( ^ω^)ブーンが復讐の感染をさせるようです

4: 猪(おもらし君) :2006/12/16(土) 12:47:18.73 ID:EDbCDjlZ0
生存
( ・∀・) ( ´∀`) ('A`)
从゚∀从( ´_ゝ`)(´<_` )

瀕死
(´・ω・`)

侵入
川 ゚ -゚)

死亡
教員 ( ゚д゚ ) / ,' 3
生徒 从'ー'从 (=゚ω゚)ノ( ><)( ,_ノ` )y━・~~~
   ( ,,゚Д゚) <ヽ`∀´>ξ゚听)ξ( ゚∀゚)
( ´ー`) (’e’) ( ^Д^) (*゚ー゚)
   ('、`*川ミ,,゚Д゚彡(-_-)(*‘ω‘ *)

憑依(内藤が中にいる者)
\(^o^)/



5: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 12:48:58.28 ID:EDbCDjlZ0
从゚∀从「俺……ここから脱出できたら世界一のピアニストになるんだ……」

(;´∀`)「……なっ!」

愕然とした。
なんであんな頑なにピアノを否定していた高岡が急にそんな事言い始めるのかとか
どうしてこれから戦いに行くのに、そんなあらかさまに死亡フラグっぽいのを
立てるんだとか、何故表情が柔らかくなっているのとか
聞きたい事は多かれど、とりあえずモナーは……

( ´∀`)「……あァ……そうだな」

と、少しカッコつけて言った。


殴られた。


从#゚∀从「んな反応期待してねーんだよ!!
     いいから早くお前の夢を語れ、喋れ、赤裸々に暴露しろ!!」

(;´∀`)「い……痛いモナ……意味も分からんモナ」

从#゚∀从「俺が恥を忍んで言ったってのに自分だけ隠すのか!?」

「自分の夢を言ってくれ」
とは頼んだ覚えがないモナー、振り回されることこの上なし。



7: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 12:52:44.67 ID:EDbCDjlZ0
从゚∀从「正直に言うと俺は今、全然生きた心地がしねぇ
     なんせ内藤の罠に自分から飛び込んでいくってんだからな」

その件に関しても、別にモナーが「付いて来てくれ」とお願いしたわけでもない。

从゚∀从「俺はただ俺の夢を誰かに覚えてて欲しいだけだ!
     そうすりゃ俺が死んだってお前が俺の夢を覚えててくれるだろーが!!」

(;´∀`)「はぁ……」

从゚∀从「だからお前の夢を言え!お前が死んでも俺が生きてりゃ覚えててやんよ!!」

モナーの本音は『死んだ後なんてどうでもいい』だ。
この世を生きている者が、あの世の自分の事をどう思っていようが全く関係の無い話だ。

ましてや夢なんて覚えてて貰っても
「あの人は志半ばで死んでいったのよねぇ……」
みたいな受け止め方しかしてくれないだろう


大体夢なんて無いし。


从゚∀从「夢なんてねーって顔してんな」

(;´∀`)「あ、ああ!無くて悪いかモナ!!」



9: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 12:54:05.80 ID:EDbCDjlZ0
从゚∀从「じゃ、俺が決めてやる」

(;´∀`)「はい?」

从゚∀从「副々AV男優」

(;´∀`)「副々ってなにモナ!?メインの男優が構われているのをちょっと羨ましそうな
     眼で見ながら自分の活躍の場を探そうと模索するも、結局最後までそんなに
     見せ場も無く、ちょっと寂しいんだけど下はビンビンの奴が副男優なら
     副々ってのは一体何の為に存在するんだモナ!?」

