( ^ω^)ブーンがハンドボールを始めるようです

96: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 17:52:33.61 ID:rsgEZlLU0
  
第二四話 運命の三十分

前半は終了し、全員はしぃ先生とギコ先輩の所に集合した。

(*゚ー゚)「いい!?決して得点も、内容的にも、負けてるわけじゃない!
むしろいい感じよ!こんな感じで後半も頑張りましょう!
でもシュートミスが多いのは少し気になるわ。そこに気をつけてみて!」

( ゚Д゚) 「お前等・・上手くなったな。動きが昔と別人だゴラァ!!
だが、ここで負けたら全て終わりだゴラァ!!気合入れていけゴラァ!!」

二人の話が終わる。そしてブーンが口を開く。

( ^ω^)「結束は固いお!どちらのチームも・・
小さなミスは期待しない方がいいお!完全に実力勝負だお。
後半も気を抜かずにいくお!!」

皆はまだまだ元気のいい返事をして、それぞれ休憩を取っている。



97: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 17:57:34.64 ID:rsgEZlLU0
  
今は特に体を痛めてる者はいないみたいだ。

後半もこのメンバーで戦えそうな感じだ。

貞治だけ、なんだか冴えない顔をしているようだ。

(;^∀^)「俺だけあんまり得点に絡めなかった・・」

どうやら、活躍できずに悩んでるようだった。

誰かが貞治に声をかけた。

???「落ち込んでても仕方ないぞ!!自分のやれる事をやれ!!」

その声に貞治は顔をあげる。

(;^∀^)「・・あんた誰!?」



98: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 18:03:32.79 ID:rsgEZlLU0
  
ベジータ「俺はブーンの親戚である、誇り高きサイや人の王子、べz」

(*゚ー゚)「ちょっと!あなた、なんですか!?関係者以外立ち入り禁止です!!
ギコ君!!」

( ゚Д゚) 「御意」

ベジータ「ちょwwwwwwはなwwwww」

ベジータは何故か、脇をくすぐられながら、外へと出されていく。

( ゚Д゚) 「このおっさん・・体臭キツイな」

ベジータ「orz」

でも貞治にはその言葉に、少し勇気ずけられたみたいだ。



99: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 18:07:28.64 ID:rsgEZlLU0
  
(^∀^)「自分の出来る事をすればいい・・
そうだな、俺はボールが回ってきた時、確実にシュートを決めればいいんだ」

貞治の顔つきに憂いがなくなった。もう貞治は大丈夫だろう。

少しずつ、再開の時間が近くなる。

それぞれ、戦法の確認、休憩などしてる事はさまざまだ。

ギャラリーはいつのまにか増えて、ラウンジのメンバー四人も試合を見に来てくれてるらしい。

( ^ω^)「あの人達・・」

(´−`) 「ぃょぅ・・」

ラウンジ高校のメンバーは明らかに「負けたら承知しないからな」という表情でこちらを見つめていた。

改めて、今日は勝つという気持ちを強く認識した。



100: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 18:09:44.25 ID:rsgEZlLU0
  
そろそろハーフタイムも終了する。

メンバーはブーンのところにもう一度集まる。

( ^ω^)「ラウンジ高校の人たちも今日は見に来てくれてるお!
もう一度勝つという気持ちを確認するお!!気合いれるお!!」

( ^ω^)「絶対かつお!!!」

一同「ワァァァァァァァァァァァ!!!」

その気合は前半よりもさらに勢いのあるものに聞こえていた。

運命の三十分が今、始まろうとしている。



101: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 18:13:58.28 ID:rsgEZlLU0
  
後半がスタートする。

今回はVIP高校がオフェンスからだ。

セットを組み、敵と対峙する。

そんな時ドクオは何か考えていた。

('A`)(あれだけ練習したブラインドシュートが試せないのは嫌だな。
幸い、まだ奇襲のようなシュートは打たれていない。打つならそろそろか)

