( ^ω^)ブーンがハンドボールを始めるようです
- 3 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 16:42:35.96 ID:HaVjN2Sl0
第二十七話 ビコーズの恐怖
( ∵)「俺を怒らせたことを後悔させてやる・・」
ショボンの感じたこいつの気の変化。先ほどとは違う、攻撃的なオーラを出している。
(;´・ω・`)「・・あれはマズイかもしれないな」
はっきりとショボンは恐怖を感じる。あれが本当のビコーズの姿・・
(;´・ω・`)「プギャー!!あいつを全力で止めに行くぞ!一人じゃ無理だ!」
(;^Д^)「お、おう!!」
普段見せないショボンの態度に、プギャーは慌てて追撃体勢を取る。だがそれも無駄になるかもしれない。
- 4 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 16:47:24.76 ID:HaVjN2Sl0
( ∵)「たかが俺より格下の選手が二人集まったくらいで俺を止められるなんておもうんじゃねーぞ」
二人が前に立ちふさがろうともビコーズは躊躇する姿をまるで見せてこない。
そのプレーには自信が満ち溢れている。逆に二人が躊躇してしまう。
(;´・ω・`)「くそっ、こいつどこからそんな自信が・・」
ショボンがそうつぶやく間に既にビコーズは目の前にいた。
( ∵)「遅すぎなんだよ」
(;´・ω・`)「くっ!いかせない!!」
ショボンは思い切り腕を伸ばしたが、素早すぎて触る事すら出来なかった。
- 5 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 16:51:08.49 ID:HaVjN2Sl0
(;´・ω・`)「スマン!プギャー、任せた!」
(;^Д^)「そう簡単にやらせねーよ」
プギャーが思い切り前進し、ビコーズの前に入ろうとするが、
( ∵)「おめーじゃ俺は止められない」
いきなりビコーズはシュート体勢に入る。プギャーは、
(;^Д^)「なっ!!」
少し反応が遅れたが、シュートをつぶしにいこうとする。
その瞬間、プギャーの顔面の横をもの凄い速さでボールが抜けて行った。
- 6 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 16:55:24.81 ID:HaVjN2Sl0
(;^Д^)「は、反応できなかった・・シュートが出てくるまではしっかり見ていたのに」
( ∵)「俺のシュートは日本一なんだよ」
確かに日本一といっても過言ではない球速、コントロール。プギャーの顔の横を確かに通ったが、
少しホップアップして、ゴールの左上を襲うシュートとなった。
(´―`)「普通じゃボールがホップするなんてありえない・・」
ビコーズが打ったシュートに少し圧倒されている祐。他のメンバーも同じくだ。
(´―`)「でも止めなきゃ!うおっ!」
祐がジャンプして反応を始めたその時にはもうボールはゴールを割っていた。
- 7 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 17:00:30.85 ID:HaVjN2Sl0
(´―`)「・・・・・・・・」
(;´―`)「・・・・・・・・」
あまりの速さに一瞬言葉を失う祐。無理も無い。
(´―`)「なんて速さだ・・こんなシューターがいるなんて」
さすがに圧巻された様子だ。
( ^ω^)「祐、今のは仕方ないんだお!いい状態で打たせてしまったからディフェンスのせいだお」
祐はそのブーンの言葉に疑問を持つ。
(´―`)(いや、あの時の体勢は決してよくなかった。プギャーが前進してきたことよって、
距離が近くなっていて充分な助走がなかったからな・・こいつはやばいぞ)
だはあえて、今は言わないことにするようだ。
- 9 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 17:07:10.22 ID:HaVjN2Sl0
(´―`)「はい、ボール!!」
先ほどのことは考えないようにしてボールを中央ラインまで返す。
(´―`)「頼む、流れは今のプレーで相手に行きかけてる。取り戻してくれ・・」
凄まじいプレーを見せられたせいもあるか、VIP高は自分達でも気がつかないが、気合が少し失せている。
( ^ω^)「切り替えていくお!!」
ブーンの元気のいい声を聞いて少し元に戻るチーム。
このままではマズイということは全員わかっていた。
なかでもショボンは頭の中でなんとかビコーズを止める方法を編み出そうとしている。
この試合はビコーズ次第で勝つか負けるかになってくるだろう。
- 10 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 17:11:19.94 ID:HaVjN2Sl0
ビコーズはシュートをいれ自分のコートに戻る途中、
( ∵)「おい、A。どこがいいチームなんだよ。いつも通りのザコじゃねえか。
目まで腐りはじめてるのかよw」
さっきAに言われたことがよっぽど気に食わなかったのか、反論していた。自分のプライドというのがあったのだろう。
だがAは表情を全く変えずに、
