- 1: ◆G4YeARAQJk :2008/05/04(日) 00:02:15.45 ID:HHh5n93b0
- 閲覧注意
- 2: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:03:09.33 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「やぁ、ドクオ。お久しぶり」
('A`)「よう、久しぶり……っておい。何日ぶりだよ」
(´・ω・`) 「うーん、忘れちゃったな」
('A`)「学食なんて来るヒマあったら講義行けよ。講義」
(´・ω・`) 「ああ、そうだね。
でもそれどころじゃなかったんだよ。いろいろ大変で」
('A`)「単位取るよりもか?」
(´・ω・`) 「うん。いろいろあって」
('A`)「いろいろ、って何だよ。
あー、アレか? ついに彼女でもできたか?」
(´・ω・`) 「いやちg」
(#'A`)「俺はお前を信じてるからな! 抜け駆けしたら殺すからな!」
(´・ω・`) 「だから違うって。なんでいきなりキレるんだよ」
('A`)「なんだ、違うのかよ。ツマンネ」
- 6: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:05:52.98 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「怒るのか落胆するのか、どっちかにしてくれないかな」
('A`)「いや、別にどうでもいいんだ。むしろ女なら、体験談をkwsk」
(´・ω・`) 「知らんがな」
('A`)「ちぇ。じゃ何だよ。女じゃないとすれば金か? むしろ男か? ksmsか?」
(´・ω・`) 「君の頭の中にはセクロスと金しかないのか」
('A`)「じゃあ他に何があんだよ。世の中、突き詰めりゃ金とセクロスしかないだろ」
(´・ω・`) 「まぁ、否定はしないけど。極論だよね」
('A`)「勉強しなくてもお金がもらえて、セクロスしほうだいの国に行きたいです」
(´・ω・`) 「行けよ」
('A`)「うわ、突き刺さる。胸に突き刺さる」
(´・ω・`)(←あえてフォローしない)
('A`)「……」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「なんだよ」
- 9: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:09:18.08 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「いや、ね」
('A`)「一応優等生ちゃんのお前がサボリなんて、よっぽどの事情があったんだろ。言えよ」
(´・ω・`) 「なに、大したことじゃないんだ」
('A`)「ホントに?」
(´・ω・`) 「ホント」
('A`)「語学捨ててまで休んで、大したことじゃない、ね。
俺が信じると思うか?」
(´・ω・`) 「ああ……いや、ごめん。実はけっこう一大事」
('A`)「ほれ見ろ」
(´・ω・`) 「いや、でも凄く言いづらい内容なんだよ。これはホント」
('A`)「んだよ、水臭いこと言うなよ。俺とお前の仲だろ? な、ショボン。
だから教えて! このとーり! お願いぷりーず!」
(´・ω・`) 「お前マジ馴れ馴れしいな」
('A`)「ひどくね?」
- 10: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:11:45.29 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「ごめんごめん。いや、ほんとに大したことじゃないんだよ」
(´・ω・`) 「……実を言うと」
(´・ω・`) 「ちょっと、幼女を拾ってね」
('A`)「ぶふぉっ!」
(´・ω・`) 「うわっ。汚ね」
('A`;)「スマン聞こえなかった。もう一回頼むわ。何を拾ったって?」
(´・ω・`) 「だから、幼女だよ」
('A`)「ぶふぉっ!」
(´・ω・`) 「うわっ。汚ね」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) 「幼女」
('A`)「ぶふぉっ!」
(´・ω・`) 「いやもういいから」
- 11: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:14:34.47 ID:HHh5n93b0
(´・ω・`) ('A`)ぼくらはエコロジストのようです( ^ω^)
- 13: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:17:17.22 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「……ああ。スマン。
つーか何言ってんだよ。お前ってそういうジョーク言うキャラだったっけ?」
(´・ω・`) 「うん、済まない。
残念ながら本当なんだ」
('A`)「……mjd?」
(´・ω・`) 「mjd」
('A`)「ウソこけ」
(´・ω・`) 「本当さ」
('A`)「……」
('A`;)「幼女ってあの……つるっとしてぺたっとして、ロリっとした感じのアレか?」
(´・ω・`) 「まぁ、他にはないよね」
('A`;)「……」
- 14: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:20:01.01 ID:HHh5n93b0
- ('A`;)「だ、だけどなー、リアルはやばいだろ……常識的に考えて。警察行ったのか?」
(´・ω・`) 「いや、行ってないよ。それに、今から行っても……ね」
('A`)「なんだよその含みを持たせた言い方は」
(´・ω・`) 「まあ、いろいろあるのさ」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「……」
('∀`)「わーった、わーった。そこまで言うなら聞いてやるよ。お前の幼女トーク。
言っとくけど、俺は幼女にはうるさいからな?」
(´・ω・`) 「そう言ってもらえると嬉しいよ。
僕も、実はちょっと困ってたんだ。聞いてもらえると助かる」
('A`)「おう。どーんと始めてくれや」
('A`) ……
('A`*)……ハァハァ
(´・ω・`) 「きめぇwwwwww」
('A`)「うっせ」
- 16: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:22:46.12 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「じゃあ、一番最初から話をしようか。
――前の飲み会、覚えてるかい?
僕と、君と、ブーンとツンとクーの5人で行った」
('A`)「ああ。覚えてるよ。日付は忘れたが。
つーか忘れたくても忘れられない訳だが」
(´・ω・`) 「全くだよ。まさかクーが脱ぎ魔とは、意外だった」
('A`)「ツンも大トラだったよな。俺殺されるかと思ったわ」
(´・ω・`) 「ブーンとツン、あれからどうしたのかな」
('A`)「さぁな。ツンがブーンをフルボッコにして、引きずって夜の街に消えていったのまで覚えてる」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「……話を戻そうか」
('A`)「ああ」
- 17: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:26:00.07 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「それで、あの飲み会の後のことなんだけど」
('A`)「ああ」
(´・ω・`) 「僕の部屋、駅から遠くにあって、結構歩くんだよね。
しかも農地の脇を抜けていかなくちゃいけないところがあって、そこは街灯もロクにない」
('A`)「知ってるよ。去年の暮れに一緒に歩いたところだよな? 俺が用水路に落ちた」
(´・ω・`) 「そうそう。
……で、その辺りに差し掛かった時にね。遠くから、微かに声が聞こえるんだ」
('A`)「声って、どんなだよ」
(´・ω・`) 「どんな……って、そんなにはっきり聞こえた訳じゃないんだ。
息遣いというか呼吸音というか。微かに……すーっ、ふーっ、って」
('A`)「お前まさか、幼女って子犬とか子猫じゃねーだろうな」
(´・ω・`) 「違うよ。まあ聞いてって」
- 19: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:28:45.53 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「なにぶん、暗いから。
聞き耳を立てながら、慎重に歩き回って声の主を捜した」
('A`)「放っときゃいいのに」
(´・ω・`) 「目の前で用水路に落ちて骨折する人が出るような場所だからね」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「で、また怪我人でもいるのかな、と思って、探したんだ。
酔ってて、気も大きくなってたし。
2、3分は手探りで歩き回ったかな? ――そしたら、いたんだよ」
('A`)「その……幼女が、か?」
(´・ω・`) 「ああ」
(´・ω・`) 「もっとも、そのときは女の子だって分からなかったけどね。
農地の脇の植え込みに紛れるようにして、座り込んでたんだ」
- 20: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:30:23.38 ID:HHh5n93b0
*
ζ( ー *ζ『……』
*
- 23: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:32:58.71 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「体育座りみたいに膝を抱えてうなだれてたから、顔はよく見えなかった。