どうやらドクオはまだ完成したてのブラインドシュートを試してみるようだ。

パス回しが展開される。相手もさすがに簡単に隙を見せてはくれないようだ。

ドクオは少しずつ焦り始めていた。



105: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 19:10:37.93 ID:rsgEZlLU0
  
(;'A`)(なかなか狙わせてくれないな・・よし)

パスは逆45のドクオに回ってくる。

するとドクオは相手のディフェンス二人の間に、ゼロステップを仕掛けたのだ。

( ;^ω^)「ちょっwwwドクオ、それはいくらなんでも無謀だお」

ブーンはドクオの意図が全く理解できずに、思わず声をかけてしまった。

('A`)(ここからだよ)

ドクオは心の中でそうつぶやき、相手をひきつける。

相手はドクオの策に上手くはまり、少しずつ距離を詰めだした。



107: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 19:19:31.28 ID:rsgEZlLU0
  
('A`)(もう少し、もう少し・・・)

ドクオは冷静に相手との距離を図っていた。

彼はこのチームで一、二番を争うほどの冷静さをかね揃えている。

ブラインドシュートの方も、精度は高くなっていた。

('A`)(いまだ!!)

ドクオはそのディフェンス二人の間に隙を見つける。そこにめがけて、一回軽くステップを刻む。

そして、シュートを狙う。

('A`)「くらえっ!!」

ドクオのブラインドシュートに完全に奇襲されたディフェンス二人は、反応すら出来ずに

あっけなくボールを目でおいかけているだけだった。



108: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 19:24:28.06 ID:rsgEZlLU0
  
キーパーもその奇襲作に反応が遅れ気味になっている。

ただ、打ったコースが甘めだ、あれだと取られてしまうかもしれない。

(;'A`)「くっ・・ぬかった」

ドクオ自身、それに気がついてるようで、苦悶の表情を浮かべる。

キーパーが反応を始めた。そのボールに向かって腕を伸ばし始めた。

(;'A`)「くっ・・さすがに甘いか!」

キーパーはボールを追う。そして・・


バシッ!!カァァァァァァァァン

そのボールははじかれて、ポストにあたり、前に転がっている。

('A`)「チッ!」

ドクオは軽い舌打ちとともに、ディフェンスに戻る体勢を取った。



109: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 19:27:34.06 ID:rsgEZlLU0
  
( ^ω^)「貞治!?」

貞治はまだ相手のディフェンスラインにいる。

一体どうしたというのか。

(^∀^)「まだ終わってないだろ!?」

確かにボールは前に少し転がりながら進んでいる。

だがとても、取れる範囲にボールがあるわけではない。

それなのに何故、貞治は、諦めていないのだろうか。

(^∀^)「普通に打てないなら・・こういうシュートの仕方だってあるんだ!」



110: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 19:31:47.24 ID:rsgEZlLU0
  
なんと貞治はそのボールに向かって飛び込んだのだ。

こういうプレーはハンドボールにはたまにあるのだ。

どうしても届かなくて、シュートを打ちたいとき、そんなときに突っ込んでボールをゴールの方向にはじく・・

だが大概そのシュートは普通のシュートに比べ大して勢いがないので、

入る確率は極めて低いのだ。

だが、貞治はその可能性にかけた。いわばギャンブルと同じような感じだ。

(;=゚ω゚)ノ「あれは・・無茶だょぅ」

(´<_`;)「確かにな。あれで入れたやつなんて見たこと無いぞ」

観衆もそう感じていたようだ。だが、貞治はお構いなしにボールへ向かう。



112: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 19:38:17.80 ID:rsgEZlLU0
  
(;^∀^)「決める!!決めてみせる!!」

貞治は飛び、ボールに手を触れる。そして渾身の力を込めてゴールの方にボールをはじいた。

幸運な事にキーパーはさっきのドクオのシュートによって体勢が崩れていた。

なので、入る確率は通常よりも少し高い。

貞治がはじいたそのボールはゴールの角へと向かって、転がっていく。

相手も力を振り絞り、スライディングを仕掛けてくる。

どちらの執念が身を結ぶのだろう。

会場にいた全員がその様子を固唾をのんで見守っていた。



113: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 19:42:57.97 ID:rsgEZlLU0
  
キーパーの足にボールが当たる!!

