( ^ω^)七大不思議と「せいとかい」のようです
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 21:35:32.97 ID:z5OdK8pBO
- 『内藤さん、どうも、出連です』
- 『やあやあ、ようこそいらっしゃいました。
- どうぞごゆっくり……』
- 『いやはや、未だに信じられませんね。同じ年に3人とも生まれたとは。
- 打ち合わせでもしたんじゃないかと杉浦理事長にからかわれましたよ』
- 『ははは、そう思われても仕方ないですね。私も驚きました。
- 鬱紫寺さんの方へは行かれました?』
- 『先程行きました。あちらは男の子でしたよね。
- 物静かな子で、私が行ったときにはお経を聞いてました。
- ……ただ、ご住職が言うには酷い霊媒体質だとかで』
- 『そうらしいですね。でも、きっと私達の子が守ってくれますよ。
- 助け合って支え合って……そうしてくれることを信じましょう』
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 21:38:08.43 ID:z5OdK8pBO
- 『ええ。そのためにもツンにお祓いの仕方をちゃんと教えないと――ああ、そうだ。
- うちの娘、ツンです。
- 先月で3歳になりました』
- 『こんにちは、ツンちゃん。
- ――ホライゾン。ホライゾン、おいで』
- ( ^ω^)『はいお』
- 『ああ、ホライゾン君も大きくなったね。
- 前に会ったときはもっと小さかったのに』
- 『そりゃあ3年ぶりですから。
- ホライゾン、ほら、出連さんのところのツンちゃんだよ』
- ξ*゚ -゚)ξ『……』
- 『おや、ツンちゃん隠れちゃいました』
- 『人見知りなんです』
- 『赤ちゃんのときに一度会っているけど、流石に覚えてないかぁ』
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 21:41:40.27 ID:z5OdK8pBO
- 『あ、そうそう。去年の――覚えてますか、アレ』
- 『去年の、というと』
- 『小学生が』
- 『ああ、あの……』
- 『捜索、打ち切られてしまうそうで』
- 『そうなんですか……。あ、ちょっと待ってください。
- ホライゾン、ツンちゃんとお庭で遊んでおいで。
- お花や葱を踏んじゃ駄目だよ』
- 『ね、葱!?』
- 『何代か前の神父様が庭の一部分で葱を栽培していたらしいです。
- 理由は知りませんが……とりあえず代々、葱を育てているそうで』
- 『はあ、現在の神父様まで続く風習ですか』
- 『今の神父様は留守ですから私が栽培してるんですけどね……美味しいですよ』
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 21:44:28.51 ID:z5OdK8pBO
- (*^ω^)『おー……』
- ξ*゚ -゚)ξ『?』
- (*^ω^)『かわいいお』
- ξ*゚听)ξ『!?』
- (*^ω^)『おにんぎょーさんみたいだお』
- ξ;*゚〜゚)ξ『な、なっ……ば、バカじゃないのっ?』
- (*^ω^)『てれやさんなとこもかわいいお』
- ξ;*//〜/)ξ『……っ!』
- (*^ω^)『いっしょに、おにわであそぶお!』
- ξ*///)ξ『……う、うん……』
- 『……ホライゾン君は将来有望ですねえ?』
- 『ちょっ、出連さん顔が恐いですよ』
- 第四話:ショタコンと幼馴染みと美少年 前編
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 21:47:22.27 ID:z5OdK8pBO
- (;゚д゚ )「放せ馬鹿ーっ!」
- ξ*゚听)ξ「いいじゃないのいいじゃないの、聖徒会の誼みで仲良くやりましょう」
- (;^ω^)「またやってるお……」
- (,,゚Д゚)「よくもまあ毎回飽きないもんだな」
- ある日の一時限目。
- 聖徒会長、内藤ホライゾンのクラスは体育の時間であった。
- 夏も盛りなこの時期、体育といえばプール。
- 水着に着替えた生徒達がプールへ集合するが――何故か、
- 何故か聖徒会副会長兼会計の出連ツンは
- 体育館に居るはずの七大不思議の1人、ミルナを抱えていた。
- ξ*゚听)ξ⊃▽「ミルナの分の水着、用意したのよ!」
- (;゚д゚ )「いらn……ひぃっ! ビキニだと!?」
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 21:50:10.20 ID:z5OdK8pBO
- / ゚、。 /「出連さん、今は体育の時間です。イメクラを楽しむ時間ではありません」
- ξ;゚听)ξ「あ!」
- (;゚д゚ )「うわっ」
- そこへ、ツンからミルナを没収する若い女性が1人。
- 体育教師、鈴木ダイオードだ。
- 背の高い彼女がミルナを抱え上げてしまえば、ツンが取り返すのは難しい。
- ξ;゚听)ξ「先生、返して下さい!」
- / ゚、。 /「……」
- ダイオードがミルナの顔を覗き込む。
- / ゚、。 /「出連さんと遊びたいですか?」
- ( ゚д゚ )「絶対嫌だ」
- ξ;゚听)ξ「何で!?」
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 21:53:22.74 ID:z5OdK8pBO
- 「――きゃあああああああああっ!」
- (;^ω^)「おっ!?」
- 突如轟く悲鳴。
- ツンも驚き、そちらへ目を向ける。
- 从;'ー'从「じっ、人面ナマコが〜っ!」
- そこには、ぶんぶん腕を振るクラスメート。
- VIP高校プール名物、人面ナマコが腕に張り付いてしまったようだ。
- さらに、その周りに居た生徒達にも人面魚や足を引っ張る霊がわらわらと群がっている。
- ξ゚听)ξ「……ったく、プール開きの日だからってテンション上がりやがったのね。
- ブーン、来なさい」
- (;^ω^)「は、はいお」
- ツンが舌打ちし、内藤を引っ張って駆け出した。
- ダイオードは、それを呑気に注意する。
- / ゚、。 /「プールサイドを走ってはいけませんよ」
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 21:56:24.94 ID:z5OdK8pBO
- ――VIP高校には、プールだけでも七不思議が存在する。
- それは今現れている人面ナマコや人面魚なども含まれたものだ。
- しかし腐ってもVIP高校。「学校霊と人間の共存」という校訓の下に、
- 悪さをして生徒を危険な目に遭わせるような輩は1人もいない。
- 足を引っ張る幽霊、なんてあからさまに危なそうだが、
- 彼は単に悪戯好きなだけで無害極まりない。
- むしろ溺れてる生徒がいたら助けるぐらいには善人だ。
- そんな彼らにとって、プールが使用されない秋から春にかけてはあまりにも退屈が過ぎる。
- だからプール開きの日には、今のように少々はしゃぎすぎてしまうのだ。
- ξ#゚听)ξ「おとなしくしてなさい!
