( ^ω^)ブーンと猫と神様
- 11: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:23:12.69 ID:hgYoUsgd0
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2人仲良く手を繋ぎながら、少し薄暗くなった山道を通り、村へと帰りました。
家に着く頃には、お月様が辺りを照らしていて、すっかり夜になっていました。
( ^ω^)「うぃーwwwww今日も頑張ったおwwwww疲れたおwwwww」
ξ^ー^)ξ「お腹空いたでしょ?wwwすぐに晩ご飯の準備をするからねwww」
( ^ω^)「うはwwwktkrwwwっうぇwwwwその間に最後の仕事するおwwwwww」
ブーンはいつものように畑仕事で使った道具の手入れを、ツンは近くの川で今日の晩ご飯で使う野菜を洗いに行きました。
- 12: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:23:58.48 ID:hgYoUsgd0
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ツンがいつもの川でいつものように野菜を洗っていると、どこからともなく動物の鳴き声がしました。
「ゴラァ………ゴ………ゴラァ………」
ξ;゚听)ξ「ちょっと………何よ………この聞いたことないような鳴き声………まさか………UMA!?」
ツンは辺りを見渡すと、近くに子猫が倒れているのを見つけました。
毛は短く、雪のように白い子猫でした。
何やらその子猫は弱っているようです。
(;-Д-)「ゴラァ………」
ξ゚听)ξ「何よ!ただの猫じゃない!まったく、驚かせt………って、この子、様子が変ね………」
- 13: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:24:33.02 ID:hgYoUsgd0
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(;-Д-)「ゴ、ゴラァ………」
ξ;゚听)ξ「よしよし、どうしたの………って、この子、ケガしてる………!!」
その子猫の左後ろ足には砂に汚れた大きな傷があり、月明かりが子猫の血を不気味に照らしていました。
ξ;゚听)ξ「大変………!!」
ツンは野菜を洗うのも忘れ、その子猫を抱きかかえ、家へと走りました。
- 15: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:25:42.24 ID:hgYoUsgd0
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薄暗い夜道、ツンは何度もこけそうになりながらも、その子猫を抱きしめ、なんとか家へと辿り着きました。
(;^ω^)「おっおっwwツンおかえr………って、どうしたんだお!!??」
ξ;゚听)ξ「そこの川でこの子猫がケガをして動けずにいたの!!だから………!!」
(;^ω^)「おっおっwwwとりあえず、僕は薬草の準備をするから、ツンはその子猫を見てるお!!」
ξ;゚听)ξ「うん!!」
ブーンは家の裏山へ薬草を取りに行き、ツンは子猫のために有り合わせの布でお布団を作ってあげました。
ツンの服と手には子猫の血がべっとりと付いており、その傷がとても深いものだったことを物語っていました。
- 16: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:26:45.93 ID:hgYoUsgd0
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しばらくすると、ブーンが裏山から薬草を取ってきて、それをすり潰して子猫の傷に塗ってあげました。
悲痛な鳴き声が、狭い部屋に響き渡りましたが、傷を治すためには仕方のないことでした。
薬草を塗ると、傷からは血が止まり、子猫も楽になってきたようでした。
その後、三日三晩、ブーンとツンは付きっきりで子猫の看病をしました。
そして2週間後………。
- 17: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:27:26.44 ID:hgYoUsgd0
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( ^ω^)「それじゃ、そろそろ行くおwwwwww」
ξ^ー^)ξ「えぇ、今日も頑張りましょw」
(,,゚Д゚)「ゴラァ!!」
子猫は元気を取り戻し、元気に歩けるようになりました。
2人と1匹は今日もいつもの畑へと向かいます。
- 19: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:28:14.18 ID:hgYoUsgd0
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ケガが治ってから、子猫はブーンとツンにとてもなつきました。
2人はその子猫にギコと名づけました。
いつものように毎朝同じ時間に起き、朝ご飯も一緒に食べ、畑へ向かう2人へ付いて行く………。
その日から2人と1匹はいつも一緒でした。
ギコは他の猫と少しだけ鳴き声が違いますが、2人にとても可愛がられました。
それはもう、まるで自分たちの息子のように………。
ギコも2人のことをお父さんとお母さんだと思うようになりました。
- 20: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:28:50.81 ID:hgYoUsgd0
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ギコはその可愛さからか、村で人気者になりました。
(*゚ー゚)「ギコちゃん可愛いねwwwねぇねぇ、ナデナデしてもいい?」
( ^ω^)「おっおっwwwwおkおkwwwwwww」
(*゚ー゚)「ギコちゃん可愛いwwwwww」
(,,*゚Д゚)「ゴ、ゴラァ!!」
(´・ω・`)「それにしても、可愛い子猫だね。うらやましいよ」
( ^ω^)「おっおっおっwwww自慢の息子だおwwwwwね、ツンwwww」
ξ^ー^)ξ「えぇwwwフフフwww」
(,,゚Д゚)「ゴラァ!!」
- 22: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:31:23.52 ID:hgYoUsgd0
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お父さんとお母さんをを支配していた子供がいないという寂しさは、まるでギコが全部食べてしまったみたいに、消えてなくなりました。
そのおかげで、お父さんとお母さんの間には常に笑顔が絶えませんでした。
ギコはブーンのお腹の上が大好きでした。
お父さんが仰向けになって寝転がると、すぐにお父さんのお腹の上に、顔の方を向いて乗っかりました。
( ^ω^)「おっおっおっwwwwギコは甘えん坊さんだおwwwww」
(,,゚Д゚)「ゴラァ!!」
朝にお父さんを起こすとき、夜中に構ってほしいとき、急に寂しくなったとき、お父さんが風邪をひいて寝込んでしまったとき………。
よくお腹の上に乗っかっていました。
- 24: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:32:39.66 ID:hgYoUsgd0
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時は過ぎ、ギコがお父さんとお母さんの家に来て10年が経とうとしていました。
ぽかぽか陽気の中、一緒に桜の花を見に裏山まで散歩した、春。
暑い日差しの中、畑仕事の合間に木陰でじゃれあった、夏。
紅色に染まった木々の木漏れ日の中、里山を一緒に探検した、秋。
深い雪で村が埋まってしまった中、お父さんのお腹の上で一緒に暖かい春を待った、冬。
どれもギコにとっては、かけがえの無い思い出でした。
しかし、出会いがあれば別れもある………時というものは、とても残酷なもののようです。
- 26: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:34:25.22 ID:hgYoUsgd0
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( ;ω;)「ギコ!!大丈夫かお!!??しっかりするお!!」
ξ;;)ξ「ギコ!!聞こえる!!??ギコ!!!」
(;-Д-)「ゴ………ゴラァ………」
この数日の間、ギコには食欲も無く、また、以前のように走り回れるような元気も残っていませんでした。
お父さんが知っているどの薬草をギコに飲ませても、お母さんが作ったおいしい料理を食べさせようとしても、元気にはなりませんでした。
老衰………猫は人間の何倍もの速さで歳を取るらしく、ギコは人間でいうお爺ちゃんになっていたのです。
『お爺ちゃんになっても、俺はお父さんとお母さんの子ども』
それはギコにとって誇れるべきことでした。
- 27: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:35:27.71 ID:hgYoUsgd0
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(;-Д-)「ゴ………ラ………ァ………」
( ;ω;)「ギコ!!死ぬなお!!!!ギコ!!!!!」
ξ;;)ξ「ギコ!!ギコ!!!!」
お父さんとお母さんはギコを優しく、暖かく抱きしめてやりました。
(,,-Д-)「………」
ギコはもう起きることのない、深い眠りにつきました。
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