( ^ω^)七大不思議と「せいとかい」のようです

180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:00:24.60 ID:j84xgfXYO

川 ゚ -゚)「ハロウィンだな」

川 ゚ -゚)「一応お化けを主題……としてるか分からんがそういったジャンルの作品なので」

川 ゚ -゚)「ハロウィンに関する番外編的なものを書きたい」

川 ゚ -゚)「エクストの過去編が重いから、アホなノリの話が書きたい」

川 ゚ -゚)「本編、聖徒会のブーン達の時間では7月真っ只中なんだが」

川 ゚ -゚)「まあ気にするな」

川 ゚ -゚)「パラレルワールド的なもんだと思ってくれ」

川 ゚ -゚)「普通にエクストがいつものテレサ体型で出てくるが、
     改めて言う、気にするな」

川 ゚ -゚)「流石家とか何やらは一旦忘れろ」

川 ゚ -゚)「ちょっと長いかもしれん」

川 ゚ -゚)「さるっちゃったらごめんな」



番外編:とりっくおあとりーと!



183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:04:08.25 ID:j84xgfXYO

(*ФωФ)「年に一度の祭典!
       ハロウィンであーる!!」

 体育館の壇上で理事長が叫ぶ。
 おおー、と適当に返す生徒と教師。
 生徒の一部は仮装をしている。

 今日は10月31日。いわゆるハロウィンだ。
 このオカルト学校、もといVIP高校において、ハロウィンは重要な日。
 毎年イベントが開催されている。

(*ФωФ)「今年のイベント内容はー、『お菓子集め競争』!
       みんなお馴染み、七大不思議のメンバーがお菓子を抱えて待っておる!
       彼らからお菓子を貰い、7つ全て集めた者は、この体育館に戻ってくること!
       あ、ちなみにミルナ君は理事長室にいるであるよ!
       そしてそして、一番早かった優勝者には我輩が出来る範囲で、
       望みを叶えてあげるのである!」

 「望みを叶える」。その言葉に、一気に場内が沸き立った。
 はっきり言ってしまえば、理事長は大金持ちだ。
 彼が「遺書」を書いて実家に送れば、実家は遺書通りに動かねばならない。

 つまり、ブランド物のバッグが欲しいとか、世界旅行に行きたいとか、
 そんな望みも簡単に叶えてもらえるのだ。



185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:06:32.98 ID:j84xgfXYO

(*ФωФ)「さあ、これは我輩からの最初のプレゼント!
       みんな受け取れい!」

 理事長が、傍にあった箱から取り出したお菓子をばらまいた。
 それは無造作に散らばることなく、平等に、生徒一人一人の手に渡った。

 青い紙に包まれた飴玉。
 包み紙には、ヘキサグラムに「聖」の字が重なった、
 聖徒会バッジと同じ柄がプリントされていた。

(*ФωФ)「それでは、これより、ハロウィンパーティーを始めるである!
       ――合言葉は、『Trick or Treat』!」



186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:08:23.84 ID:j84xgfXYO

(;^ω^)「理事長のハイテンションったらなかったお……」

 聖徒会長、内藤ホライゾン。
 黒いマントを羽織り、口の両端から作り物の牙を覗かせている。バンパイアの仮装だ。
 そのくせ、首から十字架を垂らしているが、そこは御愛嬌。

ξ゚听)ξ「そりゃ張り切るでしょ、オカルトマニアのお化けだもの」

 聖徒会副会長兼会計、出連ツン。
 トンガリ帽子を頭に被り、紺色のローブを纏った、いわゆる魔女ルック。
 手に持っているのは杖でも箒でもなく玉串。

('A`)「さーて、まずは誰のところに行くかな」

 聖徒会副会長兼書記、鬱田ドクオ。
 頭に段ボール製のネジをくっつけ、顔にマジックで縫い目を描いたフランケンシュタイン。

<_プー゚)フ「クーやモララーの所は既に人がいっぱいいそうだな!」

 おまけの霊魂、エクスト。
 彼は仮装する必要もなさそうだが、
 くり抜いて穴を開けたカボチャから顔をはみ出させ、ぷかぷか浮かんでいた。
 エクストもちゃっかり飴を貰っている。
 通りすがる生徒達はエクストを見て、可愛い、とくすくす笑った。