だが、当たった場所が悪かった。少しかかとの方に当ててしまったので、

ボールは後ろに転がっていく。

ゆっくり、ゆっくりとそのボールはゴールをわった。

(^∀^)「よっしゃあああ!!」

貞治の執念が身を結び、見事相手のゴールを奪う事に成功した。

前半とはまた違った流れになりそうだ。



114: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 19:47:34.90 ID:rsgEZlLU0
  
貞治のガッツプレーによって、前半よりもVIP高は有利にゲームを進め始めたのだ。

相手も貞治の気迫によって、萎縮したのか、シュートの精度も少し落ちてきた。

(´−`) 「これぞ好機!!」

祐は相手の失投したシュートを楽々とって、速攻の体勢に入る。

(゚∀゚)「こっちだ!!」

ジョルジュが走り出している。遅れて、ブーン、ショボン、ドクオも。

(´−`) 「ジョルジュ!!」

祐は一番走っていたジョルジュにパスを出す。

だがパスは微妙にそれてしまった。これをとる事ができるか、ジョルジュ。



115: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 19:51:33.72 ID:rsgEZlLU0
  
(;゚∀゚)「おわっと」

ジョルジュはジャンプして、なんとかそのボールを外に出さないでキャッチした。

だが、体勢を崩してしまったので、もう相手に囲まれている。

(;゚∀゚)「くうう・・」

ジョルジュはどうすればいいのか迷った。だがその時、

(^Д^)「ジョルジュ!!」

プギャーが素早いフォローにやってくる。ジョルジュはプギャーにパスを回した。

(^Д^)「任せろ!!」

プギャーはドクオ、ショボンとランニングパスを回しながら、ゴールへ突撃する。

ボールを相手から取られそうになっても、いいパスワークでドンドン回していく。



117: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 19:55:52.27 ID:rsgEZlLU0
  
