( ´_ゝ`)兄者はバルトアンデルスのようです

692: ◆wUOiOOQQF. :12/20(水) 01:00 oq4mHNUZ0
  

本編が夏休み――というわけで……

勝手に番外編「妹者&ミルナ その2」



693: ◆wUOiOOQQF. :12/20(水) 01:01 oq4mHNUZ0
  

ある日の朝。
外はからっと晴れており、太陽がぎらぎらと輝いている――そんな、実に夏らしい気候。
夏休みに入った事で、流石家の朝は実にダラダラしたものとなっていた。
普段なら皆起床して、既に朝食を食べているような時間になっても、起きてる者は少なかった。

l从・∀・ノ!リ「クーにハイン。協力ありがとうなのじゃ!」

从 ゚∀从「礼を言われるほどの事じゃねーよ。なぁ、クー?」

川 ゚ -゚)「ああ。乙女の恋路を邪魔するような野暮ったい真似はさせん――ただそれだけだ」

起きているのは――どうやら女性陣3名のみ。
彼女らの話から察すると、妹者はこれからお出かけのようで。
男性陣(主に兄者――むしろ兄者のみ)に、その邪魔をさせない為にクーと高岡が協力――といったところか。

l从・∀・ノ!リ「ところで……兄者の足止めはどうやったのじゃ?」

从 ゚∀从「ああ、それなら落とし穴に落として捕獲用麻酔玉を2発当ててな――」

川 ゚ -゚)「そのネタ……前もあったような気がするんだが……」

从 ゚∀从「そうなのか? 似たような事考えるヤツもいるんだな」

高岡が言い終わったその直後。
玄関の方から――2回、ドアをノックするような音が響いた。

从 ゚∀从「おっ……どうやらご到着のようだな」

l从・∀・ノ!リ「いってくるのじゃ!」

妹者は別れの挨拶代わりに小さく手を振り、玄関へと駆けていった。

川 ゚ -゚)「いってらっしゃい――車には気をつけろよ」

从 ゚∀从「さて……もうひと眠りすっか!」

川 ゚ -゚)「だな」

この2人――もはやおばさんの領域である。



694: ◆wUOiOOQQF. :12/20(水) 01:02 oq4mHNUZ0
  

( ゚д゚)「おっはー!」

ドアを開けた玄関先。
そこ立っていたのは――妹者の彼氏、ミルナだった。
服装が普段とは違っており、今日はしっかりと着飾っている。

l从・∀・ノ!リ「おはようなのじゃ!」

挨拶と共に、ぴしっと敬礼する妹者。

( ゚д゚)「いやー。妹者ちゃんは今日もカワイイねえ」

l从・∀・ノ!リ「そういうミルナもカッコイイのじゃ!」

(*゚д゚)「照れるじゃないかwww」

l从・∀・ノ!リ「では――早速出発なのじゃ!」

( ゚д゚)「おー!」



695: ◆wUOiOOQQF. :12/20(水) 01:02 oq4mHNUZ0
  

しばらく歩いて。
着いた場所は、小さな映画館。
席を取れるようにと思い、早めにきたつもりだったのだが、わりと人が多かった。
しかも、その大半が――2人と同じ目的なのか――男女2人のペアだ。