でも、何より気になったのは、その娘は……全裸だったんだ」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「それに、よく見てみると、髪も、うなだれた首元も、肩も、細い脇も……全身、泥まみれなんだ。
興奮するよりも先に血の気が引いたね。犯罪がらみじゃないかって、そう直感した」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「どうしたんだい? ドクオ」
('A`)「……泥まみれでうずくまってる全裸の幼女、ね。
犯罪臭プンプンだろそれ。流石の俺もハァハァできなかった」
(´・ω・`) 「いやそれ正常だろ」
('A`)「俺にとっては問題なの!」
(´・ω・`) 「知らんがな」
- 24: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:35:21.66 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「……まあ、いいよ。
それで、どうしたんだよ」
(´・ω・`) 「僕も迷ったよ。見なかったことにしようか、どうしようか。
で、さんざん迷ったあげく、部屋に連れて帰ることにした」
('A`)「犯罪者乙」
(´・ω・`) 「仕方ないだろ? あの辺、交番もろくにないんだ。
あったとしても、素っ裸の女の子を連れ歩いたりしたら、間違いなく逮捕されるの僕だし」
('A`)「確かに」
(´・ω・`) 「だから、一旦部屋に連れて帰って、服でも着せてあげてから……そう思ったんだよ」
('A`)「携帯で通報すればよかっただろ」
(´・ω・`) 「あの日、僕の携帯に酒こぼして再起不能にしたの誰だったっけ?」
('A`)「正直スマンカッタ」
- 27: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:38:11.61 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「うん。分かってくれればいいんだ。
で、ひとまず連れ帰ろうとしたんだけど」
('A`)「だけど?」
(´・ω・`) 「少し――いや、少しどころじゃないか。おかしかったんだよ、その娘」
('A`)「おかしかったって何が? ふたなりだったとか?」
(´・ω・`) 「んな訳あるかアフォが。ぶち殺すぞ。黙って話を聞け」
('A`)「……お前さ、時々怖いよな」
(´・ω・`) 「そうかな? まぁ、僕のことはどうでもいいんだ。
それで、その娘なんだけど」
- 30: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:40:20.37 ID:HHh5n93b0
*
『……おーい、大丈夫ですか?』
ζ(゚ー゚*ζ『……? うーぅ、あぅ、あーっ』
『ちょ、そんなにしがみついて――うわっ。
ちょっと待った。タイム! ターイム!』
ζ(゚ー゚*ζ『あーっ。あーっ』
ζ(^ー^*ζ『ふふ、うふふっ。ふふふふっ♪』
*
- 33: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:42:13.11 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「言葉が、通じなかったんだよね。
話しかけても、返事は『あー』とか、『うー』とか。
挙げ句の果てに、僕の服の裾を掴んでにたにた笑ってるんだ。正直怖かったね」
('A`)「そうか? 俺はイけるが」
(´・ω・`) 「イくなよ」
('A`)「そういうのが流行った時期があんだよ。
が、がお……」
(´・ω・`) 「葉鍵厨は巣に帰れ」
('A`#)「神聖なる鳥の詩を誰彼100円と一緒にすんじゃねぇ!」
(´・ω・`) 「僕はLeafひとすじだけどね」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「……」
(´・ω・`)('A`)「ケツネギフォーメーション!」
- 34: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:43:58.63 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「よし決まったな。次行くぞ、次」
(´・ω・`) 「ねぇ。僕一応真面目に話してるんだけど」
('A`)「真面目に幼女トークか? んな真面目があるわけねぇだろ」
(´・ω・`) 「分かったよ。分かりました。君がそうしたいなら、話半分に聞いてればいいよ」
('A`)「……」
('A`)「しゃべれなかったのか? その娘」
(´・ω・`) 「なんだよ。茶々入れたと思ったら。
君だって気になってるんじゃないか」
('A`)「別にいいだろ。教えろよ。
その娘、しゃべれなかったんだな?」
(´・ω・`) 「あ、ああ。そうだよ。会話が、できなかったんだ。
先天的なものか、後天的なものかまでは全然分からなかったけど――」
('A`)「ふーん」
(´・ω・`) 「……なんだよ。急に真面目な顔になったと思ったら、反応薄いな」
('A`)「……まあ、気にスンナ切開」
- 36: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:45:43.14 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「……で?」
(´・ω・`) 「さっきからころころ態度変わるね、君。
何か気になることでもあった?」
('A`)「いや、べっつにぃ〜」
(´・ω・`) 「あ。今のちょっとイラッと来た」
('A`)「ですよねー」
(´・ω・`) 「全く君は……まあ、いい。
それで、だよ」
(´・ω・`) 「さんざん苦労して、その娘をおぶって帰ったんだ。
でも背中で暴れるし、僕の顔を引っ張るし。泥まみれで暴れるから、僕の服までどろどろさ」
('A`)「お前確かあの日、おニューのジャケット着てなかったっけ?」
(´・ω・`) 「捨てたよ。裏地まで泥が染み通ってた」
('A`)「なんというガンコな汚れ」
(´・ω・`) 「君が今着てるユニクロのパーカー16枚分くらいの値段だったんだけどな」
- 37: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:47:42.99 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「ボロは着てても心は錦、だろ?」
(´・ω・`) 「心はもっとボロだよね、君」
('A`)
('A`)「うるさい黙れ服の話は服スレでやれさっさと続き話せ」
(´・ω・`) 「はいはい、分かりましたよ」
(´・ω・`) 「何とか部屋までたどり着いたら、もうへとへとだった。
結構大声出してたから、いつ通報されるかと気が気じゃなかったよ」
('A`)「ま、最初の状況がどうであれ、全裸の幼女おぶって歩いてるの見付かったら一発アウトだよな」
(´・ω・`) 「あの時は寿命が縮む思いだったね」
('A`)「それで、ついにお前が幼女とニャンニャンちゅっちゅする場面に移るわけだな」
(´・ω・`) 「……何も、してないって。何も。
……身体は洗ってあげたけど」
('A`)「……何……だと?」
- 39: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:49:25.85 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「いやだから……身体を」
('A`#)「洗いっこだぁ? てめぇこのなんて羨ましいことをあばばばあばあwせdrftgyふじこlp;@:
ξ゚听)ξ「いつも仲良しで大変よろしいことね、お二人さん。
今度は身体の洗いっこ?」
('A`)「……ああ、うるせー奴が来た」
ξ゚听)ξ「ご挨拶ね。あんたらには負けるわよ」
(´・ω・`) 「やぁ、ツン。お久しぶり」
ξ゚听)ξ「アンタ、最近顔見せなかったと思ったら男に走ったの? ま、どうでもいいけど」
(´・ω・`) 「ご挨拶だね。僕は至ってノーマルさ。今だってドクオじゃなくて幼j」
('A`)「いまはやめとけ。空気読んどけ」
(´・ω・`) 「おっと、失礼」
ξ゚听)ξ「……?」
- 41: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:51:10.70 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「お前こそ、あの後ブーンとどうしたんだよ。二人でしっぽりか?」
ξ*゚听)ξ「ち、違うわよ! ちょっとヤキ入れてやっただけ!」
(´・ω・`) 「ホントに?」
ξ*゚听)ξ「ホントよ。包茎治してきたら考えてもいいけど――じゃなくて!」
('A`)「……ブーンには本気で同情するわ」
(´・ω・`) 「禿同」
ξ゚听)ξ「うっさいわねアンタら……まぁいいわ。
そのブーンなんだけど、最近大学に来てるの? 見かけないんだけど」
('A`)「あーあ、結局そういうコトかよ。どう思います? ショボン先生」
(´・ω・`) 「……」
(´-ω-`) 「死亡確認」
('A`)「王大人! 出た! 王大人出た! 得意技! 王大人出た!
王大人! これ! 王大人出たよ〜〜!」
ξ゚听)ξ「死ね」
(´・ω・`) 「ネタにマジレス乙」
- 43: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:53:11.51 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「わりぃけど、ブーンも最近見てないぜ。また新作のエロゲでもやってんだろ」
(´・ω・`) 「僕と違って、数日続けてサボりなんてザラにあるからね」
ξ゚听)ξ「……」
ξ゚听)ξ「そうね。別に気にするほどのコトじゃないわね」
('A`)「そーゆーこと」
ξ゚听)ξ「それじゃ、お邪魔したわね。二人でゆーっくり交流を深めてちょうだい」
(´・ω・`) 「そうさせて貰うよ。なんか引っかかる物言いだけど」
ξ゚听)ξ「……」
(´・ω・`) 「なんだい? 僕の顔に何か付いてる?」
ξ゚听)ξ「アンタ、ちょっと痩せた? 水なんて飲んでないでなんか食べたら?