- あんまり悪ノリが酷けりゃ、生徒がプールに近付かなくなるわよ!」
- 从;'ー'从「ツンちゃんありがと〜」
- (;^ω^)「あのー、みんなびっくりしちゃうから、いきなり足に絡みつくのは、ちょっと……」
- (-_-)「びっくりさせたいからやってるのに……」
- (;^ω^)「心臓に悪いんだお」
- ツンは人面ナマコや人面魚をプールに放り込んで一喝し、
- 内藤は足を引っ張る幽霊に直談判を試みる。
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 21:59:16.27 ID:z5OdK8pBO
- (-_-)「じゃあ……腕引っ張る……」
- (;^ω^)「場所の問題じゃなくて。
- 一旦プールに戻ってくれればいいんだお」
- (-_-)「……分かった……」
- 渋々といった様子でプールへ引っ込む幽霊。
- ありがとうと内藤が礼を言うと、幽霊は親指を立てて、水の中に溶けていった。
- / ゚、。 /「2人とも、流石聖徒会ですね」
- ( ゚д゚ )「ブーンは優しくて丁寧で偉いな」
- ξ゚听)ξ「私は?」
- ( ゚д゚ )「乱暴」
- ξ゚听)ξ「そうかそうか」
- ξ#゚∀゚)ξ「じゃあ乱暴な私らしく、無理矢理水着に着替えさせてやろうか!!」
- (;゚д゚ )「うぎゃあっ! こらっ、ちょ、やだ、待てアホ! スケベ! 脱がすなー!!」
- (;^ω^)「アグネェェス!!」
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:02:26.67 ID:z5OdK8pBO
- / ゚、。 /「出連さん、そういうプレイはミルナさんが大きくなってからお願いします。
- それにミルナさん、出連さんは内藤さんに負けないくらいお優しい方ですよ」
- ξ゚听)ξ「先生、大きくなったら対象外です!」
- (,,゚Д゚)「くそっ、警察は何をやってるんだ!」
- ( ゚д゚ )「成長できない自分の体が憎い」
- / ゚、。 /「――あ、そうそう」
- ふと、ダイオードは思い出したように、フェンスを指差した。
- / ゚、。 /「君達は、ちゃんと自分のクラスの授業を受けるように」
- (;'A`)「やべっ、見付かった!」
- (;・∀ ・)「逃げろ!」
- (;^ω^)「ドクオー!?」
- フェンスの向こうにいたのは、ビデオカメラを構えている聖徒会副会長兼書記の
- 鬱田ドクオと、彼の友人またんき。
- ダイオードに睨まれた2人は慌てて逃げ出した。
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:05:23.23 ID:z5OdK8pBO
- ξ#゚听)ξ「盗撮してたわねあんにゃろう!」
- ( ゚д゚ )「聖徒会ってブーンしかマトモなのがいないんだな……」
- (,,゚Д゚)「むしろ、この学校自体マトモな奴が少ねえよ」
- / ゚、。 /「そういえば、長岡さんはお休みですか?」
- 从'ー'从「ジョルジュ君なら水着姿で赤マント仮面様のところに行ってました〜」
- ξ゚听)ξ「それなんてホラー」
- (,,゚Д゚)「な、マトモな奴少ねえだろ」
- ( ゚д゚ )「はあ……ツンは、何であんな性格なんだろう」
- ( ∵)⊃[知らない]
- 放課後。校庭の隅っこ、木陰の下。
- 並んで腰掛けながら、ミルナは七大不思議仲間の二宮尊徳像、ビコーズに愚痴っていた。
- 勿論、ツンについて。
- ビコーズは石で出来た本に文字を浮かび上がらせて答える。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:08:15.18 ID:z5OdK8pBO
- ( ゚д゚ )「黙ってれば綺麗なのにな」
- ( ∵)[そうだね]
- ( ゚д゚ )「それに、あんな風に絡まれたことないから、どうしていいか分からないんだ」
- ( ∵)[あんな風に絡まれてるのを見てるこっちもどうしていいか分からないよ]
- ( ゚д゚ )「っつーか、あいつブーンのことが好きなんだろ?」
- ( ∵)[ばればれだよね]
- ( ゚д゚ )「だよなあ。
- ……ならブーンに絡めばいいのに」
- ( ∵)[恥ずかしがり屋さんだから]
- ( ゚д゚ )「恥ずかしがり屋は、あんな変態にはならないぞ」
- ( ∵)[変態にも色々いるんだよ。ドクオとか]
- ( ゚д゚ )「ああ……。聖徒会は2人も変態がいるんだな……」
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:11:36.19 ID:z5OdK8pBO
- 一方、聖徒会室。
- ξ>д<)ξ「はぷしょっ!」
- ( ^ω^)「風邪かお?」
- ξ゚听)ξ「さあ……プールで体冷やしちゃったかしら」
- <_プー゚)フ「ほい、ちり紙」
- 聖徒会の変態1号・ツンは、もうすっかり馴染んでいる浮遊霊のエクストから
- ティッシュを受け取り、鼻をかんだ。
- そこへ現れる、聖徒会の変態2号。
- ('A`)+「やあ諸君、昨日ぶりだね」
- ξ゚听)ξ「1限の体育ぶりね、ドクオ」
- ('A`)「体育? 何の話かな?」
- ξ゚听)ξ「無理矢理すっとぼけようとするのやめなさい。
- ほら、カメラ出して」
- (*'A`)「かっ、亀を出せなんてそんな……ちょっと待って今パンツ脱ぐから」
- ξ#゚听)ξ「カメラよカ・メ・ラ。訴えてやってもいいのよ」
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:14:28.34 ID:z5OdK8pBO
- ('A`)「勘弁してくれ。ほら、あれだ、個人で楽しむ用だから」
- ξ゚听)ξ「公開する規模の問題じゃないのよ阿呆。
- 映像とはいえ、あんたの夜のお供になんかなりたくないわ」
- ('A`)「お前の貧相な胸や尻は使いようがねえよ」
- (#;)A(メ#)
- ξ゚听)ξ「カメラ見っけ」
- (;^ω^)「ドクオ……」
- <_フ*゚ー゚)フ「何だそれ! 何だそれ!」
- ξ゚听)ξ「ビデオカメラ。映像を記録するの、こんな風に」
- ドクオの鞄からカメラを引っ張り出すツン。
- カメラが気になるのか、エクストは興奮気味にツンの周りをぐるぐる飛び回る。
- 試しにツンが映像を再生させると、エクストの興奮は振り切れそうなほどに高まった。
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:17:39.25 ID:z5OdK8pBO
- <_フ*゚ー゚)フ「おお、すっげえ! この中に人が入ってるみてぇ!
