( ^ω^)ブーンがハンドボールを始めるようです
- 2: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 18:27:20.19 ID:pPg4cpEX0
- 第三十一話 奮起、VIP高
ラスト三十秒。その時間さえVIP高には貴重な時間となっている。
逆転を許してしまったVIP高。このフリースローを逃せばもう、シュートを入れる機会はゼロといっても過言ではないだろう。
シューター、ショボンは大きな不安に襲われていた。緊張するのは当たり前なのだが。
(;´・ω・`)(ここで僕がシュートを入れられなければ・・負けは確定するよね。こんなプレッシャー、初めてだ)
目の前の並んだ相手がいつもよりも一回りも二回りも大きく見えた。緊張というものはここまで精神を追い詰めてしまうものか。
本当に極限の緊張を背負い、ショボンはこのコートに立っているのだ。
- 3: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 18:28:16.70 ID:pPg4cpEX0
- (;´・ω・`)(ここで僕がシュートを入れられなければ・・負けは確定するよね。こんなプレッシャー、初めてだ)
目の前の並んだ相手がいつもよりも一回りも二回りも大きく見えた。緊張というものはここまで精神を追い詰めてしまうものか。
本当に極限の緊張を背負い、ショボンはこのコートに立っているのだ。
(;´・ω・`)(自分が今までやってきた事を全部だす。それだけだ。狙うはキーパーから遠めの下だ)
ショボンは狙うコースを決めた。普段の彼ならば狙いをつけることなど朝飯前。だがこの極限の精神状態の中で同じことが出来るのか。
精神の強さがものを言う。ショボンならばいける可能性は高い。
それぞれ準備が整った。ボールを持っているのはプギャーだ。彼もまた、同じようにプレッシャーを感じている。
(^Д^)「・・・よしっ!!」
- 4: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 18:30:41.37 ID:pPg4cpEX0
- それを振り払うかのように、一息入れた。そしてパスを出す準備をした。
(^Д^)「俺が相手から見えないようなパスを出さないと相手を惑わす事が出来ない。ばれればショボンかドクオ、どっちが打つか分かるからな」
ある意味、一番大切なのはプギャーのパスかもしれない。
ピーッ!!合図の笛がなる。VIP高オフェンス、ピンキーディフェンスが一斉に動きだす。それぞれの緊張も高鳴っていた。
(^Д^)「行くぞ!!」
プギャーの声とともに、ショボン、ドクオが一緒に動く。まだ相手はどちらにボールが渡るか予測はできていない。
( ;<●><●>) 「分かるはずなのに、分からないんです!!」
一瞬わかってますがわからないですになるくらい、見事にプギャーの持っているボールは相手から隠れている。
( ^ω^)「お願いだお・・」
(゚∀゚)「上手くやってくれ・・」
- 5: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 18:31:45.75 ID:pPg4cpEX0
- 両サイドの二人はその姿を見つめる事しか出来なかったが思っていることは一つに統一されている。この状態では統一されるのも当たり前だが。
ショボン、ドクオが走りこんできた。プギャーにはその二人の姿がいつもよりも数倍速く見えていた。
(^Д^)「・・・ッ!!」
プギャーは無言でショボンにパスを出した。そこでようやく相手はショボンにパスが渡った事に気が付いた。
( ;<●><●>) 「ブロックにかかるんです!!」
わかってますがそう言った時にはもうショボンは地面を思い切り蹴り、空へと浮いていた。
(´・ω・`)「必ず決めるさ!!」
ショボンは一瞬皆の方を見て、また振り返り、シュートを打つ方と反対側を見つめる。キーパーはそれに気がついて、反応の準備を始めていた。
- 7: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 18:43:30.53 ID:pPg4cpEX0
- (^∀^)(上手く騙されているな・・決めてくれ、ショボン!!)
(´−`) (お前のほかにその役目が務まる奴はいないんだ。必ず・・!!)
