( ^ω^)ブーンが復讐の感染をさせるようです
- 60: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:01:27.73 ID:X/Q5Ug+v0
- 生存
- ('A`)川 ゚ -゚)
- 死亡
- 教員 ( ゚д゚ ) / ,' 3
- 保護者 ξ ・∀・)
- 生徒 从'ー'从 (=゚ω゚)ノ( ><)( ,_ノ` )y━・~~~
- ( ,,゚Д゚) <ヽ`∀´>ξ゚听)ξ( ゚∀゚)
- ( ´ー`) (’e’) ( ^Д^) (*゚ー゚)
- ('、`*川ミ,,゚Д゚彡(-_-)(*‘ω‘ *)
- (´・ω・`)(´<_` )\(^o^)/
- ( ´_ゝ`)从゚∀从( ´∀`) ( ・∀・)
- 63: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:03:22.14 ID:X/Q5Ug+v0
- 顔は精神の中で見た内藤だ。
- 服は学ラン、身長は普通くらいだが横幅は少しあるように感じる。
- ( ゚ω゚)「……僕は……内藤」
- 川;゚ -゚)「…………」
- 声が出ない、自分の中にいた存在が目の前にいる。
- 目を閉じてまた開いても、紛れも無い人の形があった。
- ( ゚ω゚)「人間……なのかお?」
- 川;゚ -゚)「……違う」
- ( ゚ω゚)「違うのかお?」
- 川;゚ -゚)「自分の足元をよく見ろ、お前がそいつを殺したんだ……
- 人間には出来ない方法で殺しているんだから、お前が人間であるわけない」
- そうだ。
- 転がっている腐りきったモララーの姿を見てみろというんだ。
- 川;゚ -゚)「そしてお前は内藤でもない、なぜなら内藤という男は人間だからだ」
- ( ゚ω゚)「それはおかしいお、僕は内藤だお」
- 川;゚ -゚)「違う!内藤は人間だ、弱くて何も出来ない人間が内藤なんだ!!」
- 65: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:06:52.52 ID:X/Q5Ug+v0
- 川;゚ -゚)「考えられるのは一つ……お前が感染の元凶……
- 『菌』ではないのか?」
- ( ゚ω゚)
- ――――ブーン菌――――
- うわぁ!ブーンに触っちまった!
- きたねっ!こっちくんな!
- 俺バリヤな、だから近づくな
- 「ぼっ、僕の何が汚いんだお!そういうの止めてくれお!」
- きめぇ……喋んなカス
- お前が死んでくれたらブーン菌が死滅するのにな
- ――――嫌われた存在――――
- 66: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:09:08.10 ID:X/Q5Ug+v0
- ( ゚ω゚)「ブーン……菌……」
- 川;゚ -゚)「お前は恐らく……心無い、いじめっ子が作り出した架空の産物だ」
- 人間でもない
- 内藤でもない
- そもそもこの世に存在するはずのものでもない
- 架空の存在
- ( ゚ω゚)「僕は……」
- パリィン!