- 水着の奴らばっか! しかもほとんど女!」
- ξ゚听)ξ「よくもまあ上手いこと男の姿を躱して女だけ撮れるわね」
- <_プー゚)フ「最近の女学生は服だけじゃなく水着も派手だなー……。
- あ、ツンがいる。
- ツンの水着は他の女と違って普通だな」
- ξ゚听)ξ「そりゃあ授業だもの」
- (#)A`)「いや、中学時代から全然スタイルが変わらないから昔のスク水で事足りてるだけだろ」
- (#:,)A(メメ.)
- (;^ω^)「ドクオォ……」
- <_プー゚)フ「俺も泳ぎてー。幽霊が入ってもいいの?」
- その丸っこい小さな体で泳げるのか、と疑問に思いながらツンが答える。
- ξ゚听)ξ「うちの学校のプールは上質の霊気がたっぷりあるからね。
- あんたには気持ちいいかも」
- <_フ*゚ー゚)フ「まじ?」
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:20:27.19 ID:z5OdK8pBO
- ξ゚听)ξ「この水そのものが怪奇現象の一つなのよ。
- 七大不思議が張ってる結界の影響か、
- わざわざ掃除しなくても常に綺麗だし、水を汲もうが足そうが水量は一定を保つ。
- 悪いものも近付けないから、一種の聖域みたいになってるわ」
- <_フ*゚ー゚)フ「すっげー」
- ξ゚听)ξ「今度入ってくれば?
- とにかく、この映像は消して――……ん?」
- <_プー゚)フ「ツン?」
- ξ;゚听)ξ「……!?」
- 突然ツンはカメラを眼前に引き寄せた。
- そして映像を巻き戻し、一時停止。
- ( ^ω^)「どうしたお?」
- ξ;゚听)ξ
- ξ゚听)ξ
- ξ*゚听)ξ「……美少年」
- (;^ω^)「はい?」
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:23:34.60 ID:z5OdK8pBO
- ξ*゚听)ξ「かっ、可愛い子がいるわ! ほら、ここ!」
- ツンが一点を指差し、内藤へカメラを向ける。
- そこに映っているのは水着姿の生徒達。
- ツンの指が示すのは彼らの後ろ、フェンスの向こう側にある校舎の窓。
- 窓の向こうに、小学生くらいの背格好をした少年が立っていた。
- 少年はプールの方へ顔を向けている。
- (;^ω^)「……幽霊、だおね?」
- ξ*゚听)ξ「十中八九そうね」
- <_プー゚)フ「美少年なのか……?」
- だが――遠すぎるため、顔立ちも分からないし、そもそも少年であるかさえ定かではない。
- 子供だということは分かるが、それだけだ。
- ξ*゚听)ξ「私の美少年レーダーがびんびんに反応してるわ……この子は美少年よ!」
- (;^ω^)「そ、そうですか……」
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:26:32.22 ID:z5OdK8pBO
- ξ*゚听)ξ「浮遊霊ね、きっと。
- ああ、まだ校内にいないかなあ。
- でもこれを撮った時間って朝なのよね……もういなくなったかも。
- まったく、何で私ったら気付かなかったのかしら!」
- <_プー゚)フ「そういやドクオ死んだ?」
- (#:,)A(メメ.)「生きてるけど、死ぬかとは思った」
- ξ*゚听)ξ「ドクオ! このデータ、コピーしてちょうだい。
- この数秒だけでいいから」
- (#:,)A(メメ.)「えっ……じゃあ記録残してていいの?」
- ξ*゚听)ξ「いや、コピーを私に寄越して、本体のは消しなさい」
- (#:,)A(メメ.)「なんか……何だろう、なんか文句を言いたいけど、
- 言ったところでさらに殴られるだけな気がするから言えない」
- ξ*゚听)ξ「学校に留まっててくれないかしら……。
- そうだわ、偶然会えたときのために、
- 優しいお姉さんを演じる練習をしておかなきゃ!」
- <_プー゚)フ「その演技に引っ掛かったら可哀相すぎる」
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:29:44.35 ID:z5OdK8pBO
- ξ*゚听)ξ「まずは笑顔の練習ね。
- 手鏡は――あ、そういや忘れたんだったわ。
- ブーン、練習台になって」
- (;^ω^)(いざ会ったら演技するどころじゃなくなるくせに……)
- 内藤は、そっと溜め息をついた。
- ( ^ω^)「また明日だおー」
- ('A`)「じゃあな」
- ξ゚听)ξ「またね」
- 本日の活動時間も終わって、校門前。
- 各々の家路へつこうとしたところへ、声をかける者がいた。
- / ゚、。 /「あ、出連さん達」
- 41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:32:28.98 ID:z5OdK8pBO
- ξ゚听)ξ「ん? あ、鈴木先生」
- ( ^ω^)「どうもですお、鈴木先生。先生も帰るところですかお?」
- / ゚、。 /「ええ。――鬱田さん、あの後ちゃんと授業は受けましたか?」
- ('A`)「俺とまたんきへの説教で授業が潰れました」
- / ゚、。 /「でしょうね……。
- さ、暗くなる前に早く帰った帰った」
- (;^ω^)「おっ、おぉっ」
- (;'A`)「そんな押さなくても自分で歩けますって!」
- / ゚、。 /「なんだか放っておくと、また悪さをしそうですから。
- 出連さんも早く帰りましょうね」
- ξ゚听)ξ「さようなら」
- (;'A`)「ダイ先生の中で俺の信用ガタ落ちな予感」
- / ゚、。 /「そりゃ、盗撮してる姿まで見ちゃうとねえ……」
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:35:25.18 ID:z5OdK8pBO
- ダイオードが右手で内藤の背を、左手でドクオの背を押しやる。
- そのまま去っていくダイオード達を苦笑しながら見送ったツンが、
- さて帰ろうと足を踏み出した、そのとき――
- 「お姉さん」
- ふんわりとした声に、呼び止められた。
- ξ゚听)ξ「え?」
- 振り返り、ツンは固まった。
- 先程内藤達と別れた校門の前に、少年が立っていたからだ。
- それも、ツン好みの美少年が。
- (´・ω・`)「お姉さん、一緒に遊ぼう」
- 女の子に見紛いそうなほど綺麗な顔をした少年は、声と同様に、ふんわりと笑った。
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:38:44.30 ID:z5OdK8pBO
- 薄茶色の髪は夕日と相俟ってきらきらと輝き、
- 青い半袖のTシャツからは白い腕が、黒い短パンからは生足が覗いている。
- ツンは暫く少年を見つめて、
- ξ*゚∀゚)ξ「ええ、遊びましょう! さあ遊びましょう!」
- 当然と言えば当然か、満面の笑みを浮かべて少年へ駆け寄った。
- 一応彼女なりに「優しいお姉さん」を演じているつもりだが、