A「これから分かるさ。チーム全体でプレーしてくるまとまったチームの恐ろしさがな。
お前じゃ絶対通用しなくなるよ。仲間を信頼してないお前には絶対理解できないだろうよ」
- 11 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 17:15:28.68 ID:HaVjN2Sl0
( ∵)「なんだって?お前、頭おかしくなったのか?まぁいいよ。
今日も俺一人の活躍でいつもどおり勝ってやるからさ」
Aは今度は薄ら笑いを浮かべて、
A「絶対無理だよ」
そういい自分のポジションに戻っていった。
( ∵)「あのヤロー・・調子乗りやがって。お前の思い通りにはならない。
俺がいるからな」
相変わらずな自分が一番な態度でビコーズも自分のポジションへと戻っていった。
ビコーズはこの後、VIP高の本当の実力を垣間見ることになるとは知りもしないで。
- 12 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 17:21:38.55 ID:HaVjN2Sl0
ピーッ!!
VIP高のオフェンスになる。彼等の士気はもう回復していた。
( ^ω^)「プギャー・・さっきいってたこと、ホントに仕掛けるのかお」
プギャーはゴールが入った時点でブーンにあることを提案した。
ブーンはその提案を承諾しようか悩んだのだが、プギャーを信頼して、
( ^ω^)「頑張ってさっきの分を返すんだお」
笑顔でそういった。プギャーは少し複雑そうな表情を浮かべていた。
( ^ω^)「僕はプギャーを信頼していればそれで大丈夫なんだお」
ブーンがそうつぶやくと同時に、パス回しが開始される。
- 13 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 17:29:30.70 ID:HaVjN2Sl0
VIP校はしばらく相手の動きを伺う為に、パス回しを続ける。相手のディフェンスは0−6だ。
VIP校にはそんなにロングの強いヤツがいないからと言う見方が良く分かる。
(´・ω・`)(僕らもなめられたもんだよね)
他に色々考えているとパスがブーンから出されてきた。ブーンは軽く目で合図を送った。
(´・ω・`)(プギャーが仕掛けるんだな、よし)
少し前に走りこんだプギャーに向かって、ショボンは素早く正確なパスを回す。
(^Д^)「サンキュー!!」
だがプギャーの前にはビコーズが立ちふさがった。
( ∵)「おいおい、俺を抜けると思うんじゃねーぞ」
改めて近くで見るとその大きさに圧巻される。プギャーは一体何を考えているのか。
- 14 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 17:34:13.19 ID:HaVjN2Sl0
(^Д^)「ふん、たかがお前一人をぬくなんてワケないよ、愚か者」
( ∵)「なんだとぉ!!」
プギャーはビコーズを挑発し始める。一体何が狙いなのか。
(^Д^)「自分一人のワンマンプレーなんて通用するとおもうn」
(^Д^)「うっ!!」
かなりの速さでつかまれた。動こうにも全く動けない。
( ∵)「あんまり行き過ぎたこと言わないでほしいな。この程度なのにな」
(^Д^)「黙ってろよ、下手くそ」
ピーッ!!仕切り直しの合図の笛が鳴り、もう一度パス回しに戻る。
( ∵)「あの野郎・・」
ビコーズは完全に頭に血が上ってしまっている。
- 15 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 17:39:29.26 ID:HaVjN2Sl0
プギャーはもう一度ショボンの方を向いて合図を出す。
ショボンは少しだけ間を空けたが、しっかりと頷いた。
相手側では興奮しているビコーズを落ち着けようとBが話し掛ける。
B「お前、何言われたかしらんが落ち着けよ」
( ∵)「うるせぇ、お前は黙ってればいいんだよ」
Bはこんな様子のビコーズにあきれて物も言えなくなった。
こいつに何か言っても無駄なんだなと悟った。
この行動が自分自身の首をしめていることに完全に気がついていないらしい。
- 18 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 18:04:02.58 ID:HaVjN2Sl0
そしてもう一度攻撃に戻る。
先ほどと全く同じ戦法で攻めて来たVIP高。
( ∵)「二度も同じ事が通用すると思ってんのか。このダボハゼ」
(^Д^)「その言葉、そのままお返しするよ」
プギャーが何を考えているのかは自チームは全てお見通しだ。
その策略に見事にはまっているビコーズをみていると、思わず吹き出しそうになってしまう。
(^∀^)(こいつ・・実は馬鹿なんじゃないかw)
貞治はビコーズを頭の中で笑いながら、プギャーの作戦を実行する為動きはじめる。
(^Д^)「おら、早くかかってこいよ。ダボハゼちゃん♪」
- 19 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 18:08:15.66 ID:HaVjN2Sl0
(^Д^)(もう少しだ・・早くかかってこい!)