せっかく学食来てるんだから」
(´・ω・`) 「ああ、いや。いいんだ。なんか最近、食欲がなくて」
('A`)「ショボン様は恋煩いの真っ最中なんだとさ」
(´・ω・`) 「お前ちょっと表出ろ」
- 44: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:55:54.80 ID:HHh5n93b0
- ξ゚听)ξ「ま、アンタの体調なんて別にどうでもいいけど。
ブーンが来たら、アタシのとこに来いって伝えといて。それじゃね」
(´・ω・`) 「了解」
('A`)「ばいぶー」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「……なんだかんだで、愛されてるよな。あいつ」
(´・ω・`) 「まあね」
('A`)「包茎って……見たのかよっつう話しだよな」
(´・ω・`) 「それ以上踏み込むのはやめとこう。こっちが痛い、と思う」
('A`)「ああ、そうだな。しかしあいつら、本当に……」
(´・ω・`) 「学年一の高飛車お嬢様と何の取り柄もない留年微ピザキモオタのカップル、か。
公になったら自殺者が出そうだ」
('A`)「一昔以上前のエロゲだな」
(´・ω・`) 「全く」
- 46: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 00:58:12.36 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「で、お前の方のsneg話はどうなったんだっけか?」
(´・ω・`) 「あー……そうだね。とんだ邪魔が入った」
('A`)「全裸幼女を拾って帰ってお風呂に入れてあげました、と」
(´・ω・`) 「覚えてるじゃん」
('A`)「忘れるかよ。で?」
(´・ω・`) 「いや、洗っただけ」
('A`)「全身?」
(´・ω・`) 「うん」
('A`)「おっぱいも?」
(´・ω・`) 「うん。ちっちゃかった。つるぺたっていうか、まるで男の子みたいで」
('A`#)「……っ」
('A`#)「下も洗ったってのかこの野郎!」
(;´・ω・) 「だって、ほんと泥まみれだったんだよ。感染症とか怖かったし。
それに、下半身は特にひどくて。まるで中途半端に生き埋めにされてるみたいだった。
生き埋めにされた人なんて、見たことないけどさ」
('A`)「……」
- 48: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:00:20.97 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「そういうときは、なるべくそのままの状況にしとくモンだって言うけどな」
(´・ω・`) 「ああ、そうだね」
('A`)「もしもその子が、その……乱暴でもされたんなら、身体のどこかに『物証』が残ってるかも知れない。
それを消しちまったら、出るとこ出た時にお前が困るかも知れないんだぜ?」
(´・ω・`) 「なんだよ、急に真面目になって」
('A`)「当たり前だ。お前、自分が何したか分かってんのか?」
(´・ω・`) 「……意外と良心派なんだね」
('A`)「うるせえよ」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「……」
- 51: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:02:21.78 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「……ま、いいか」
('A`*)「で、続きkwsk」
(´・ω・`) 「恐ろしく切り替え早いよね、君は」
('A`*)「まぁな。で? それから?」
(*´・ω・`)「それから……って言っても。
あの娘、何されてもきゃっきゃ笑ってるんだよ? こっちが恥ずかしくなっちゃうよ」
('A`#)「見たんだな? 触ったんだなこの野郎!」
(;´・ω・)「だ、だって、仕方ないじゃないか。
すごく暴れるし。脚なんかこう、びやあーっと広げちゃって」
- 52: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:04:08.65 ID:HHh5n93b0
*
『うわ、ひどいなこれは。本当に犯罪がらみ……じゃないよな、まさか。
ま、今してることも立派な犯罪か』
ζ(^ー^*ζ『うふっ、ふふ。きゃっ、あはっ』
『ちょちょ、そんなに暴れるなって。綺麗に洗えないじゃないかって、うわ。
あ、そんなに脚を……おーい。聞こえてますかー?』
ζ(^ー^*ζ『んー?』
ζ(^ー^*ζ『きゃ、あはっ。くすくす』
*
- 55: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:06:35.75 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「感触は?」
(*´・ω・)「柔らかかった……かな。あんまり覚えてないけど」
('A`)「形は?」
(*´・ω・)「そ、そんなの言えるはずないだろ!」
('A`)「絶望した。お前のヘタレ具合に絶望した」
(´・ω・`) 「いいじゃないか。僕だって別に幼女の、お、お、お……」
('A`)「おまんまん」
(´・ω・`) 「そう、それ」
('A`)「言うの恥ずかしいのか? おまんまん」
(*´・ω・)「……」
(*´・ω・) 「そ、そんなことないって」
(*´・ω・) 「……」
(*´・ω・)「…………お、おま、ま……おま、おまおま」
('A`)「おまwwwwwwwねーよwwwwwwwおまおまwwwwバカスwwwwww」
(´・ω・`) 「おいちょっとカメラ止めろ」
- 58: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:09:17.63 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「……続けるよ?」
('A`)「うひゃひゃひゃwwwwwwwwww」
(´・ω・`) 「おいコラ」
('A`)「……」
('A`)「へいへい、どーぞ」
(´・ω・`) 「ねえ。
何度も言うけど、なんか今日テンションの波が激しくない?」
('A`)「……」
('A`)「実は、生理中で」
(´・ω・`) 「はいはい。そういうネタは相手を選ぶようにね」
('A`)「ああ。オッケーだぜ。
それからどんどこしょ〜」
(´・ω・`) 「……はぁ。ま、いいか」
- 59: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:11:28.34 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「身体を洗ってあげて、その後は結局、彼女を僕の部屋に泊めることにした。
僕も、怖かったし」
('A`)「……」
('A`)「……なるほどな。
もしも彼女が、誰かにひどい目に遭わされて泥まみれになってたなら……」
(´・ω・`) 「その誰かが、彼女と同じように、僕の命を助けてくれる保証はない。
そう、僕自身が怖かったんだよ」
(´・ω・`) 「だから、夜が明けてから警察にでも。そう思った。
彼女には僕のシャツを貸してあげて、ベッドに寝かせて、僕は床で毛布をかぶった」
('A`)「ぶかぶかのシャツか……おまえ、通だな」
(´・ω・`) 「正直、そのツッコミは予想していた。
で、その日はぐっすり眠って、翌日……」
(´・ω・`) 「……と、言いたいところだけど」
- 61: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:13:44.79 ID:HHh5n93b0
*
『今日は……とりあえず、おやすみ。
何かあったら、すぐに言うんだぞ。……通じてるのか? 言葉』
ζ(^ー^*ζ『きゃっ、くすくす。うふふふっ』
『あ、いや、だからこっちじゃないって。
そっちのベッドで寝るんだよ。ベ、ッ、ド。分かる?』
ζ(^ー^*ζ『んあ? あははっ♪ もぞもぞ』
『……だから、なんでそうなるんだよ。
そっちで……』
ζ(゚ー゚*ζ『……あはっ♪』
『……はーっ。
分かったよ。もう、好きにしてくれ』
*
- 64: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:16:01.47 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「どうしても、彼女は離れてくれないんだ。
何度言っても、ベッドを指さしてジェスチャーをしても。
あきらめずに、しつこく僕の毛布に潜り込んでくるんだ」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「最後は、面倒くさくなって。
ひとつの毛布で寝るだけならいいや、と思って、そのまま床で寝たよ。
彼女はきゃっきゃ騒いでいたけど、すぐに大人しくなった」
('A`)「……」
('A`)「……てめぇ」
(´・ω・`) 「なんだよ。怖い顔するなって。
僕だって困ってたんだよ?」
('A`)「本当に?」
(´・ω・`) 「……」
(*´・ω・)「すごく、いい匂いがしたよ」
('A`)「……」
('A`)「……お前を殺してしまいそうな自分が怖い」
- 67: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:18:34.16 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「まあ、そう言うなって。
……それで、翌日。身繕いも早々に、僕は彼女を連れて交番に向かうことにした」
(´・ω・`) 「彼女をひどい目に遭わせた奴が、仮にその辺りにいるとしても逃げられるし、
周りの人に助けを求めることだってできたしね。そもそも昼間なら、襲われないだろうし。
だから、僕たちは安心して部屋を出た」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「……はずだった」
('A`)「はず?」
(´・ω・`) 「ああ。結局、行けなかったんだよね」
(´・ω・`) 「なぜって、彼女がものすごく嫌がったんだよ。
部屋から連れ出そうとすると、泣き叫ばんばかりに騒ぐんだ」
('A`)「……お前が犯罪者みたいだな、その構図」
(´・ω・`) 「だろ? 挙げ句の果てには、ひっかき噛み付き、何でもありだよ。
あれには参った」
- 70: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:19:43.85 ID:HHh5n93b0
*
ζ(゚、゚#ζ『うううう〜〜〜〜っ、あうっ!』
『ほら、何してるんだ。
いつまでもここにいるわけにもいかないだろ?
安全なところに行って、それから家に帰らないと』
ζ(゚、゚#ζ『ううううっ! あううぅっ!』
『……ああ、もう! 駄々こねるなよ!
こうなったら、力づくででも――』
ζ(゚、゚#ζ『あうっ、うう〜〜〜〜っ! がぶっ!』
『あいてててててて!
噛むな! 噛むなって、血が出る! いてっ!』
*
- 72: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:20:49.57 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「あんまり騒いでると、逆に僕が周りの部屋から通報されそうで。
それが気になって、出られずじまいさ。ははっ」
('A`)「そこで通報食らったら、ゲームオーバーだったな」
(´・ω・`) 「ああ。だからなんとかなだめすかして、それから考えようと思って。
とりあえずは、彼女のご機嫌取りに方針転換さ」
('A`)「……苦労人だな」
(´・ω・`) 「実は、この瞬間ちょっと後悔した。
夕べ深酒してなければ、彼女を見つけることもなかったのに……ってね」
('A`)「ま、いいじゃねえか。
ひとりのいたいけな少女の命を救ったとでも思っとけよ」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「……どうした?」
(´・ω・`) 「あ、ああ。ごめん。
ちょっと、考え事。いろいろ思い出したりとか」
- 75: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:22:23.50 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「これからいいとこなんだろ?