- 端から見る分には、ただ単に興奮している不審者でしかない。
- 少年は驚いて顔を引き攣らせたが、何とか気を取り直して微笑み直す。
- (´・ω・`)「遊んでくれる?」
- ξ*゚∀゚)ξ「遊んであげちゃう!」
- (´・ω・`)「そう。良かった……」
- ――ツンの意識は、そこで途切れる。
- 48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:41:58.86 ID:z5OdK8pBO
- 泣き声。
- 少女の泣く声がする。
- ξ;;)ξ「ひ、ひぅ、うう……」
- 山の中。
- 木々に囲まれて、幼いツンが泣いている。
- 当時の彼女は5歳。家の裏にある山を探検していたら、迷子になってしまったのだ。
- 一緒に遊んでいた友達2人は山に入ろうとするツンを引き止めたが、ツンは
- 「すぐ戻ってくるから」と言い張り、2人を置いてきた。
- 結果、こうして1人きりで迷い込み、すぐ戻ることなど出来なくなったわけだ。
- 51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:45:51.18 ID:z5OdK8pBO
- ξ;;)ξ「うぅーっ……」
- ただ、彼女が泣いているのは迷子になったことだけが原因ではない。
- ツンが座り込む場所から数メートル先の木の陰――
- そこから、黒々とした靄のような何かがツンの様子を窺っている。
- それが怖くて、ツンは泣いているのだ。
- 黒い靄は、大人1人分ほどの大きさ。
- 人間ならば顔があるであろう位置に、目だけが二つ並んでいる。
- 瞬きもせず、目はツンを捉えて離そうともしない。
- 初めに靄の存在に気付いたときは、もっと遠くにいたから普通の人間かと思った。
- だから心細かったツンは声をかけたのだが、
- それを聞いた「あいつ」は、その瞬間距離を詰めてきた。
- すうっと滑るように。
- そして今の距離まで近付いたところでぴたりと止まった。
- それからずっと、もう何分間も木の陰からツンを見つめ続けている。
- ぞわぞわと走る悪寒が、「あいつ」が有害な存在であるのを証明していた。
- 54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:50:12.58 ID:z5OdK8pBO
- 一方で、「あいつ」が自分のところまで来ない――来れない理由を、
- 何となくではあるが察することが出来た。
- 今、ツンは、とても大きな木の下にいる。
- 周りの木々とは比にならないほどの大樹だ。
- きっと強い神様が宿っていて、「あいつ」から自分を護ってくれているのだ、と
- ツンは神社の娘らしい予想をしていた。
- かといって、決して安心は出来ない。
- 「あいつ」が消えない限り、ツンは、この場を離れられないのだから。
- ξ;;)ξ「助けて……お父さぁん……」
- ツンが膝を抱え、弱々しく父を呼んだ、そのとき。
- 「――ツン!」
- 聞き慣れた声が響き渡る。
- そして、「あいつ」が突然広がったかと思うと、白目を剥いて消えてしまった。
- ξ;;)ξ「え……?」
- 56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:53:32.47 ID:z5OdK8pBO
- (;^ω^)「ツン、大丈夫かお!?」
- ξ;;)ξ「――ブーン!」
- 「あいつ」の居た場所から、友達の1人――内藤ホライゾンが駆け寄ってくる。
- 彼の手には水筒が一つ。
- 水筒に入っているのはツンの家で清められた水。
- もう1人の友達であるドクオは、その体質故に良くない霊に憑かれてしまうことが多い。
- もしも3人で遊んでいるときにそうなってしまったら、この水を飲ませるようにと
- ツンの父が持たせてくれたのだ。
- 水筒はドクオ本人と、保険として内藤に渡されている。
- 私も持つ、と言うツンに、ツンは暴れん坊だから駄目だ、と父は笑っていた。
- その水を、内藤は「あいつ」に引っ掛けてやったのだろう。
- ξ;;)ξ「ぶ、ぶぅ……ブーン……」
- (;^ω^)「山に入っちゃダメだって言ったのに……怪我はしてないかお?」
- 58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:56:34.35 ID:z5OdK8pBO
- ξ;;)ξ「うん、うん……。
- ……ドクオは……?」
- ( ^ω^)「ドクオもツンを探しに行くって言ってたけど、
- ドクオが山に入っちゃ危ないと思ったから
- ツンのお母さんと一緒に神社で待っててもらってるお」
- ξ;;)ξ「おかあさん……?
- ぶ、ブーン、お母さんたちに、私が山に入ったって教えたの……?」
- ( ^ω^)「山とは言ってないけど、ツンが迷子だから探してくるって言ったお」
- ξ;;)ξ「……よかったぁ」
- ( ^ω^)「ばれたら怒られちゃうのかお?」
- ξ;;)ξ「うん……山に入っちゃだめって言われてる……」
- (;^ω^)「それなのに何で入っちゃうんだお」
- ξ;;)ξ「だめって言われると逆らいたくならない?」
- (;^ω^)「うーん、たしかに……。
- ……まあとりあえず泣き止むお、ツン」
- 60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 22:59:20.62 ID:z5OdK8pBO
- 内藤がハンカチを取り出し、ツンの涙を拭い取る。
- 途端、ツンの顔が真っ赤に染まった。
- ξ*////)ξ「さわるなっ!」
- (;゚ω゚)「はぷんっ!!」
- 突き飛ばされ、地面に顔面を思いきり打ち付ける内藤。
- 落っこちた水筒が、ごん、と鈍い音を立てた。
- ξ*゚听)ξ「あ……ねえ、ブーン、お水まだ入ってる?」
- (;^ω^)「は、入ってるお。いたた……」
- 水筒を拾い上げ、ツンは後ろにある大樹へ水を振り掛けた。
- 何してるんだお、と内藤が訊く。
- ξ゚听)ξ「お礼のお水」
- ( ^ω^)「お礼?」
- ξ--)ξ「まもってくれて、ありがとうございました!」
- 62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:02:58.38 ID:z5OdK8pBO
- ――さわさわと、風が大樹の葉を揺らした。
- まるで返事をしてもらえたように思えて、ツンは微笑んだ。
- ξ*゚ー゚)ξ「ブーン、帰ろっ」
- (*^ω^)「……うんお!」
- ξ*゚听)ξ「顔赤いよ?」
- (*^ω^)「ツンが可愛いからだお」
- ξ*////)ξ「なっ何言ってんのバカっ!」
- (;゚ω゚)「あべしっ!!」
- ――肌寒さで、目が覚めた。
- しばし瞬きをして、ぼんやりと今の状況を考える。
- 65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:07:11.93 ID:z5OdK8pBO
- 暗い。夜?