- 上空から降り注ぐ音。
- ガラスが割れたようだ。
- 67: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:11:01.19 ID:X/Q5Ug+v0
- 川;゚ -゚)「な、何だ!?」
- 窓から上空を見上げる、舞い上がる煙と踊る炎……誰がどう見ても火事だ。
- 炎のスピードというのは尋常ではない。
- こんなチンケな中学校など直ぐ灼熱に包まれるだろう。
- かと言って逃げる場所など何処にも無い。
- 感染の沼の中で火の海と来たもんだ。
- 余計に空が蒼く見えるのは気のせいか。
- 川;゚ -゚)「誰がこんな事を――――――……?」
- 犯人として考えられるのは先程、内藤――否、『菌の男』が始末した奴か。
- 川;゚ -゚)(あの男……いや、まさか……)
- 誰がやったのかなんてどうでも良い。
- 今はどうやってこの危機を回避するか……それだけだ。
- ( ゚ω゚)「……クオ……ドクオ……!」
- 川;゚ -゚)「お前!?」
- そいつは駆け出した。
- 上へ、上へ、上へ、駆け上がっていく。
- クーもそれを追った。
- 一階、二階、三階と階が上になっていくに連れ、身体が熱を感じていく。
- 69: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:12:21.90 ID:X/Q5Ug+v0
- ――三階・理科室、音楽室前――
- 川;゚ -゚)「う……ここは一番炎が……」
- 火の粉が飛ぶ。
- 目もろくに開けられず、口は避難訓練で習った通りハンカチで抑える。
- しかし避難訓練というのもいざという時には何の役にも立たない。
- 今後は全ての小中学校で、いじめが原因で甦ったかつてのクラスメートから
- 逃げるというシチュエーションを用意して訓練するべきだ。
- 冗談はここまで。
- 男は理科室の前で立つ。
- 扉は開いており、部屋の中の何かを見ているようだ。
- ( ゚ω゚)「…………ドクオ……いた」
- 川;゚ -゚)「……」
- クーは無言で駆けつけた。
- 男が言った通り、いた。炎の中で男子生徒が倒れている。
- ('A`)
- 悲しいが表情は無かった。
- 72: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:17:34.93 ID:X/Q5Ug+v0
- 川;゚ -゚)「お前がドクオだな、おい起きろ!」
- 何度も近くで呼びかけた。
- しかし応答はなく、炎だけがうねりをあげる。
- ( ゚ω゚)「ドクオ……ドクオ……」
- 『「モナー!モナー!」
- 「モララーどこモナ!?」
- そんな声ばかりが聞こえる、自分を呼ぶ声はない。当然だが。
- もし自分が生きてて学校が火事になった時、自分を呼んでくれる人はいるだろうか。』
- もし自分が生きてて学校が火事になった時、自分を呼んでくれる人はいるだろうか。
- ('A`)「な……いとうっ……」
- 73: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:20:24.22 ID:X/Q5Ug+v0
- 今、僕の事呼んだお?
- ああ呼んだよ。
- 74: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:21:07.25 ID:X/Q5Ug+v0
- 人間の本当の死というものは その名前を呼んでくれる人がいなくなった時だ。
- 即ち、その人間は誰の記憶の中にも居なくなったという事だ。
- 今、内藤を呼ぶ声は確かにあった。
- 内藤はまだ死んではいない。
- ドクオも死なせない。
- 何度だって呼び続ける。
- ( ;ω;)「ドクオ……ドクオ……ドクオ……」
- 近くにいるのに触れる事は出来ない。
- そんな事をすればさっき自分が崩した人間――モララーの二の舞だ。
- ( ;ω;)「助けたい助けたい助けたい助けたい助けたい助けたいお」
- 川 ゚ -゚)「泣くな、『内藤』」
- ( ;ω;)「お?」
- その一言で顔を上げると、ドクオを背負ったクーの姿があった。
- 川 ゚ -゚)「思い違いじゃなくて良かった、私にはもう感染の能力は作動してない」
- 川 ゚ー゚)「それと……さっきは悪かった、やっぱりお前は内藤だ」
- 76: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:26:46.94 ID:X/Q5Ug+v0
- 川 ゚ -゚)「屋上にでも行けば、救助のヘリが来てくれるだろう