俺には分かるぜ。ほら続き続き」
(´・ω・`) 「なんだよ……調子いいなあ」
(´・ω・`) 「僕は……うん。そう。
前の夜は飲んでばかりであまり食べてなかったし、とりあえず朝食でも食べようと思った。
その娘だって、何か食べれば落ち着くかな、と思ったし」
(´・ω・`) 「そう。それで、あり合わせのもので二人分の朝食を作って、どうにか彼女を食卓に座らせた」
('A`)「お前、料理とかできたのか?」
(´・ω・`) 「うん。男のたしなみだよ」
('A`)「……意外だ」
(´・ω・`) 「君もそれぐらい、できるようになっといた方がいいんじゃない?」
('A`)「……なあ」
(´・ω・`) 「うん?」
- 77: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:23:39.18 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「お前は、俺に話したいのか? 俺にお前の話を聞かせたいのか?」
(´・ω・`) 「……話したいから、こうして話してるんだよ」
('A`)「……へっ」
(´・ω・`) 「続けるよ。いい?」
('A`)「あいよ」
(´・ω・`) 「よし。
朝食を作って、彼女を席に着かせて。そこまでは良かったんだけど。
彼女は、何も食べようとしなかった」
(´・ω・`) 「食べようとしなかった……ちょっと違うかな。
うまく言葉にできないけど……彼女は、目の前にあるのが食べ物だと認識していないようだった」
('A`)「認識していない……どういうことだ?」
(´・ω・`) 「うーん、うまく言葉にできないんだけど、そんな感じだよ。
目の前にあるものが見えていないっていうか。なんだろう」
('A`)「……よく分からん」
- 79: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:25:46.64 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「うん。すまない。
僕も、自分が何を言ってるのかよく分からない。
けど、彼女もお腹が空いてないわけじゃなさそうだった」
('A`)「なんで分かるんだよ」
(´・ω・`) 「彼女のお腹、ぐー……って鳴ってたから」
('A`)「なるほど」
(´・ω・`) 「でも、彼女は食卓には全然興味を示さないで、すぐに立ち上がって。
台所の流しの方に、ふらふらと歩いていったんだ」
(´・ω・`) 「そして、僕が食事を作るのに使ってたボウルをじーっと見た。
ボウルには、汚れを落とすのに水が張ってあった」
('A`)「……ふむ」
(´・ω・`) 「彼女は、何を思ったか。
そこにいきなり顔を突っ込んだ」
(´・ω・`) 「驚いて立ちすくんだ僕の目の前で、彼女はごくごくと喉を鳴らして。
ボウルにたまった、汚れた水を、飲んでた」
('A`)「……うわ」
(´・ω・`) 「顔を上げて、彼女は満足そうに、にこり、と笑ったよ。
その笑顔は、ついさっきまでの奇行も気にならなくなるぐらい、綺麗で、可愛かった」
- 81: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:26:50.66 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「……」
('A`)「正直萌えた、と」
(´・ω・`) 「ああ。可愛かったよ。彼女は。
僕って実はロリコンだったっけ? って、自信がなくなってしまうぐらいに」
('A`)「そうか。ついに目覚めたか」
(´・ω・`) 「いやいや。
それで……なんだか、いろいろバカバカしくなって。
それに、やっぱり彼女は、一歩も部屋から出ようとしなかった。日が暮れるまで頑張ったんだけどね」
('A`)「で……二泊目か?」
(´・ω・`) 「ああ。よく分からない彼女の言葉に相づちを打ちながら、何をするでもなくゴロゴロしてたよ。
彼女はずっと笑っていて、ときどき水を少しだけ飲んだ。
そして……また、夜になって、今度は僕と彼女、二人でベッドに入って、ぐっすり眠った」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「……ドクオ」
('A`)「……なんだよ、急に改まって」
(´・ω・`) 「……僕は。僕は――いや」
- 83: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:27:48.81 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「僕は……この時、もう、少しずつ彼女に惹かれていたんだと思う。
心のどこかで、もう少しぐらい、いてあげてもいいじゃないか――そう思ってたんだと思う」
(´・ω・`) 「だから、彼女が嫌がらないのなら、もう少しだけ……そう思ったんだと思う。
ドクオは、どう思う? 僕はおかしいと思うかい?」
('A`)「そりゃ、な。
夜中に裸で道端に落ちてる女の子を見つけて、保護したってのは分かる。
でも、それ以上は明らかにやりすぎだろ?」
(´・ω・`) 「ああ、そうだ。君の言うとおりだよ」
('A`)「おかしいぜ。ショボン。
その娘にだって家族がいるはずだ。いるべきところにいるのが、一番幸せなはずだ。それなのに」
(´・ω・`) 「……そうだよ。君の言うとおりだ。
でも、僕は、さんざん悩んだ挙げ句……やっぱり、できなかった」
(´・ω・`) 「僕は」
(´・ω・`) 「僕は、彼女を、独り占めしたくなる自分に、逆らえなかった」
('A`)「……なあ。ショボン。
今お前が俺に話してるのは、れっきとした犯罪行為だぜ」
('A`)「……お前……どうしちまったんだ?」
(´・ω・`) 「……」
- 89: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:30:27.44 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「前から、ブーンと三人でいろいろバカやったりしてたけどさ。
犯罪だけは、したことがなかった。それなのに、お前」
(´・ω・`) 「ドクオ」
('A`)「何だよ」
(´・ω・`) 「お願いだ。僕を責めるのも、警察に通報するのも、好きにしてくれ。
でも、その前に僕の話を聞いて欲しいんだ」
('A`)「……ムシがいいお願いだな」
(´・ω・`) 「自分でも、そう思ってる」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「……ドクオ」
('A`)「わーった、わーった。
全部聞いて、それからどうするか考える」
(´・ω・`) 「ありがとう。ドクオ」
(´・ω・`) 「最初は、なりゆきだったけど。
……彼女と一緒にいたい。
時間が経つほどに、僕は強くそう思うようになっていった」
- 91: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:32:04.32 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「……あれから、結局警察には……どこにも行かないで。
ずっと彼女と二人で、部屋で過ごしていたよ」
('A`)「……お前」
(´・ω・`) 「彼女は、相変わらず部屋から出ようとはしなかったけれど。
僕ひとりが、少しの間外出するのは許してくれるようだった。
近くにコンビニがあったから、生活に不便はなかったよ」
(´・ω・`) 「彼女は、僕の膝の上で、やっぱりよく分からない言葉を発してた。
緑色が強い、淡い色の瞳で見つめられる度に、僕は何とも言えない気分になった」
('A`)「そりゃ、イカレてるな。完全に」
(´・ω・`) 「ああ……そうだ。
だって僕は……僕は、彼女を――」
(´-ω-`)「……」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「……うん。僕は、最低だ。
彼女とは、離れがたかった。どうしても、手放せなくなっていた」
('A`)「最低、ね」
- 95: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:33:10.15 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「その日も、その次の日も。
僕は、どこにも行かなかった。コンビニに食事を買いに出る他は、どこにも。
彼女も、僕ひとりが少しの間外出するだけなら、文句はないようだった」
('A`)「はっ。ミイラ取りが、ミイラに……か」
(´・ω・`) 「ちょっと違うけど……ははっ。似たようなものか。
彼女は、ずっと相変わらずだったよ。
名乗ることもない。泣き出すこともない。逃げ出すこともない」
(´・ω・`) 「ただ、僕の身体にまとわりついて、動物みたいに鳴き声を上げてた。
僕はそれを聞きながら、ぼぅっと過ごしていた。
それだけなのに、彼女といる時間は楽しくてたまらなかった」
- 97: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:34:16.42 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「彼女は、ずっと……いや。
一言だけ、意味のある言葉を発した」
('A`)「……?」
('A`)「喋った? その娘が?
マジでか?」
(´・ω・`) 「急に興味を示すね。
うん、そうだよ。彼女は、一言だけ喋った」
('A`)「なんて、喋ったんだ?」
(´-ω-`) 「あれは……あれは、何日目だったかな。
その辺りの記憶も、あやふやなんだけどね」
- 100: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:35:40.20 ID:HHh5n93b0
*
(´・ω・`) 「何度見ても、不思議だな……君は。ふふっ」
ζ(゚ー゚*ζ「あははっ。あはははっ♪」
(´・ω・`) 「飽きもせずに、毎日毎日」
(´・ω・`) 「いっそ……このまま、二人でずっと一緒に暮らそうか?
