( ^ω^)七大不思議と「せいとかい」のようです

562: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 02:58:46.59 ID:lw7MXe59O


エピローグ



 夏休み真っ只中。
 ――学校、プール。

ξ゚听)ξ「……」

( ^ω^)「ツン、どうしたお。
       折角プールに来たのに……」

 水着姿のツンは、沈んだ表情でプールサイドに座っていた。
 そんなツンに、内藤が声をかける。

ξ゚听)ξ「……だって、あんな別れ方で……あんた、納得出来るの?」

( ^ω^)「……出来てないお。でも、」

ξ゚听)ξ「……でも、何?
      馬鹿騒ぎして、笑ってろって言うの?
      あんなことの後で……」

( ^ω^)「それでも、ずっとふさぎ込んでるよりはマシだお」

ξ゚听)ξ「……そうかしら」



568: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 03:01:25.32 ID:lw7MXe59O



<_フ*゚ー゚)フ「ちょー気持ちいいー!!」

ζ(゚ー゚*ζ「真ん丸なエクスト様も素敵……」

∬´_ゝ`)「ねえガリガリ君、私の水着、こんな際どいのしか用意出来なかったわけ?」

(*'∀`)「はい! 似合ってますお姉様!!」

川 ゚ -゚)「ドクオ、そのカメラは必要か?」

l从・∀・*ノ!リ人「水着似合うのじゃー?」

( ´_ゝ`)「おう、可愛いぞ妹者」

(´<_`*)「デレさんデレさん、ボール貰ってきた!」



ξ゚听)ξ「私、物凄く納得いかないんだけど」

( ^ω^)「……僕だってそうだお」



 プールの中で楽しそうに遊んでいる霊達を見ながら、
 内藤とツンは無気力に頷き合った。



577: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 03:04:27.58 ID:lw7MXe59O

 ――数日前。
 理事長に呼び出された聖徒会メンバーは、愕然とした。

 エクストを始めとし、流石家やデレ達が、普通に校内を歩き回っていたからだ。

 理事長いわく、

( ФωФ)『ほら、この学校、特別な地理上に存在してるから、
       大霊道が安定しちゃったみたいである。
       つまり、霊からすれば、この世とあの世を行き来し放題』

 とのこと。



 それは、まあ、いい。
 「そのパターンもういいよ」と思いもするが、やっぱりみんな嬉しい。

 ただ、ツンが一番納得いかないのは――



583: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 03:06:48.49 ID:lw7MXe59O

(゚A゚* )「ニダやん、入らへんのー?」

<ヽ`∀´>「入れるわけないニダ。……ぐあっ、ババ引いちまったニダ」

( ´∀`)「モナモナ、さあ、ビリは誰になるモナ?」

ミセ*゚ー゚)リ「むー、ビコーズさん、常にポーカーフェイスでズルいです」

|゚ノ ^∀^)「同感です」

( ∵)[だって変えようないもんね]

(゚A゚*;)「ぐぅ……プール入れん組で楽しそうにトランプやりよって。
     プール入れるウチが逆に損してる気分や」

<ヽ`∀´>「……お前も混ざればいいニダ」

(゚A゚* )「混ざるー!!」

( ´∀`)「……ツンデレってやつモナね」

|゚ノ ^∀^)「いつものことですわ」

<ヽ`∀´>「おいお前ら、斬るニダよ」


 シベリア中学校の七不思議が、学校に住み着いたことである。



589: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 03:09:15.00 ID:lw7MXe59O

 行き場のなくなってしまった彼らを、理事長がまとめて引き取ったのだ。
 七大不思議を襲撃したものの、
 あれは呪いに取り憑かれていた兄者に指示されたものであり、
 彼ら自身には何の害も無い、と考えたためらしい。

 既に部活等で登校してくる生徒達とは仲良くやれているようで、
 夏休み明けに全校生徒が集まる日を、今か今かと心待ちにしている。

N| "゚'` {"゚`lリ「プールなのに、マントを脱がないのかい」

(;-@∀@)「君がいる所で脱いだら大変なことになる予感がするからね」

ノパ听)「オサム、肌まっしろだな!」

【+; 】ゞ゚)「余計なお世話だ」

川 ゚ -゚)「ヒート、胸まったいらだな!」

ノハ#゚听)「うるせええええええ!!」



591: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 03:11:30.09 ID:lw7MXe59O

lw´‐ _‐ノv「ミルナたん、日焼け止め塗ってあげよう」

(;゚д゚ )「貞操の危機!」

ξ#゚听)ξ「あっ、こら! ミルナに触んじゃないわよ!!」

(;^ω^)(……放っといても、勝手に元気になってくれそうだお)

 ツンがシュールとミルナのもとへ駆けていく横で、
 内藤は溜め息をつき、エクストを見た。

 今、エクストは、内藤達にとって一番馴染みのある、
 小さく丸っこい形をしてプールで遊んでいる。
 なんでも、人型を保つよりも楽らしい。

<_プー゚)フ「そーいや、兄者、長く外にいて大丈夫なのか?
       霊引き寄せるんじゃ……」

( ´_ゝ`)「プールの水が特殊だから、大丈夫らしい」

<_プー゚)フ「ほうほう。
       ――ブーン、入らないのかー!?」

(;^ω^)「今行くおー!」

 エクストに呼ばれ、内藤は苦笑しながらプールに飛び込んだ。
 暑い日差しの中、ひんやりとした水に全身で触れる心地良さ。



596: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 03:14:19.39 ID:lw7MXe59O