( ∵)「あったま来た。お前殺すわ」
ついにビコーズは頭に血が上り、周りを見ずにプギャーに突進してくる。
(^Д^)「これを待ってたんだよ、貞治!!」
(^∀^)「任せろ!」
プギャーは軽く横にステップを踏み、凄い速さで動いてきた貞治へパスを回した。
相手は急いで貞治を止めにかかる。だが、貞治の動きがあまりにも速かった為、
既に貞治はシュートモーションに入っていた。これではどうしようもない。
- 20 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 18:13:18.61 ID:HaVjN2Sl0
(^∀^)「今まで練習して習得したバックシュート!名付けて霊丸だ!!
決めるぜ!!」
貞治は今までずっとバックシュートの練習をかかさずにやってきたお陰で、
しっかりとしたシュートを打ち込めるようになった。
貞治はキレのある体の動きで勢いをつけつつゴールの方へ体を向けた。
(^∀^)「食らえ!霊丸ッッ!!」
霊丸という名に見劣りしないそのシュートは一直線に相手のゴールを襲っていく。
キーパー「こんなんとれねぇよ!」
ポストから打ち出されるシュートでキーパーがおびえる程の威力。止められるはずもなかった。
- 21 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 18:17:16.33 ID:HaVjN2Sl0
ピッピッピッ!!
これで試合は振り出しだ。
A「チームプレー、そして弱点を突かれるほど恐いものはない。少しは見習ったらどうだ」
そのままAはセンターラインへと走っていった。
( ∵)「・・・・・・・・・」
完全にやり込められた。ビコーズはかなりのショックを受けていた。
今までは何でも自分が一番で、相手にこんな事をやられた事の無かった彼の事だから、ここまでショックなのだろう。
それのせいか次の攻撃も、その次の攻撃もビコーズは関わってくることがなかった。l
- 22 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 18:22:42.83 ID:HaVjN2Sl0
(^Д^)「まさか精神的な攻撃がここまで効果を発揮するとは思っていなかったな。
あそこまで勢いを失うなんて」
(´・ω・`)「今がチャンスだね。ドンドンたたみかけてゴールを奪うんだ」
VIP校にチャンスが到来した。ビコーズがちゃんと機能していないカレッジなど大した事はない。
今まで練習してきた色々なパターンの攻撃を駆使し、ドンドン得点を奪っていく。
ビコーズはまださっきの事を気にしていて、普段の十分の一の程度の力しか出せていない。
( ∵)「この最強の俺がなんで・・」
さっきはぬかれなかったプギャー、ショボンにも簡単にかわされていく。
完全に動きが止まってしまっているビコーズ。
- 23 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 18:26:41.91 ID:HaVjN2Sl0
( ∵)「・・・」
言葉すらでなくなった。勢いがついたVIP高の攻撃はとどまる所を知らず
前半を15対7という結果で終了する。
やはりビコーズがいなければ普通に勝てるチームだと言う事が判明している。
(*゚ー゚)「皆!いい感じよ!後半もこの調子で行きなさい!