どこか遠くに行って、親子とでも偽って」
ζ(゚ー゚*ζ「ふふっ。…………ふふっ」
(´・ω・`) 「でも、そんなこと、できるはずないか。
もしかしたら、捜索願が出てるかも知れないしね」
ζ( ー *ζ「――。
………………ゅ」
(´・ω・`) 「……『ゅ』?」
ζ(^ー^*ζ「……う、なな♪」
*
- 103: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:37:27.89 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「『なな』。はっきりそう聞き取れたよ。
彼女は、その時たしかにそう言った」
('A`)「……『なな』」
(´・ω・`) 「うん。『なな』。
正直言って、なんのことだかさっぱりだったよ」
('A`)「……『なな』……『なな』、か」
(´・ω・`) 「なんだよ。七人のナナとか言い出すんじゃないだろうね」
('A`)「言わねーよ。さっさと続き話せ」
(´・ω・`) 「さっさと……って、ひどいじゃないか。
まあ、いいか。話すよ」
(´・ω・`) 「なにを意味してるのかも分からなかったけれど。
僕が『なな』と口に出す度に、彼女は嬉しそうに、くすぐったそうに身をよじって笑った。
それで、なんとなく……『なな』っていうのは、名前のことなんじゃないかと思った」
('A`)「……」
- 106: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:38:46.72 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「その時から、僕は、彼女は『ナナ』っていう名前なんだと思うことにした。
名前がないと呼ぶときに不便だし、それに」
(´・ω・`) 「……僕だけの名前を付けると、彼女が僕だけのものになるような気がして。
だから、僕は彼女を『ナナ』って呼ぶことにした」
('A`)「所有欲って奴か」
(´・ω・`) 「そうだろうね。
名前を付けると、より彼女が身近に感じられて。
僕は、嬉しかった」
(´・ω・`) 「これで、一緒なんだ。
ずっと、一緒なんだ。嘘でも、そんな気がして」
(´・ω・`) 「だから、僕は――」
(´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) 「僕は」
('A`)「……僕は、どうしたんだ?」
(´・ω・`) 「……」
- 108: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:41:20.91 ID:HHh5n93b0
- (´-ω-)「…………」
(´-ω-) 「うん。そうだ。
僕は」
('A`)「おい、ひとりで納得してんなよ」
(´・ω・`)「ドクオ。僕は君に、謝らないといけないことがある」
('A`;)「な、なんだよ。急に」
(´・ω・`) 「僕は、嘘をついてた。
話を続ける前に、君にひとこと謝らないといけない。
ごめんよ」
('A`;)「……」
('A`)「言えよ」
(´・ω・`) 「……僕、何もしてない、って言ったよね。
彼女を見つけて、連れ帰って、身体を洗ってあげたって言った時」
- 111: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:43:03.37 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「……」
('A`)「……ああ。聞いたよ」
(´・ω・`) 「あれは、嘘だ。
僕は――」
(´-ω-`) 「僕は、彼女と……」
(´-ω-`) 「…………」
('A`;)「……おい、ショボン?」
(´・ω・`) 「……」
- 113: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:44:02.40 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) 「……僕は、彼女と、身体の交わりを持った。
見ていない、なんて嘘だ。
僕は……彼女の身体は、隅から隅まで知ってる」
('A`;)「バカ……お前、冗談にも程があるぜ」
(´・ω・`) 「今度は、冗談なんかじゃない。
してしまったことは、否定できない。取り消せないよ。
僕は、したんだ」
(´・ω・`) 「彼女と、セックスを。
何度も」
- 116: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:45:28.91 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「お前……本当か?
……本気なのか?」
(´・ω・`) 「…………」
('A`)「おいおいおいおい、お前! それはマジでヤバいだろ!」
( ´・ω・) 「…………」
('A`)「もしなんかあって、その娘の身体、医者に調べられでもしたら、お前」
( ´ ω ) 「…………」
('A`)「身体も洗ったって言ってたよな? それに、何日も一緒に生活して。
それじゃお前、お前がさらってきてレイプしたって決めつけられても反証できないんだぜ?
( ´ ω ) 「…、か……」
('A`)「第一、知らない女の子と……完全に犯罪じゃねえかそれ!」
( ´ ω ) 「……じゃないか……」
('A`#)「おい、何ブツブツ言ってんだよ! 俺の話、聞いてんのか――」
(#´;ω;) 「だって――しょうがないじゃないかっ!」
('A`)「っ!」
- 118: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:46:44.76 ID:HHh5n93b0
- (#´;ω;) 「僕だって、僕だってそのくらい考えたさ!
手を出してしまったら、もう引き返せないって。取り返しがつかないことになるって!」
( ´;ω;) 「……でも」
( ´;ω;) 「でも……逆らえなかった。我慢できなかったんだよ。
取り返しがつかないことになるって知っていながら、彼女の誘惑に……僕は……」
( ´;ω;) 「僕は……っ!」
('A`)「……誘惑?」
( ´;ω;) 「……」
('A`)「向こうから、誘ってきたって……ことか?」
( うω-) 「……ああ」
(´・ω・`) 「僕は、女の子に欲情したりなんかしないよ。信じてもらえるかどうかは、分からないけど」
('A`)「今までの流れじゃ、怪しいがな」
(´・ω・`) 「……最初に見つけたときも、その後も。
彼女の身体を見て綺麗だと思うことはあっても、それ以上の感情を抱いたことはなかった」
- 120: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:47:44.99 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「……でも」
(´・ω・`) 「あの日、僕が彼女に『ナナ』って名付けた、その日の夜」
(´・ω・`) 「……彼女は……」
(´・ω・`) 「……彼女は……ベッドに、裸で」
- 124: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:49:12.51 ID:HHh5n93b0
*
「うふふ、ふっ」
(;´・ω・) 「うわっ!」
ζ(゚ー゚*ζ「うふふ、ふふっ♪」
(;´・ω・) 「なんだ……どうしたんだい? また、喉が渇いた――」
(;´・ω・) 「!!」
ζ(゚ー゚*ζ「ふふっ、くすくす。ふふ、あはっ♪」
(;´・ω・) 「ちょ、ちょっと! なんで裸なの? 服、服は!」
ζ(゚ー゚*ζ「んー? ……ふふっ。ふふ――っ」
(;´・ω・) 「う、わ――」
*
- 126: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:50:13.80 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「……っ」
(´・ω・`) 「回らない舌で、甘える子猫みたいに鳴きながら。
上気した顔で、潤んだ目で、僕に躰を見せつけるように。
……笑いながら」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「それだけなら、僕だって我慢できたさ。現に、その晩はそのまま終わった。
翌朝見た彼女の様子は普段通りで、僕は安堵した」
(´・ω・`) 「……でも、それだけじゃないんだよ。翌日――」
(´・ω・`) 「彼女は、僕の体中に、手を、舌を……まるで、濡れた柔らかいツタが体中にからみつくように。
……たった数分で、もう、限界だった」
('A`)「……お前」
(´・ω・`) 「細い肩に手を掛けると、彼女は笑ったよ。
ほんの小さな女の子なのに、まるで魔女みたいな、妖しい眼で。
それで、それで僕は……、僕は……」
('A`)「それで、か」
(´・ω・`) 「他には誰も見てないし、彼女はしゃべれない。
とにかく、それを知ってて、他人に話すことができるのはもう僕だけなんだ」
('A`)「ああ……ああ、そうだな」
- 128: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:51:24.72 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「ねえ、ドクオ。君なら、信じてくれるよね?
僕は無理強いしたわけじゃない。ただ少し、意志が弱かっただけなんだ。
お願いだよ、信じてくれよ」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「ドクオ。お願いだ。僕は何も……何も悪いことなんてしてない。
ただ、泥まみれの女の子を見つけて、かわいそうで、放っておけなくて。
それで、気がついたら……こんなことに……」
('A`)「……はっ」
(´・ω・`) 「君だって、そうするだろう?
僕と同じ状況なら、そうするだろう?」
('A`)「俺なら? 俺ならどうするかって?」
(´・ω・`) 「そうだよ。君だって同じことをするはずだよ。
あんなの……耐えられるはずがない」
('A`)「……」
- 131: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:52:47.61 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「ま、俺は聞いただけだし。もし警察沙汰にでもなっても、こう言うだけだからな。
『俺はただ話を聞いただけだ。あまりにも荒唐無稽すぎて、作り話としか思えなかった』……てな」
(´・ω・`) 「君らしいね。ふふっ」
('A`)「自分第一なモンでね」
(´・ω・`) 「……君は、この話が全部作り話だと?」
('A`)「だったらいいとは思ってるぜ。いろんな意味で」
(´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) 「そうか。うん。……そうか」
('A`)「なんだよ」
(´・ω・`) 「いや、それならいいんだ。僕にとっても却って好都合だよ。
やっぱり、相談相手に君を選んでよかった」
('A`)「へいへい。そいつぁ重畳の至りで」
('A`)「……」
('A`)「……けっ。よく言うぜ」
- 133: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:54:36.81 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「君なら、僕の話を全て聞いてくれるよね?
だから僕は、僕の身に起こったことを、最後まで、ありのままに話すだけだ」
('A`)「ああ、そうだぜ。だから好きにしてくれや。
――――『最後まで』?」
(´・ω・`) 「ああ、そうだよ。僕の話は、まだ終わっていない。
まだ、最後の結末が残ってる」
('A`)「……お前の話、まだ続きがあるってのか?」
(´・ω・`) 「うん。一番話したいこと、話さなければいけないことが、まだ――」
('A`#)「……っ」
('A`#)「ふざけんな!」
(´・ω・`) 「……ドクオ?」
('A`#)「こんな……本当かデマかも分からないような話をさんざ聞かせといて、まだ続くだって?
何だってんだよお前!」
(´・ω・`) 「……」
('A`#)「お前、いったい俺を何だと思ってるんだ?