从゚∀从「うっせーな、お前が死んだらそれで言いふらすからな!!」

(;´∀`)「ご、ご勘弁を……あっ、あったモナ!夢見つけたモナ!!
     普通の女と結婚して普通の子供を作り、普通の家庭を築くモナ!!」

从゚∀从「はいざんね〜ん、ボッシュートです」

チャラッチャラッチャーン ミヨヨヨ~ン

(;´∀`)「何で!?」

そんな漫才をしながら階段を降りる二人――――――


―――――― 一方その二人が目指す目的地は修羅場と化していた。



12: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 12:59:51.56 ID:EDbCDjlZ0
『生きる。』ゼェゼェヒューヒューゼェゼェ【ドクン】ーゼェゼェ
ゼェゼェヒュ【ドクン】ーヒューゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒ
ゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒュー
『死んでも生きてやる。』ゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒュ
ゼェゼェヒューヒューゼェゼェ【ドクン】ーゼェゼェヒューヒュー
【ドクン】ューヒューゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒュー
(;´・ω・`)「死んでも……っ……死んでも……」ゼェゼェヒューヒ
ゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒュー
ゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒュー
ゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒ【ドクン】ェヒューヒュー
『自分の鼓動がこんなにも大きく聞こえる。』ゼェゼェヒューヒュー
『死ぬ前兆か』『まだ自分は生きているという暗示か』ェヒューヒュ
ゼェゼェヒュー【ドクン】ゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒュー
ゼェゼェヒューヒュー『どっちだって同じだ。』ゼェゼェヒューヒュ
ゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒュー
ゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒューゼェ【ドクン】ヒュー
川;゚ -゚)「〜〜!〜〜〜!?」『聞こえないよ』ゼェヒューヒュー
(´<_`;)「〜〜〜……!!〜〜!」『心臓が雑音を遮断する』ヒュ
ゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒュー
ゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒ
ゼェヒューヒューゼェゼェヒューヒューゼェゼェ
ゼェヒューヒュ【ドクン】ヒューヒュー
ヒューヒューゼェゼェヒューヒ
ヒューヒューゼェゼェ
ヒューヒュー
ヒュ

『僕は一人で死ぬのか?』



13: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:03:39.64 ID:EDbCDjlZ0
(;´_ゝ`)「おっ……と……」

川;゚ -゚)「……」

(´<_`;)「……っら……そ、そこの女!
      こっ、これでギブアンドテイクだろ……鍵を……鍵を渡せ!!」

弟者は返り血を浴びながら言った。
彼の右腕に握られていたのはカッターナイフ。

そして既に絶命したショボンの首に刺さっているのもまたカッターナイフだ。

(;´_ゝ`)「そいつは……ヒッキーから取り上げt「兄者!!」(´<_`;)

叫ぶ。
弟者には見えていた。
奪う。
女から鍵を無理矢理。
逃げる。
弟者には見えていた。


そいつが





(^o^)「早退届は出したのかお?」



14: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:07:33.97 ID:EDbCDjlZ0
( ´_ゝ`)「あの馬鹿面はどうみてもオワタです、本当にありがとうございました」

(´<_`#)「んなワケねぇだろ!早くし――――――……」




ひやり



頬が冷たい。
何かが触れている。

肩が重い。
何かが乗っている。


(´<_`;;;)「な…………っ……」


腕だ。緑に塗られた腕だ。

肩だ。自分の肩にぺたりと張り付いている。

俺だ。       死んだ。                感染だ。


俺の死因は油断だった。



15: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:10:43.08 ID:EDbCDjlZ0
膝が床に落ちた。

力が抜けていく。

侵食されていくのが分かる。

(;´_ゝ`)「う……嘘だろ……」

嘘じゃないんだ、すまない。

にしても兄者、なんて顔をしているんだ。

お前は帰れるんだぞ。

弟が危篤なんだから早退だ。

早く……早くここから………………………………



(´<_`;;;)「はやく……」



20: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:12:51.73 ID:EDbCDjlZ0
(^o^)「動くなお!」

