( ´_ゝ`)兄者はバルトアンデルスのようです

356: ◆wUOiOOQQF. :07/15(日) 23:50 yQR8ccFQ0

以下番外編のオマケ

「ビックリマンチョコのシール」

何年か前の2弾ぐらいまでしか知らないけど気にしない。

357: ◆wUOiOOQQF. :07/16(月) 01:15 mf/VExe50

( ´_ゝ`)「今年のバレンタインは1個か……」

ああ、かなしいかな。

貰ったのはたったの1個。
しかも、価格60円のビックリマンチョコときたもんだ。

从 ゚∀从「いーじゃん、いつもはどうせ1個もないんだろ?」

( ´_ゝ`)「失礼な。俺だってチョコの1個程度は貰えてるぞ」

川 ゚ -゚)(なんと!!!?)

兄者の言葉に、クーがピクリと反応した。
「チョコを貰っている」という節が気になったのだろうか。

まあ、その反応は当然といえば当然なのかもしれないが。

从 ゚∀从「へぇ〜……で、誰に?」

( ´_ゝ`)「ふっ……そりゃあ、もちろん……女の子からでげす」

从 ゚∀从「いいから早くソイツの名前を言え」

答えが実に苦しい。
なんか語尾もサンダードリフトの人っぽくなってるし。



358: ◆wUOiOOQQF. :07/16(月) 01:15 mf/VExe50

(;´_ゝ`)「そりゃあ、アレだ。けっこうかわいい子だぜ!?」

从 ゚∀从「そうかそうか。んで、名前は?」

(;´_ゝ`)「えっと、その、うーん……」

从 ゚∀从「あ、ちなみに脳内ってオチはナシな」

なんという牽制……。
言い訳の芽を摘んでおくとは……ハインリッヒ高岡、おそろしい子!

(;´_ゝ`)「失敬な。ちゃんと3次元の話だぞ……一応」

川 ゚ -゚)「分かったから早く名前を言え」

(;´_ゝ`)「なんでクーまでもが……」

川 ゚ -゚)「さあ! 誰!? 誰ッ!? ダレッ!!?」

从#゚∀从「それを俺が聞いてるんだぁあああぁーーッ!!!!」

川#゚ -゚)「それを私だって知りたいんですよぉおおぉおおぉッ!!!!!」

( ´_ゝ`)「落ち着けよ」



359: ◆wUOiOOQQF. :07/16(月) 01:16 mf/VExe50

从 ゚∀从「さあ!」

川 ゚ -゚)「言え!」

(;´_ゝ`)「……ぅ、わかったわかった! 言えばいいんだろ、言えば!」

気迫負け、というのか。
2人の迫力に押し負け、兄者はついに観念した。

川 ゚ -゚)「よし! 言え!」

从 ゚∀从「言え! そして死ね!」

ああ。
なんか関係ない事まで言われてるような気がする。
まあ、聞き間違いだろう。たぶん。きっと。おそらく。

(;´_ゝ`)「言うから! 言うからおじいちゃんのをふまないで!」

川 ゚ -゚)「把握」

从 ゚∀从「さあ言え。早く言え」



360: ◆wUOiOOQQF. :07/16(月) 01:16 mf/VExe50

……そして、兄者の口がゆっくりと開いた。

そこから出たのは、とても小さな音だった。

ポツリと。
それは本当に小さい声。

消え入りそうなほど儚げで。
しっかりと聞いていなければ、おそらく聞き取れなかっただろう。

言葉としては認識しにくかったが、なんとなく理解できた。

最初の文字が「い」で、最後が小文字の「や」だった……これは断言できる。

……そう、つまり。

「い」で始まり、小文字の「や」で締めくくられる人物。

そんな名前をクー達は知っていて、本人に会った事すらあるほど、身近な人物。

( ´_ゝ`)「妹者」

妹者だった。



361: ◆wUOiOOQQF. :07/16(月) 01:16 mf/VExe50

从 ゚∀从「哀れwww」

(;´_ゝ`)「笑いたきゃ笑えよ、もうどうでもいいし」

もう、本当にどうでもいい。
達観というか諦観というか、とりあえずどうでもいい。

从 ゚∀从「あーっはっはっはっはっはっwwwへっへへはははwwwww」

从 ;∀从「へははははwwwやっべ、笑いすぎて涙出てきたwwwww」

从 ;∀从「はははははhげほっガホッ! きっ、気管によだれがあははははwwwww」

咳き込みながら、なおも笑い続ける高岡。
もうどうでもいいし、それ以前にどうしようもない。

( ´_ゝ`)「なあ、クー。高岡が爆発したんだが……どうすればいい?」

川 ゚ -゚)「ほっとけ。どうせ直に治るさ」

一方、クーは。
高岡とは正反対で、いつものように落ち着き払っているように見える。

どことなく嬉しそうにも見える気もするが……まあ、勘違いだろう。

( ´_ゝ`)(これが大人と子供の差ってヤツか……参考になるな)



362: ◆wUOiOOQQF. :07/16(月) 01:17 mf/VExe50

兄者はビックリマンチョコを取り出し、そのまま口へ。

高岡によって傷つけられた心を少しでも癒そう。
兄者はそう思い、取り出したチョコを一気に一口でたいらげた。

疲れた体にはチョコがいい。
そんな感じな事を、フィルチ先生が言っていたような気がして。

( ´_ゝ`)「あれ、どうして……なんで酸っぱいんだろう……?」

それは誰にも分からない。
分からないだろうし、分かっても意味がないものだ。

今、この瞬間に受けた屈辱は、今でしか払う事はできないだろうから。

川 ゚ -゚)「ところで兄者。シールはなにが入っていたんだ?」

( ´_ゝ`)「いや、まだ見てないが……興味あるのか?」

川 ゚ -゚)「まあな。シールがメインでチョコがオマケだろう?」

おいおい。
自分で認めやがったよ、このねーさん。

まあいいや。
とっととシールの確認を済ませてしまおう。

兄者はそう思い、袋に手を突っ込んで確認してみたが――

( ´_ゝ`)「シールシール……って、あれ? シール入ってないじゃん」



363: ◆wUOiOOQQF. :07/16(月) 01:17 mf/VExe50

(;´_ゝ`)(……落ち着け、クールになれ流石兄者!)

兄者は考える。
シールはどこに消えたのかを。

(;´_ゝ`)(シールが入ってなかった……? いや、その可能性は低いッ!!)

兄者は考える。
さっきの酸っぱい味は何だったのかと。

(;´_ゝ`)(心の涙の味かと思ったが……違ったのか? まさか……ひょっとして……)

兄者は思い出す。
チョコを食べている時、妙な感触があった事を。

(;´_ゝ`)「……あ」

兄者は悟った。

( ´_ゝ`)「やっべ、シールも食ったわ俺」

チョコと一緒に、シールも腹の中に送り込んだという事実を。

川 ゚ -゚)「めでたしめでたし、ってヤツだな」

( ´_ゝ`)「めでたくねーよ」



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