俺をどうするつもりなんだよ! ショボン!」
- 135: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:56:12.79 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「…………別に。僕は」
(´・ω・`) 「言ったじゃないか。『僕の身に起こったことを、最後までありのままに話すだけだ』って。
ただそうするだけさ」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「いや、君がどうしても聞きたくないなら、いいんだ。
それなら、僕は他の人に話を聞いてもらうだけだしね」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「やっぱり、ブーンがいいかな。
それとも、ツンにするか、クーにするか。どのみち――」
('A`)「……」
('A`)「……分かった」
- 137: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:58:05.64 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「分かったよ。降参だ。俺の負けだ。
お前の話、最後まで聞くよ」
(´・ω・`) 「本当に、いいのかい?」
('A`)「お前もしつこい奴だな。いいって言ったらいいんだ。
それともここまで来て出し渋りか? さんざんひっぱっといて随分な仕打ちだな、おい」
(´・ω・`) 「いや、……そんなんじゃないんだよ。ごめん。
分かったよ。それなら、話そう」
(´・ω・`) 「僕の、最後の……最後の告白だよ」
- 139: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:00:09.59 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「――それから、僕と彼女は。
何日も、何日も。ずっと一日中、二人でベッドの中で過ごした」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「なぜ、ベッドの中なのか? なんて、もう言わなくてもいいよね、
僕は……もう完全に、彼女の虜だった」
(´・ω・`) 「たった一度、誘惑に負けただけなのにね。
それだけで僕はもう、彼女がいないと生きていけなかった」
('A`)「そこまで、いいモンなのかね」
(´・ω・`) 「うん。
他には何もいらない。そう思うほど、良かったよ」
('A`)「おー、怖わ。童貞の自分に感謝だな」
- 141: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:01:31.88 ID:HHh5n93b0
*
(;´・ω・)「は、っ。はあっ、はあっ、はあっ、はあっ――」
ζ(゚ー゚*ζ「んっ、んぁっ、あ、ふ、くふぅ――んッ」
(;´・ω・)「はッ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ。
はあっ、はあ……っはッ、はッ! はッ……!」
(;´・ω・)「っ、く――、ッ、う――っ!」
ζ(゚ー゚*ζ「んんぅっ、んぁ、あ――――あ。
……ふふ、ん、あはぁっ♪」
*
- 143: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:02:49.25 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「僕らは、ろくに食事も取らずに、何度も何度も交わった。
夜になったら、二人でシャワーを浴びて。
朝起きたら、シーツを洗濯して替えて、また何度も」
(´・ω・`) 「ベッドのシーツは……毎日、僕らの体液でべとべとだった。
でも僕はそれが汚いとか、不潔だとか、そんなことは全然思わなかった」
(´・ω・`) 「それはむしろ、僕だけじゃなく、言葉を知らない彼女も悦んでいることの証のように思えて。
嬉しかった」
('A`)「お盛んなこって」
(´・ω・`) 「彼女だって、あの小さな身体のどこにそんな体力があるんだろうと、今でも不思議に思うほど。
数え切れないほど、僕にせがんだ」
(´・ω・`) 「僕も、同じだ。あれだけ一日中交わり続けて、どこにそんなモノが残っているのか疑問になるくらい、
何度も、何度も。何度も射精した」
(´・ω・`) 「……彼女の身体は、外側も、軟らかい肉に覆われたその内側も、暖かくて、柔らかかった」
- 146: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:04:29.13 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「僕は、幸せだった。
時間の感覚もなくなるほど、飽きもせずに。どろどろになって、彼女と時間を過ごした」
それはこの上なく、幸せな時間だった」
(´・ω・`) 「僕は、幸せで。でも……」
('A`)「……」
( ´;ω;) 「…………っ」
('A`)「……なんだよ急に?」
( ´;ω;) 「く……うっ」
( うω-) 「……」
(´・ω・`) 「――」
(´・ω・`) 「ドクオ」
('A`)「何だよ」
(´・ω・`) 「ドクオ。……僕は、きっと彼女を愛してたんだ。
今になっても、やっぱりその気持ちは変わらない」
('A`)「……」
- 150: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:06:38.57 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「性欲を満たすためだけの行為。
それは……いつの間にか、僕にそれを許してくれる彼女への、愛のしるしに変わっていった」
(´・ω・`) 「そして彼女も、僕にそれを望んでいた。
たぶん、きっと…そうだ」
('A`)「……」
('A`)「愛? バカ言うな。
素性も知れない女の子と、朝から晩までヤリまくって、それが愛だ?」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「黙って聞いてりゃ、お前完全に犯罪者だよ。
愛だとか、そんなキレイ事……語る資格もねえ。たとえ向こうから誘ってきても、同意の上でもだ」
(´・ω・`) 「ああ、そうだよね。僕は、タダの犯罪者で、どうしようもないゲス野郎だ。それは事実だよ」
(´・ω・`) 「最初に誘惑に負けたのは、僕だ。
僕の行動が、全ての発端だから」
('A`)「だったら――」
(´・ω・`) 「でも、ドクオはきっと、知らないからそう言えるんだ。
彼女の瞳を、身体を、声を、何も知らないから」
- 152: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:07:45.88 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「……へ、いけしゃあしゃあと。
ンなもん、知りたくもねえな」
(´・ω・`) 「そう、だよね。理解できないよね。
でも、知っておいて欲しいんだ。僕が彼女を、間違いなく、愛してたってことを」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「僕がしたことは、狂気とか、衝動とか、そんな下賤な感情に起因するものじゃない。
ただ愛のためだって、それだけを分かって欲しいんだ」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「彼女も、僕を愛してた。
……僕と、ひとつになりたいと望んでいた。それもきっと、間違えようがない事実だ」
('A`)「なんで、そう言えるんだ」
(´・ω・`) 「感じたんだよ。
言葉はなくても、彼女はそう思っている、って。想い合うって、そういうことだろう?」
('A`)「想い合う――臭えな。お前にそう言える権利はあんのか?」
- 154: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:08:54.22 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「……分からない。
でも、そう思う。それを、分かって欲しいんだ。
この言葉にできない感慨を。僕と彼女の間だけの」
('A`)「……」
('A`)「――分からない、と言ったら?」
(´・ω・`) 「僕の話は、ここでおしまいだよ。
この話の結末は、この先ずっと、誰の耳にも入ることはない」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「でも、この話を最後まで聞けば、君にもきっと分かる。
僕たちは、幸せだったんだ……そのことが」
(´・ω・`) 「ね、ドクオ。僕は、何度だって聞くよ。
分かってくれたかな?」
('A`)「…………」
- 157: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:10:31.69 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「……ああ。共感は到底できねーけど、理解はできる。
これで十分か?」
(´・ω・`) 「十分だ。ありがとう」
('A`)「そいつはどーも」
(´・ω・`) 「――そうやって、何日ぐらい過ごしただろう。
正直言って、日付の感覚も、時間の感覚も、曖昧なんだ」
('A`)「……文字通りの蜜月って訳だな。下らねえ」
(´・ω・`) 「次第に、僕の中には、最初の頃とは、彼女とのべつ交わるようになってからは――
違う感情が、生まれてきた」
(´・ω・`) 「それは、そう」
- 160: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:11:45.44 ID:HHh5n93b0
*
(;´・ω・)「はあっ、あ――――あ、ああぁぁっ!」
ζ(゚ー゚*ζ「ふぁあ、はふ――ぅんっ」
(;´-ω-)「はあ、あ、ああぁっ。
ああ、あ、あ――」
ζ(゚ー゚*ζ「ぅん? あーっ、あうーっ?」
( ´;ω;)「……、してる……。
愛してる、『ナナ』、愛してる――!」
ζ(゚ー゚*ζ「ん……んぁっ?