(  _ゝ )「!」
川 ゚ -゚)「!」

(^o^)「こっちにゃ飛び道具もあるんだお、下手に動いたら投げつけるお」

内藤が引き摺っているのは紛れも無く『感染者』だ。
僅かに顔の面影が残っているといっても、それが先刻デタラメな放送を流した
女だという事にはまず言われないと気が付かない程である。

更にそいつには左腕が無い。
元々あったかと思われる付け根からはポタポタと黄緑色の汁が垂れていた。

川 ゚ -゚)「飛び道具……今投げつけた腕はそいつのか」

(^o^)「ふふん、今度は頭でもちぎって投げるかお?……てかお前誰やねん!!」

川 ゚ -゚)「通りすがりのジョニーです」

(  _ゝ )「弟者……弟者……」

目の前には我が弟の屍、変わり果てた姿。
あまりにも呆気ない最期だ。
兄者は愛すべき弟へと一つの言葉を送った。



( ´,_ゝ`)「だせぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



22: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:15:10.09 ID:EDbCDjlZ0
( ´,_ゝ`)「ぶはっwwwwwギャハハハハハハハハハハwwwwwwwww
      あれだけ大物ぶっといて随分簡単に逝っちまったなwwwwwwwww」

一人でまさかの大爆笑。
愛すべき弟の死体に唾を吐き捨てるか兄者。

( ´,_ゝ`)「なんというドリームwwwww夢の世界くらい
      安全に生き延びてみろってんだwwwwwwwwwwww」

川 ゚ -゚)「夢?……おい兄の奴、これは夢じゃないぞ
     正真正銘のリアルワールドなんだが……」

( ´,_ゝ`)「嘘こけwwwwww大体触れて感染なんて今時厨房、いや消防……
      幼稚園児だってもっとマシなスタンド考えるっつーのwwwwwwww」

(^o^)「ほっとけwwwwwwwwwwwwww」

( ´,_ゝ`)「んじゃ姉ちゃん、俺の頬つねってみてくれよwwwwww
      これで夢って事が証明されるぜバーローwwwwwwwwwww」

兄者の言う通り頬をビロンビロンになるまで引っ張るクー。
誰が見ても痛々しい光景だったが兄者は耐える耐える、余裕の顔を作る作る。

( ;_ゝ;)「痛くねぇ!痛くねぇぞ!これは夢なんだから!いつか覚めるんだから!」

川#゚ -゚)「痛くないワケないだろ!!」

今度は平手打ちが兄者を襲った。



24: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:17:43.47 ID:EDbCDjlZ0
( ;_ゝ;)「いっ……てぇ……」

川#゚ -゚)「痛いだろ?それが現実である証拠であり、お前が生きているという証だ!」

(^o^ω^)「今の内『生』を堪能しておけお、今に痛みすら感じない身体にしてやるお」

そう言い終わった直後だ。

(^o^ω^)「……お?」

トットットット……カンカンカンカン……

この一定のリズム、間違いなく階段を下る音だ。

それは徐々に近づいてくる。
命知らずが奏でるオーケストラと言えば聞こえはいいだろうか

(^o^ω^)「……ようこそ」

从゚∀从「……おう、茶くらいは出してくれんのかと思ったが……
     おもてなしの一つも無いのかと小一時間問い詰めたいね」

(;´∀`)「オワタ……じゃなくて内藤かモナ……お前の野望は今日で終わるモナァ!!」

今日始まったばかりだが。



25: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:21:13.76 ID:EDbCDjlZ0
刃物が刺さった男と緑に溶けていく男、
そしてフロントが見るも無惨な事になっている車が佇む昇降口・渡り廊下を挟んで、
南校舎側に兄者、クー、高岡、モナー。
北校舎側には言うまでも無く、内藤と人間じゃなくなったちんぽっぽ。

