( ^ω^)ブーンがハンドボールを始めるようです

2: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 19:35:58.93 ID:u5ttFfxy0
  

第三十三話 ニャー速、始動

試合時間はもう間近。それぞれのチームの選手たちも、緊張の色を隠せないでいるらしい。そんな中、

|(●) (●)、.:| 「早く試合したいなっ!なあっ!」

おそらくニャー速の中で一番上手いであろう彼は緊張の色など全く見せず、むしろ試合を楽しみにしているようだ。

( ^ω^)「・・・あそこまで能天気だと羨ましいお」

ブーンはある意味、彼に尊敬の念を抱いているみたいだ。とその時、

審判「集合ー!!!!」

ついに最終試合の合図がかかる。ダッシュで中央ラインへと向かっていく二つの高校。・・いや、一人だけ何故か突っ立ったままだ。



3: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 19:36:50.06 ID:u5ttFfxy0
  

|(●) (●)、.:|「・・・・・・」

チームメイトA「おっ、いつものか?」

ニャー速はこれから何が起こるのかしっかりと把握しているらしい。何を考えているのだろうか。

  ./  ̄/〃__〃   /  ̄/       /
    ―/  __ _/   ./ ―― / /
    _/   /   /   _/    _/ /_/
    /\___/ヽ
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  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
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   \  `ニニ´  .:::::/     +
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、.
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    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||

|(●) (●)、.:|「いやー、試合前にはこの構えをしないと、気合入らないんだよねっ!!」



5: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 19:38:45.91 ID:u5ttFfxy0
  

何故かグランドの皆が見とれていた。審判も含めて。

(´‘ω‘ `) 「・・・・なんどみてもダディクール君のあのポーズには見とれちゃうっぽ」

ミ彡゚ω゚ミ「そうですねぇ・・」

( ^ω^)「・・ハッ!!審判さん、早く試合はじめるお!!」

ブーンが何とか正気に戻り、審判に声をかけた。何もしないまま危うく流れを持っていかれるところだったVIP高校。先が心配だ。

審判「礼ッ!!」

「おねがいしまーす!!!!!!」

挨拶を済まして、両チームはそれぞれのコートへと移動していく。



6: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 19:40:37.47 ID:u5ttFfxy0
  

( ^ω^)「皆、今日で勝っても負けても三年は最後の試合だお。二年生は僕たちの姿をしっかりと焼き付けておいてほしいお」

二年生は黙って軽く頷いた。

( ^ω^)「今まで色んなことがあったお。楽しかった事、辛かった事、嬉しかった事・・今日でそれも最後になるお。
僕たちの目標は一つ!優勝することだお!」

メンバーたちは声だしが今か今かと待ち遠しい様子で、待っている。

( ^ω^)「相手はおそらく今までで一番強い相手になると思うお。でも僕等は今まで、同等クラスのチームと戦って勝ってきてるんだお
弱気になっちゃダメだお!!」

またメンバーは頷く。

( ^ω^)「それじゃ、あんまり話が長くなるといけないお。

いくおー!!!!!!!!!!」

メンバー「ワァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」

今までの中で一番元気で、気迫のこもった声を出すVIP高校。その様子に少しひるんでいるニャー速高校。



7: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 19:42:37.07 ID:u5ttFfxy0
  

|(●) (●)、.:|「・・・へぇ、元気いいじゃない」

少しダディクールの様子が変わったようにも見えた。他のメンバーも同じように。

VIP高メンバーはまだ気が付いていないだろう。ニャー速の雰囲気の違いに。おそらく一番恐ろしい雰囲気を放っている。

( ^ω^)「それじゃあ!自分のポジションにつくんだお!!」

そう言った瞬間、ブーンはダディクールと目があった。その瞬間、自分の体が一瞬震えるのを感じた。

(; ^ω^)(あの目つき・・あの雰囲気。さっきのあの人が持ってたものじゃないお。あの人は・・ヤバいお)