でもビコーズ君がいつ調子を取り戻してくるか分からないわ!警戒は怠らないようにね!」
しぃ先生の言葉にも気合が感じられる。メンバーはその気合に呼応するように返事をした。
(*゚ー゚)「いい返事よ!それじゃ後半まで体を休めて!」
それぞれが休憩に消えていく。
- 24 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 18:30:18.18 ID:HaVjN2Sl0
その頃、カレッジでは・・
A「おい、ビコーズ。どうしたんだよ。完全に本調子じゃないじゃんかよ」
( ∵)「・・・・」
A「おい!」
( ∵)「うるせぇ!黙ってろ!!」
なおもビコーズはメンバーに冷たい。ふと、マネージャーがやってくる。
( ∵)「なんだよ、ペニサス」
黒髪が印象的な綺麗なマネージャー。彼女はペニサスという名前らしい。
- 25 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 18:35:10.19 ID:HaVjN2Sl0
('、`*川「ビコーズ君がなんで調子悪いのかは私にはよくわからないけど・・
もっと仲間を信頼した方がいいと思うよ」
( ∵)「仲間ァ?なんでこんな下手糞な奴等を信用なんてしなくちゃいけないんだよ?
こいつらは俺のための引き立て役なんだよ」
ビコーズは仲間を仲間とは思っていない。少しでも仲間と思っていればこんな言葉は出てこないはずだ。
A「お前!マジでいい加減に・・」
Aがビコーズに掴みかかろうとする。だがそれはペニサスによって止められる。
('、`*川「暴力なんてダメよ」
A「うっ・・ごめん」
( ∵)「女に止められてやんのww」
Aはその言葉にわざと反応はしなかった。ペニサスはまた話しはじめる。
- 26 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 18:43:44.38 ID:HaVjN2Sl0
('、`*川「引き立て役って言うけど・・チームの皆は少なくともあなたを信用してなきゃパスやシュートなんて打たせないわ。
皆はあなたのこと信用してるからこそ、頼りにするのよ」
('、`*川「それなのにあなたが皆を信用しなくてどうするの?
自分だけの失敗、自分だけの成功、勝利じゃないのよ?団体競技、ましてやハンドボールは」
( ∵)「たかが高校からマネージャー始めた女にハンドボールの何がわかんだよ。
てめーは黙ってスコアブックでもつけてりゃ・・」
パシンッ!!ビコーズはペニサスに頬をはたかれる。
一瞬何が起こったのかビコーズや部員は分からなかった。
('、`*川「あんまり馬鹿にしないで。私は私なりに頑張ってるのよ。
これだけ言ってもわからないの?それなら後半も同じね。せいぜい頑張って」
冷たい言葉をビコーズに投げかけ、そのままベンチへと戻っていくペニサス。
- 27 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 18:50:31.56 ID:HaVjN2Sl0
( ∵)「・・・あのクソ尼がァ。ふざけやがって」
叩かれた頬を擦りながら、そうつぶやいた。だがさっき言われた事はあながち間違っちゃいない。
( ∵)(もっとこいつらを俺は信用するべきなのか・・?俺よりずっと下手糞で期待に答えてくれないこいつらを?)
ビコーズはAやペニサスに言われた事を思い出して少し考えた。
昔からハンドボールが人一倍上手かったビコーズ。それ故に他のチームメイトなど眼中になかった。
自分が活躍すればそれで勝てるから。そういう考えで今までやってきた。
だからいきなりそういわれても、すぐに変えることなんて出来やしない。
( ∵)「ふん、俺は俺のやり方なんて変えない。このままやってやるよ」
そういうと同時にハーフ終了の合図が出る。それぞれのチームの選手がグランドへと向かっていく。
ビコーズもその選手たちについて、グランドに出た。
- 28 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 18:59:26.76 ID:HaVjN2Sl0
後半になってもVIP高の勢いは止まらない。
ビコーズは調子は戻ったものの、前半よりもさらに動きがよくなったVIP高に翻弄され続ける。
( ∵)「お前等ァ!!」
思い切り勢いをつけて全力でプギャーを止めに行くビコーズ。
(^Д^)「ドクオ!!」
( ∵)「なっ!!」
ドクオがパスを貰う。体勢を整え直す。狙っている。その様子は全員わかったようだ。
それを阻止しようと相手がディフェンスしにくる。
('A`)「甘いな、俺は常にその瞬間を狙っているんだよ」
- 29 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 19:03:54.55 ID:HaVjN2Sl0
( ∵)「ブラインド・・!!」
ドクオは前の試合でも披露した全く隙の無いブラインドシュートを打ち込んだ。
相変わらず、そのシュートは一瞬ディフェンスの足によって隠れるので一歩反応は遅れるようだ。
キーパー「なんだ、一瞬消える・・」
キーパーはかなり反応が遅れている。ここまで遅れているともう防ぎ様が無い。
綺麗にゴール。どんどん得点差は離れていく。
(; ∵)「なんで俺が・・ここまでボロボロにやられてるんだ?」
県大会も決勝まで余裕で勝ち進んだこの俺がどうしてまだ聞いた事もないチームに・・
- 30 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 19:12:56.48 ID:HaVjN2Sl0
(; ∵)「ちくしょう!」
もう多少ヤケになりはじめてきたビコーズがロングシュートを仕掛けてきた。
ピーッ!!オーバー!!