そしてその中には……なにやら見慣れた人物も混じっているようで。

l从・∀・ノ!リ「……ツンとブーン?」

見つけたのは1組の男女。
もしや――と思い、背後からそっと声をかけてみる妹者。
その声に応えるように、その男女はゆっくりと振り向いた。

ξ゚听)ξ「あっ……妹者ちゃん!」

( ^ω^)「おひさだおwww」

妹者の思った通り、ツンとブーンだった。

ξ゚听)ξ「妹者ちゃんは今日もカワイイわねwww」

l从・∀・ノ!リ「ツンもカワイイのじゃ!」

ξ゚听)ξ「嬉しい事言ってくれるわねwww ところで……妹者ちゃんは1人できたの?」

( ゚д゚)「俺もいるぞ」



696: ◆wUOiOOQQF. :12/20(水) 01:03 oq4mHNUZ0
  

ぱっと手を上げ、存在感をアピールするミルナ。
そして――ミルナを見るなり急に顔をしかめるツン。
表情は急激に変化し、いつか見せた鬼の形相へと変貌した。

ξ#゚听)ξ「ここで会ったが百年目! 成敗してくれるわ!」

(;^ω^)「ちょwwwまだ根に持ってたのかよwwwww」

l从・∀・ノ!リ「ミルナー。何の話なのじゃ? 何でツンは怒ってるのじゃ?」

( ゚д゚)「なあに、気にするな。どうでもいい昔の事さ……」

ξ#゚听)ξ「どりゃ!」

(;゚д゚)「はぅあっ!」

(;^ω^)「おぅっ!」

ミルナの発言がツンの逆鱗に触れてしまったようで。
ツンの放った強烈な蹴りが、ミルナの股間にクリティカルヒット。
それを見ていたブーンも、自分が蹴られたかのように股間を手で押さえた。

ミルナは一声上げると、股間を押さえたままどさりとその場に崩れ落ちた。

ξ#゚听)ξ「セリフがいちいち感に触るんだよおおぉぉぉ! このクソがああぁぁぁ!」

(;^ω^)「落ち着けwwwww」



699:◆AAUP1sSsK.
12/21(木) 01:15 IwWRUMPR0
  

(;゚д゚)「う……うぅっ……右のタマがぁ……」

l从・∀・ノ!リ「ブーン。あそこを蹴られるとどれくらい痛いのじゃ?」

(;^ω^)「そりゃもう……痛いってレベルじゃないほど苦しいお」

大事な部分を押さえて、ミルナはよろよろと立ち上がった。
それを見たツンは――さらにもう一撃加えようと、右足を1歩引いて蹴りの体勢を取る。

(;゚д゚)「ちょっ――マジ――死ぬ――!」

ξ#゚听)ξ「問答無用ッ!」

(;゚д゚)「待て待て! マジでタマタマが片方潰れたって!」

ξ#゚听)ξ「聖書にも書いてあるわ! 右のタマタマが潰れたら、左のタマタマも潰せ――ってね!」

(;゚д゚)「ねーよwwwww」

(;^ω^)「2人とも落ち着くお! みんなに見られてるお!」

ξ゚听)ξ「……はっ!」



700: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:16 IwWRUMPR0
  

ブーンの言葉を聞いて、ツンは我に返った。
そして、恥ずかしさのあまり、みるみるうちに顔を赤く染めてゆく。
大声でタマタマとか叫んでたのを大勢に聞かれたのかと思うと――恥ずかしいったりゃありゃしない。