車のキーは崩れた弟者に飲み込まれてしまった。
逃げる術が無くなった今、道はひとつ。

内藤を消す。

それだけ、それだけである。

川 ゚ -゚)「ふむ……ところで今、私は何に巻き込まれているんだ?
     何でこんな事になっている?みんな仲良くすればいいんじゃないか?」

(;´∀`)从゚∀从『いや……ところであんた誰?』

(^o^ω^)「通りすがりのジョニーらしいお、関係者以外立ち入り禁止にした
      ハズなのに……とんだお転婆娘ですね、特別視はしないお」

川 ゚ -゚)「おお、差別しないのか」

(^o^ω^)「死は平等だお」



27: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:22:34.15 ID:EDbCDjlZ0
自分から見て後ろには音楽室、右側には理科室。

前には廊下が広がっていて……ここは何階……?

( ・∀・)「……ああ三階でゴザルか……」

自分はここで倒れていたようだ。

後頭部がやや痛む事から、どうやら鈍器で殴られたものと思われる。

( ・∀・)「はて、ワタクシ何をしていたのでゴザルか?
     記憶が曖昧と言うか全く無いというか……口調まで変わっているような……」

目線を下へと向ける。
何だ?木材?いや椅子だ、椅子がどうしてここに転がっているのかと言うと……




フラッシュバック。




(;・∀・)「ああ、高岡!あいつが俺を椅子で……!!」

甦るメモリー。



29: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:25:15.67 ID:EDbCDjlZ0
(;・∀・)「クッソ……こうしちゃいられねぇ……」

今はとにかく走るしかない。
目的の場所へ、向かうべき場所へ、待つ者がいる場所へ。

『……モララー、君は行っちゃダメだモナ』

(;・∀・)(黙れ……そんなのは俺が決める事だ……)

『モララー!じゃぁまず僕から行ってくるモナ、それでおk!?』

(;・∀・)(どうでもいいんだよお前なんざ……勝手に友達だの何だのって……)

『モララー!』

(;・∀・)(呼ぶな……俺の名前を呼ぶな……)

('A`)「……! モララー……」

(#・∀・)「呼ぶな……ッ!………………あん?ドクオ……?」

対面した。

二階への階段   一歩手前で  二人が   対面した。



30: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:28:13.46 ID:EDbCDjlZ0
('A`)「おま……え……だ……」

( ・∀・)「ぁ?こちとら急いでんだ、用件があるなら後で……」

('A`)「用件……だと?」

こいつだ。
こいつが全ての元凶だ。こいつだ。
内藤を苦しめた。こいつが全ての元凶だ。
内藤を殺した。内藤を苦しめた。
内藤を狂わせた。内藤を殺した。
こいつだ。内藤を狂わせた。
こいつさえいなければ。こいつだ。
こいつがいなくなれば。こいつさえいなければ。
内藤が。こいつがいなくなれば。
内藤がこれ以上過ちを。内藤が。
過ちを犯さずに済む。内藤がこれ以上過ちを。
こいつが生まれてこなければ。過ちを犯さずに済む。
全部全部全部。こいつが生まれてこなければ。
こいつが悪い。全部全部全部。
悪はこいつだ。こいつが悪い。
殺せ。悪はこいつだ。
消し去れ。殺せ。
もう内藤を苦しめるな。消し去れ。

俺が手を汚せばいい。もう内藤を苦しめるな。



31: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:31:51.67 ID:EDbCDjlZ0
(;・∀・)「まさかテメェが内藤か……?」


……!!


(;・∀・)「そうなんだな……おい、お袋を殺したのか……!?」


これだ、これを利用して――――――

('A`)「そうだ……お」

何も出来なかった俺が――――
怯えるだけだった俺が――――
見てるだけだった俺が――――


俺が内藤に代わって裁きを。



32: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:35:22.36 ID:EDbCDjlZ0
(#・∀・)「……ッそ…………畜生……畜生……!!」

