( ´_ゝ`)兄者はバルトアンデルスのようです

676: ◆wUOiOOQQF. :11/09(日) 21:50 D6CtSLCr0

川 ゚ -゚)「……質問がおかしい、とは?」

兄者に視線を向けたまま、クーが言う。
それも、普段の無表情のままで。

だが、普段とは違う。

普段ならここで「質問に質問で返すな」なんて言いそうなものなのだが。
それを言わずネタに走らないということは、ふざける場面ではないというわけで。

( ´_ゝ`)「例えば、だ。俺がもし“死んでほしい”と言ったら――」

( ´_ゝ`)「お前はどうする?」

川 ゚ -゚)「マジギレする」

( ´_ゝ`)「即答でそれっすか」

川 ゚ -゚)「なんせ腹立つからな」



677: ◆wUOiOOQQF. :11/09(日) 21:51 D6CtSLCr0

川 ゚ -゚)「……で、言いたいことはそれだけか?」

やはり、いつもの無表情。
……こういう時も無表情なのは、少し困る。

自分の言っていることが正しいのか。
相手がどう思っているのか。それをまったく読み取れないから。

……でも、分かってるつもりではいる。

ここは、正しいとか間違ってるとか。
そんな理屈に沿った答え合わせみたいなものではない。

ただ、伝えればいい。

思っていること、伝えたいこと。
クーに聞いてほしいと思うことを、自分の言葉で言えばいい。

なんてことのない、ただそれだけのこと。

( ´_ゝ`)「……分ったよ、言えばいいんだろ。言えば」



678: ◆wUOiOOQQF. :11/09(日) 21:52 D6CtSLCr0

難しいことなんて何もない。
言えばいい。思ってることをありのままに。

……ただひとつ、恥ずかしいってことを除けば。

思うだけなら簡単なのだけれど。
こうやって面と向かって言うってのは……少し難しい。

それを強制するクーを卑怯だと思いながらも。

それがクーの待っている言葉ではないかもしれないとしても。

言わないと、ここが最後だから。
今言わなければ次は訪れそうにないから。

だから。

( ´_ゝ`)「……クー」

川 ゚ -゚)「……なんだ?」

ひとつ、大きく深呼吸をして。

( ´_ゝ`)「今から俺が何を言ったとしても……引くなよ」

伝える決心をした。



679: ◆wUOiOOQQF. :11/09(日) 21:53 D6CtSLCr0






















( ´_ゝ`)「俺は、お前が好きだ」



680: ◆wUOiOOQQF. :11/09(日) 21:54 D6CtSLCr0

……少しの空白。

彼女は引かなかった。
笑って馬鹿にすることもしなかった。

ただ、その瞳は真っ直ぐに、兄者だけを見ていた。

川 ゚ -゚)「……兄j」

( ´_ゝ`)「大好きだ。スーパー好きだ。
      むしろアルティメット好きだ。
      どの程度かっていうと、大体宇宙の広さ位かな?」

川 ゚ -゚)「極光――」

(;´_ゝ`)「ちょwwやめっwwww」

川 ゚ -゚)「……折角カッコよかったんだから。
     今ぐらいはカッコいいままでいてもいいだろうに」

( ´_ゝ`)「……はい?」

川 ゚ -゚)「まあ、しかし……アレだな。
     お前にだけ言わせておくのもアレだし。
     私も言いたいことを言わせてもらうとするか」



681: ◆wUOiOOQQF. :11/09(日) 21:55 D6CtSLCr0

川 ゚ -゚)「私も、お前が好きだ」

真っ直ぐに。

川 ゚ -゚)「だから……」

その瞳で、兄者を見据えたままで。

川 ゚ -゚)「私と一緒にいてほしい。ずっと一緒に」

ありのままの気持ちを、兄者に伝えた。

( ´_ゝ`)「…………」

川 ゚ -゚)「…………」

( ´_ゝ`)「…………」

川 ゚ -゚)「……兄者?」

( ´_ゝ`)「なあクー、このギャルゲー選択肢が表示されないんだが。バグか?」

川 ゚ -゚)「いや、現実だが」



682: ◆wUOiOOQQF. :11/09(日) 21:56 D6CtSLCr0

クーはそう言い、兄者の後方を指さす。

( ´_ゝ`)「……?」