- 内藤と一緒に山を――いや、あれは昔の話。
- 十年以上前の記憶だ。
- 今は自分も内藤も5歳の子供ではなく、立派な高校生。
- ……何故だろう、夏なのに、ひどく寒い。
- ξ-听)ξ「……」
- (´・ω・`)「起きた?」
- ξ;゚听)ξ「きゃっ!」
- 覗き込む顔。
- その顔は――意識を失う直前に見た顔。
- 辺りは真っ暗なのに、少年の姿だけ、はっきりと見ることが出来る。
- ξ;゚听)ξ「あっ、そうだ、学校で……!」
- (´・ω・`)「僕がね、連れてきたんだよ」
- くすくす、少年が笑う。
- 横たわっていたツンは身を起こし、少年と向かい合った。
- 66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:10:25.60 ID:z5OdK8pBO
- ξ゚听)ξ「……か」
- (´・ω・`)「なあに? 帰りたいって言っても、帰してなんかあげないよ?」
- ξ*゚听)ξ「かっわいい!」
- (;´・ω・`)「へ?」
- ξ*゚听)ξ「やっぱり可愛い、可愛いわ! 何歳!?」
- (;´・ω・`)「一応、9歳……」
- ξ*゚听)ξ「いいわよOK最高GJよ!」
- (;´・ω・`)「……お、お姉さん」
- ξ*゚听)ξ「何!?」
- (;´・ω・`)「こう、なんか……ここはどこ、とか、何者なの、とか、
- 目的は何、とかさ……」
- 69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:13:27.49 ID:z5OdK8pBO
- ξ*゚听)ξ「あ、そうね。
- どこ? 何者? 目的は?」
- (;´・ω・`)「すごく投げやりだ……。
- あの、僕は、ショボンっていうn」
- ξ*゚听)ξ「ショボン君ね! かぁっわいい! 私はツンっていうの! 呼んで!」
- (;´・ω・`)「ツ、ツン、さん。……ここは山だよ」
- ξ*゚听)ξ「へえ、山なの! ショボン君かっわいいぃ!」
- (´;ω;`)「……も、もくてぎ、はっ……」
- ξ*゚听)ξ「突然泣き出しちゃってどうしたのかわいいいいぃぃい!!」
- (´ぅω;`)「も、もっと、ちゃ、ちゃんと、ぼっ僕、せ、説明したかっ、の、に、
- びっ、びっくり、してほしか、のに、うえぇっ」
- ξ*゚听)ξ「びっくりしてほしかったの? きゃーびっくりっ!
- これでどう? 可愛い可愛い可愛いいいいいい」
- (´;ω;`)「うわあああああああああん!!!!!」
- とりあえず、少年――ショボンが泣き止むまで時間を進めよう。
- 71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:16:25.56 ID:z5OdK8pBO
- ナデナデ
- ξ*゚听)ξ⊃(´ぅω;`)「……」
- (´・ω・`)「……はあ……」
- ξ*゚听)ξ「可愛いわぁ」
- (´・ω・`)「一番大事な目的についてなんだけどね……」
- ξ*゚听)ξ「うん」
- (´・ω・`)「――僕と、結婚してくれる?」
- 74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:20:16.96 ID:z5OdK8pBO
- ξ*゚听)ξ
- ξ*゚听)ξ「きっ」
- ツンが「きょわほほほほほほほほほ」と歓喜の雄叫びを上げた、同時刻。
- 内藤のもとへ、ツンの母から電話がかかってきていた。
- ( ^ω^)「はい、内藤ですお。あ、ツンのお母さん。こんばんは。
- ――ツン? 学校の前で別れましたお。
- ……はい、……帰ってない?」
- 76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:23:32.34 ID:z5OdK8pBO
- 電話は、ツンが帰ってこないのだが何か知らないか、という内容だった。
- 時計は午後10時を指している。
- 夜遊びするような子じゃないんだけど、とツンの母は心配そうに言った。
- それは、勿論内藤も把握している。
- 幽霊と会ったら面倒臭いからと、ツンは夜に出歩くのを嫌っているのだ。
- 一体どこへ行ったのか――
- 内藤も不安になってきて、「探しに行ってきますお」と告げて通話を切った。
- 部屋を出る間際、念のために聖徒会のバッジをポケットにしまう。
- ――すっかり聖徒会を受け入れている自分に気付いて、内藤は苦笑した。
- 家を出て、ドクオに電話をかける。
- コールが一度鳴り終わるより先にドクオが出た。
- ('A`)『ブーン!』
- 78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:26:20.49 ID:z5OdK8pBO
- ( ^ω^)「ドクオ、ツンが……!」
- ('A`)『分かってる、ツンの親から電話が来た。
- さっきツンの携帯にかけたけど、電源が落ちてるか電波が届かないか……
- とにかく通じないんだ。
- 何か妙なことに巻き込まれてるんじゃないか、あいつ』
- (;^ω^)「妙なこと……」
- そういえば、数日前のキュートの事件ではドクオが行方不明になったのだ。
- まさか今度はツンが幽霊に狙われたのか、と嫌な考えが内藤の脳裏に過ぎる。
- ('A`)『そうじゃないことを祈るが……まずはツンを探しに行こう。
- お前も、もう外に出てるんだろ』
- (;^ω^)「……出てるお」
- ('A`)『それじゃあ、手分けして――』
- (;^ω^)「……お?」
- ('A`)『ん? どうした?』
- (;^ω^)「音が――」
- 内藤は、携帯電話を耳から離した。
- 何だか遠くから、がきん、がきん、と甲高い音がする。
- 81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:29:26.64 ID:z5OdK8pBO
- アスファルトに石を叩きつけるような音だ。
- それが徐々に近付いてくる。
- (;^ω^)「……?」
- やがて、暗闇から内藤の方へ向かってくる人型の何かが見えてきた。
- 目を凝らせば――
- 。
- がきん、がきん、
- ()
- がきん、がきん、
- ( ))
- がきん、がきん、
- ( ∵ )д゚ )
- がきん――
- (;^ω^)
- 内藤の手から携帯電話が落ちる。
- 迫り来るそれは、ビコーズと、その背にしがみつくミルナであった。
- 82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:32:10.97 ID:z5OdK8pBO
- ( ゚д゚ )ノシ
- ( ∵ )ノシ
- ビコーズは内藤の前で急ブレーキをかけ、足元から携帯電話を拾い上げる。
- そして首を傾げながら内藤に手渡した。
- (;^ω^)「あ、ありがとう、お」
- 条件反射的に携帯電話を耳に当てれば、ドクオの焦ったような声が飛び込んでくる。
- (;'A`)『おい、ブーン!? ブーン! どうかしたのか、おい!』
- (;^ω^)「大丈夫だお……」
- (;'A`)『お、おお。びっくりしたぜ、いきなり鈍い音がしたから……』
- (;^ω^)「携帯電話落としちゃっただけだお」
- ( ∵)⊃[壊れなくて良かったね]
- ビコーズが本を内藤に向ける。
- 暗い筈なのに、ビコーズやミルナの姿、ビコーズの持つ本は何故かくっきりと見えた。
- (;^ω^)「……いやあ、何でか……ビコーズとミルナ君が来たんだお」
- ('A`)『はあ?』
- 85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:35:16.50 ID:z5OdK8pBO
- ( ゚д゚ )「ドクオと話してるのか?」
- (;^ω^)「そうだお」
- ( ゚д゚ )「どこにいるか訊いてくれ。
- 行くから」
- ( ∵)[走るのは僕だけどね]
- (;^ω^)「うんお。……ドクオ、今どこだお?」
- ('A`)『家の前だけど』
- (;^ω^)「ドクオの家の前らしいお」
- ( ゚д゚ )「ってことは寺だな。行くぞビコーズ」
- ( ∵)[さあブーン、乗って]
- ビコーズが内藤へ背を向ける。
- 二宮尊徳像ならば大抵背負っている薪。
- 今、その薪は椅子のような形となり、腰掛けるのに充分なスペースを作り上げていた。
- 座れということだろうか?