('A`)+「それでも俺は、クーさんの所に行く!」

ξ゚听)ξ「はいはい、クーの仮装が早く見たくて仕方ないのね」



188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:11:10.23 ID:j84xgfXYO



 ということで、男子トイレ。
 始まってから数分だというのに、もう何十人という男子生徒でごった返していた。

川 ゚ -゚)「ほら並べ並べ。合言葉はー?」

    『トリックオアトリートー!!』

 低い声の大合唱。厳しいものがある。

('A`)「どうしよう、想像以上にエロかった」

ξ゚听)ξ「私としては想像通りだったけどね」

 黒とオレンジ色のボンテージに身を包み、網タイツは健在。背には蝙蝠のような羽。
 大いに主張している胸には、「※サキュバス」という注意書きの名札が付いている。

川 ゚ -゚)「お、ブーン達、来たか。似合ってるぞ」

(;*∩ω∩)「あ、ありがとうございますお。クーさんも似合ってますお」

川 ゚ -゚)「ちゃんと見てから言えよ」



190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:14:16.65 ID:j84xgfXYO

<_フ*゚ー゚)フ「トリックオアトリートー!」

 クールの格好などお構いなしに、エクストはちゃっちゃと合言葉を口にした。
 エクストがすっぽりハマっているカボチャに少し笑って、クールは言う。

川 ゚ -゚)「何だお前、可愛いなあ。――ほら、持ってけ」

 ピンク色の包み紙の、四角い形のお菓子がエクストに渡される。
 次いで、内藤達も合言葉を言い、お菓子を貰った。

ξ゚听)ξ「これ、なあに?」

川 ゚ -゚)「チョコだ。ずっと握りしめてたら溶けるぞ」

(*'A`)「お菓子はいいからイタズラさせてください!」

川 ゚ -゚)「全力で死ね」

( ^ω^)「ありがとうございましたおー」

川 ゚ -゚)「どういたし……あ、そうそう」

( ^ω^)「お?」

川 ゚ -゚)「キーワードは『アイルランド』。……忘れるなよ」

<_プー゚)フ「キーワード?」

 どういうことかと問うも、クールは微笑んではぐらかすばかりであった。



192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:17:20.10 ID:j84xgfXYO



 続いて女子トイレ。
 こちらも大盛況だった。

(-@∀@)「はい、押さない押さない。
      ふふふ、みんな素敵な格好だね、可愛らしいよ」

ξ゚听)ξ≡⊃)∀@)「何なの急に!」

ξ゚听)ξ「うざったい」

(;∩∀@)「酷い!!」

 大量に群がる女子生徒、その先にいるのは、
 クールと同じように背中に羽を付けた赤マント仮面、モララー。
 胸元に「※インキュバス」という名札付き。

ξ゚听)ξ「トリックオアトリート」

(-@∀@)「はいはい。……朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足、これ何だ?」

 返ってきたのはお菓子ではなかった。
 有名ななぞなぞ。



193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:20:25.35 ID:j84xgfXYO

( ^ω^)「人間、ですお?」

(-@∀@)「正解! はい、どうぞ」

 内藤が答えると、赤い包み紙のお菓子が3人と1体に配られた。
 ふわりと、バニラの甘い香りが漂う。

<_フ*゚ー゚)フ「クッキーだ」