そして、九メーターライン付近まで来るが、さすがに相手も間抜けではない。

すぐディフェンスの体勢を取ってきた。だがプギャーは一瞬ブーンの方をみて、

そのまま思い切りジャンプしてシュートの体勢に入ったのだ。

(^Д^)「いくぞおおおおお!!!」

プギャーはわざとらしいほどに気合をいれた。その気合についついディフェンスは反応して、

シュートブロックに入ろうとした。

しかしプギャーは意外な方法を取った。



118: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:01:02.51 ID:rsgEZlLU0
  
(^Д^)「ブーン!!」

プギャーはブーンの方を向き、弾丸のようなパスをだす。

ブーンはそのボールをしっかり受け止めると、

( ^ω^)「任せろお!!」

気合充分に、シュートの体勢に入る。

サイドはほぼノーマークの状況だったため、相手は慌てて、ブーンのディフェンスに入るが、

プギャーのパスが速すぎてもう間に合わなかった。

( ^ω^)「おじちゃん・・みててくれお!デスボール!!」



119: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:04:48.76 ID:rsgEZlLU0
  
ベジータ「なっ、デスボールだと!?」

このシュートはベジータを逆に失望させることとなった。

だが狙いは正確、速さも充分。これは決まってもおかしくないシュートだ。

相手キーパーも必死にボールを止めにいく。だが反応が一歩遅かった。

ブーンのシュートはネットを揺らす気持ちのいい音とともに、ゴール内へ。

( ^ω^)「よし、逆転だお!!」

ついにVIP高は一点リードに成功する。

このリードを守りきる事が出来ればVIP高の勝利は確定だ。

( ^ω^)「よし!皆、もっと点差を広げて勝つんだお!!」

一同「おk!!!!!!!!!!」

少しずつだが、勝利は見えてきている。



120: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:08:22.69 ID:rsgEZlLU0
  
その後後半残り五分まで得点差は変わらない状況だった。

非常に緊迫している。

ひとつのミスすら許されない、緊迫した雰囲気。

全員汗をたらしながら、一生懸命走っていた。

とここで、

(*゚ー゚)「ドクオくん、一回交代よ!!」

ドクオは目に見えるほど疲れている。ここは一回交代した方がいいと判断したのだろう。

( ^^)「ドクオ先輩、少しだけ休んでてください!!」

山崎は二年の中でおそらく一番うまい。経験豊富なので、ドクオは安心して後を任せた。



121: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:11:38.15 ID:rsgEZlLU0
  
予想通り、山崎はしっかりとした活躍を見せてくれた。

だが、庸行西も黙ってみてるわけじゃない。

VIP高が疲労し始めた所を狙ってきて、半数のメンバーを変えてきたのだ。

さすがに、体力が残っているのを相手にするのは辛い。

だが、全員底力をみせ、攻撃をほとんど防いでいた。

そして試合は残り一分を向かえる。

野球はツーアウトまでわからないように、ハンドも一点差ではまだ勝負は分からない。

VIP高は庸行西の攻撃を防ぐ事ができるか。もう体力は限界がきているはずだった。



122: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:13:33.74 ID:rsgEZlLU0
  
(;;^Д^)「はぁ、はぁ、奴等なんて体力してるんだ」

さすがにプギャーでさえ疲れが露わになってきた。

だが最後の一分を防ぎきれば自分達の勝ちなのだ。

ここでくじけるわけにはいかなかった。

( ;;^ω^)「みんな、頑張るお!!」

ブーンの声が聞こえてくる。メンバーは最後の力を振り絞って、ディフェンスに入る。

相手がパスを回す。少し集中力の切れてきたVIP高にとっては長いパス回しは脅威になるかもしれない。



123: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:15:32.90 ID:rsgEZlLU0
  
そんなことを読んでか、わざと庸行西はギリギリまでパス回しをする。

(;;^Д^)「ちくしょう、早く仕掛けて来い・・」

あきらかに全員の集中力がかけてきている。

(;´−`) 「皆、集中しろ!!」

その言葉をかけたところでもう遅かった。

相手のポストが目の前に、ボールをもって、構えている。

(;´−`) 「!」

祐の今日の試合最後の勝負が始まる。



124: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:20:34.70 ID:rsgEZlLU0
  
(;´−`) 「くそっ!!」

真正面にいたらもうどちらに打たれるか分からない。

とりあえず相手の腕を潰しにいく作戦にでる。

そのために思い切り前に突っ込んだ。

だがそれが裏目にでる。相手はボールを浮かせてくる。ループだ。

(;´−`) 「ちくしょう!やっちまった!!」

脚力を駆使し、反転し、ループシュートを取りに行くが、さすがに間に合うものではない。

(;´−`) 「ダメだ、届かない・・」

祐のキーピングもむなしく、そのシュートは入ってしまう。

これで勝負は振り出しに戻る。残り時間は30秒しかない。



