('A`) ドクオのペンは進まないようです
- 116: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 22:29:39.58 ID:qfFdHMHf0
- 翌朝…
('A`)「ふぁ〜あ…」
アクビをしながら学校へと向かう。
人間というものはいとも簡単に変わるものだ。
初日、あれほど苦痛だった学校が楽しくなったのは、やっぱり彼女のおかげだろう。
「ドクオー!!」
ほら、きた!
( ^ω^)「おっは〜だお〜」
('A`)「わかってたよ。わかっててやったのさ」
( ^ω^)「? なんのことだお?」
('A`)「いんや、こっちの事情。それより早くいこうぜ、ブーン」
( ^ω^)「おk!!」
- 121: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 22:35:08.66 ID:qfFdHMHf0
- ブーンとたわいも無い話で盛り上がりながら通学路を歩く。
そういえば、さっき無意識に俺は内藤をブーンと呼んだ。
まぁ、いつまでも内藤じゃ言いづらいからな。
( ^ω^)「おっは〜!」
ブーンは大きな声で挨拶しながら教室に入り、俺も続けて入った。
(*゚ー゚)「あ、二人ともおはよ〜」
('A`)「お、おおおはy」
( ^ω^)「おはようだお!」
また新しい感情を覚えた。「空気嫁」
- 123: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 22:35:46.02 ID:qfFdHMHf0
- (*゚ー゚)「うん、おはよwそういえば内藤君、メール見た?」
( ^ω^)「え、メール?」
ブーンは携帯を開けるとメールチェックする。
( ^ω^)「いっけねw眠ってて気づかなかったおwwすまんww」
(*゚ー゚)「なんだ〜届いてないのかと思ったよw」
( ^ω^)「今お返事書くおww」
(*゚ー゚)「ちょw意味ないからw」
('A`)←微妙に会話に入るタイミング逃した
- 128: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 22:40:04.84 ID:qfFdHMHf0
- ('A`)「お、俺の方にはしぃからのメール届いたよ」
(*゚ー゚)「あ、うんwドクオ君最初空白送ってくるんだモンw故障かと思ったよ」
('A`)「あ、あれは手が滑っちゃってはは(笑)」
( ^ω^)「空白!?そんなことできるのかお!?教えてくれお!」
('A`)「おお、今送ってやるよ」
光る風を追い越したら〜♪
(*゚ー゚)「鳴ってる、鳴ってるからw」
('A`)「ちょwwその着信音ww」
( ^ω^)「僕の大好きな曲だおw」
- 131: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 22:43:27.88 ID:qfFdHMHf0
- 楽しい雑談をしていると、担任のわかんないです先生が入ってきてホームルームが始まった。
授業中の俺はというと、完全に上の空でその視線は自然としぃの方へ向かっていた。
('A`)「…」
黒板をまじめに移しているしぃの顔に見とれる。
(*゚ー゚)
改めて見ると整った顔立ちや白い肌に素直に綺麗だと思った。
……
…
「おい、ドクオ君」
- 132: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 22:46:47.95 ID:qfFdHMHf0
- ('A`)「え!?」
完全に上の空だった。
前を見ると教師がこちらをじっと見ている。
「当たってるよ。早く読みなさい」
('A`)「あ、えっと…すいません聞いてませんでした」
「おいおい、頼むよ。誰か好みの子でも見ていたのかいw?」←空気読めない教師
「まじかよwwww」
「おいおい相手は誰だぁ???」
「ヒューーヒューーーー!」←妙にうまい
く、屈辱だ。
というか俺はノート一ページも書いてないじゃないか!!
- 135: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 22:50:09.69 ID:qfFdHMHf0
- ('A`)「はぁ…」
結局、最後の10分で必死こいてノートを書いたが全部把握できなかった。
誰かに見せてもらうしかないな。
('A`)「おーい、ブーン。ノート見せて…」
( ^ω^)「ん…おはようドクオ〜」
本当に目を開けて寝る奴というのはいるらしい。ここに一人発見した。
ブーンのノートはアテにできないとして、誰かノートをとっていそうな人は…
(*゚ー゚) 「ふぅ〜」
('A`)(ろ、ロマンティックチャンス!!)