それに合わせ、兄者は振り返る。

振り返った先にあったのは、小さな茂み。
よく公園なんかに植えられてそうな、そんな感じの。

そして、そこから――

从 ゚∀从「俺の名はペイジ」

(=゚ω゚)ノ「ジョーンズ」

( ゚д゚ )「プラント」

ミ,,゚Д゚彡「ボーンナム」

(;´_ゝ`)「えええぇぇぇぇえええ!!??」

みしったかおぶれがあらわれた。



683: ◆wUOiOOQQF. :11/09(日) 21:57 D6CtSLCr0

从 ゚∀从「俺は、お前が好きだwwww」

(=゚ω゚)ノ「大好きだwww」

( ゚д゚ )「むしろアルティメット好きだwwww」

从 ゚∀从「こっちみんな」

゚ ( д ) ゚「ファンネル!」

从 ゚∀从「うわきもっ」

ミ,,゚Д゚彡「どの程度かっていうと、大体宇宙の広さ位かな?」

( д ) ゚゚「キモさがか」

ミ,,゚Д゚彡「ちげーよ」

(;´_ゝ`)「しかも最初から見てたのかよおおぉぉぉッ!!」



684: ◆wUOiOOQQF. :11/09(日) 21:58 D6CtSLCr0

――数十分後。

その数十分の間、兄者は弄られ続けた。
全員が飽きるまで弄られたうえに「アルティメット」という称号をもらった。

……響きだけなら割と凄そうなのだが。

( ´_ゝ`)「――で、これは初めからこういうシナリオだったわけ?」

从 ゚∀从「まあ、大体はそうかな。ちなみに発案者はクーな」

( ´_ゝ`)「つまりアレか。ガラにもない俺の恥ずかしいセリフを聞いて
      みんなで楽しんじゃいましょーって企画か。新手のいじめか」

从 ゚∀从「そうだよ、アルティメット君」

(#´_ゝ`)「…………」

言い返したいけど言い返さない。
ムカつくけど我慢してる。兄者ちん、強い子っ。

(#´_ゝ`)「……楽しかったか? クー」

川 ゚ -゚)「満足した」

(#´_ゝ`)「……そりゃあよかったな」

川 ゚ -゚)「ああ、よかった」



685: ◆wUOiOOQQF. :11/09(日) 21:59 D6CtSLCr0

川 ゚ -゚)「……だがな、兄者」

(#´_ゝ`)「なんだ?」

川 ゚ -゚)「私がお前に言った言葉……あれは――」

川 ゚ -゚)「あれは、私の本心だ」

( ´_ゝ`)「……え?」

从 ゚∀从「おーい、なにしてんだよ!
     さっさと帰ってメシでも食おーぜ!!」

遠くからの呼び声。

見ると、ハイン他3人が兄者とクーを待っていた。
何か意味があってのことなのかどうなのか、やたら離れた位置に。

川 ゚ -゚)「おっと、もうそんな時間か。
     なら急いで戻らなければメシが食えなくなるな」

( ´_ゝ`)「ちょ……待ってくれ、クー!
      本心ってどのセリフ!? ねえ、どのセリフ!?」

川 ゚ -゚)「……さあな。体力のないヤツが〜のくだりじゃないのか?」

(;´_ゝ`)「待ってよクーさまああぁぁぁ」



686: ◆wUOiOOQQF. :11/09(日) 22:00 D6CtSLCr0

……こうして、今日という日も過ぎてゆく。

一時はどうなる事かと思ったけど。
結果的にはクーは流石家に残っている訳だから、成功なのだろう。

……成功なのだと思いたい。なんせ、色々あったから。

進歩も何もないけれど。
終わってしまうよりはよっぽどマシだと思う。

もし、今、進歩がなくても。

進歩したいなら、俺がこれから頑張ればいいんだろうし。

チャンスも時間もある。
ないのはルックスと性格と甲斐性ぐらいのもんだ。

……なんか、致命的にダメなような気もするけど。

まあいいさ。

これから、俺の頑張り次第なのだから。



687: ◆wUOiOOQQF. :11/09(日) 22:01 D6CtSLCr0
















          ( ´_ゝ`)兄者はバルトアンデルスのようです

                  お し ま い





















( ´_ゝ`)「これはひどい打ち切り」



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