うふ、ふ、ふふふふふっ♪
あははっ。あうぅ、――ん! んんぁっ♪」
*
- 163: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:13:04.26 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「……そう。僕は、いつの間にか、彼女を愛していたから。
だから」
(´・ω・`) 「僕は――」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「……おい。
黙ってちゃ、お前が何をしたのか分からないぜ。話せよ」
(´;ω;`) 「……、うっ」
(´;ω;`) 「う、うっ……ドクオ、僕は……僕は……」
('A`)「なんだ。どうしたんだよ?」
- 165: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:14:23.40 ID:HHh5n93b0
- (´;ω;`) 「ぼ、僕は……っ、彼女を、愛してたんだ。
ほんの短い間だったけれど、何よりも、世界中の何と引き替えにしてもいいくらい、
彼女を愛してたんだよ。本当だ。信じてくれよ……」
('A`)「何だよ、何度も何度も。
理解はできる、さっきそう言ったばっかじゃねーか」
(´;ω;`) 「だから、僕は……。
僕は……」
(´;ω;`) 「……」
(´-ω-`) 「………………」
(´-ω-`) 「………………」
('A`)「おい、ショボン?」
( うω・) 「………僕は」
(´・ω・`) 「離れたく、なかったんだ」
(´・ω・`) 「いつまでも、永遠に」
(´・ω・`) 「ずっと」
- 169: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:15:46.59 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「離れたくない。
いつまでも、永遠に、こうしていたい。
もう、彼女がいない生活なんて、耐えられない」
(´・ω・`) 「彼女は、いつか、いなくなってしまうかもしれない。
親が、友人が、警察が、あるいはあの夜、僕が彼女を拾ったあの夜、僕の姿を見ていた人が。
もしくは僕の友人が、僕の親が、知らない誰かが」
(´・ω・`) 「誰かが、彼女を奪い返しに来るかもしれない。
誰かが、僕と彼女の仲を引き裂くかもしれない。
誰かが、今にでも部屋の戸を叩くかもしれない」
(´・ω・`) 「僕は、限界だった。
彼女と愛し合いながら、彼女の唇を吸いながら、僕は、その時を心から恐れていた」
(´・ω・`) 「いやだ。
離れるのはイヤだ。
彼女は、誰にも渡さない。絶対に、渡さない」
(´・ω・`) 「だから」
(´・ω・`) 「だから、僕は」
(´・ω・`) 「僕は――――彼女を」
- 172: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:17:33.56 ID:HHh5n93b0
- (;'A`)「――ッ」
(;'A`)「ショボン、お前――」
(´・ω・`) 「ドクオ。
言ったよね。分かって欲しい、って。
僕たちは相思相愛だって、分かって欲しいって」
(´・ω・`) 「愛してたんだ。本当だよ。たとえそれが僕の思い込みだったとしても。
……いや。そんなはず、ない。彼女も、きっとそう望んでた。
間違いない――うん、間違いない」
('A`)「……」
('A`)「――ショボン」
(´・ω・`) 「何だい?」
('A`)「さっきは悪かったな、犯罪者だのどうの。言い直すよ。
お前は、狂ってる。
完全に狂ってる」
- 175: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:18:53.83 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「……」
('A`)「キチガイだよ、お前は。
完全に向こうに行っちまってる。
お前は、もう、この世界の住人じゃない」
(´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) 「……そう、思うのかい」
('A`)「ああ。心の底からな」
(´・ω・`) 「そうか。
でも――いいんだ。
君が信じてくれなくても。分かってくれなくても」
(´・ω・`) 「僕は、君に、ありのままのことを話すだけだから」
('A`)「……け。ホント白々しいぜ」
- 177: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:20:40.47 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「僕は……僕は、泣いていた。
彼女と交わりながら、別れの悲しみに胸を引き裂かれる思いだった」
(´・ω・`) 「彼女は、笑っていた。
僕が何で泣くのか分からない、といった表情で、あどけなく笑っていた」
(´・ω・`) 「そんな彼女の、細い鎖骨が、カーテンの隙間から差した月の光に――、
いや、あれは陽の光だったかな。覚えていないけれど――照らされて、浮かび上がった」
(´・ω・`) 「――それは――天啓だった」
(´・ω・`) 「あるいは、彼女がそう、望んだのかもしれない。
声ではない声で、僕に語りかけたのかもしれない」
(´・ω・`) 「――僕がしたいようにして、いいんだ――と。
その声は、絶対だった。逆らいがたい魅力の誘いだった」
(´・ω・`) 「だから僕は」
(´・ω・`) 「大きく、口を開けて――」
(´・ω・`) 「――くわえた。
彼女のその鎖骨を、深く、深く。
顎に、思い切り力を入れて」
('A`)「……ッ」
- 179: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:21:55.19 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「めき、と、口の奥で音がした。
彼女は、笑っていた。
僕も笑おうとしたけれど、彼女の骨をくわえていたから笑えなかった」
(´・ω・`) 「でも、彼女が笑っているのが、嬉しくて。
彼女も、僕と同じことを思っていたんだ、そう分かると、嬉しくて」
(´・ω・`) 「僕は、思い切り首を、後ろに引いた」
(;'A`)「――!」
(´・ω・`) 「なんと形容したらいいんだろう。
そう、彼女の薄い皮膚がまとわりついた鎖骨は、そう。
柔らかくて、芯があって……セロリのように、堅くて、細い繊維が縦にびっしり入っているようだった」
(´・ω・`) 「僕はベジタリアンだったかな、と、その骨を咀嚼しながら考えていた」
(´・ω・`) 「不思議なことに、映画みたいに真っ赤な血が飛び散ったりはしなかった。
でもあれは映画だから、作り話なのかな?」
(;'A`)「う――ッ」
(´・ω・`) 「あるべき一部がぽっかりとなくなっている彼女の身体は、それでも綺麗だった。
僕と彼女の体液と唾液にまみれて、てらてらと光っていて。
体液の臭いはまるで、あくの強い雑草のように青臭かった」
- 182: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:23:07.85 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「僕が食いちぎった、彼女の右の鎖骨があった場所には、
黄色っぽい脂肪の層の下に、赤茶色い繊維が見えていた。
その筋繊維は、彼女の性器の奥と同じように息づいていて、同じように淫らで、美しかった」
(´・ω・`) 「そこに、見る見るうちに、ぷつぷつ玉のように血液が浮き出して、僕の歯形の後に溜まった」
(´・ω・`) 「それが彼女の身体からあふれてシーツのシミになっていくのを見たとき。
僕が何を思ったか、ドクオ、君には分かるかい?」
(;'A`)「知るかよ。そんなの、知るかよッ!」
(´・ω・`) 「ああ、もったいない――そう思ったんだ。
僕は、彼女とひとつになりたいのに。彼女と、永遠にひとつになりたいのに」
(´・ω・`) 「僕はシーツにしみこんだ血液を舐めたいんじゃない。
彼女と、身体の奥底で、本当の意味でひとつになりたかったんだ」
(´・ω・`) 「それは、きっと……とても素晴らしいことだ。
お互いの性器をこすり合わせるだけよりも、もっとひとつになれるから」
(´・ω・`) 「だから僕は、彼女の肩に口を埋めて、必死で吸った」
(´・ω・`) 「彼女の身体を構成していたモノを、残さず僕のモノにするために、必死で。
吸いながらまた口を開いて、肩の肉を内側から、また咬んだ。
咬んで、噛んで、飲み込んだ」
(´・ω・`) 「彼女は、笑っていた。
それでもまだ、笑っていた」
- 185: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:24:22.12 ID:HHh5n93b0
- (;'A`)「く……ぐッ、げほっ!」
(´・ω・`) 「洗面器に顔を付けて、また上げて、息を止める練習をするみたいに。
それと同じように、僕は何度も、彼女の肩の肉を食んだ。
血液は、どんどん流れてきて、もう吸うのも難しくなってきていた」
(´・ω・`) 「何度目か、何十度目かに彼女の肩を咬んだとき、またごりり、と感触がして、
彼女の腕が大きく痙攣して、付け根から不自然に伸びた。
僕が咬んだのは、彼女の肩関節だった」
(´・ω・`) 「頭はベッドの上にあるのに、腕はベッドの下に落ちていた。
でも僕はそれがおかしいとか、怖いとか、気持ち悪いとはみじんも感じなかった。
ただ、僕にそれを許してくれる彼女が愛おしくて、涙がこらえられなかった」
(´・ω・`) 「彼女は――残った左腕で僕の肩を抱いて、傷口に押し付けた。
食いちぎった皮膚の下からはみ出した、温かい脂肪の切れ端が、僕の唇に触れた。
もっとして欲しい、もっと食べて欲しい、彼女がそう言ってるんだと、僕は確信した」
- 188: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:26:10.08 ID:HHh5n93b0
*
ζ( O *ζ「んぁっ、ぅううううああああああああああああぁぁぁぁぁっっッ!!!!!!!」
( ´;ω;)「――!
あああ、ああ。痛かっただろう、『ナナ』。ごめんよ、ごめんよ――」
ζ( ー *ζ「はッ、はッ――ん、ぁ、はッ」
( ´;ω;)「でも、ダメなんだ。
このままじゃ、僕たち、いつか離ればなれになってしまうから。だから、だから……っ!」
ζ( ー *ζ「…………はぁッ、ふ」
( ´;ω;)「『ナナ』――?」
ζ( ー *ζ「ふふっ、ふふふっ。
あう、うぅぅっ。――――ん、ッ」
( ´;ω;)「ああ、そんな……『ナナ』、いいんだね?
僕を、許してくれるんだね? ……もっと、しても、いいんだね?