ブーンの心に一筋の不安が出たが、そんなことおかまいなしに試合が開始される。今日もVIP校はディフェンスからとなる。



8: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 19:45:08.63 ID:u5ttFfxy0
  

|(●) (●)、.:| 「・・・・・」

ダディクールはセンターのようだ。それを止める役のプギャーもこの選手の雰囲気が最初と明らかに変わっていることに気が付く。

(;^Д^)「・・・!!こいつ!今までの中でも一番プレッシャーが大きい」

(^Д^)「ヤバイかもしれないな」

そう思ったプギャーはドクオ、ショボンにあるサインを送る。そのサインに気が付く二人。

(´・ω・`)(フォロー早めにね・・了解)

('A`) (二人がかりで・・?)

ドクオはまだダディクールの凄さにいまいち気が付いていないようだ。ショボンは元々持っている鋭い感性がそう言っているらしく、何となく理解できた。



9: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 19:48:57.38 ID:u5ttFfxy0
  

(´・ω・`)「確かに・・それくらいはやらないと何とかならない相手みたいだしね」

そう呟いて、ショボンはディフェンスに集中する。全ての選手が優れている。なのでダディクールだけに神経を集中する事は出来ない。

やはり速く丁寧なパス回し。だがVIP高もパス回しくらいでもう翻弄はされない。それぞれが自分の相手を見据え、いつ仕掛けてくるのかと言うタイミングを計っている。

VIP高の隙の無いディフェンスになかなか仕掛けられずにいるニャー速。一回45が攻撃を仕掛けたものの、どちらに抜けるかをショボンに簡単に予想され、

すぐにガッチリとつかまれてしまい、仕切り直しとなる。

|(●) (●)、.:| 「・・・・・仕方ない」

小さい声で言うダディクール。その体には攻撃的なオーラが出ているのが分かる。祐はそれに少し警戒を覚えた。



11: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 19:51:28.12 ID:u5ttFfxy0
  

(´―`)「・・あいつ、次に絶対ロング仕掛けてくる。集中しないとな」

だが、祐は一つ疑問を覚える。わざわざ相手に分かるほど、そんなオーラを出してくるもんか?自分が打つよって言ってるようなもんだ、と。

そう思った瞬間、45、逆45が気になる。だがもう相手の攻撃が開始されていて、その声を出す余裕はあまりなかった。なので、

(´―`)「上三枚に注意しろ!!」

その声しか出せなかった。正直不十分だと思った。

(^Д^)「わかった、任せとけ!」

(´・ω・`)('A`)「了解!」

それでもこの三人はしっかり理解できてるようだ。祐は少し安心し、自分のプレーへと集中した。



12: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 19:53:48.40 ID:u5ttFfxy0
  

( ^ω^)「なんだお、この落ち着かない気持ち・・」

ブーンの心はまた不安にかられているようだ。さっきのダディクールを見てしまってからずっと。

( ^ω^)「・・だめだお。集中しなおさないとだお」

もうピンキーの攻撃は始まっている。相変わらずのパス回しが続けられている。

こっちの中央ディフェンスが相手の上三枚に気が行ってしまいがちで、どうしてもサイド方面が手薄になりがちだ。

ブーンの不安はそこらへんからきてるといっても過言ではないくらいに。

ボールが45にわたる。いっきに神経を研ぎ澄ますショボンとプギャー。完全に45しか見えなくなっている。



13: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 19:55:20.22 ID:u5ttFfxy0
  

( ^ω^)「まずいお、あの

ブーンがそういいかけた瞬間、ボールは相手の逆サイドに渡っている。なんて速くて正確なパス回し。敵ながらブーンは少し関心してしまう。

( ^ω^)「そうじゃないお!!止めないと!!」

そう思った瞬間、もう遅かった。気が付くのが遅すぎた。いや、相手が早すぎたというべきなのか。

もう充分に角度をとり、しかも左利きの相手は明らかに有利な体制へと転じていた。祐も思わず気が動転してしまった。

(;´―`)「ヤバイ!!」

準備こそ万端だったものの、分が悪い。なぜなら、角度を取られすぎた状態では、どちらに打ってくるかはわからない。

自分の考え、勘、そしてどちらに打たせるかの誘いがよっぽど上手くないと、どちらか一方を特定する事は不可能だ。



14: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 19:58:41.99 ID:u5ttFfxy0
  

(;´―`)(自分を信じるしかない・・相手を良く見て・・!)