126: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:25:19.85 ID:rsgEZlLU0
  
( ;;^ω^)「祐!リスタだお!早く!!」

(;´−`) 「悪い!!」

素早くセンターラインにボールを出して、ブーンがもう中央に居る。

笛がなる。ブーンが走ろうとする。だが・・

( ;;^ω^)「うわっ!!」

ブーンがいきなり倒れてしまう。

(^Д^)「ブーン、どうした!!!」

( ;;^ω^)「すまん、足つったお・・」

最悪のタイミングでアクシデントが起こってしまう。

ピッピッピー!!笛の音が鳴る。スコアは同点。PT戦に入るようだ。



127: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:29:39.61 ID:rsgEZlLU0
  
( ;;^ω^)「皆、すまないお・・僕のせいで・・」

ブーンはつった足を触りながら、皆に話し掛ける。

(^Д^)「きにすんな!あの三十秒じゃシュートは入って無かったよ。
とりあえずPT出来る様に早く回復に専念しろ!!!」

PT戦は絶対にミスできない、プレッシャーはかなり大きい。

シューターにかかる苦痛は計り知れないものがある。今のブーンにその大役が務まるかどうかは微妙だ。

だがブーンならやってくれるはずだ。何故かそう信じていた。

信頼  というものなのかもしれない。



128: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:30:00.40 ID:rsgEZlLU0
  
PT戦の準備が出来た。

だがVIP高のブーンはまだ回復しきれていない。

ここでのルールは三人が打って、多く入ったほうの勝ちらしい。

よってシューターはショボン、プギャー、ジョルジュ そして、決着がつかなかったときに打つ四人目はブーンだ。

(^Д^)「ブーン、お前回ってくるかもしれないからしっかりな」

( ;;^ω^)「おk」

VIP高は先攻なので、一番手、ショボンが七メーターラインに向かう。

ショボンはいつも冷静だ。これを外す可能性は少ないだろう。



129: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:30:15.60 ID:rsgEZlLU0
  
ライン付近でキーパーと向き合うショボン。

その眼光はもの凄く鋭い。

(´・ω・`)「必ず・・決める!!」

ピーッ!!!バスッ!!

ショボンは笛と同時にシュートを打ち込んでキーパーの意表をついた。

そのシュートは見事にゴールだ。

(´・ω・`)「僕はこのくらい余裕に決めるさ」

憎らしいくらいクールに決めてくれた。

その後相手のシューターも楽々とゴールを決める。

二番手も二人とも簡単にゴールを決めた。

まだ同点だ。勝負は分からない。

三番手はジョルジュだ。ジョルジュはシュートはいいが、コントロールが雑な時がある。

そこが少し心配な所だ。



130: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:30:30.63 ID:rsgEZlLU0
  
(゚∀゚)「任せな!!俺が華麗に決めてやる!」

こんな時でも軽い口をきいてられるとはたいしたもんだ。

(゚∀゚)「行くぜ!!」

笛の音とともに、ジョルジュはキーパーだけを見つめる。

そしてシュートを打ち込んだ。

だがそのシュートは狙いが甘すぎた。明らかにキーパーの正面だ。

(゚∀゚)「うう・・すまん」

ジョルジュはその場にがっくりとうなだれた。

祐が止めてくれるのを願うしかない。



132: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:36:06.10 ID:rsgEZlLU0
  
(;´−`) 「PTなんかぶっちゃけ勘だ。考える事なんてない。自分の勘を信じるよ」

既に優勝がかかってる。だが祐は不思議と緊張はしていなかった。

いたって冷静だ。

(;´−`) 「俺が信じる方向・・それは」

ピーッ!!!笛がなり、相手がシュートに入る。

それと同時に祐は右方向に思い切りとんだ。

その勘は当たったようだ。見事にシュートを止めたのだ。

(゚∀゚)「よかった・・」

ジョルジュが安堵の表情を浮かべた。

だが次のシューターはブーン、果たしてマトモなシュートが打てるのだろうか?



134: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:45:15.63 ID:rsgEZlLU0
  
( ;^ω^)「任せてくれお!僕が責任もって決めるお!!」

ブーンは少し体調は回復したように見えるが、まだまだしっかりとシュートを打てるようには見えなかった。

それでも皆は、

一同「頼んだよ!!」

その一言だけ言い残し、ブーンを七メーターラインに送り出す。

何故誰も心配する様子がないのだろうか。

ブーンならやってくれる。きっとそう信じているのだ。

( ;^ω^)「・・決めるお!!」

普段見せないようなブーンの姿。思い切りキーパーを睨みつけ、腕に力を込める。

キーパーもそのブーンの姿をみて、思わず萎縮した。



135: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:51:21.83 ID:rsgEZlLU0
  
ピッー!!!!!!!