全員の思いはショボンの打つシュートへとゆだねられた。
(´・ω・`)「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」
今までに無い形相、気合で自分の思い描いたシュートを全力で打ち込む。コースはばっちりだ。キーパーは目線のせいで反応が遅れていた。
このタイミングならば十中八九は入る。コースも絶妙だ。丁度ポストに当たるか当たらないかのスレスレのコース。
(*゚ー゚)「入る!?」
しぃ先生を始めベンチメンバーも思わず総立ちでその光景を見つめている。観衆も同じだ。
- 8: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 18:45:15.19 ID:pPg4cpEX0
- ピンキー応援団はさっきから信じられないと言った様子でその光景を眺めていた。これほど先のわからないゲームを見たことがなかったのだろう。
思わず目を逸らしているものさえいた。
(´・ω・`)「頼む!!」
その声しか出ないショボン。もうそれしか口に出来ない状況なのだ。
グランド、観衆はそのボールの行方を追う。
その悲鳴と歓声の中で、VIP高の見た結果とは。シュートの行方は・・・
ガァァァァァァァァァァァァァァァンンッ!!!!!!!
いつもよりもさらに轟音を立ててそのボールはポストから跳ね返っていた。外れた。しかもそのボールはこぼれている。もう時間もない。
- 10: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 18:47:20.11 ID:pPg4cpEX0
- (;´・ω・`)「そ、そんな・・・・」
ショボンは膝を割る。もう無理だ。その考えだけが頭の中を支配した。
だがそこにはまだあきらめない奴が一人いた。
( ^ω^)「まだおわってないお!!」
ブーンがもの凄い勢いで中まで入りこんでいた。あの位置なら転がったボールも充分に拾える。
だが何故ブーンがこんなに簡単に相手のディフェンスをくぐりぬけ、ボールを拾える位置にやってきたのか。
それは完全にシュートだけ止めれば終わるという相手の考えで、外にいたオフェンス陣など全く気にかけていなかったからだ。
ボールだけに意識が飛んでいたのがVIP高にとっては不幸中の幸いと言うべきなのだろうか。
- 11: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 18:48:27.11 ID:pPg4cpEX0
- ( ;<●><●>) 「しまった!!早くディフェンスに戻るんです!!」
わかってますがそう言ったがもう遅かった。既にブーンはシュート体勢へと移行している。今手を出せばPTは確実だ。
ブーンのその姿をピンキー一同は指を咥えてみているしか出来ないのだ。頼みはキーパーだけとなった。
( ^ω^)「みんなの思い・・ここで終わりにするわけにはいかないんだおぉぉ!!!」
さっきのショボンにつられてか、今まで聴いたことの無い叫び声に似た声を出した。思わずキーパーは一瞬ひるむ。
( ^ω^)「・・・・・!!!」
ブーンはキーパーを見つめ続けながら、落ち着いてシュートコースを決める。そして・・シュートを放った。
6メーターでの対決ならば九割方シューターの勝ちは確定したようなものだ。だがこの状況。ブーンは飲み込まれていないだろか。
- 13: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 18:50:29.67 ID:pPg4cpEX0
- ( ^ω^)「おおおおおおおお!!!!」
キーパー「はっ、はy
キーパーが言葉を言い終わらないうちにそのシュートはゴールネットを揺らしていた。凄まじいシュートだ。今までで見た中で一番速いんじゃないか?
プギャーですらそう感じたシュートだ。試合はまた振り出しへと戻ったのだ。
だが時間はもうない。相手がセンターラインに戻った時にはもうラスト10を切っていた。急いで攻め込み、遠い所でシュートを打つも簡単に祐に止められてしまう。
祐が思い切り相手ゴールに向かいシュートを打ち込んだ時点で、
ピッピッピー!!!試合終了の笛がなる。勝負は県決勝の時のようにPT戦へと持ち込まれた。
全国初出場でこの成績、それだけでも凄いのに強豪校相手に互角の勝負を繰り広げている。
それぞれのチームが集まる。VIP高の方ではしぃ先生が話を始めていた。
- 14: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 18:54:17.39 ID:pPg4cpEX0
- (*゚ー゚)「皆!!よくここまでピンキー相手に持ち込めたわ!!勝てる可能性は充分にあるわよ!