(-@∀@)「普通にあげるんじゃつまらないからね、簡単なクイズを出すことにしてるんだ」

 そう言って笑うモララーの前に、女子を掻き分けて、ある人物が飛び出してきた。
 頭に、少し大きな犬耳らしきものを付けた、恐らく狼男の仮装をしたそいつは、

 _
(*゚∀゚)「アニキ! トリックオアトリート!」


 ジョルジュ長岡。
 彼は聖徒会の3人を見ると、びしっと指を突き付けた。
 _
( ゚∀゚)9m「おお、優勝者最有力候補共! いいか、俺が絶対勝つからな!」



194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:24:37.64 ID:j84xgfXYO

('A`)「……お前が優勝したら、何を叶えてもらうつもりなんだ?」
  _
(*゚∀゚)「アニキと熱い一夜を過ごす! ――さあアニキ、早くクイズを!」

(-@∀@)「6以上の全ての偶数は2つの奇素数の和で表せる。これを証明せよ」
  _
( ゚∀゚)「何か俺だけ難易度おかしくね?」

( ^ω^)(モララーさん大人げないお……)

(-@∀@)「あ、そうそう。君達、キーワードは『ウィル』だよ」

ξ゚听)ξ「ウィル、ね。……そのキーワードって何なの?」

(-@∀@)「それは秘密さ」



195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:27:43.01 ID:j84xgfXYO



( ^ω^)「トリックオアトリート!」

( ´∀`)「よく来たモナ。しかしお菓子をあげる前に、一曲歌ってほしいモナ」

 音楽室のモナー。
 頭に角、いつも持っている筈の指揮棒は無く、手には棍棒。鬼の仮装らしい。
 お菓子をくれる条件にモララーがクイズを出したのに対し、モナーは歌。
 エクストが意気込んで前に出る。

<_プー゚)フ「ロンドン橋落ちた!」

( ´∀`)「やめてまた泣いちゃうからやめて」

 ――とりあえずツンが自作の「美少年の歌」を歌うことで条件はクリアした。
 モナーは終始微妙な顔をしていたが。

( ´∀`)「あ、ああ……じゃあ、お菓子モナ」

 紫色の包み紙。中身は、小さく切り分けたパンプキンケーキだそうだ。

( ´∀`)「キーワードは『天国と地獄』。さ、頑張ってモナ」



202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:41:24.62 ID:j84xgfXYO



 ∧ ∧
ミセ*゚ー゚)リ「い、いらっしゃいませ……」

 保健室のミセリは、頭に猫耳のカチューシャを付けていた。
 恥ずかしいらしく、頻りに頭へ手をやっている。

( ^ω^)「ミセリちゃん、隠さなくても似合ってるお」

ξ゚ー゚)ξ「可愛いわよ」

('A`)「それは猫又か?」

ミセ*゚ー゚)リ「は、はい、猫又です。……クールさんや理事長に勧められて……」

(*・∀ ・)「似合ってる似合ってる、可愛いよ!」

ミ,,゚Д゚彡「またんきテンション高くて気持ち悪いからー」

('(゚∀゚∩「お前ロリコンかよ!」

(;'A`)「うおっ、またんき達も来てたのか」

 いつの間にやら、またんき、フサ、なおるよがドクオの隣に並んでいた。
 これといった仮装はしていない。
 別に考えるのが面倒だったわけではない。



204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:44:46.72 ID:j84xgfXYO

(;・∀ ・)「馬っ鹿、ロリコンとかじゃねえよ!
      可愛いもんに可愛いって言って何が悪い!
      あと俺がこういうイベントでテンション上がんの知ってるだろ!」