ξ////)ξ「ちょ……なんでもっと早く言わないのよ!?」

(;^ω^)「いや、これはツンが暴れたせいであって……つまりは自業自得で……」

ξ////)ξ「いいから早く中に入るわよっ!」

ツンはブーンの手を掴み、民衆の視線から逃げるように映画館の中に入って行った。

(;゚д゚)「わーい……助かった……」

l从・∀・ノ!リ「……ミルナ、顔色が悪いのじゃ。 大丈夫なのじゃ?」

(;゚д゚)「大丈夫……多分だけど。それより……俺達も入ろうぜ」

よろよろと立ち上がるミルナ。
足元がおぼつかないミルナを妹者が支え、2人はツン達の後を追った。



701: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:16 IwWRUMPR0
  

――館内

少し時間が経ち、直に上映開始といった時間。
空調が効いているので暑くはないが、人々の熱気が妙にむさ苦しい。

( ゚д゚)「いやー、映画なんて久しぶりだな。それにしても右のタマが痛い」

l从・∀・ノ!リ「ミルナはあんまり映画は観ないのじゃか?」

( ゚д゚)「ああ……映画館で観たのはミュウツーの逆襲が最後かな。それにしても右のタマが痛い」

l从・∀・ノ!リ「へぇ〜……」

( ゚д゚)「おっ……そろそろ始まるぞ。それにしても右のタマが痛い」

ξ゚听)ξ「……さっきからなんなの? ひょっとして――左も潰せって言ってるのかしら?」

( ゚д゚)「――おっと、急に痛くなくなったぞ? なんでかなー」



702: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:17 IwWRUMPR0
  

――上映中

4人がどんな映画を観ているのかは、ご想像にお任せします。
なお――上映中は他のお客様に迷惑のかかるような行為はご遠慮ください。



703: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:17 IwWRUMPR0

――上映終了

ξ゚听)ξ「わりと面白かったわね?」

( ^ω^)「う〜ん……そうだったかお?」

ξ゚听)ξ「……寝てたのか」

( ^ω^)「はいwwwサーセンwwwww」

上映が終わり、スクリーンにはスタッフロールが流れている。
他の客と同じように、出口へと向かうツンとブーン。
映画鑑賞の後にありがちなやりとりを交わしながら、人ごみの中を少し遅めの歩調で歩く。

ξ゚听)ξ「……あれ?」

ふと、立ち止まるツン。
先程まで近くにいた筈である人物がいない事に気づき、辺りを見渡す。

ξ゚听)ξ「妹者ちゃんと――あのバカが見当たらないわ」

( ^ω^)「あれ? さっきまではいた気が……」

ξ゚听)ξ「先に出たのかしら……?」



704: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:18 IwWRUMPR0
  

映画館から少し離れた場所にある、小さな運動公園。
夏休み――ということもあり、子供連れの夫婦や若いカップル、遊びに来ている子供達でにぎわっている。

( ゚д゚)「いやー、早めに出て正解だったな。すんなり出られて」

l从・∀・ノ!リ「そうなのじゃ!」

映画館を出たミルナ達は、その公園に来ていた。
ミルナは水道があるのを見つけると、眠気覚ましに軽く顔を洗い流した。

( ゚д゚)「……ふぅ。やっぱりじっとしてるのは性に合わねーな」

l从・∀・ノ!リ「映画……面白くなかったのじゃ?」

あまり楽しくなさそうなミルナの表情を見て、妹者は残念そうにうつむいた。

( ゚д゚)「映画は面白かったけど……長時間じっとしとくってのがちょっとな……」

( ゚д゚)「どっちかって言うと――俺はアウトドア派だしな」



705: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:18 IwWRUMPR0
  

l从・∀・ノ!リ「なら、今からバドミントンなのじゃ!」

( ゚д゚)「バドミントンって――道具がないから無理じゃね?」

l从・∀・ノ!リ「そこにラケットが落ちてるのじゃ」

妹者はそう言うと、ミルナの足元を指差した。
ミルナは視線を落として見ると、そこには真新しいラケットが1本、不自然に落ちていた。

( ゚д゚)「……フツー、ラケットは落ちてないよな?」

しかも――ほぼ新品同様のラケットが。
古いものであれば放棄したとも考えられるが――まだ新しいものを捨てたりするだろうか?