相手が相手じゃなかったらとっくに殴ってる。
殴れない、近づけない、後退りしている自分が情けない。

『死にたくない』

その一心で距離を取る。
さっきまでの勇気は何処へ消えたのか。

いや、勇気など最初から無かった。
所詮ヤケクソだっただけで、勇気に見せかけたハリボテだったのだ。


('A`)「お前が最後の一人だ……お」

デタラメだ。
だがそういう空気を作っておく必要がある。

惨めさを存分に味あわせて殺してやりたい。

だが聞きたい事も山ほどある。
まずはそれだ。

('A`)「単刀直入に聞くお、何でおr……僕をいじめの対象に選んだんだお?」

今更そんな事などどうでも良い、だが喋らせる事に意味があるのだ。



33: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:40:28.28 ID:EDbCDjlZ0
( ・∀・)「俺が最後……か」

半ば諦めたような顔、声、発言。
中学生だというのに随分とモララーが老けたように見えた。

( ・∀・)「いじめっ子の気持ちも考えて下さい……ってか……
     逆もまた叱り……いじめる方の気持ちを考えた事あるか内藤?」

('A`)「あるわけねぇだろ!!結局家庭内でのストレスを学校でぶつけたいだけだろ!?」

思わず『お』を付け忘れる。
だがモララーは気にする素振りも見せずに続けた。

( ・∀・)「……俺な、幼稚園の時にウンコ漏らしたんだ」

漏らしたそうだ。
だからどうした。

( ・∀・)「それ以来俺のニックネームはウンコマンになった、
     安直なネーミングだがキツかったな……糞人間だぜ?」

('A`)「俺にとっちゃお前は糞人間で十分だがな」

今度は一人称を間違えた。
柄にも無く感情が湧き出ている。



36: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:49:59.66 ID:EDbCDjlZ0
( ・∀・)「卒園式が近づいてきてな……俺もこのままだとヤバイと幼心に
     危機感を感じていたんだろう……今のままじゃ小学校へ行ってからも
     ウンコマンで通ってしまうとな……」

('A`)「……」

( ・∀・)「いつまでも俺をからかってくる連中ってのは大体決まっててな、
     初めて抵抗したんだ、3人組だか4人組だか忘れたが
     一人残らず椅子でブン殴ってやった……卒園式一週間前位だったかな」

まさに下克上と言う訳か。
草食動物が肉に目覚めた瞬間である。

( ・∀・)「それから卒園まで俺に突っ掛かる奴はいなくなった、
     先生も俺を爆弾を扱うみたいに接してたな……
     親も褒めてくれたよ、『よくやった』『流石俺の子だ』とかな」

('A`)「フザけた武勇伝だな」

( ・∀・)「俺は学んだんだ、『勝つには先に攻める事』これっきりなんだよ、
     小学校に上がって俺は早速カモを見つけた……それが……」

('A`)「内t……僕かお?」

( ・∀・)「ご名答」



40: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:55:30.65 ID:EDbCDjlZ0
( ・∀・)「だが候補としてもう一人……目を付けた奴がいる、それがモナーだ」

('A`)「……モナーだと?」

( ・∀・)「奴もお前同様に人見知りする性格ってのがすぐ分かったよ、
     でもってコイツは友達できねぇって事も一瞬で悟った」

( ・∀・)「俺一人でお前をいじめちゃぁただの独りよがりだからな、
     すぐにでも仲間……いや『しもべ』が欲しかった……
     モナーはそれに抜擢されたってワケよ」

('A`)「仲間の中にも自分より下を作ったって事か……お」

( ・∀・)「俺が最初に話し掛けた相手だったみたいでさ、
     アイツ妙に興奮しててキモかったな……まぁどうでもいいんだけど」

( ・∀・)「後は的……即ちお前に嫌がらせをするだけ……
     周りの奴らは自然と乗ってくる……アレは見ていて爽快だった」

( ・∀・)「ブーン菌が流行り出したのは小三辺りだったかな……」


('A`)「…………それで……お前は何も感じなかったのかお……」

痛めつけられる人間がいて、苦しんでる人間がいて、
『助けて』が言えない人間を陥れて、同じ人間として何も感じなかったのか。



42: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 13:58:10.20 ID:EDbCDjlZ0
( ・∀・)「罪悪感?感じたさ」