( ;^ω^)「うおおおおおおっ!!アッー!!!!」

ブーンの良く分からない気合とともに、ボールは手から離れた。

キーパーもその瞬間すぐさま反応する。

どちらも、完全とも言い切れる位のプレーだ。

ブーンのボールはゴールへと向かっていく。

だがキーパーはそのボールに触れた。

( ;^ω^)「まだだお!!」

そのボールには底知れぬ勢いがあった。キーパーの腕をはじき、ゴールへとボールが収まる。

ブーンはしっかりと、キャプテンとして、プレーヤーとして、役目を果たしたのだ。

( ;^ω^)「やったお!祐、あとは頼んだお!」



136: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:54:35.37 ID:rsgEZlLU0
  
(;´−`)「大変な事になってしまった・・また勘で飛ぶしかないな」

もうこんな大舞台で、まともな神経で立っていられなかった。

限界が近い。祐はこのシュートをしっかり止められる保証なんてない。

それで彼しか居ない。信じるしかない。

(;´−`)「今回は・・左に飛ぶ!!」

ピーッ!!!!合図の笛がなる。シューターは静かにシュートの構えを取る。



137: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 20:59:01.11 ID:rsgEZlLU0
  
そして・・打ってきた。

それと同時に祐は左に飛んだ。だがそれが裏目にでたのだ。

確かにシューターは今、左を狙っていた。

だが握力が抜けてるせいで、ちゃんと狙えずに、真ん中にシュートが飛んできたのだ。

(;´−`)「うわっ!!マジかよ!!」

祐は悪あがきをする。思い切り足を上げてボールを止めにいったのだ。

もうダメだ。とVIP高校はがっかり感を隠す事が出来ない。



138: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 21:01:36.85 ID:rsgEZlLU0
  
その悪あがきの結果は・・

ボールが上に上がっていく。祐の真上に。

そのボールを祐はしっかりとキャッチした。

( ;^ω^)「やった・・!!やったんだお!!!!」

VIP高はついに、念願の全国への切符を手に入れたのだ。

「ありがとうございました!!!!!」

VIP高の元気のいい声がグランドに響いた。

そして、前負けた時のように、荒巻先生の所に集合する。



139: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 21:08:08.47 ID:rsgEZlLU0
  
/ ,' 3「やあ、お疲れ様。正直、凄く悔しいよ。
でも必ず君たちは強くなって帰ってくると思っていたよ。
全国には僕等より強い奴等は沢山いる。くれぐれも油断しないようにな。
今日は楽しかったよ。ありがとう」

その後ろで生徒たちが号泣していた。全国にかけてた思いはどちらも同じくらい強かった。

( ^ω^)「きっと・・あなた達の分まで頑張ってきますお」

ブーンにはその時、その言葉しか出なかった。

その後、すぐに片付けを済まし、部室に戻ってきて、

( *^ω^)「優勝だお!!!!!!!!!!」

と皆もひっくるめて、大騒ぎしていた。

そしてその日は皆で盛大に祝勝会を行った。



140: ◆gk43jgqTBM :2006/12/09(土) 21:16:06.94 ID:rsgEZlLU0
  
楽しい祝勝会もあっという間に終わって、ブーンは家にいた。

( ^ω^)「今日は楽しかったお〜♪でも何か忘れてるような・・」

ブーンは必死に考えてた。

(; ^ω^)「あっ・・試合や祝勝会に夢中でツンに告白するの忘れたお!!」

とんでもない事をブーンは忘れていたようだ。だが、

( ^ω^)「今度でもいいお。結局全国にはいけるんだお」

と思いなおし、すぐに寝てしまった。

その頃ツンは・・

ξ#゚听)ξ「なんで今日あんなに頑張ったのに、そっちの気持ち伝えてくれないのよ!!」

家で大荒れでしたとさ。

これからどこまで勝ち進めるかが、ブーンたちの正念場。

彼等の努力は果たしてどこまで通用するのだろうか。

第二十四話 運命の三十分 完



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