706: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:18 IwWRUMPR0   

「ふふふ……流石だなミルナ」

――突然、どこからともなく声が聞こえてきた。
幾度となく聞いた事のある、妙に演技めいた声。

( ´_ゝ`)「――なんと、ラケットは兄者だった!」

ラケットが、ボンと小さな音を立てて爆発。
そして――噴煙の中から兄者が姿を現した。

( ゚д゚)「ちょwwwなにやってんのwwwww」

( ´_ゝ`)「左舷、弾幕薄いぞ!」

( ゚д゚)「ちゅどーん」

( ´_ゝ`)「アッー! 左舷がああぁぁぁ!」



707: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:19 IwWRUMPR0
  

( ゚д゚)「――で、なんで兄者がここにいるんだ?」

l从・∀・ノ!リ「そうなのじゃ。クーとハインに足止めしてもらってる筈なのに……」

本題に入るのが遅い。

( ´_ゝ`)「ヒント:バルトアンデルス」

( ´_ゝ`)「小動物に変化して落とし穴から脱出し、鳥となって2人を追跡」

( ´_ゝ`)「その後、ばれぬように2人に接近し――今に至る」

( ´_ゝ`)「この年でおじさんにされてはかなわんからな――」

( ゚д゚)「ちょwwwそんなつもりはねーよwwwww」

(#´_ゝ`)「 だ ま ら っ し ゃ い ! 人の妹を勝手に連れだしおって!」

(;゚д゚)「ちょ――うわなにするやめr」

(#´_ゝ`)「天誅!」



708: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:50 IwWRUMPR0
  

兄者VSミルナの死闘は夕方まで続き――

――流石家

玄関を開けて、3人が家に戻ってきた。

l从 ― ノ!リ「……せっかく……ミルナとふたりっきりだったのに――」

不機嫌そうに顔を膨らませている妹者。

(#)_ゝ`)「やるじゃねーか……ミルナ」

(#)д゚)「なあに。お前のパンチにはかなわねーぜ……」

(#)_ゝ`)「俺のパンチなんて――お前の熱いハートには勝てないさ」

なんかキモい事を言っている2人。

从 ゚∀从「おかえりー……って、なんで兄者が!?」

高岡が聞くが、2人は何も答えずに通り過ぎていった。

从 ゚∀从「……なんだあいつら?」

l从 ― ノ!リ「なのに兄者が……」

从 ゚∀从「――? どうしたんだ妹者?」

l从 ― ノ!リ「兄者なんて――キライなのじゃ……」

从 ゚∀从「……え? よければkwsk聞かせてくれないか? 妹者ちゃん」

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709: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:50 IwWRUMPR0
  

妹者から話を聞いた高岡は、クーの元へと走った。

从#゚∀从「クー!」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

从#゚∀从「説明は後だ! 兄者を殺すから手伝ってくれ!」

川 ゚ -゚)「うむ。把握した」



710: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:51 IwWRUMPR0
  

从#゚∀从「兄者ァァー!!」

(#)_ゝ`)「ん?」

从#゚∀从「てめえ――妹者ちゃんのデートを邪魔したらしいな?」

(#)_ゝ`)「いや、あれは妹者の為を思って――」

从#゚∀从「言い訳は聞かん! いくぞクー!」

川 ゚ -゚)「うむ!」



711: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:51 IwWRUMPR0
  

从 ゚∀从「これは妹者のぶんッ!」

(#)_ゝ`)「はい?」

从*゚∀从「……一度言ってみたかったんだよなあ。このセリフ」

川 ゚ -゚)「高岡――いくぞ!」

从 ゚∀从「おう!」



















川 ゚ -゚)「大いなるフォルスよ、我らに奇跡を――」

从 ゚∀从「刹那は無限。その一瞬に我が全てを賭ける!」


















川 ゚ -゚) ゚∀从「 翔 破 裂 光 閃 ! 」

(#)_ゝ`)「ぬわーっ!」

(#)д゚)「アガァーッ!」



















从 ゚∀从「……妹者。仇はとったぜ!」

川 ゚ -゚)「関係ないヤツまで巻き込んだ気がするが――まあいいか」



712: ◆wUOiOOQQF. :12/21(木) 01:55 IwWRUMPR0
  

(´<_` )「妹離れできない兄……か」

(=゚ω゚)ノ「きめえwwwww」

(´<_`*)「逆だったら……なかなかの萌え設定なんだがな」

(=゚ω゚)ノ「コイツもきめえwwwww」



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