('A`) ドクオのペンは進まないようです

662名前: ◆NscXkUt6VE 投稿日: 2006/12/09(土) 14:48:06.92 ID:HFd9i4740
  



( ^ω^)「弁当、弁当、うっれしいなー」

('A`)「高校生にもなってその歌はねーよww」

昼飯の時間、俺とブーンは机を合わせ弁当を広げる。

(*゚ー゚)「おぉ、ブーンのお弁当おいしそうだね!」

( ^ω^)「だお? カーチャン手作りの弁当だお!」

川 ゚ -゚)「ふむ、母親は偉大だな」

俺達は4人で飯を食うようになっていた。

まぁこの時期になれば大体クラスもそれぞれのグループに分かれる訳で

うちのクラスは誰一人余ることなく、それぞれの居場所を見つけていた。



669名前: ◆NscXkUt6VE 投稿日: 2006/12/09(土) 14:52:46.02 ID:HFd9i4740
  

('A`)「ん、しぃのりんごうまそうだな」

(*゚ー゚)「あ、これ? おじいちゃん家から送られてきたんだ。ドクオ君も食べる?」

('A`)「おお、いいのか? サンキュー」

その時、何か思いついたのかしぃはニヤリと笑い

自分のフォークでりんごをとり、俺の口の方へ持ってくる。

('A`)「ちょwwwな、何?」

(*゚ー゚)「はい、あーんして〜」

川 ゚ -゚)「・・・!?」

( ;^ω^)「!?」

色々と嫌な視線が突き刺さる。

だが、しぃは微笑みながらその行為を続ける。



674名前: ◆NscXkUt6VE 投稿日: 2006/12/09(土) 14:56:50.91 ID:HFd9i4740
  

(*゚ー゚)「ほら、早く口開けて。あーんって」

('A`)「あ、あーん」

つい魅力的な提案にのってしまう。男とは愚かな生物だ。

川 ゚ -゚)「ふんっ!」

('A`)「ぶふぅ!?」

俺の口におにぎりが丸々一個突っ込まれる。

口の中が米で一杯になり、とてもあごが痛い。

川 ゚ -゚)「どうだ、嬉しいだろ? ドクオ、ん?」

目が笑ってない。

明らかにその目は怒りに満ち溢れている。

('A`)「い、いふぁふー、ふぉはいはっへ・・・(い、いやクー、誤解だって)」

川 ゚ -゚)「何が誤解だ? 私はただドクオに食料を恵んでやっただけだ」

(*゚ー゚)「く、くくく・・・」

( ;^ω^)(しぃちゃん確信犯かお・・・テラコワスww)



