
そんなこんなでもう試合時間になっていた。
( ^ω^)「決めたお。今日勝ったら告白するんだお」
ブーンの恋も巻き込んだ、決戦が今、幕をあける。
- 70: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 15:27:38.67 ID:rsgEZlLU0
- 両方のチームがセンターラインに並ぶ。それぞれの相手をしっかりと観察しているようだ。
「おねがいしまーす!!!!!!!!!」
数段気合の入った声がグランドに響き、二つのチームは自分達のコートに向かう。
( ^ω^)「僕は思ったんだお。確かに相手は統率の取れたいいチームだお。
でもそんなに抜けてる選手はいないお。同じような感じの能力の人が多いお。
だからマンツーマンディフェンスはしなくてもいいと思うんだお。
簡単にシュートを打たれない。集中力の持続。この二つを意識してほしいお」
全員が軽く頷く。
( ^ω^)「それと・・今まで練習してきた事を全部いかしてほしいんだお。
それだけだお。それじゃいくおー!!!!!!!!!」
一同「ワァァァァァァァ!!!!」
いつも通り気合を入れて、それぞれの位置につく。
今日もVIP高はディフェンスからのスタートだ。
- 72: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 15:35:37.90 ID:rsgEZlLU0
- VIP高の今日のディフェンスは0−6だ。
これはしぃ先生の意見で、ロングシュートはきっと、相手にいい状態で打たせなければ取れる。
だから今日は祐君の弱点でもあるサイドシュートに警戒して欲しい。との事だ。
ロングがしっかり止められれば、すぐに速攻にも持っていけるから有利というのもあるのだろ。
( ^ω^)「みんな気合いれるお!!」
相手がセットを組み始める。やはり決勝に上がってくるだけあるパス回しだ。全く無駄がない。
これではパスキャッチミスは期待できないだろう。
いつ仕掛けてくるのか、そのタイミングを自分の相手を見ながら、VIP高は伺っている。
- 73: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 15:38:28.63 ID:rsgEZlLU0
- VIP高のディフェンスフットワークはかなり進歩していた。
しっかりと相手についていける体力、速さ。それを身に付けたので、
もう昔のように足がもつれたりして相手にあっさり抜かれるような事はなくなった。
相手も凄く進歩したVIP高のディフェンスに、なかなか最初の一歩を仕掛けられずにいた。
45が少し勢いをつけて走りこんでるセンターに、素早いパス回しをする。
(^Д^)「来るぞ!!!」
プギャーはその雰囲気をいち早く察し、センターのディフェンスにつく。
幸いもうボールをもらった時点でゼロステップを踏んでいたので、ホールディングするのも大して苦労はしない。
(^Д^)「なにっ!!」
センターはそこから飛ぶ。シュートモーションに入った!!
(^Д^)「打たせるか!!」
プギャーは精一杯ディフェンスをする。腕を伸ばし、少しでもコースを潰す。
- 75: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 15:46:08.93 ID:rsgEZlLU0
- だが・・
(;^Д^)「バックパス!?」
なんと相手のセンターは後ろに走りこんでいた逆45にパスを出したのだ。
しっかり勢いのついた逆45は速攻でシュートモーションに入った。
(;^Д^)「くっ!!!」
プギャーは精一杯ジャンプしてシュートコースをもう一度とめにいく。
だがいかんせん、距離が離れ気味だ。さすがにあまり意味はなかった。
ビシュッ!!逆45はその走りこみの勢いもあってか、勢いのあるシュートを打ち込んできた。
あとはキーパーにゆだねられた。
- 77: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 15:49:10.74 ID:rsgEZlLU0
- シュートが打たれた瞬間、サイドの二人は速攻のスタートを切り始めた。
( ^ω^)「祐・・止めてくれお!!」
(゚∀゚) 「頼む!」
ここで止められれば、逆にカウンターを仕掛ける絶好のチャンスだ。
だが、センターの位置から打たれるシュートを止めるのは、ロングシュートの中で一番難しいといっても過言ではない。
果たして祐は最初の期待に答えられるのだろうか?
センターが打ってきたシュートは、右下ポストギリギリのシュート。
(;´−`) 「ッ!」
少し、逆方向に意識のいっていた祐は反応が遅れる。
(;´−`) 「ちっ!!」
祐は可能性にかけて、スライディングをしかけた。体は柔らかくなってたので、使うにはもう問題ない。
祐の足と、ボールの距離が少しずつ近くなっていく。届くか!?
- 79: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 15:53:14.03 ID:rsgEZlLU0
- ボンッ!!
