( ^ω^)ブーンで学ぶ世界史
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:24:05.51 ID:x0CD2VAbP
- ●前史
- 時は6世紀。
- 西ヨーロッパではゲルマン人が跋扈し、中国では遊牧民族が跳躍していた時代。
- 現在のイラクに位置する『メソポタミア地方』では、二つの大国がにらみ合っていた。
- (´・ω・`) 「Sassanian Dynasty, All your base are belong to us !!」
- 从#゚∀从 「変な言葉使ってんじゃねえ! ぶちころすぞ!」
- 一つは、『ユスティニアヌス帝』の率いる『東ローマ帝国』。
- もう一つは、『ホスロー1世』の治める『ササン朝ペルシア』である。
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:25:26.45 ID:x0CD2VAbP
- (´-ω-`) 「おっと、ぶち殺すぞは僕の台詞だ。人の決めゼリフを盗むのは感心しないなあ」
- 从#゚∀从 「アタシがどうやって盗作だって証拠だよあんまりしつこいとバラバラに引き裂くぞ」
- 双方とも有能な君主を頂いていたこともあり、小競り合いは長く続いていた。
- 二つの勢力がせめぎあうメソポタミア。
- 長引く戦争は都市を破壊し、道路網を寸断してしまった。
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:26:49.16 ID:x0CD2VAbP
- このことは一つの問題を招いた。
- 世界を貫く交易路、『絹の道(シルクロード)』が分断されてしまったのである。
- (´<_`; ) 「むう、これは困った。このままだと地中海に商品を運べんな………」
- 当時の商人たちは、メソポタミアの河を遡ったあと、アンティオキアという町を拠点にして商品を輸送していた。
- 通り道であるメソポタミアが戦場となってしまうと、商人たちは仕事をすることができなくなってしまう。
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:27:58.10 ID:x0CD2VAbP
- (´<_`; ) 「なんとか俺だけでも通してもらえませんかね? やっぱ無理ですかね?」
- 从 ゚∀从 「うん、それ無理」
- (´<_`; ) 「うむむ………」
- しかし、商人たちも手をこまねいていた訳ではない。
- 何とかして商品を輸送しようと、四苦八苦していた。
- そして。
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:29:41.60 ID:x0CD2VAbP
- / .|
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- / ∧_∧ nm |
- / (*´_ゝ`) Фr 勺、 < 殺伐とした戦場に兄の救世主が!
- / 「 ⌒ 、 / / 丶 |
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- / ( | / \ノ ノ |
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- / | | ⊆つ |
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- ー 一
- ` ー _ 一 '
- (´<_` ) ・・・・・・
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:31:01.73 ID:x0CD2VAbP
- (*´_ゝ`) 「殺伐とした戦場に兄の救せ――」
- (´<_` ) 「唐突に何だ、兄者よ。もう司会ごっこは気が済んだのか?」
- ( ´_ゝ`) 「ははは、相変わらずひどい言い方だな、弟者よ」
- (´<_` ) 「どういたしまして。………それともあの羊羹のようになりたいのか?」
- ( ;´_ゝ`) 「いや、それは止めてくれ」
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:32:25.74 ID:x0CD2VAbP
- (´<_` ) 「ふうむ……… して、兄者よ。今日は一体何を企んでいるんだ?」
- ( ´_ゝ`) 「うむ。それでは本題に入ろうか」
- ( ´_ゝ`) 「実は、風のうわさでお前がかなり困っていると聞いてな」
- (´<_` ) 「ああ、確かに俺は困っている。だが兄者に手伝ってもらうほど俺は駄目じゃないぞ」
- ( ´_ゝ`) ・・・・・
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:33:50.58 ID:x0CD2VAbP
- ∧_∧
- ∧_∧ (´<_`; )
- ( ´_ゝ) /∩ ⌒i
- / \_//ペチ|.│
- / _/ペチ.| |
- __(__ニつ___|___._.| .|____
- (u ⊃
- ( ´_ゝ`) 「話の流れを読めよ、弟者」
- (´<_`; ) 「あ、すまん」
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:35:17.83 ID:x0CD2VAbP
- ( ´_ゝ`) 「お前はらくだで荷物を運ぶ商人の役なんだろ? そして商品が運べなくて困っている、と」
- (´<_` ) 「うむ、その通りだ兄者よ。だがそれがどうかしたか?」
- ( ´_ゝ`) 「ふふ、兄であるこの俺が手伝ってやろうと言っているのだ」
- (´<_` ) ・・・・・
- (´<_` ) 「日ごろニートをしている兄者が言っても説得力が無いぞ」
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:36:35.38 ID:x0CD2VAbP
- (#´_ゝ`) 「ににに、ニートちゃうわ! 少なくともお前よりも活躍しているぞ!」
- (´<_` ) 「ああ、でも \(^o^)/ ←こいつにボコボコにされるだけだったよな」
- ※参照 (前作です)
- ttp://vipmain.sakura.ne.jp/end/485-top.html
- ( ´_ゝ`) ・・・・・
- ( ´_ゝ) 「まあ……そうとも言うかな…………」
- (´<_`; ) 「少しぐらいは言い返せよ、兄者………俺まで悲しくなってくるじゃないか…………」
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:37:58.97 ID:x0CD2VAbP