ミ,,゚Д゚彡「何かもうその発言が必死すぎるからー」

('(゚∀゚∩「ドクオ、このロリコンなんか置いて一緒に行くよ!」

('A`)「この俺ですらロリは基本的に範疇外なのに……引くわ……」

(;・∀ ・)「待て! 『基本的に』って、場合によっては範疇内ってことか!?」

(*;ω;)(ドクオ……気兼ねなく話せる友達が出来たんだおね……)ホロリ

<_プー゚)フ「何かブーンが母親みたいな目してる」

ξ゚听)ξ「放っときなさい。ミセリちゃん、トリックオアトリート」

ミセ*゚ー゚)リ「はい、どうぞ」

 オレンジ色の包み紙。中身はマシュマロ。
 美味しいですよ、とミセリはにっこり笑った。

ミセ*゚ー゚)リ「キーワードは『石炭』です。優勝目指して頑張って下さい」



207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:48:14.37 ID:j84xgfXYO

( ゚д゚ )「……」

ξ*゚听)ξ+

 理事長室、ミルナ。
 トンガリ帽子、深緑色のローブ、右手に杖。
 不覚にもツンとペアルックになってしまった。

( ゚д゚ )「偶然だぞ。たまたまだぞ」

ξ*゚听)ξ「照れなくてもいいのに」

( ゚д゚ )「いやほんと、あの、勘弁してください」

('A`)「えーっと、トリックオアトリート」

( ゚д゚ )「話進めてくれてありがとうドクオ。……よし、お菓子をやる前に条件g」

ξ*゚听)ξ「じゃあお菓子いらないわ、イタズラさせなさい!!!!!」

(;゚д゚ )「いやああああああ! いい、条件とかいいから、お菓子あげるから!!
     寄るなあああああああああああ!」

(;^ω^)(条件って一体何だったんだろう……)

 飛び掛かってきたツンに貞操の危機を感じたのか、
 ミルナは叩きつけるような勢いでお菓子をくれた。



208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:51:29.81 ID:j84xgfXYO

 緑色の包み紙。
 キャラメルが入っていると説明するミルナは、内藤の後ろに隠れて震えていた。

(;゚д゚ )「き、キーワードは『カブ』だ。とっとと次の場所に行け!」





( ∵)[がおー]

 校庭。ビコーズはぐるぐると包帯を巻き付けたミイラ男の格好をしていた。
 校庭中を駆け回り、その後を大勢の生徒が追い掛けている。

(;'A`)「捕まえなきゃいけないのか……」

(;^ω^)「こ、これはまた手強い……」

<_プー゚)フ「俺が地面から出てきて脅かす!」

ξ゚听)ξ「同じ手に引っ掛かるかしら」

 バッジを集めたときと同じ作戦を実行すると言い、エクストは地面に向かって下降し――

<_フ;+д+)フ「おぎゃんっ!!」

 カボチャが、思い切り地面にぶつかった。



209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:54:34.57 ID:j84xgfXYO

(;'A`)「カボチャは通り抜けられなかったか……」

 そのとき。

(;∵) !!

(;^ω^)「あっ」

 カボチャに躓き、ビコーズはその場に転んでしまった。
 ずしん、と重い音がする。まあ、結果オーライだ。

(;^ω^)「2人共、大丈夫かお?」

(;∵)) コクン

<_フ;゚д゚)フ「カボチャ割れるかと思った」

ξ゚听)ξ「んじゃ、早速。トリックオアトリート」

(;∵)[……はい]

 黄色の包み紙。中身はマカロンだとか。

( ∵)[キーワードは『聖ペテロ』]

 最後にそう告げて、後ろから迫る生徒達から逃げるため、ビコーズは再び駆け出した。



211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 00:57:29.56 ID:j84xgfXYO



(*^ω^)「全部集まったお!」

ξ*゚听)ξ「優勝かしら? 悪いけど、私が一番乗りしてやるわよ!」

(*'A`)「ふん、ぬかせ! 俺が一番乗りだ!」

(*'∀`)(全校の可愛い女の子で俺専用のハーレムを作るハーレムを作るハーレムを作る)

ξ*゚∀゚)ξ(ミルナとブーンの2人と一緒に遊園地へデートデートデート!!)