680名前: ◆NscXkUt6VE 投稿日: 2006/12/09(土) 15:01:15.83 ID:HFd9i4740
  



( ゚д゚ )「それじゃあ今日の授業はここまで」

チャイムが鳴り、6時間目を終えた教室はざわざわと騒がしくなる。

( ゚д゚ )「何度も言うが、先生は独身だからな?困ったことがあればいつでもきなさい女子生徒諸君」

ミルナ先生のお馴染みの台詞を、いつものようにスルーし帰る仕度をする。

(  ^ω^)「今日みんなでショッピングモールでもいかないかお?」

(*゚ー゚)「うん、いいね。そろそろ服とか買いたいし」

川 ゚ -゚)「そうだな。私に異論はない」

(  ^ω^)「おkwwドクオも大丈夫かお?」

('A`)「おお、俺は構わな・・・って、思い出した!」

俺はバックから急いで塾の教材を取り出す。

当然のように、真っ白。



682名前: ◆NscXkUt6VE 投稿日: 2006/12/09(土) 15:06:48.41 ID:HFd9i4740
  

('A`)「宿題・・・終わってねぇアヴァー」

( ;^ω^)「ちょwww宿題ってなんかあったかお?ずっと寝てたからわかんねww」

川 ゚ -゚)「いや、学校では宿題は出てないぞ。塾の宿題か?」

(;'A`)「ああ・・・こいつはちとやばい。すまん、今日はパスるわ!!」

俺はこの膨大な宿題を終わらすべく急いで家に向かった。



('A`)「くっそ、わけわかんねー」

つい口に出してしまう。

は瀬川塾のレベルは高く、一問に時間がかかるため

とてもやっつけで出来るレベルではなかった。

('A`)「だめだ、もう時間になっちまう。・・・仕方ないか」

半分ほど終えた所で時間の限界がきてしまった。

俺は自転車に乗り、は瀬川塾へと向かった。



684名前: ◆NscXkUt6VE 投稿日: 2006/12/09(土) 15:09:48.94 ID:HFd9i4740
  



( ^^ω)「ホマ?今なんていったホマ?」

('A`)「いや、あの宿題全部やってこれませんでした・・・」

( ^^ω)「ホマホマ、それじゃあ今日は授業受けれないホマ」

は瀬川塾長は残念そうに言う。

('A`)「え、どういうことですか?」

( ^^ω)「ホマホマ、それがこの塾の決まりなんだホマ。今日は帰るホマ」

('A`)「そんな・・・」

俺は塾長から次の分の宿題を貰うと、仕方なく塾から出る。

時間はまだ6時ちょっと過ぎ。

('A`)「今帰ったら宿題やってないのばれちゃうよな・・・」

俺は行くあてもなくブラブラし、近所の公園に入りベンチに座った。



687名前: ◆NscXkUt6VE 投稿日: 2006/12/09(土) 15:13:43.06 ID:HFd9i4740
  



('A`)「はぁー・・・」

缶コーヒーを飲みながら大きなため息を吐く。

俺は、甘かった。考えが甘すぎた。

半分もやったからいいだろう、と考えていた。

('A`)「今頃みんなはショッピングモールで買い物してるのかな・・・」

急に寂しさが襲ってくる。

昔は孤独に慣れていた。むしろ一人のが気楽でいいと思っていた。

けれど、今は一人でいる時、はちきれそうなくらい辛い。

・・・みんなに、会いたい。



691名前: ◆NscXkUt6VE 投稿日: 2006/12/09(土) 15:17:26.18 ID:HFd9i4740
  



( ^ω^)「いやーwwこの服は似合ってるかお??」

きらきらと不気味に光を反射する服をブーンは試着する。

(*゚ー゚)「うわっ気持ち悪い顔!!」

( ;^ω^)「おまwwwwww」

川 ゚ -゚)「なかなかいいんじゃないか?」

(*゚ー゚)「えー、全然似合わないよー」

( ;^ω^)「賛否両論かおーwww」

三人はショッピングモールで買い物を楽しんでいた。

そして、三人はモール内のミスツァードーナツに入る。

(*゚ー゚)「さて、ドクオ君のいない今のうちに聞きましょうか」

(  ^ω^)「聞きましょうか!」

ブーンとしぃは互いにクーの顔をキラキラとした目で見る。



693名前: ◆NscXkUt6VE 投稿日: 2006/12/09(土) 15:23:55.99 ID:HFd9i4740
  

川 ゚ -゚)「な、なんだ二人とも・・・」

(  ^ω^)(*゚ー゚)「ドクオとはぶっちゃけどこまで!?」

二人の声がぴったり合った。

川 ;゚ -゚)「な、何をいきなり言うんだ! 私とドクオはそんな関係じゃ・・・」

(  ^ω^)「ダウトォ!!」

(*゚ー゚)「ばればれだよww」

川///)「な、何を言ってるんだ!! わ、私はそんな・・・」

クーの顔が見る見る赤くなる。

ブーンとしぃはお互いに目を合わせ、ニヤリと笑う。



695名前: ◆NscXkUt6VE 投稿日: 2006/12/09(土) 15:26:33.81 ID:HFd9i4740
  

(  ^ω^)「まーほらほら、素直になるおww」

(*゚ー゚)「で、で、どっちから告白したの? やっぱドクオ君から?」

二人がはテーブルから身をのりだし、クーに質問を浴びせる。

川 ゚ -゚)「こ、告白!?」

クーがあからさまに動揺する。

( ;^ω^)「あれ? もしかして・・・」

(*;゚ー゚)「ま、まだなの?」

川///)「・・・」

クーが静かに首を縦に振る


( ;^ω^)(*;゚ー゚)「え、ええええー!!」

ミスツァードーナツ店内に衝撃が走った。



697名前: ◆NscXkUt6VE 投稿日: 2006/12/09(土) 15:29:46.00 ID:HFd9i4740
  



('A`)「ただいま・・・」

夜9時半、帰宅。

ちょうど塾が終わって家に到着する時間に合わせた。

(`・ω・´)「おう、ドクオお帰り!」

('A`)「あ、と、トーチャン・・・ただいま」

トーチャンの姿を見て、急にばれているのではないかという考えが過ぎる。

心臓の鼓動が早くなり、体に緊張が走る。

(`・ω・´)「どうだ、は瀬川塾の授業はやり応えがあるだろう」

('A`)「う、うん」

(`・ω・´)「父さんが高校の頃、は瀬川によく勉強を教えてもらってな・・・」

急に、罪悪感が襲ってくる。

トーチャンは、俺が今日塾の授業を受けてないことを知らない。

トーチャンの嬉しそうな声の一言一言が俺の心に突き刺さる。



702名前: ◆NscXkUt6VE 投稿日: 2006/12/09(土) 15:33:31.38 ID:HFd9i4740
  

(`・ω・´)「それじゃ、頑張れよドクオ!」

('A`)「・・・うん」

俺はトーチャンの目をみないようにして返事をする。

部屋に入り、急いで塾の教材を取り出す。

('A`)(取り返す・・・絶対この穴は埋める!!)

罪悪感を塗りつぶすように宿題を進める。

何故か、目頭が熱くなり涙が流れてくる。

('A`)(畜生・・・ちくしょー!!!)

俺は自分を責めるように夢中でペンを進めた。



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