- 139: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 22:54:20.38 ID:qfFdHMHf0
- ※0.3秒中のドクオの思考
制限時間は10分、だが行動は早いに越したことは無い。
まず、第一声だ。「わりぃノート見せてくんね?」
ニヒルぶってるが、やはりこれか…。
いやいやもう少し自然に入るには冒頭の「わりぃ」はいらないかな
('A`)(よし、しぃゴメンノート見せて、でいこう)
俺は意を決するとしぃの席のほうへ歩いていった。
('A`)
(*゚ー゚)
('A`)(ゴクリ…)
(*゚ー゚)
== ('A`)
(*゚ー゚)
- 141: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 22:57:27.23 ID:qfFdHMHf0
- ('A`) (俺のチキンヤロー!!!!!)
ロマンティックチャンス失敗。
一回失敗するごとに不自然さがupし、さらに時間も押してくるという最悪のシナリオである。
('A`) (と、とりあえずこっちにきた理由を作らなきゃ! でもこっちに知り合いいねぇし!)
俺は頭の中が混乱し、ノートを持ったまま最前列の席まできてしまった。
どうする!?ええっと、とりあえず…
('A`) 「ごめん、ノート見せてくれない?」
川 ゚ -゚)「ん…?」
完全に場違い。
俺は何をやってるんだ
- 146: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 23:01:35.24 ID:qfFdHMHf0
- (;'A`)「…」
まったく知らない女子に話しかけてしまった。
しかもいきなりノート見せろってナンパですか?
何様だよ。おそらくこの女子は(ナニコイツ、キモイ)という感情を抱いたに違いない。
(;'A`)「あ、あのごめn」
川 ゚ -゚)「いいぞ」
(;'A`)「…!?」
俺が硬直してると見知らぬ女子はノートを取り出し、「ほら」と言って
俺に差し出した。
- 149: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 23:07:46.36 ID:qfFdHMHf0
- ('A`) 「あ、おお」
返事にならない返事をしながらノートを借り、自分の席に戻った。
脳が麻痺した状態のままノートを書く。
すぐに書き終え、再びさっきの女子の所へノートを返しに行く。
('A`) 「あの、あ、ありがとう。え〜っと…」
ノートの表紙に、クーという文字が見えた。
('A`) 「クー、さん?」
川 ゚ -゚)「別に礼を言われるほどのことじゃないがな」
そう言うとクーはノートを机に入れ、俺のほうを見て微笑む
川 ゚ -゚)「しかし、勉強していると公言するならノートくらいはとっておくんだな」
(;'A`)「え!? あぁ、ちょっとボーっとしてて…」
会話になってるのかなってないのかよくわからない。
女の子と話すときだけは脳がうまく働かず、心拍数が上がる。
- 153: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 23:11:16.02 ID:qfFdHMHf0
- チャイムが鳴り、どやどやと生徒達が各々の席に座り始める
川 ゚ -゚)「おっと、次の授業が始まるな。お前も席についたほうがいいぞドクオ」
('A`) 「あ、ああ。とにかくありがと」
俺は逃げるように席に戻ると、ニヤニヤしたブーンが小声で話しかけてきた。
( ^ω^)「成功したかお?」
('A`) 「な、なにがだよ」
( ^ω^)「な・ん・ぱ♪」
こういう時だけ元気になるやつってのは
味方にしても敵にしてもやっかいなものである。
- 155: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 23:14:29.13 ID:qfFdHMHf0
- ('A`) 「だからちげーって。ただノート見せてもらっただけだ」
( ^ω^)「またまたw照れるなおw」
こういう状態の人は、とりあえずおもしろい方向へ行けばいいと考えている。
いわゆる野次馬というやつか。
(*゚ー゚)「ね、何の話?」
( ^ω^)「いやー実はドクオが…」
('A`) 「!!」
警告!警告!空気読めないレベルAランク!