 駆け足で体育館に飛び込み――ツンとドクオは、がっくりと肩を落とした。
 体育館には、既に5、6人の生徒がいたのだ。

(;'A`)「あー……遅かったか」

<_プー゚)フ「でも何か様子が変だぞ」

 エクストの言葉に、内藤が「たしかに」と頷く。
 館内にいる生徒達は、うんうんと唸り、何事か悩んでいるようだった。
 互いに話し合っては首を振ったり、
 壇上の理事長の元へ行って何か言っては溜め息をついたりしている。

( ФωФ)「お、ホライゾン君達も来たか。こっちおいで」

 内藤達に気付いた理事長が手招きする。
 壇上へ行くと、理事長は「お菓子を見せてごらん」と言った。
 全員が7つのお菓子を持っているのを確認し、今度は理事長が手を広げた。



213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 01:00:31.76 ID:j84xgfXYO

( ФωФ)「まずは携帯電話を貸すである」

( ^ω^)「? 分かりましたお」

 首を傾げながら携帯電話を預ける。
 見れば、壇上の隅に、いくつかの携帯電話が置かれていた。
 先に来ていた生徒のものだろう。

( ФωФ)「カンニング防止である。――それでは」

 咳払いをし、理事長は、にやりと笑った。

( ФωФ)「集めたキーワードから連想されるものは、なーんだ?」

ξ;--)ξ「……あー、そう。そういうこと」

 キーワード。
 あれは、このクイズのためのものだったようだ。

 生徒が首を捻って考え込んでいるのはそのせいらしい。

(;'A`)「お菓子集めて終わりじゃねえのかよ……」

(*ФωФ)「今のところ正解者はおらぬ、最初に正解した者が優勝であるぞ」

 理事長のはしゃぐ声を背にして壇上を下り、内藤達はキーワードを確認した。
 アイルランド、ウィル、天国と地獄、石炭、カブ、聖ペテロ。



216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 01:03:54.46 ID:j84xgfXYO

ξ゚听)ξ「天国と地獄って、クラシックかしら。言ってたのはモナーだし」

('A`)「だとしても、どういうことなのか分かんねえな。聖ペテロってのは?」

( ^ω^)「聖ペテロは、死者を天国行きか地獄行きか選定する人だお」

('A`)「おっ、天国と地獄に繋がったな」

ξ゚听)ξ「んー、他のキーワードは……あ、生徒増えてきたわね」

 話してる間にも、続々と生徒が体育館にやって来る。
 早くしないと先を越されそうだ。

<_プー゚)フ「……」

( ^ω^)「エクスト?」

 不意に、エクストはふわりと浮かんで理事長の元へ向かった。
 そして、高らかに叫ぶ。


<_プー゚)フ「ウィル・オ・ウィスプ――ジャック・オ・ランタンだ!」


 静まり返る体育館。数秒経って、

(*ФωФ)「正解である!」

 という理事長の声が、響き渡った。



220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 01:06:38.20 ID:j84xgfXYO

( ^ω^)ξ゚听)ξ('A`)

(;^ω^)ξ;゚听)ξ(;'A`)「ええええええええええええええええ!!!!!!」

(;'A`)「ちょwwwおまwwwww」

ξ;゚听)ξ「ねーよwwwwwwwwww」

(;^ω^)「wwwwwwwwwwwwwww」

( ФωФ)「説明しよう! ウィル・オ・ウィスプとは、」


 ――昔、ウィリアムという、ずる賢い悪人がいた。

 詳しくは、ググれ――


    o川*゚ー゚)o「面倒臭いから中略しますよ!」


 ――何やかんやあって死後天国へも地獄へも行けず、
 暗闇を彷徨うことになったウィリアムを哀れんだ悪魔は、
 地獄の業火から取り出した石炭を、明かりとして使うようにウィリアムへ渡す。



224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 01:09:20.17 ID:j84xgfXYO