既にサイドラインからゴールへと飛んだ相手の逆サイド。さすがに身体能力は充分なようで、かなり高く飛んでいて、なかなかシュートを打ち込んではくれない。

(;´―`)(ここで動けば負けだ!)

先に動けばもう、逆方向ががら空きになり、実質ゴールを決められてしまったようなものだ。それは何とか防ごうと、祐はギリギリまで耐えている。

と、ついに相手の左の腕からボールが離れた。狙う方向は遠め。ゴールの奥だ。相手が左なので、実質右のサイドシュートと同じだ。

かなり強力なシュートだ。思わず目を逸らしたくなる。ボールから逃げたいという恐怖が祐を襲ってくる。人間の本質と言うべきか防衛本能というべきなのか。

だがそんなのは日常茶飯事。その恐怖をいとも簡単に振り払って、祐はボールへと向かっていった。この反応の速さならば届かない事もない。



15: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 20:02:44.21 ID:u5ttFfxy0
  

ボールが祐の手の横を通りすぎようとしている。だが祐も簡単にはあきらめなかった。ギリギリまで腕を伸ばして、そのボールを触ろうとする。

その努力は通じたようで、ボールに指をかすらせる事に成功した。だがあくまでかすらせただけ。入らない保証は無い。

(;´―`)「入るなぁ!!」

祐のその叫びはもう願いにしか聞こえなかった。その願いはボールへと届くのか。

ガァァァァァァン!

そのシュートは祐の指にかすった事により、微妙に軌道を変えて、上枠のポストへと渡る。

(´―`)「よし!!」

思わずガッツポーズをしたくなる祐。だがピンチである事にはまるで変わりがなかった。



16: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 20:08:34.46 ID:u5ttFfxy0
  

転がっていたボールは相手サイドへと渡ってしまい、そのボールを楽々と拾ったサイドが、シュートの準備をしていたのだ。

(;゚∀゚)「やらせねえ!!」

素早くジョルジュがディフェンスへと入る。見事、相手のシュート角度を小さくする事に成功した。

だが小さくしたといってもそこから打つのが普通といった所の位置だ。

(;´―`)「ちっ!!!」

祐は前に出て、相手のシュートごと潰しに行く作戦に出た。だがこれは普段の祐ならば絶対に使わない技だ。作戦なのか、それとも慌てているのか。

どちらかは判別できない微妙な状況だ。



18: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 20:15:06.59 ID:u5ttFfxy0
  

すると相手サイドは妙な行動にでる。絶対シュートが入らないような場所に、七割くらいの力でシュートを打ち込んできた。

(;^Д^)「祐、後ろに戻れ!!早く!!」

プギャーはこのサイドが何をねらってくるのか、もう見切っていたようで、伝えようと叫んだ。だが今の状態の祐に聞こえるはずもなかった。

(;´―`)「な、なんだ?」

あまりにもコースが悪いので拍子抜けしてしまい、緊張が少し解けてしまっていたせいで、すぐに行動を起こす事ができなかった。

祐はその放たれたシュートを見つめる。なんだか妙な回転をしているのだけはわかった。そのボールが地面に当たった瞬間・・



19: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 20:17:39.14 ID:u5ttFfxy0
  

(;´―`)「はっ、マズイ!!」

ようやく祐も気が付いたがその時は既に遅かった。そのボールは大きく曲がって、ゴールへと向かっていく。どうやらあのサイドは、もの凄い手首の回転で、

ありえないほどの回転を生み出し、ボールを曲げたのだ。なかなか実戦で使えるような代物ではない。よっぽど落ち着いていたのだろう。

さすがに前に出すぎていた祐はこのボールに反応したところで遅い。軌道の曲がったそのボールは軽くゴールネットを揺らした。

(;´―`)「すまん」

申し訳なさそうな様子で祐は中央へボールを返す。その表情を見たブーンは、

( ^ω^)「ドンマイだお!祐!今のは仕方ないお!僕等が取り返してくるから気にするなお!!」

ブーンは笑顔とともに祐にそう伝えた。祐はその様子を見て凄く安心した。



20: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 20:20:04.86 ID:u5ttFfxy0
  