- 86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:38:21.90 ID:z5OdK8pBO
- しかし、そもそも何故ミルナとビコーズが内藤の元へ来たのか、
- 何故ドクオの元へも行くのか、
- 何故ビコーズに背負われるのか、何一つ説明されないまま流されている。
- その辺りが腑に落ちない。
- 首を傾げながら薪に腰掛けた内藤の膝の上に、ミルナが座る。
- ミルナの頭を眺めながら、「この光景をツンが見たら羨ましがるだろうなあ」
- と考えたところで、ようやく内藤はツンのことを思い出した。
- (;゚ω゚)「はぅあぁっ! 僕はツンを探しに行くんだったお!!」
- ( ゚д゚ )「あ、そうなのか。奇遇だな、俺たちもその用で来た」
- (;^ω^)「……えぇー……」
- ――何が何だか、さっぱりだった。
- ( ゚д゚ )「さっきな、ビコーズと遊んでたんだ」
- ドクオを迎えに行った後。
- 薪の上に内藤、内藤の上にドクオ、ドクオの上にミルナを乗せてビコーズは走る。
- 奇っ怪な光景だ。
- 87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:41:16.20 ID:z5OdK8pBO
- ( ゚д゚ )「そしたら、ビコーズが『そういえば放課後にツンを見た』って」
- ( ∵)[ちらっとだけどね。ランニング中に通り掛かったんだ]
- 走りながらビコーズが本を掲げる。
- 器用なものだと内藤は感心した。
- ('A`)「放課後ってことは、俺らと別れたときか?」
- ( ∵)[それは分からないけど、校門のところで男の子と一緒だったよ]
- ( ^ω^)「男の子?」
- ( ∵)[綺麗な顔の男の子。小学生っぽかったな。幽霊だろうけど]
- (;^ω^)「……美少年……?」
- (;'A`)「美少年がツンと一緒に?」
- (;^ω^)「そ、その子とツンはどうしたんだお?」
- ( ∵)[さあ……。少し経ってからもう一度行ったら、2人共いなくなってた]
- 89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:44:26.02 ID:z5OdK8pBO
- (;'A`)「そいつは危険だぞ……美少年が」
- ( ゚д゚ )「俺も物凄く危険だと判断した。
- だから、その少年にトラウマが出来る前に助けなきゃと思って、
- ミセリにツンを探してもらうように頼んだんだ」
- ( ^ω^)「ミセリちゃんに……そうか、ツンの手鏡かお」
- 七大不思議の1人、鏡の中の少女、ミセリ。
- 彼女は鏡と鏡の間を移動出来るのだ。
- ( ゚д゚ )「だけど、ツンの手鏡に行ったら――ツンの部屋に着いたらしい。
- ツンはいないし、電気もついてなかったそうだ」
- (;^ω^)「……あー、そういや聖徒会室で、手鏡忘れたって言ってたお、ツン」
- ( ∵)[鏡は諦めて、次にミセリちゃんはツンの気配を探ることにしたんだ]
- ('A`)「気配?」
- ( ゚д゚ )「ツンの家……出連神社の裏に、山があるだろ?
- 出連神社は山神様の加護を受けてるんだ。勿論ツンもな。
- そしてミセリが司るのは『木』。
- 2人とも木に属してるから相性が良いんだ」
- ( ∵)[ドクオとモナーさんが水繋がりで相性が良いのと同じ]
- 90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:47:18.27 ID:z5OdK8pBO
- ( ゚д゚ )「そのおかげで、ミセリはツンの気を強く感じることが出来る、
- ……筈だったんだけど」
- ( ∵)[どこにいるのか分からないほど、ツンの気配が微弱だったんだって]
- (;'A`)「ツンが弱ってるってことか?」
- (;^ω^)「そっ、そうなのかお!?」
- ( ゚д゚ )「いや、そういうわけじゃない。
- ミセリが言うには、厚い壁を隔ててるような感じがしたらしい」
- ( ∵)[つまり]
- ( ∵)[ツンは、別の次元に居るってこと]
- ビコーズが減速を始める。
- そこは、学校だった。
- 93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:50:22.10 ID:z5OdK8pBO
- 保健室へ行くと、見事に全員揃っていた。
- 川 ゚ -゚)「ブーン、来たか」
- (-@∀@)「こんばんは」
- (*'A`)「クーさん!」
- 川 ゚ -゚)「お前も来たのか……」
- ('A`)「何で残念そうなんスか」
- ミセ*゚ー゚)リ「会長さん、ミルナさん達から事情は聞いていただけましたか?」
- (;^ω^)「聞いたお。……ツンは、大丈夫なのかお?」
- ( ´∀`)「それはまだ分からんモナ」
- ( ФωФ)「ともかく、ホライゾン君。
- まずは――」
- 七大不思議の、トイレのクール、赤マント仮面モララー、鏡の中の少女ミセリ、
- 音楽室のモナー、理事長ロマネスク。
- 94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:53:28.85 ID:z5OdK8pBO
- それと、
- ( ФωФ)「彼を大人しくさせてやってほしいのである」
- <_プд゚)フ「ツン! ツンを助けるんだ、早く早く!!」
- エクスト。
- エクストは叫びながら内藤の顔に突進してきた。
- ぼよん、と跳ね返されるも、再びエクストは内藤へ向かう。
- <_フ#゚皿゚)フ「はーやーくー!」
- (;^ω^)「ぼ、僕だって何とかしたいお!」
- ('A`)「まずは何をするか考えなきゃ……」
- <_フ#゚皿゚)フ「考えるより先に! とにかく動かないと! 間に合わなくなるんだぞ!!」
- ( ФωФ)「さっきからこんな感じである」
- ( ∵)[よっぽどツンが好きなんだね]
- ( ゚д゚ )「その気持ちがまったく分からん……」
- 96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:56:33.68 ID:z5OdK8pBO
- <_プ皿゚)フ「もういいよ、俺が行く!」
- (-@∀@)「どこにだい?