( ФωФ)「その石炭を、カブをくり抜いて作ったランタンに入れた、
       というアイルランドやスコットランドに伝わる話である。
       この話には色々なパターンがあってな、
       ジャック・オ・ランタンもその中の一つ。
       アメリカや日本ではジャックの方がメジャーであるな」

ξ゚听)ξ「カブ……ジャックオランタンってカボチャじゃないの?」

( ФωФ)「この話がアメリカに伝わったときにカブからカボチャに変わったのである」

(;'A`)「まさかエクストが知ってるとは……」

<_フ*゚ー゚)フ「えっへん」

(*ФωФ)「というわけで、優勝者はエクスト君ー!!」

 どこからかファンファーレが流れる。
 生徒達が拍手をし、エクストがあちこち飛び回った。

 生徒でも何でもないエクストだが、その存在は既に校内でも有名だし、人気もある。
 この結果に反感を持つ輩は(多分)いないだろう。

 ツンとドクオは納得いかないようだが。

ξ;゚听)ξ「くっ、油断してたわ……」

(;'A`)「物凄く悔しい」



225: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 01:13:06.30 ID:j84xgfXYO

 そんな2人は置いといて、内藤はエクストに声をかけた。

( ^ω^)「おめでとうおー、エクスト。何をお願いするんだお?」

( ФωФ)「あくまでも、我輩の出来る範囲であるぞ」

<_プー゚)フ「んー。つっても、俺はあんまり願いとかないし……」

 エクストは、少し悩んで――

<_フ*゚ー゚)フ「――全校のみんなに、すっごく美味いお菓子を配ろう!」

 そう言った。





 ――イベントが終わり、外はもう薄暗い。
 「すっごく美味いお菓子」とやらは、理事長が全国駆けずり回って探すことになった。
 全校に配られるのは少し先になりそうだ。

( ^ω^)「ツン、ドクオ、うちに寄らないかお?
       教会でハロウィンパーティーやるんだお。毎年恒例の」

ξ*゚听)ξ「……ってことは少年がいっぱい集まるわね! 行くわ!」

('A`)「たとえ少年が来なくてもブーンの家なら絶対行くだろ、お前は」



229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 01:18:32.82 ID:j84xgfXYO

<_プー゚)フ「俺も行く俺も行く!」

ξ゚听)ξ「あんた、そのカボチャいつ外すのよ」

('A`)「――ういぃ、寒っ。最近だいぶ冷え込んできたな」

( ^ω^)「風邪引くなおー」

('A`)「へいへい。今年はどんなお菓子用意してるんだ?」

( ^ω^)「ババロアだお!」

<_プー゚)フ「……なあなあ」

ξ゚听)ξ「ん?」

<_プー゚)フ「『すっごく美味いお菓子』って言ったけどさ。今更気付いたけど、
       みんなで楽しく食えば、何でも美味いよなー」

ξ゚听)ξ「……なに急にキュンとさせてんのよ」

('A`)「やっべ、ときめいた」

(*^ω^)「おっおっ、それもそうだおね、エクスト」


番外編:終わり

o川*゚ー゚)o「とりあえず、ハッピーハロウィン! です!」



230: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/31(日) 01:20:32.75 ID:j84xgfXYO



川 ゚ -゚)「おしまいだ」

川 ゚ -゚)「オチなんてねーよ……」

川 ゚ -゚)「ちなみに描写し忘れていたが、
     このイベントで配ったお菓子は前日に私達が作ったお手製だ」

川 ゚ -゚)「大変だった。主に量的な意味で。全校生徒分だぞ。死ぬわ。あ、死んでた」

川 ゚ -゚)「七大不思議ではない学校霊達にも手伝ってもらった」

川 ゚ -゚)「私は市販のチョコ溶かして固めただけだがなwwwうめえwwwww」

川 ゚ -゚)「じゃあな、ハッピーハロウィン」

川 ゚ -゚)ノシ



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