(; ∵)「何故だ・・」
ビコーズは少しずつ集中力も奪われてきているようだ。
そのボールを素早くドクオが取り、すぐパスの準備をする。
( ^ω^)「ドクオッ!!」
(; ∵)「!」
( ∵)「くそっ・・七人と俺じゃ勝てるはずが無い。
くそっ!!」
ビコーズは空を仰いだ。この速攻はもう止められないのか。
- 31 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 19:16:29.63 ID:HaVjN2Sl0
A「そんな簡単に諦めんじゃねーよ!!」
(; ^ω^)「おっ!?」
Aがいとも簡単にパスカットに入った。
( ∵)「A!!」
A「忘れたのかよ。俺がパスカットが得意な事をさ。ほれ、ビコーズ!」
Aはすぐに前線にパスを出す。ビコーズはそのボールをがっちりと受け止める。
( ∵)「うおおおっ!!」
簡単に切り込んでいく。VIP高ディフェンスは速攻に行きかけてたこともあってかディフェンスがしっかりしていない。
ビコーズのポテンシャルがあれば崩す事は容易だった。
- 32 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 19:21:44.04 ID:HaVjN2Sl0
だが最後の壁、ショボンが立ちふさがる。
(´・ω・`)「簡単にいかせはしないよ」
(; ∵)「ちぃ!!」
近くで見るショボンは自分と同じくらい、いやそれ以上にも見えた。
その威圧感に押され、動けなくなるビコーズ。しかし、
B「こっちだ!ビコーズ!!早く!」
( ∵)「!!」
つい声のする方向へパスをだした。Bはそのボールを受け取り、6mラインの近くでシュートを放った。
B「ちょっとは俺らの事も信用しろよな!!」
- 33 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 19:30:33.50 ID:HaVjN2Sl0
(;´―`)「なにっ!!」
ビコーズまでは及ばないが充分威力のあるボール。
それを6m、しかも真正面から打ち込まれては止め様が無い。
祐は精一杯反応するがやはり止められない。
(;´―`)「すまん!皆」
(; ^ω^)「今のは仕方ないんだお!気にするなお!」
でもこのプレーで絶対流れは相手側に傾く。しぃ先生はそう悟っていた。
ビコーズが精神的に完全復活。そして前半よりもいいチームワーク。
厄介な感じになるわね・・と少し困った表情を浮かべていた。
- 34 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 19:34:53.42 ID:HaVjN2Sl0
(; ∵)「なぁ・・お前等」
AとB「ん、なんだよ?」
(; ∵)「その・・俺の足引っ張るなよ!!」
ビコーズは素直にお礼が言えなかった。自分を助けてくれたチームメイトなのに。
だが二人はそのビコーズの表情から何が言いたいのかは完全に悟ったみたいだ。
二人は少しニヤニヤした。
(; ∵)「な、なんだよ!!」
AとB「なんでもねーよ。次も俺らを使えよな?遠慮せずにさ」
( ∵)「・・・おう」
ビコーズは仲間の大切さにようやく気が付いたようだ。これも成長だろう。
- 35 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 19:44:18.19 ID:HaVjN2Sl0
しぃ先生の予想通り残り15分の時点でカレッジは勢いを取り戻した。
ビコーズの精神的な復活もあるが、なにより相手が全体で攻め込んでくる事によって、
更に勢いを増している。点差はドンドン追いつかれている。
さすがにVIP高も焦りを隠す事が出来なくなってきた。
後半残り一分。この時点でまだVIP高は二点勝っていた。
だがカレッジの勢いは全く衰えない。むしろ増している。
勝利の女神が微笑むチームは一体どちらになるのか。
- 39 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 20:52:15.56 ID:HaVjN2Sl0
未だ、カレッジの攻撃は続く。だが二点差は埋まらない。
次第にビコーズ、A、Bなどは焦り始めてきた。
( ∵)「くっ・・!!」
A「ここはお前に任せる!ビコーズ!外してももう後悔はしない!