- 普通に行けるような場所には居ないってミセリ君が説明しただろう」
- (;^ω^)「エ、エクスト、落ち着くお」
- ( ´∀`)「モナの曲を聴かせても全然効かないんだモナ」
- 川 ゚ -゚)「みんなで説得はしたんだがな」
- ぎゃあぎゃあ騒ぎながら保健室を出ようとするエクストを
- 理事長が引っ張って抑えるが、エクストの興奮が収まる様子はない。
- どうすればいいのかと内藤は頭を抱える。
- そのとき、ドクオが怒鳴った。
- (#'A`)「エクスト!!」
- ――しん、と静まり返る室内。
- ドクオは真剣な表情で、言った。
- 97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/20(水) 23:59:54.56 ID:z5OdK8pBO
- ('A`)「美少年と一緒にいるツンが、簡単にやられちまうと思ってんのか……?」
- <_プ皿゚)フ「……」
- ('A`)「むしろ元気いっぱいに決まってんだろ」
- <_プー゚)フ「……それもそうだな……」
- ( ^ω^)「収まっちゃったよ」
- ( ФωФ)「これ以上ないほどの説得力であったな」
- 川 ゚ -゚)「それはそれでどうなんだ」
- ともかく、とミセリが口を開く。
- ミセ*゚ー゚)リ「ツンさんの居場所を特定するのが先決です。
- うっすらとはいえツンさんの気を感じられるということは、
- ツンさんが閉じ込められている次元に通じる穴がどこかにある筈なんです」
- ( ^ω^)「見付けられそうかお?」
- ミセ*゚ー゚)リ「どうでしょう……気配はあっても、方向がまったく分からなくて。
- 頑張ってはいるんですが」
- 99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/21(木) 00:02:31.79 ID:z5OdK8pBO
- ('A`)「何か俺達に出来ることはあるか?」
- ミセ*゚ー゚)リ「ツンさんに縁のある土地や人物、物を考えていただけませんか?
- 以前ツンさんと接触したことのある何者かの仕業である可能性があります。
- 付き合いの長いお二方なら知っていることも多いかと……」
- ( ´∀`)「彼女と一緒にいたという少年に思い当たることがあるとベターモナ」
- ('A`)「少年か……あいつに恨みを持つ美少年なら結構いるかもな」
- ( ∵)[ミルナとか]
- ( ゚д゚ )「ツンにセクハラされた奴は多そうだな……」
- ミセ;゚ー゚)リ「私怨ではないと思います。
- ツンさんの傍にもう一つ気配がするんですが、悪い気配ではありませんから」
- (-@∀@)「その気配とやらは、例の美少年のものなのかな?」
- 川 ゚ -゚)「美少年はツンをおびき寄せる餌だったのかもしれんぞ。
- 本当は、何か別の奴がツンを狙っていたとか」
- ( ´∀`)「ツン君が美少年を攫った可能性も否めないモナ」
- ( ゚д゚ )「有り得る」
- ( ∵)[いや、人間が故意に別次元に行くことはなかなか簡単じゃないから、それはないかと]
- 100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/21(木) 00:05:19.06 ID:aRpQK/wxO
- ( ФωФ)「何にせよ、この段階でいくら推理しても確証は得られないである」
- <_プー゚)フ「美少年でも何でも、とにかくツンを攫ったのは悪い奴じゃないんだな!?」
- ミセ*゚ー゚)リ「はい、恐らくは」
- ( ^ω^)「……お」
- 考え込んでいた内藤が顔を上げる。
- 少年について思い当たるものが一つだけあった。
- ( ^ω^)「ドクオが撮ったビデオカメラ……」
- ( ФωФ)「ビデオ?」
- ( ^ω^)「今日のプールの授業をドクオが盗撮したんですお」
- 川 ゚ -゚)「おい誰か警察を呼べ」
- ('A`)「……ああ、あれか――そうだ、美少年……」
- <_プー゚)フ「ツンが興奮してた奴だな!」
- (-@∀@)「カメラに何か映っていたのかい?」
- ( ^ω^)「男の子の霊らしきものが校舎に居たんですお。
- ツンが、それを見て美少年だって騒いで……」
- 101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/21(木) 00:08:20.95 ID:aRpQK/wxO
- ( ´∀`)「そのカメラはあるモナ?」
- ('A`)「俺の家に」
- ( ∵)[ダッシュで持ってこようか]
- ミセ*゚ー゚)リ「お願いしてもよろしいですか?」
- ( ∵)[大丈夫。ドクオ乗って]
- ('A`)「あいよ、頼んだぜ」
- 薪にドクオが座ったのを確認し、保健室の窓を開けて
- ビコーズはドクオの家を目指して駆けていった。
- ξ*゚听)ξ「プロポーズ……美少年からプロポーズされたわ……神様ありがとう!」
- (;´・ω・`)(こんなに喜ぶなんて思わなかった……)
- 103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/21(木) 00:11:33.35 ID:aRpQK/wxO
- ショボンを抱きしめながら、ツンはきゃあきゃあと歓声を上げる。
- その喜びように、ショボンは若干引いていた。
- 見知らぬ場所へ拉致されているというのに不安に怯えることなく
- こうしてはしゃぎ回るツンが、ショボンには理解出来ない。
- (´・ω・`)(僕なら……泣いちゃうかもしれないのに)
- ――いや、「かもしれない」ではない。
- 確実に泣いて喚いて助けを求める。
- きっとそうする――そう、した。
- (´-ω-`)「……」
- ξ*゚听)ξ「ショボン君? どうしたの、眠い?」
- (´・ω・`)「……お姉さん、怖くないの?」
- ξ*゚听)ξ「何が?」
- (´・ω・`)「僕、幽霊だよ?