ただちにスクランブル発信を行ってください!!
- 158: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 23:19:00.27 ID:qfFdHMHf0
- 俺はとっさにブーンの口を手のひらでふさぐ
('A`)「さっきボーっとしてたのはちょっと空について考えててさぁ!!」
(*゚ー゚)「空?」
( ^ω^)「むご…むごむご」
('A`) 「いやぁ、空を自由に飛べたら気持ちいいだろうなって…」
(*゚ー゚)「へ〜わかるなぁその気持ち。なんか自由って感じだしね」
('A`) 「そうそうwまぁ途方もない夢だけどね!」
夢の話でしぃをなんとか押し切り
冷や汗をぬぐいながらブーンの口から手を離した
- 160: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 23:23:35.84 ID:qfFdHMHf0
- 放課後…帰路
( ^ω^)「ドクオの恋愛♪恋愛♪」
('A`)「ブーン、かんちがーい♪ぶち殺すぞ♪」
とりあえずこの件は勘違いということで押し切っているが
ブーンは俺がクーさんのことが好きだと思っているらしい。
おかげでしぃにまで勘違いされる所だった…。
あれ、なんで俺あの時あんなに焦ったんだろう?
('A`)「なんでだろう…」
( ^ω^)「お?」
('A`)「なんでだろうチョップ!!」
( ^ω^)「いたーー!!」
- 167: ◆NscXkUt6VE :2006/12/07(木) 23:28:21.86 ID:qfFdHMHf0
- 俺はどうやらこの騒がしい高校生活を案外気に入ったらしい。
桜が咲く帰路を帰りながら、これから始まる3年間に心躍らせていた。
その夜
('A`)「ああ、しぃにメールを送るべきか…さすがに2日連続は変だよなぁ」
('A`)「いや、もしかしたらあっちも待ってるかも…いやいや落ち着け・・・」
悩みが耐えない年頃である。
- 204: ◆NscXkUt6VE :2006/12/08(金) 12:29:28.30 ID:vJGkW4150
- ('A`)(ここは…これだな)
(*゚ー゚)(うーん、たぶんAかBだけど・・・)
(;^ω^)(got?神さまのことかお?じゃあここの訳は・・・)
キーンコーンカーンコーン…
( ><)「はい、ペンを置いてください!!」
「人生オワター」
「なんだあれw難し杉w」
('A`)「ふう・・・」
俺は答案を前に渡し、席に戻る。
教室内はよろしくない出来に嘆く者、結果を確信し喜ぶ者、
そしてとりあえずテストが終わって喜ぶ者であふれていた。
- 205: ◆NscXkUt6VE :2006/12/08(金) 12:35:24.75 ID:vJGkW4150
- (;^ω^)「人生オタワ支部局長ww」
('A`)「思ったより難しかったな」
(*゚ー゚)「二人ともテストの出来はどうだった?」
('A`)「俺はぼちぼちってとこかな」
(;^ω^)「これは赤点の予感・・・ってとこだお」
今回のテストは公立とはいえ上位ランクのVIP高校
どの教科も基礎的だが、問題数が多くなかなか歯ごたえのあるテストだった。
(*゚ー゚)「ね、二人とも今日は暇?」
('A`)「特に予定はないけど」
( ^ω^)「僕はオールウェイズ暇人だおw」
(*゚ー゚)「じゃあさ、テストも終わったことだしカラオケに行かない?」
- 209: ◆NscXkUt6VE :2006/12/08(金) 12:40:43.20 ID:vJGkW4150
- ( ^ω^)「おっおww大賛成だおww」
('A`)(か、カラオケ…)
(*゚ー゚)「それじゃ駅前のマルKに行こうw」
( ^ω^)「おkww早くいって部屋とろうおw」
('A`)「お、おう」
・・・カラオケだって!?