俺らはチームだ!頼むぞ!」
( ∵)「この俺を・・今までお前等を馬鹿にしてきた俺を・・。
チームのメンバーとして認めてくれてたなんてな」
A「当たり前だよ!頼む!」
ビコーズはAからがっちり受け取る。
( ∵)「最後は俺の得意なロングで占めさせてもらうぜ・・」
- 40 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 20:56:58.32 ID:HaVjN2Sl0
ビコーズは最後のシュートを打つために勢いを付け始める。
少しずつ勢いがついていくたびに、昔のことを思い出す。
チームメイトをずっと馬鹿にし続け、一人で奮闘していたあの頃。
今となっては愚かだが、懐かしい過去になっている。
今日の俺はもうその時とは違う。仲間の為に最後に決めてみせる・・!
そんな気合がビコーズから感じられる感じがする。
( ∵)「うおおおおおっ!」
ビコーズが最後のシュートを打つ体勢に入る。それを止める為に祐も追撃体勢に入った。
ビコーズは一矢報いることが出来るだろうか。
- 41 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 21:01:58.56 ID:HaVjN2Sl0
ビコーズが飛び、そのボールが手から離れる。
さっき受けたシュートよりも更に速く、そして狙いも正確だ。
(;´―`)「これを止めなきゃ、完全に勝った気がしないんでな・・」
祐もそのボールに合わせ、今日一番の反応をみせる。
その手がボールの近くによっていく。
( ∵)「頼む!入ってくれ!!」
どちらのチームの思いが勝るのだろうか。観客もその瞬間を固唾を飲んで見守っている。
- 42 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 21:06:49.36 ID:HaVjN2Sl0
(;´―`)「・・・くそっ」
ビコーズのシュートは見事にゴールをわった。ビコーズは思わず叫ぶ。
( ∵)「やっt」
ピッピッピッー!!
それと同時に試合も終了した。結果は二四対二十三。
VIP高は初戦を何とか僅差で勝った。
「ありがとうございましたー!!」
VIP校の挨拶だけが体育館へ響いていった。
すぐにVIP高は帰る準備をして、
( ^ω^)「速く明日の為に休むんだお!!」
というブーンの声とともにさっさと会場を後にしてしまった。
残ったのはカレッジだけになった。
- 43 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 21:12:12.99 ID:HaVjN2Sl0
少し沈黙が続いた後に、ビコーズがチームの皆に向かって話しだした。
( ∵)「・・すまなかった。Aが言ってた事ようやく理解できた。本当に申し訳なかった」
A「もうきにすんなよ。最後の最後で気が付いてくれてよかった」
( ∵)「なんてあやm」
('、`*川「もういいよ!過ぎた事なんて!」
ペニサスが声を張り上げる。その様子に皆ビックリした。ペニサスは話し続ける。
('、`*川「・・やっとチームが一つになったんだね。私、嬉しくて・・」
ペニサスは泣きながらそういった。その涙につられてか、皆涙を流して、お互いを誉めあった。
この日、初めてカレッジは本当のチームとなった。
- 44 : ◆gk43jgqTBMM :2006/12/16(土) 21:16:48.59 ID:HaVjN2Sl0
からくも一回戦を突破したVIP高は完全に浮かれていた。
(* ^ω^)「このまま優勝までまっしぐらだお!!」
それぞれの部屋で騒ぎ散らして、しぃ先生に説教を食らっていた。
(*゚ー゚)「全く・・皆浮かれすぎよ!!」
しぃ先生が少し不機嫌になって、部屋でゴロゴロしてるときに、次の相手が決定した。
(*゚ー゚)「・・・!!ここは」
(*゚ー゚)「本当に厳しい相手に当たっちゃったみたいね」
しぃ先生はがっくりした様子でそう呟く。一体当たった場所はどこか?
VIP高の三年間の中で一番厳しい戦いが迫ってきているようだ。
第二十七話 ビコーズの恐怖 完
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