勝っても負けても、絶対に後悔しない戦いをしなさい!全力でね!!私が言えるのはそのくらいよ!じゃあ後はブーン君、任せたわ」
そうしぃ先生が言うと、ブーンはゆっくりと円の中へ入っていき、中腰になった。
( ^ω^)「皆、勝利はもう目前なんだお。自分の納得いくプレーを全部出し切って、今日勝って、必ず決勝まで進むんだお。
もうPTなんて気持ちのようなもんだお!精神の強い方がこの勝負を勝ち取れるんだお!!頑張るお!!」
その声に呼応するように、全員が声を出す。そして、
( ^ω^)「絶対かつお!!」
全員「ワァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
いつものように、しめの気合を入れた。その様子をツンは少し息苦しそうに見つめていた。
- 15: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 18:56:51.25 ID:pPg4cpEX0
- ξ゚听)ξ「皆・・ブーン。負けちゃ嫌だからね?」
そっと肩を叩かれた。ツンは少しビックリしながら後ろを向く。クーだった。
川 ゚ -゚) 「きっと彼等ならやってくれるさ」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
川 ゚ ー゚) 「彼等の事は私たちが一番よくわかっているだろう?」
ξ゚ー゚)ξ「・・・・うん!!」
ツンはクーの言葉で少し安心したようだ。いざという時にはやっぱり頼りになる。だがクーは、
川 ゚ -゚) (祐、しっかりやんないと後で・・)
心の中で祐に対するお仕置き、応援を一緒に考えているようだ。恐ろしい・・
- 16: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 18:59:46.95 ID:pPg4cpEX0
- そしてついにPT対決が始まろうとしている。先攻はVIP高。一番手はプギャーである。ゆっくりと位置に向かっていくプギャーと相手キーパー。
二人とも目を合わせようとはしない。それぞれが自分の世界へと入り込んでいた。
(^Д^)(やっぱ一番手である俺がしっかり決めなきゃチームの勢いがなくなっちゃうからな。絶対負けたくない。
ここまでこれた事で奇跡なのかもしれないが、俺はその奇跡を起こし続けたいんだ)
(^Д^)(それに・・レモナさんにも顔向けできないからな)
全国大会に行く時にあったレモナさんにベタ惚れなプギャーはそう思う。初めてメールした時に、
「必ず優勝しますからww」
と大見得を切った。そしたら、
「ホントに?じゃあ優勝したら一緒にどっかいこっか♪」
こんな事を言われてしまったかには、チームのためもあるが自分のためにも負けるわけには行かなくなった。
- 17: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 19:01:33.93 ID:pPg4cpEX0
- プギャーは自分の神経をボールへと一気に向かわせる。そしてゴールをにらめつける。それと同じように相手もプギャーを睨み返していた。
だが今日のプギャーの気迫はいつものようではない。もっと凄まじいものを感じたブーンたちは何か安心感のようなものを感じていた。
( ^ω^)「きっとプギャーは決めてくれるお。そんな気がするんだお」
自分に言い聞かせるようにブーンはそう独り事を口にする。いよいよPT戦の幕開けだ。
ピーッ!!審判の甲高い笛の音がコートに響き渡り、双方はついに勝負の構えへと移行した。
(^Д^)(狙うとしたら・・あそこしかないな)
プギャーは既に狙うコースを決めている。一本集中だ。
- 18: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 19:03:42.49 ID:pPg4cpEX0
- 間髪もいれず、速攻で相手のキーパーの左下を狙う。PTで勢いをつけられないと言うのにそのボールの威力はロングシュートの威力とさほど変わらない。
思わず相手キーパーは動揺し、すぐに反応を起こす事はできなかったものの、スライディングをした。
タイミング的には、ギリギリで間に合うかもしれない距離だ。どちらが勝つのかはまだ分からない。
会場中が静まり返って、そのシュートの行方を見守った。それぞれが祈るような構えで・・
そのシュートはゴールへと真っ直ぐに向かっていく。小細工無しの真っ直ぐなシュートだ。
(^Д^)「コースは完璧なんだよ!取れるはずが無い!!」
もう少しでキーパーの横をすり抜けようとしている。そのボールを必死に取ろうとする。
ガァァァァァァァァン!!バシッ!