- 幸いな事に炎を突っ切らなくても、ここからなら外の非常階段で屋上に行ける」
- ( ;ω;)「良かったお……ドクオを頼むお、今までありがとうだお」
- 川 ゚ -゚)「何言っているんだ、そういうのは全部終わった後に……」
- ( ^ω^)「二人は助かってくれお、僕には行く場所があるから
- 一緒には行けないんだお」
- 川;゚ -゚)「なっ……!?」
- 思い残す事は何も無い。
- これで復讐は終わる。
- 最後の標的は自分自身だ。
- これは弱かった自分への復讐。
- 自分は消えなくてはならない、感染はここで断ち切らなければならない。
- ( ^ω^)ノシ
- 内藤はクーに背中を向けると、炎の中へと消えていった。
- 川 ゚ -゚)「……また止められなかったな」
- 78: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:28:52.56 ID:X/Q5Ug+v0
- 結論から言うと、クーは無事助かった。
- ドクオも重態だったが命の別状は無いという事。
- そして内藤の最期は――――――
- 2年1組
- ( ^ω^)「この教室も見納めかお」
- 内藤より炎の方が速かった。
- だが内藤は先に来てくれた事に感謝した。
- 見えるのは火だけだから、苦しかった悲しかった辛かった思い出は焼き尽くされている。
- そんな中でひとつだけ。
- 炎にも負けず、生きているものがあった。
- ( ^ω^)「……お前は強いお」
- 内藤の机……ドクオが毎日水を取り替えた一輪の花。
- 81: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:37:24.33 ID:X/Q5Ug+v0
- ( ^ω^)「綺麗だお」
- 花は強い、人間なんかよりもずっとずっと。
- ( ^ω^)「僕もお前くらい強かったら……」
- 茎を優しく握り締める。
- 今にも折れてしまいそうな細い管だっていうのに、生命の息吹を感じる。
- ( ^ω^)「生まれ変わったらせめて―――――――」
- そのまま内藤は眠った。
- 花は枯れなかった。
- 83: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:38:32.18 ID:X/Q5Ug+v0
- 私立VIP中学校、夏休みが明けて新学期が始まる。
- 三階、二年生の教室が並ぶ階の廊下で全力疾走する男子生徒が二人。
- ( ・∀・)「っしゃぁ!教室一番乗りー、お前足遅くなったなモナー!」
- (;´∀`)「夏休みは食っちゃ寝て食っちゃ……の繰り返しだったからモナ……」
- ( ・∀・)「ははっ、毛細血管切れて死ねwwwwwww」
- 一番乗りの生徒が教室の扉を開けた瞬間、頭の回転が速い彼はすぐに異変に気づいた。
- ( ^ω^)「おいすー」
- ( ・∀・)「おまwwwwwww内藤早ぇwwwwwwww」
- ( ´∀`)「遅刻三昧の内藤が一番とは珍しいモナ」
- ('A`)ノ「おーす、おっ内藤早いな」
- ( ^ω^)「おはだお、ってかドクオwwwwその花なんだお?wwwww」
- ドクオの手には花が握られていた。
- ('A`)「んー?何かキレーだから取ってきた」
- ( ^ω^)「きめぇwwwwwwwwwww」
- 85: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:40:00.15 ID:X/Q5Ug+v0
- (#'A`)「きめぇとは何だ!花はなぁ強いんだぞ!
- どんなに踏まれてもぶった切られても燃やされても……」
- ( ・∀・)「死ぬだろ」
- ( ´∀`)「死ぬモナ」
- ( ^ω^)「死ぬお」
- ('A`)(文句一つ言わないってのを言おうとしたんだが……もういいや……)
- ガララッ
- ( ゚д゚ )「おう、早いな四人とも」
- ( ^ω^)( ・∀・) ( ´∀`) ('A`)「こっちみんな担任」
- 86: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:41:43.60 ID:X/Q5Ug+v0
- いじめは無くならないかもしれない。
- それでもあなたはひとりじゃない。
- あなたは生きている。
- 87: ◆R38CE/IWYU :2006/12/26(火) 16:42:59.71 ID:X/Q5Ug+v0
- 夕暮れの学校。
- ありえない遅刻をしてきた生徒がひとり。
- 「花……どれ水でもやってやるか、感謝しろよ」
- ( ^ω^)ブーンが復讐の感染をさせるようです
- おわり
戻る/あとがき