カラオケなんて小さいころカーチャンとポケヌンマスター歌ったくらいで
こうやって友達と行くのは初めてだ。
- 211: ◆NscXkUt6VE :2006/12/08(金) 12:45:31.88 ID:vJGkW4150
-
(*゚ー゚)「三人で2時間お願いしまーす」
( ^ω^)「ふっふぅ、テストでたまったストレスを発散するおw」
(*゚ー゚)「303号室だって。それじゃいこっか」
('A`)(これがカラオケ屋かぁ・・・思ったより値段安いな)
俺たちは階段を上がり、303号室に入った。
( ^ω^)「ふぃ〜じゃあ僕はじっくり選曲するから先に歌っていいおw」
('A`)「えぇ!」
俺はブーンが最初に歌うと思っていたのだが・・・
いきなり歌えと言われても入力方法とかわかんねぇし
しかもなんだこの辞書みたいな分厚い本。
- 212: ◆NscXkUt6VE :2006/12/08(金) 12:49:54.29 ID:vJGkW4150
- (*゚ー゚)「あれ? ドクオ君ってもしかしてカラオケ初めて?」
('A`)「え、いやぁ全然! 中学のころはよく通ってたぜ」
見栄を張ってみた。
なんとなく、初心者という響きが嫌だった。
(*゚ー゚)「へ〜そうなんだw誰のの歌が好きなの?
しまった、音楽なんて興味ないから歌手なんて全然しらん。
('A`)「え、え〜まぁ幅広く歌うよ。歌手より曲重視っていうかそんなかんじ?」
- 214: ◆NscXkUt6VE :2006/12/08(金) 12:54:35.77 ID:vJGkW4150
- (*゚ー゚)「そうなんだw あ、私歌入れちゃっていい? ドクオ君先に歌う?」
('A`)「いやっお先にどうぞ!」
(*゚ー゚)「うんwじゃあ先に入れるね」
('A`)(あ、危ない所だった)
しぃは机の上にあるリモコンを取ると、分厚い本を見ながら数字を入力し送信ボタンを押した。
(*゚ー゚)「送信、と」
なるほど、歌を入れるにはあの本に載っているコードを入力し本体に送信すればいいらしい。
画面に歌名が表示され、メロディが流れ始める。
- 215: ◆NscXkUt6VE :2006/12/08(金) 12:58:32.35 ID:vJGkW4150
- (*゚ー゚)「〜♪」
( ^ω^)「おっおwこの曲、ドラマの主題歌で聞いたことあるおw」
俺も曲名は知らないが聞いたことがある歌だ。
しぃは歌声は綺麗で、音程も合っており素直に上手だと思った。
(*゚ー゚)「〜♪」
俺はしぃの歌声を聞きながらリモコンを物色する。
さっきの送信ボタンがこれか…
('A`)(ん、この歓声ボタンって何だろう?)
('A`)(ポチっとな)
「ヒューヒューパチパチパチ!!」
(;*゚ー゚)「〜♪」
( ^ω^)「ちょwww」
('A`)「ちょww」
- 217: ◆NscXkUt6VE :2006/12/08(金) 13:01:25.42 ID:vJGkW4150
- (*゚ー゚)「ふぅ、おしまい♪」
少しToらぶるがあったが、しぃは曲を歌い終えてはマイクを机に置いた。
( ^ω^)「ブラボーwww」
('A`)「いやー、うまかったよ」
(*゚ー゚)「えへへ、そーかな?」
( ^ω^)「しかし、まさか歓声ボタンを使うとは予想外だったおw」
('A`)「いや、あれは・・・まぁね」
(*゚ー゚)「もー、いきなりだったからビックリしたよ。罰として次はドクオ君!」
(;'A`)「え、えぇ!?」
しぃの歌声を聞き入ってて歌のことなんて考えてなかった。
でも、とりあえず歌の入れ方はわかったことだし知ってる曲を入れれば何とかなるかな・・・。
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