- 19: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 19:05:38.84 ID:pPg4cpEX0
- そのシュートはポストの角に当たり、キーパー方面へと転がり、偶然にキーパーの体へと当たり、前へと転がった。
VIP高からはため息、落胆の色を隠せない様子がうかがえた。ピンキーは歓喜の色一色だ。
(;^Д^)「しまっ・・・・」
プギャーはもう次の言葉は出せなかった。外した自分の不甲斐なさと負けに直結するかもしれないという不安のせいで。
そのプギャーの肩を優しく叩く選手が一人いた。
( ^ω^)「きにしちゃダメだお。きっと後の皆が何とかするんだお。心配するなお」
ブーンだった。キャプテンらしい温かい言葉をかけ、プギャーをみんなの方へと導いた。
誰もプギャーに対して怒る奴はいなかった。祐がプギャーに軽くウインクして、ゴールへと向かっていった。
- 20: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 19:07:04.09 ID:pPg4cpEX0
- (^Д^)「・・・・あいつ」
プギャーはこのとき心から彼等がメンバーで幸せだと思った。このチームで本当に良かった。と。
そして今度はピンキー側のシュートとなる。先頭はサイドの選手だ。彼のシュートもまた強力だった。PTで止めるには難しすぎるシュートだ。
(´−`)「・・・・・」
それでも祐は無言の状態で落ち着いていた。全くパ二くる様子も見受けられない。
(´−`)(いつもやってきたことをここで出せばいい・・見ててください、しぃ先生。三年間の集大成をここで発揮してみせます)
祐はしぃ先生が言ってた言葉「いつもやってきた事を出す」という事を何度も頭の中で復唱していた。
さっきと同じように、互いに睨みあう。お互い一本も引くような構えは見せない。
- 21: たけし :2007/01/04(木) 19:08:26.11 ID:pPg4cpEX0
- (´−`)(俺は・・自分自身に負けない!!)
ピーッ!!シュートのサインが出た。祐、シューターが互いに構えを取った。
祐はずっと相手の手首へと意識を集中する。一度相手がフェイントを使うも全く動かなかった。
多少焦った相手が左上へとシュートを打ち込んできた。焦ったシュートではあったがコースは抜群にいい。
(´−`)「ちぃっ!!」
いかんせんコースが良すぎる。祐が半分無理だと思いながら反応を始めた瞬間、
ピーッ!!
笛が鳴った。審判がラインの判定を出した。
- 23: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 19:09:31.18 ID:pPg4cpEX0
- PTは7mラインに一本白線を引いて、それを踏まないようにしてシュートを打つ。踏むとラインになりそのシュートは無効になるのだ。
(´−`)「儲けた!!!」
VIP高は歓喜の声を上げる。ピンキーは初歩的にミスによって大きく士気がダウンしているようだ。
( ^ω^)「これは・・チャンスかもしれんね」
ブーンがそう呟いた。
その後二番目のどちらのシューターもシュートを外すという状態に見舞われたPT戦。勝負はラストのシューターにかかることになった。
もちろんラストのシューターはブーン、わかってますだ。いわば大将戦である。
- 24: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 19:12:27.30 ID:pPg4cpEX0
- ( ^ω^)「僕が決めれば・・この戦いはもらったようなもんだお。もう緊張なんてしないお。勝負だお!!」
ブーンに気迫が満ち溢れている。いつものブーンとは完全に違う。ブーンも燃えているのだろう。
( ^ω^)(決めるべき所で決める。それが僕の役割ってもんだお。見てるんだお、皆、必ずきめてみせるんだお)
ブーンは決意する。必ずチームに勝利をプレゼントすると。
それぞれの思いがブーンに寄せられる。ブーンはまるでその思いを感じ取ったかのように少し複雑な表情を浮かべながら、シュートのポイントへと向かっていく。
( ^ω^)「・・・・・・」
無言で相手のキーパーを睨みつける。その姿はプギャーと同様にいつもよりも何倍も凛々しく見える。
ピーッ!!!