 ――別れのときの寂漠さと現在とのギャップについていけなかった心が、
 わくわくとした気持ちで盛り上がってくる。

(*^ω^)「気持ちいいおー」

<_フ*゚ー゚)フ「な!」

( ´_ゝ`)「……なあ、ブーン」

(*^ω^)「お?」

( ´_ゝ`)「あの、あれだ、……葱が食べたい」

(*^ω^)「葱?」

( ´_ゝ`)「お前の家にあるだろ、葱」

(*^ω^)「あるお! すごく美味しいお」

( ´_ゝ`)「それ。……食べたいんだ、蕎麦と一緒に」

<_フ*゚ー゚)フ「おおっ、俺も食べたい! 蕎麦と!」

(*^ω^)「分かったお、今度、母さんに訊いてみるお」

(*´_ゝ`)「……ありがとう」



600: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 03:16:13.41 ID:lw7MXe59O

ζ(゚ー゚*ζ「ボール楽しい! ぽよぽよ!」

∬´_ゝ`)「デレちゃんの胸もぽよぽよ」

(*'A`)「お姉様の胸はばいんばいん!」

l从・∀・ノ!リ人「どういうことなのじゃ?」

(´<_` )「気にするな、妹者。
       ツンー、曾祖父ちゃんと曾祖母ちゃんと一緒に遊ばないか?」

ξ#゚听)ξ「今それどころじゃない!
      女と女の戦い中!!」

lw´‐ _‐ノv「先祖孝行してこいよ。まな板」

ξ#゚听)ξ「誰がまな板よ!」

(;゚д゚ )「ブーン、俺もそっちで遊ぶ」

(;^ω^)「おー、おいでおいで」

( ´_ゝ`)「モテる男は辛いな」

(;゚д゚ )「出来るなら、同年代の女の子にモテたい……」



611: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 03:19:27.69 ID:lw7MXe59O

<_プー゚)フ「同年代……ミセリとか妹者辺りか」

( ´_ゝ`)「妹者いい子だぞ。おすすめ」

( ^ω^)「ミセリちゃんもいい子だおー」

N| "゚'` {"゚`lリ「俺もいい子だぜ」

<_フ;゚ー゚)フ「何か来た!!」

N| "゚'` {"゚`lリ「下の息子は聞かん坊、だがな……」

(;´_ゝ`)「何か言ってる!」



(-@∀@)「……おや、そういえば理事長はどこに……」

【+  】ゞ゚)「さあ」

(*ФωФ)「みんなー! 水鉄砲たくさん仕入れてきたであるー!」

(-@∀@)「おや、噂をすれば」

【+; 】ゞ゚)「すっげえ数の鉄砲だ」



618: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 03:22:11.57 ID:lw7MXe59O

ノハ*゚听)「おおおおお! その一番デカい鉄砲くれー!」

川 ゚ -゚)「戦争だ! これから始まるのは戦争……!」

<ヽ`∀´>「……鉄砲なんかいらん、この刀で海の藻屑にしてやるニダ」

(゚A゚* )「ニダやんの闘争心が燃え上がっとる!」

( ´∀`)「ここ海じゃないモナ」

|゚ノ ^∀^)「雰囲気で言ってるだけですから、お気になさらず」

ミセ*゚ー゚)リ「水鉄砲くらいなら、私も遊べそうです!」

( ∵)[僕らプールに入れない組は、プールサイドからの射撃に徹するか……!]

ζ(゚ー゚*ζ「わあ、たくさん色があって綺麗……」

l从・∀・*ノ!リ人「きらきらなのじゃ! このごっついのは妹者が使うのじゃ!」

∬´_ゝ`)「ふふ、できる女は最低限手に収まる大きさの鉄砲で、
      最大限の攻撃を繰り出すものよ」

N| "゚'` {"゚`lリ「くくく……俺には自前の鉄砲があるからいらないな……」

(;゚д゚ )「何かヤダこいつ!」



625: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 03:26:27.26 ID:lw7MXe59O

( ´_ゝ`)「弟者、今こそ双子の底力を見せ付けてやろうぜ」

(´<_` )「おう、俺らの流石ぶり、とくと見よ!」

lw´‐ _‐ノv「丁度いい、決着をつけようまな板娘!」

ξ#゚听)ξ「望むところよ!
      ブーン、ドクオ、エクスト! 援護しなさい!」

(;'A`)「相手1人なのに容赦ねえ!」

<_プー゚)フ「と言いつつ従っちゃう」

(;^ω^)「まったくもう……」

(*ФωФ)「それでは! 入り乱れ水鉄砲大戦争、開始である!!」



 それぞれの水鉄砲に入った絵の具水が、一斉に噴射される。

 ピンク、赤、紫、オレンジ、緑、黄色、青。

 とても綺麗な七色が、あちこちで飛び交った。



629: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/21(日) 03:29:24.52 ID:lw7MXe59O





 VIP高校という学校がある。
 生徒数、約700人。教員数、約50人。

 おばけの数――とにかく、たくさん。





     ( ^ω^)七大不思議と「せいとかい」のようです





              完




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