- ( ´_ゝ`) 「まあそんなことはどうでもいい。この俺がお前の荷物を代わりに運んでやろうと言うのだ」
- (´<_`; ) 「その心意気は流石だ、兄者よ。
- だが今の街道筋は非常に危険だ。兄者にやらせる訳にはいかん」
- ( ´,_ゝ`)プッ
- (´<_`; ) 「何がおかしい」
- ( ´_ゝ`) 「お前、俺が何の役だったか忘れてるだろ」
- (´<_` ) 「兄者の役割?」
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:39:26.52 ID:x0CD2VAbP
- ( ´_ゝ`) ← 海を叉に掛ける商人
- (´<_` ) ← 陸を駆け回る商人
- (´<_`; ) 「あー、はいはい」
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:40:41.75 ID:x0CD2VAbP
- (´<_`; ) 「だが兄者よ。メソポタミアに海はないぞ。あすこは河の他には砂漠しかない」
- ( ´_ゝ`) 「ばっか、地図を良く見てみろ。アラビア半島を一周すればそこはエジプトだ。
- そこから地中海に荷物を運んでいけばいい」
- (´<_`; ) 「むむ………でも……俺は心配だ」
- ( ´_ゝ`) 「案ずるな、受験生。俺は兄だ。簡単には負けん」
- (´<_` ) 「兄者……」
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:42:01.91 ID:x0CD2VAbP
- ☆ .∧_∧
- ∧_∧ | (´<_` )
- ( ´_ゝ`)__η η_/ ⌒i
- / __(_)(_)___| | |
- / / ̄ ̄ ̄ ̄/ | | |
- __(__ニつ/ FMV /____|__| |__
- \/____/ (u ⊃
- ( ´_ゝ`)b「流石だよな俺ら」
- d(´<_` )「ああ、流石だな俺ら」
- 流石兄弟が出てくると無駄に長くなるから困る。
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:43:29.82 ID:x0CD2VAbP
- 気をつけろよ、兄者。
- なに、心配には及ばん。
- ∧_∧ ∧_∧
- ( ::;;;;;;;;:) ( ::;;;;;;;;:)
- /⌒`'''''''''''^ヽ /⌒`'''''''''''^ヽ
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- 陸上での輸送に窮した商人たちは、メソポタミアを避けるようにして南へと進んでいった。
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:44:54.72 ID:x0CD2VAbP
- ある者は船に荷物を積み替え、アラビア半島伝いに紅海を目指した。
- またある者は、アラビア半島に広がる砂漠を強行突破しようとした。
- (´<_`; ) 「ふぅ、砂漠とか暑すぎだろ常考………」
- ただ、いずれにせよ一つのことが言える。
- それは、絹の道が遮断されたことによって、「アラビア半島が世界史に浮上してきた」ということである。
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:46:04.43 ID:x0CD2VAbP
- ,,, `!,, __,,,__,、 `ヽ, {、 `‐-,
- .`==二}`‐-‐´ ‐,、,,_ , ,,,} ヽ, {,,,、
- .`7 ~~ ~~ `,ッ {´
- { (#´・ω・) ,{ `ヽ
- ´ッ,, , {, }
- ゜ "‐´ ヽ,,__, -‐-ッ `‐、,___,,-ゝ
- 、--,‐ { (´<_`; ) ...
- `" ,} メ ソ ポ タ ミ ア
- /
- 〜●‐‐-、,, ,/´ 从∀゚#从
- ,
- エ { } ,,、 _,,,-、,,
- ヽヽ,// ヾ ヽ,,
- ジ `i ヽ, ヽ, \_, _●
- ヽ ヽ, ヽ,, \-,/,,、 i,,
- プ ヽ }, ア ヽ,∩ / |  ̄ ̄` ―´
- | `ヽ, ``!、_,--ノ´ ヽ-,,,,、
- .ト {-、 ヽ ラ ヽッ
- ヽ ,{ ,/
- { ヽ, ビ ,--!
- { 紅 `ヽ ,,!
- ヽ, !, ア ,,,ノ´
- }, 海 ヽ ,,,ノ ... ( ;゚_ゝ゚)
- | } ,/~
- `ヽ,,, { ,,--‐´
- `ヽ, } __,--‐´~ イ ン ド 洋
- ヽ!,,,_,、,●‐´
- ● ←港町
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:47:24.91 ID:x0CD2VAbP
- 陸路と同様、海に出た商人たちも厳しい旅を強いられていた。
- 当時の紅海は旅の難所であったという。
- ( ;´_ゝ`) 「やっべー、紅海って海賊多いのな………
- 向かい風も強いし、これは無理だろ常考………」
- 海賊 「海賊王に、俺はなる!!!」
- ( ;゚_ゝ゚) 「ちょ! なんか出た!」
- そのためほとんどの商人は、インド洋の部分で航海を諦めて、
- アラビア半島の南端にある港町で荷物を陸揚げした。
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:48:44.64 ID:x0CD2VAbP
- ( ;´_ゝ`) 「くそ、偉い目にあったぞ。なんとか港までたどり着けたから良いものの………」
- ( ;´_ゝ`) 「もう一回海に出るのは厳しそうだなあ。
- だがこのまま荷物を放置する訳にも…………」
- ??? 「アヒャヒャ、あんたもお困りなのかー?」
- ( ´_ゝ`) 「む、あんたは………」
- もちろん陸揚げした荷物は、誰かに頼んで輸送してもらわねばならない。
- 砂漠地帯を通過するには、それなりの専門知識が必要になってくるからだ。
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/05/04(火) 17:50:08.84 ID:x0CD2VAbP
- (*゚∀゚) 「こっから先はオレらに任せなー。オレら遊牧民になー」
- (=゚ω゚)ノ 「今ならお安くしとくょぅ」
- アラビア半島に、富が集まり始めていた。
- とあるスレにインスパイヤされて作った
- 題「つーとぃょぅでイスラム史 前編」
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