(´―`)「・・・頼んだぞ、皆」

自分の願いも込めてプレーヤーに願いを託した。

1−0 まだ一点差。前半も始まったばかりだ。決してVIP高メンバーの動きは悪い訳じゃない。むしろいい感じに動けている。好調というべきか。

(´・ω・`)「どう崩していくか・・難しいな」

さすがにショボンも悩んでいる。ニャー速ディフェンスは見ただけで分かるほどに隙が無い。さっきの練習から見ていてその様子しかうかがえない。

個々の動き、対応の早さ、一人抜かれた場合のフォロー。そして攻撃からディフェンスへの戻り。どれを取っても一級品だ。

(´・ω・`)「・・考えても仕方ないな。とりあえずやるしかない」



21: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 20:25:04.90 ID:u5ttFfxy0
  

パスが回ってきたショボンはいったん考えるのを止め、パス回しへと入った。その間も敵の隙だけは見逃さないようにと、しっかりと目を凝らしていた。

だが、なかなか攻めていけない。相手の威圧感に押されてなのだろうか、誰も一人で行こうとしない。いや、出来ないというべきなのか。

('A`) 「仕方ないな」

ため息を一つ吐いて、嫌そうな感じだが、決意したドクオはボールが自分に回ってくるまで心の準備をしているようだ。

(´・ω・`)(ドックン・・仕掛けるのかな?珍しいな)

人の変化に敏感なショボン。ドクオの空気が変わったのを一番早く見切っていた。気が付いたのはあとプギャーくらいだろうか。

(´・ω・`)(ドックン、頼んだよ)



22: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 20:31:28.26 ID:u5ttFfxy0
  

そうボールへと願いを込めて、ドクオへとショボンはパスをだした。

ドクオは一瞬ショボンの方を見たかと思うと、相手のディフェンスの目の前まで進む。そしてゼロステップを踏んで一度止まった。

('A`) (敏捷性だけは自信があるんでね)

そうドクオは思うと思い切り左へと、片足で跳ぶ。そのスピードはとても速い。さすがはドクオだ。相手のディフェンスも少し圧倒される。

そしてドクオは綺麗に自分の目の前の敵を抜いて見せた。

('A`)「よ・・

ドクオの言葉はそこでさえぎられた。なぜならセンターの位置にいたはずのダディが既に目の前にいたからだ。

|(●) (●)、.:|「・・・・・・・・・・・」

無言でドクオを見つめるダディクール。先ほどとは全く様子の違うダディクールを前に、言葉を失ってしまうドクオ。



23: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 20:34:51.94 ID:u5ttFfxy0
  

目が合っていても、こいつは何を考えているのか分かったもんじゃない・・おそらく俺が感じてるのはプレッシャー。

ドクオはそう考えた。ただ一つ言える事は、ダディクールがさっきよりも二倍、いや三倍くらいに大きく見えることくらいだ。目の錯覚ではない。

数秒ほど動けなくなってしまうドクオ。蛇に睨まれた蛙とはまさにこのことか。

そしてダディクールがドクオのボールに向かって手を伸ばしてくる。ドクオはハッとし、ある事を考える。

('A`)(こいつは普通に見ても俺よりかなりでかい。ならば・・)

ダディは身長もかなり大きい。185cmは普通にある。それに対してドクオは170cm。体格には確かに凄く差があると言える。

ならばドクオが狙うのは一つしかない。そう、ブラインドシュート。

このシュートを完璧にやってのけるのはVIP高ではドクオしかいない。練習でかなり練習してようやく身に付けたこのシュート。



24: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 20:39:21.74 ID:u5ttFfxy0
  