シュートのサインの笛がなる。ブーンはもう狙いを決めている。
- 25: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 19:13:36.30 ID:pPg4cpEX0
- ( ^ω^)(狙うは右上・・でも賭けにでるお。あえて逆方向を向いたまま狙うんだお)
VIP高ではやるプレーヤーも多い。逆を向いてのシュート。
だがこれはシュートコースに目が行っていないのでコントロールがつけずらいと言う欠点もあるのだ。よっぽどコントロールに自信が無いと使えるものではない。
だがあえてブーンはそれを使おうとしている。上手くいく保証なんてどこにも無いのに。
( ^ω^)「勝負!!」
ブーンは自分が見ている方向と逆に加減無く思い切りシュートを打ち込む。
その策にキーパーは見事に引っかかってくれたらしい。反応が完全に遅れている。左狙いでくると思っていたのだろう。
ブーンのシュートは見事なコースへと向かっている。あれなら入る!だれもがそう確信する。
やはりそのシュートは見事にゴールを割るのだった。
- 26: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 19:16:26.67 ID:pPg4cpEX0
- (* ^ω^)「やったお!!」
ブーンに皆が駆け寄ってくる。まるでもう勝ったかのような感じで。その皆にブーンは静止の声をだした。
( ^ω^)「喜ぶのはまだ早いんだお!祐!まだ役目が残っているんだお!頼んだんだお!!」
(´−`)「・・・おう!!」
ブーンの激励を胸にしまい、これで今日最後になるかもしれないキーパーへ向かっていく。だがその様子は冷静だ。
ピンキー高のシューターはわかってますだ。一筋縄で行く相手ではない。だがプレッシャーを感じているのか顔に余裕は見られない。
( ;<●><●>)「・・ここで決めないと負けるんです。この全国常連の僕等が初出場のチームに」
- 27: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 19:19:29.13 ID:pPg4cpEX0
- 確かに経験から言えば格下の相手に負けるかもしれない。それもかなりのプレッシャーとなりわかってますを襲っている。
足がすくむ。思うように動いてくれない。わかってますは自分で自分の様子に驚く。
( ;<●><●>)(なんで・・今まではこんな事なかったのに。こいつら何者なんです。足が・・震えます)
だがその震える足を無理矢理動かしてシュートの位置までようやく向かっていく。足の震えは酷くなるばかりだ。
ピーッ!!
勝つか負けるか、カギを握る最後の短い、一瞬の勝負が幕を開ける。
(´−`)「こいっ!!」
( ;<●><●>)「・・・・」
笛がなって、シュートを打つときになっても一瞬ためらってしまう。
自分のシュート次第で負けるかもしれない。その思いが彼の腕をふらせない。
- 28: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 19:21:49.80 ID:pPg4cpEX0
- ( ;<●><●>)「・・・・・・・」
ようやくの思いでコースを睨み、腕をふった。シュートが打ち込まれる。
(´−`)「ど真ん中!?」
シュートは完全に真ん中へと向かってしまう。祐は反応が遅れたせいかまだ動けていない。それが逆に有利に働く。
そのシュートを簡単に前に落として、祐は皆へと駆け寄っていった。
(*´−`)「やったぞ!!!!」
グランドへと集まるVIP高メンバー。その表情は誰もみな、明るかった。心から勝利を喜んでいる様子だった。
- 29: ◆gk43jgqTBM :2007/01/04(木) 19:22:58.99 ID:pPg4cpEX0
- ( ;<●><●>)「・・・・・・・」
それに対して驚くほどに静かなピンキー。それぞれ唖然とした表情を浮かべていた。だがわかってますの言葉により現実に引き戻された。
( ;<●><●>)「皆・・ごめんです」
その言葉を罵倒する者は誰としていなかった。その様子に少し驚くわかってます。
A「気にするなよ。俺らはベストを尽くしたさ。お前もだろ?だから気にするな」
その目には涙がたまっている。思わずわかってますも今まで見せた事のない涙を皆に見せた。
コートには歓喜の声、悲しみの声が鳴り止む事が無かった。
この勝利でさらに勢いに乗ったVIP高は連勝し、ついに決勝戦へと駒を進める。
最後の戦いが近くまでやってきている。彼等は勝利し夢をかなえることが出来るだろうか。
第三十一話 奮起、VIP高 完
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