意外な返答が耳に辿り着く。
罪悪感があっただと?
人間一人死ぬまで追い込んだ張本人が何を寝言言っているんだろうか。

( ・∀・)「やめてやろうと思った事は何度もある、俺だって鬼じゃない」

('A`)「思っただけで実際止めなかったお前はどう考えたって腐りきった鬼だお」

( ・∀・)「……一度強い立場に立った人間はなぁ……そう簡単に下へ落ちる事は
     許されねぇんだよ内藤……わかるか?お前には分からねぇよな!!」

声のトーンが変わった。
淡々と話していただけだったのが急に感情的になる。

(#・∀・)「幼稚園の時みてぇな失態を晒したら、それだけで俺が築いてきた物は
    崩れ去る……俺は上に居続けなければならない……
    つまり一度始めたお前への攻撃を止めるわけにはいかなかったんだ!!」

('A`)「お前っ……!!」

(#・∀・)「俺は俺が一番大事だ!俺は俺を守り続けてきただけだ!!」

(#・∀・)「俺はドクオみてぇなポジションが羨ましかったね!!
    見てるだけの傍観者……程々に上に逆らわず、程々に下に気を遣ってやれば
    いい……それだけでいい安全圏!!」

('A`)「!!」



43: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 14:03:05.25 ID:EDbCDjlZ0
言うな……
言うな……
言うな……
(#・∀・)「アイツこそ正真正銘の偽善者……そう思わねぇか?あぁ内藤!!」
言うな……それ以上……
言うな……それ以上……
言うな……それ以上……
(#・∀・)「いいか……ああいう何も出来ない奴が偉そうに
    『いじめはいけません』なんて言ってる世の中なんだぞ!?」
言うな……それ以上……言うな!
言うな……それ以上……言うな!
言うな……それ以上……言うな!

(#・∀・)「だからお前が本当に恨むべきだったのは……」

('A`#)「言うな!!!」

足が勝手に動き出す。
拳が勝手に奴を殴る。
心が勝手に揺らめく。
殴り飛ばした相手の言っている事が、間違っていると思わなかったからだ。

(;・∀・)「……ガハッ…………?……お前っ……?」

殴られた。
だが痛いだけだ、それ以外何も身体に変化は無い。

(;・∀・)「内藤じゃ――――――ねぇ……?」



44: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 14:05:51.39 ID:EDbCDjlZ0
从゚∀从「いいか、アイツはマリオだ」

高岡の指は内藤を指す。
そして内藤はマリオらしい。

从゚∀从「でもって俺らは残り人数だ」

(;´∀`)「意味が分かりませんモナ」

从゚∀从「内藤にとっちゃ俺らは残り人数……即ち命のストックだ、
     もし一対一のタイマン勝負になった時は――――――……」

(;´∀`)「身体を乗っ取られたらお終いモナね……」

从゚∀从「乗っ取られないように頑張れ」

(;´∀`)「ねーよwwwwwwwwwwww」

川 ゚ -゚)「よし、頑張る」

从゚∀从「あんたは味方みたいで良かったが……オイ流石の兄!!」

(  _ゝ )

へんじがない ただのほうしんじょうたいのようだ

从゚∀从「使えNeeeeeeee!!」



45: ◆R38CE/IWYU :2006/12/16(土) 14:07:44.94 ID:EDbCDjlZ0
(^o^ω^)「これ以上待っても誰も来る気配は無いお……
      役者はお前らだけでおk?」

从゚∀从「フン、豪華キャストだろ?
     映画一本作れるぜ、製作発表の記者会見するか?」


(^o^ω^)「じゃあコメントは断末魔でお願いするお」



先手必勝。

走り出したのは内藤だ。


『勝つには先に攻める事』



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