祐の足にボールがヒットする。
(;^Д^)「止めた!!」
(;´−`) 「しまった!」
そのボールをはじいたはいいものの、勢いを殺す事は出来ず、後ろに転がっていく。
(;´−`) 「ちくしょう!」
祐が体勢を整えたところでもう遅かった。
「ピッピッピッ!!」
笛の音が鳴る。先制点はあっさりと奪われてしまう。
- 81: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 15:56:24.46 ID:rsgEZlLU0
- / ,' 3「よし・・これで次押さえれば、流れはうちに傾く・・」
荒巻は少し笑顔を浮かべながらつぶやいた。
そんな様子を見つめていたしぃは少し悔しそうな顔を見せながら、
(*゚ー゚)「まだ一点よ!!気を取り直して攻めなさい!!」
と大声で叫んだ。
( ^ω^)「大丈夫だお。皆冷静だお。さて攻めるお!!」
センターラインにプレーヤーが向かい、再びプレーが再開される。
(^∀^)「さあ、積極的にいこう!」
貞治はすぐにポストの位置に入る。ここはどう攻めるかで、入るか入らないか変わってくるだろう。
- 82: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 16:02:12.47 ID:rsgEZlLU0
- こちらも負けじと、華麗なパス回しを披露しつつ、機会をうかがっていく。
パスがショボンにわたった時、仕掛ける雰囲気をみせた。
(´・ω・`)(さっきはフォローが遅れてしまった。その分をここで返したい。
コッチコーチから教わった技、試してみるか)
ショボンはどうやら、今まで使わなかった秘策を試すようだ。
ゼロステップを踏むと一瞬相手の前で静止する。
('A`) 「ショボン、一体何を!?」
ドクオはその姿を見て、少し不安になった。
その不安はどうやら当たるようだ。ショボンは勢いもつけず、相手の前で思い切りシュートの構えに入った。
(;'A`) 「ショボン!!!」
- 83: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 16:07:12.11 ID:rsgEZlLU0
- 相手「うわっ!!」
思い切り顔面近くでシュートモーションに入られたので少し相手がビビる。
(´・ω・`)「これを狙ってたのさ!!」
そのボールはショボンの手から離れていない。シュートフェイントを使ったのだ。
ショボンは華麗に相手を交わし、勢いに乗り、シュートの体勢に入る。
(´・ω・`)「決める!!や ら な い か!!」
いつもの掛け声とともに6メーター付近からシュートが投げ込まれる。
- 84: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 16:11:44.43 ID:rsgEZlLU0
- 「ピーッ!!!!!」
(´・ω・`)「なっ!!」
どうやらショボンはシュートに入るまでに歩きすぎてしまい、オーバーを取られてしまう。
(´・ω・`)「すまない!!」
( ^ω^)「すぐ戻るんだお!」
ダッシュでディフェンスに戻るVIP高陣。
だが相手の展開が早く、二次速攻であっという間にVIP高のゴールに近くにくる。
('A`)「ここでやらせたらまずい・・!!」
ドクオも一生懸命相手を追うが、かなり足が速い。
ブーンですらなかなか追いつけず、結局、相手のフリーでのシュートを許す事になった。
- 85: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 16:18:26.56 ID:rsgEZlLU0
- (´−`) 「二本も全力でやらせるかよ!!」
祐は相手の迎撃体勢に入る。だが、完全に不利であることには変わりない。
シューター有利のこの場面、一体どう勝負するのか。
(´−`) 「小細工はいらない!!真っ向勝負だ!!」
祐は相手の目の前に立ち、腕に当てにいく体勢をとる。
相手がシュートモーションに入る。ギリギリまで祐は動かない。
相手の手からボールが離れる。その瞬間と同時に、
(´−`) 「止めるッ!!」
そのボールに飛びつこうとする。体のどこかに当たってくれるのか。
- 87: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 16:23:03.65 ID:rsgEZlLU0
- だが、無残にも祐の体にボールはかすらなかった。
そのままシュートはゴールへとむかっていく。
(;´−`) 「マズイ!!」
そう焦ってもも間に合わないのは知っている。得点の笛が鳴るのを待つしかなかった。
が、次の瞬間、ボールはポストに当たる音とともに、自分の足元に転がっている。
(´−`) 「しめた!狙いすぎだな!」
シュートは左上の角にあたり、上手い具合に足元に転がっていたのだ。これなら速攻も不可能ではない。
( ^ω^)「祐!!」
ブーンが丁度いい位置にいたので、パスをだす。
ブーンはチームの期待を背に、走り出す。
- 88: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 16:31:12.03 ID:rsgEZlLU0
- ⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブーン!!!!
ブーンがあの特徴的な構えを見せ、走りこんでいく。
さすがにブーンの足に追いつけるやつはいなかった。完全にブーンの独壇場となった。
( ^ω^)「このチャンス!逃さないお!!きめるお!
ブーンが6mライン中央でキーパーと勝負!
(^Д^)「ブーン!頼む!」
プギャーの声が聞こえる。ブーンは打つ体勢に入った。
( ^ω^)「ギャリック砲!!」
本当にギャリック砲のようなシュートをゴールに打ち込む!
狙いは驚くほど完璧、そしてもともと有利という事もありあっさりとゴールを決め、同点になった。
- 89: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 16:31:39.98 ID:rsgEZlLU0
- (´・ω・`)「ブーン、よくやった!!」
ショボンからの賞賛の声をもらってもブーンは、
( ^ω^)「次がまだまだあるお!ディフェンスに切り替えるお!!」
と、先のことを見据えた発言をする。その姿に
ベジータ「あいつ・・成長したな」
訳の分からない人物がコメントしていた。
その後前半はどちらも全く譲る事の無い接戦になった。
見てるほうが思わず手に汗握る。シュート一本にドキドキするような、そんな試合だ。
前半が終了し、6対6というロースコアでハーフタイムを向かえる。
勝負は残り後半30分に託された。
勝つのはどちらのチームなのだろうか。
第二十三話 決戦 完
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