- 突然変な所に攫われて、帰さないって言われてるのに、怖がらないなんて変だよ」
- ξ*゚听)ξ「そう?
- ショボン君みたいに可愛い子が一緒に居てくれるから、寧ろ楽しいわよ」
- 104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/21(木) 00:15:30.86 ID:aRpQK/wxO
- (´・ω・`)「僕が悪い幽霊で、お姉さん……ツンさんを……
- 殺しちゃう、かもしれないんだよ」
- ξ*゚听)ξ「……んー、そうね。
- でも、たとえショボン君が悪い子だったとしても」
- くしゃくしゃ、ツンの手がショボンの頭を撫でる。
- その感触にショボンは、びくりと肩を跳ねさせて――ぎゅう、とツンにしがみついた。
- ξ*゚ー゚)ξ「助けに来てくれる奴らがいるから、私、怖くないわ」
- (´・ω・`)「……ツンさん」
- ξ*゚听)ξ「ん?」
- (´・ω・`)「ツンさんは、ずっと僕のお嫁さんだからね」
- ξ*゚-)ξ「――あ、……――」
- ショボンとツンの瞳が互いを見た瞬間。
- ツンは、ゆっくりと後ろへ倒れた。
- 強烈な眠気が、ツンの瞼を下ろしていく。
- 背中が地面と触れたときには、もうツンは眠ってしまっていた。
- ξ--)ξ
- (´・ω・`)(……助けになんか、来ないよ。誰も――)
- 105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/21(木) 00:18:27.61 ID:aRpQK/wxO
- ('A`)「持ってきたぜ!」
- ビコーズとドクオが保健室に戻ってくる。
- ドクオの手にはビデオカメラ。
- 薪から降り、ドクオはテープを再生させた。
- 全員がドクオの周りを囲み、画面を覗き込む。
- 川 ゚ -゚)「けーいさつっ、けーいさつっ」
- ('A`)「クーさん警察コールやめて」
- ( ФωФ)「我輩の学校から犯罪者が……」
- (-@∀@)「うーん、フェンスが邪魔だね」
- ミセ*゚ー゚)リ「……最近の方は発育がよろしいんですのね……」
- ( ´∀`)「おや、ミルナ君がいるモナ」
- ( ゚д゚ )「ツンに連れてこられた」
- ( ∵)[校庭から僕も見てた]
- <_プー゚)フ「俺も行きたかった」
- 106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/21(木) 00:21:28.62 ID:aRpQK/wxO
- (;^ω^)「あっ、いた! この窓だお!」
- 声を上げて、内藤が窓の一つを指差した。
- それと同時にドクオは映像を一時停止させる。
- 内藤が指差す少年の霊を、一同目を凝らして見つめ――クールが首をひねった。
- 川 ゚ -゚)「……美……少年……?」
- (-@∀@)「よく見えないが……」
- ('A`)「美少年だってツンが言い張ってました」
- ( ∵)[あ、この子だ]
- (;^ω^)「え?」
- ( ∵)[薄茶の髪に青いTシャツ。校門にいた男の子と同じ]
- <_プー゚)フ「本当か!」
- ( ∵)[うん]
- 川 ゚ -゚)「半袖……ということは夏に死んでしまった子だろうか」
- 107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/21(木) 00:24:30.34 ID:aRpQK/wxO
- ( ´∀`)「ミセリちゃん、どうモナ?」
- ミセ*゚ー゚)リ「やってみます」
- ミセリが頷き、ドクオからカメラを借りる。
- 目を閉じて、ミセリは画面に指先で触れた。
- ミセ*- -)リ「……小学……3年生か4年生ぐらいの男の子です――」
- 指を通して少年の気を感じ取る。
- ――不意に、はっとしたように目を見開いた。
- ミセ*゚ー゚)リ「……! これ、ツンさんの傍に居るのと同じ気……!」
- (-@∀@)「彼女を連れ去ったのが、この少年であることが確定したね」
- ( ФωФ)「……うむぅ……」
- ( ゚д゚ )「どうした理事長?」
- 唸る理事長の顔をミルナが見上げると、理事長は「引っ掛かるである」と呟いた。
- ( ФωФ)「――薄茶色の髪、青いTシャツ、小学生、そして夏。
- 聞き覚えがある……」
- 109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/21(木) 00:27:46.78 ID:aRpQK/wxO
- 川 ゚ -゚)「ほう、理事長もか」
- ( ФωФ)「クール君も?」
- 川 ゚ -゚)「ああ。わりかし最近聞いた気がする。新聞かニュースか――」
- ('A`)「じゃあ、ここ何日間かのニュースを調べれば……」
- (-@∀@)「私達の『最近』は数年単位だよ」
- (;'A`)「……マジか」
- ( ФωФ)「ともかく、ここ数年の新聞を見てみるである」
- ( ∵)[図書室の書庫に、昔から今日までの新聞が全部揃ってます]
- 川 ゚ -゚)「よし、行こう」
- ――全員で保健室から図書室へ移動する。
- 図書室へ着くと、クールが内藤とミセリを指差した。
- 川 ゚ -゚)「2人は図書室でツンを探すことに専念してくれ。
- 他の者は書庫で手分けして新聞を調べる」
- ミセ*゚ー゚)リ「分かりました!」
- ( ^ω^)「よろしくお願いしますお」
- 110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/21(木) 00:31:43.01 ID:aRpQK/wxO
- 書庫内に入る。
- 埃っぽい空気にドクオは顔をしかめた。
- 新聞が溜め込まれている棚の前で、一年ごとに振り分ける。
- 川 ゚ -゚)「最近とはいえ、1年2年程度ではない。3年前辺りから調べるぞ。
- 一昨昨年の新聞はエクスト、その前はモララー、さらにその前はモナーさん――」
- ( ФωФ)「いや、もっと前であるよクール君。ここ5年間の記憶にはないのである」
- ('A`)「あんたらの時間感覚どうなってんの……」
- (-@∀@)「では、6年前をエクスト君、7年前は私だね」
- ( ´∀`)「モナが8年前、ミルナ君が9年前、ビコーズ君が10年前……」
- 川 ゚ -゚)「私が11年前で、ドクオが12年前だ」
- ( ФωФ)「我輩が13年前を調べよう。
- ポイントは、小学生、少年、茶色の髪に青いシャツ、季節は夏!
- それでは、各自始めるである!」
- 第四話:続く
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