今使わなかったらいつ使うと言わんばかりにドクオはゴールへと狙いを定め始める。

('A`)(狙うはキーパーの右横・・ここから狙えるのはここしかない)

ようやく狙いが定まったドクオはそこに目掛けてダディの足の横からシュートをうちこんだ。

|(●) (●)、.:|「・・・・・!!」

流石にシュートは打ち込めないだろうとダディも考えていたらしい。上手く相手の虚をついた攻撃だ。

ダディの足の横からそのシュートは抜けて、ゴールへと向かっていった。さすがの精度で、コースは抜群にいい。これでは集中してなかったら、

ただでさえ反応の遅れるブラインドシュートを取れるはずも無い。キーパーは精一杯足を伸ばしたが、それも無駄だった。

鮮やかにそのシュートはゴールをわってみせたのだ。



25: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 20:41:41.48 ID:u5ttFfxy0
  

VIP高「ドクオー!!!!!!!!!!!!」

まだ一点だけだというのに、VIP高一同は見事にシュートを入れて見せたドクオに対して歓喜の色を見せる。

('A`)「ふぅ、よかった・・」

ドクオはシュートを決めた喜びよりも、安心感の方が勝っているようだ。とにかくこれでVIP高は全くニャー速に対して、劣っていないチームだと言う事を証明した。

だがニャー速はやはり強い。五分、十分と立っていくうちに少しずつ劣勢へと持っていかれるVIP高。なんとか同点で防いでいたものの、

ダディのロングシュートを防ぐ事が出来ず、逆点を許してしまう。しかし、残り七分の時点でまたVIP高は素晴らしいプレイを見せる。

VIP高のオフェンス。パス回しを行っている間、プギャーは考える。



26: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 20:42:07.56 ID:u5ttFfxy0
  

(^Д^)(普通の方法じゃダメだ。何か相手をビックリさせて動揺をさせる方法・・うーん)

考えていたが中々思いつかなかった。

(^Д^)(ダメ元であれ、やるしかないかな。失敗する確率高いがね。その為にはまず誰かに攻め込んでもらわないとな)

プギャーがショボンへとサインを送る。ショボンもそれを見て、やや理解するのに時間がかかったが、首を縦に振る。

(´・ω・`)「いくよ・・!」

ショボンがボールをもらうと同時に、攻め込む。プギャーはそれを援護するようにショボンの方を向きながら走っていく。

(´・ω・`)(よし、充分相手の注意は誘った。プギャーが前に出てるおかげでパスの通路も充分に確保出来てる)

そう思ったと同時にショボンはプギャーへパスをだす。何故敵が近くにいるプギャーに向かってパスを出したのか。



27: ◆gk43jgqTBM :2007/01/09(火) 20:45:21.47 ID:u5ttFfxy0
  

(^Д^)「・・・・」

さすがに抜けないと感じたのか、プギャーは相手に背を向けて、後ろにパスを出すそぶりを見せた。相手は完全に油断した。

プギャーはこの相手の油断を誘っていたのだ。なんとプギャ−は後ろを全くみずに、貞治へとパスを出したのだ。相手は慌てる。

一瞬見ただけで、貞治の位置を確認し、覚えていないと出来ないこのプレー。流石に奇襲過ぎて、ニャー速は対応しきれなかった。

そのパスはなんとか貞治へと通り、貞治は普通にシュートを打ち込んだ。

ポストシュートを止められる確率なんて少ない。簡単にゴールをわった。

|(●) (●)、.:|「・・・・・・・」

ダディが悔しそうな目つきで、プギャーを見ている。プギャーはそのダディに向かってしてやったりという顔つきで見返した。

このプレーのおかげでVIP高は勢いをとり戻す。だが、前半で取られた得点差を全部取り戻す事は出来ず、8−10のスコアでハーフを迎えた。

まだ逆転できる可能性は充分にある。後半三十分でVIP校は巻き返し、見事全国優勝を掴む事が出来るだろうか。

第三十三話 ニャー速、始動 完



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