ありがとう……。大丈夫、痛いのは少しだけだから。すぐに、一緒になれるから――ね?」
*
- 189: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:27:33.49 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「顔を上げて彼女を見ると、片腕だけが奇妙に伸びたその肉体はいびつだった」
(´・ω・`) 「それでも、断ち切られ開かれて外気に晒された体組織は、美しかった。
そこから、僕が必死であふれる血液を吸ったせいで、血に汚されていない、
真っ白い骨が少しだけ覗いていた」
(´・ω・`) 「そして、血化粧の彼女の顔は、笑っていた」
(´・ω・`) 「出血がひどくなるにつれて血が引いていく彼女の身体は……なんと言えばいいんだろう。
そう、緑色。青みがかかって見えた」
(´・ω・`) 「色の三原色って、あるよね。赤、青、黄の三色の。
そこから赤い色が引いたせいか、彼女の皮膚や、その下を走る細い血管や、爪の裏や。
笑う両眼の白目の部分まで、青みがかって見えた」
(´・ω・`) 「四肢に縦横に走る血管は、葉脈を連想させた。
体幹は幹で、手足は枝で、右肩にはぱっくりと赤い花が咲いていた。
その身体の中心でいっそう鮮やかに色付いて、濡れた果実は、僕と繋がっていた」
(´・ω・`) 「だから、それらは何ひとつ、彼女の美しさを損なうことはなかった。
僕は幸せだった。彼女とひとつになれる喜びに、文字通り身を震わせた。僕は――」
(´・ω・`) 「……」
- 192: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:29:05.14 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「……ドクオ? 聞いてるのかい?」
(;'A`)「――」
('A`)「……」
('A`)「……ああ」
(´・ω・`) 「僕は、君が聞いてくれるって言うから話してるんだよ。
それなのに、無視とはひどいじゃないか。
さっきまでみたいに軽いノリで突っ込んでくれないと、僕が滑稽だろ?」
('A`)「……知るかよ。
話したいって言ったのはお前だろ? 俺は聞いてる。だから好きなだけ話せよ」
(´・ω・`) 「ああ。そうか、最後まで聞いてくれるのか。
嬉しいよ。僕も、誰かに、ずっと聞いて欲しかったんだ」
('A`)「……キチガイが」
- 195: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:30:36.04 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「僕は、まだ彼女と繋がっていた。ずっと繋がったままだった、
僕は、彼女の血肉で飢えを満たして、そのままの姿勢で、何度も射精していた。
彼女と繋がったままひとつになるために、口の届かない場所は手で引き裂いて、口に運んだ」
(´・ω・`) 「へそから首の付け根までが完全に失われてしまった彼女の身体は不思議と温かくて、
ベッドの下の腕も、僕の太股とこすれる脚も、ときおりぴくぴくと震えていた。
だから、彼女は、まだ生きているんだ。喜んでいるんだ。僕はそう思った」
(´・ω・`) 「彼女は、まだ笑っていた。
あの誘うような、妖しい笑顔ではなくて、母親のような穏やかな、安らかな笑顔だった。
それを見て、僕は間違っていない、僕は正しいんだ、そう再認識した」
(´・ω・`) 「そして、最後に。
僕は――彼女のがらんどうの身体に残された部位の中でもっとも尊い、
彼女の魂が宿った、彼女を彼女たらしめている部位を――手に取った」
- 197: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:31:52.28 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「それは明るい肉色で、すべすべしていて、ゴムのチューブのような弾力を持っていた。
そっと持ち上げると、二叉に分かれた先端の部分に、果物の種のような丸い、こりこりとした
感触が感じられた。透明の粘液に覆われていて、中に温かい液体の感触があった」
(´・ω・`) 「これで、目に見える彼女とはお別れだ。
これから先、彼女は僕の中で永遠に生き続けるんだ。
僕は、僕は……僕は、そう思って、それを――」
(´・ω・`) 「……」
(´;ω;`)「なぜだろう。
その瞬間、僕は、素晴らしいことをしているはずなのに、涙が止まらなくて。
それが何故なのか、自分でも分からない。けれど、悲しかった」
( うω;) 「でも、彼女の想いを、僕の想いを……無にすることはできないから。
だから、だから、しょうがなかった。止めるわけには、いかなかった」
(´・ω・`) 「――だから」
- 199: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:33:18.76 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「だから、僕はそれを、そっと手に力を篭めて、引いた。
それは、元の状態から2倍ぐらいの長さに伸びて僕の力に耐えていたけれど、
やがて、ぶつり――と音を立てて、半ばから千切れた」
(´・ω・`) 「その拍子に、白く泡だった液体がシーツの上に零れた。
僕は、それすらも無駄にしてはいけないと、咄嗟に思った。
赤褐色の斑になった空いた片手で、必死にそれをすくって、口に運んだ」
(´・ω・`) 「全てすくって、飲み込んで、手が届かない場所にまで飛び散ったものは舐め取って。
ようやく、最後に……手に持っていたそれを、口に含んだ」
(´・ω・`) 「味は……覚えていない。
でも、これでもう大丈夫だ、と思ったのを覚えてる。
もう、誰も僕と彼女を引き裂けない。永遠に……永遠に、と」
(´・ω・`) 「つるつるとした喉ごしのそれを、何度も吐き戻しそうになりながら飲み込んだ瞬間。
僕は、これでようやくひとつになれた、その歓びに、何度も射精した。
……これで、僕たちは、完全にひとつになったんだ」
(´・ω・`) 「もう大丈夫だ。もう、彼女と僕を阻むものはどこにも存在しない。
僕は涙を流しながら、彼女の顔を抱き、髪を撫でた。
その涙は、悲しみのせいじゃない。喜びの涙だった」
(´・ω・`) 「もう何もなくなった、抜け殻の彼女の残骸。
その骨だけになった腹部の断面の中心から、どろり、と、
僕の射精した精液が流れ出して、彼女の腰椎を濡らし、またシーツに染みを作っていた」
- 202: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:35:03.09 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「……僕は、微笑んだままの彼女の両眼を、そっと閉じた。
そして、下半身は繋がったまま、そっと持ち上げて、抱き寄せて。
目に見える彼女と、お別れの、長い、長い……キスをした」
(´・ω・`) 「彼女の口腔に舌を差し入れたとき、気管に溜まっていた凝固しかけの血液が、
ぽたぽたと接合部に落ちた。
それは、彼女が彼女である内は見ることがなかった、破瓜の血のようだった」
(´・ω・`) 「――」
(´・ω・`) 「身体の中から、どんどん……暖かいものが、とめどなく溢れてきて」
(´・ω・`) 「僕は……幸せだ。
彼女を愛することができて……本当に幸せだ。
彼女と愛し合い、気持ちを通じ合わせることができて、本当に幸せだ」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「……」
- 204: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:36:55.64 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「……僕の話は、これで終わりだよ。
僕は彼女とひとつになった。
彼女自身と僕自身は、僕の身体の中でひとつになったんだ」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「なんか……一気に話したら疲れちゃったな。
それに、ひどく喉が渇いた。水、飲もうっと」
('A`)「……」
(´・ω・`) 「ドクオ?」
('A`)「……お前は、嘘つきだ」
(´・ω・`) 「何だい、急に」
('A`)「俺は、お前の話を認めない。絶対に。
お前は犯罪者でもキチガイでもない、ただのつまらねぇ嘘つき野郎だ」
(´・ω・`) 「……そうか。
信じてくれないのは残念だよ。でも、いいんだ」
('A`)「いい? 何がいいってんだ?
お前の今の話のどこに、どのツラ下げて『いい』なんて納得できる要素がある?」
- 207: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:39:17.58 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「僕は、誰かに聞いてもらえればそれで良かった。
だから、満足だよ」
('A`)「……誰かに」
('A`)「あーそう、誰かに、ね」
('A`)「…は、はははっ」
('A`)「は――」
(´・ω・`) 「……」
('A`#)「……ッ!」
('A`#)「てめぇっ、ふざけんのも大概にしろよ!」
(´・ω・`) 「何だよ。急に大きな声、出さないでくれよ」
('A`#)「お前は、何の魂胆があって俺にそんな話を聞かせるんだ?
お前の目的は何だ?」
(´・ω・`) 「何度も言わせないでくれよ。
僕は、誰かに――」
('A`#)「しらばっくれるなッ!!」
- 209: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:40:45.00 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) 「何を、だい?」
('A`#)「お前は、なんで俺に目を付けた?
なんで、俺にそんな話をする? 他の誰でもなくて、俺だけに!」
(;´・ω・) 「う?――ぐッ!」
('A`#)「理由があるんだろッ、俺に、俺だけにこんな話しをする理由が!
それを言えよッ!
言え! 答えろ! ショボンッ!」
(;´・ω・) 「く、苦しいよ、ドクオ。
止めてくれ。――は、離せってばっ!」
('A`#)「くっ、はあッ、はあッ。
はあ――ッ」
(;´・ω・) 「ひどいな、いきなり首を絞めるなんて。
友達になんてことするんだよ、全く」
('A`#)「質問に、答えろッ!」
(´・ω・`) 「……」
- 212: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:42:31.15 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「だから、何度も言ったじゃないか。
僕は、ただ話を聞いて欲しかっただけなんだ、って」
('A`#)「この野郎……っ」
(´・ω・`) 「本当に、それだけなんだよ。他に理由なんて、何もないんだ。
たまたま学食に来たら、君が一人でぼーっとしていたから。それだけだよ」
('A`#)「そんな話、俺が信じるとでも?」
(´・ω・`) 「それとも。
君には、理由があるのかい? ドクオ」
('A`)「――ッ!」
(´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) 「僕が、他の誰でもなく君だけに、この話をしなければいけない理由があった。
そう考えるのに足る理由を、君は持っているのかい?」
( A )「……」
(´・ω・`) 「……」
- 214: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:43:52.43 ID:HHh5n93b0
- ( A )「…………ッ!」
(゚A゚#)「止めろぉッッ!!」
(;´・ω・) 「っ!」
(゚A゚#)「っく、はあッ、はあッ、はあッ、はあッ!
はあッ、はあッ、はあッ――」
(;´・ω・) 「……」
(´・ω・`) 「……悪かったよ、ドクオ。
この話は、もう終わりにしよう。僕と彼女の話も、僕と君の話も」
(゚A゚#)「はあッ、はあッ、はあッ。――は、ッ」
(゚A゚#)「はッ、はッ、は――は、ぁっ」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「……」
('A`)「ああ……そうだな、ああ。
もう、終わりだ。お前の話も、その娘の話も、全部」
(´・ω・`) 「うん、そうだ。おしまいだよ」
- 216: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:45:38.27 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「……」
('A`)「……お前との付き合いも、もう、全部、終わりだ」
(;´・ω・) 「……ドクオ?」
('A`)「お前みたいな嘘つき野郎は、もうゴメンだ。
もう二度と、顔も見たくない」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「もういい。もう十分だ。早いとこ精神病院でも、刑務所でも行っちまえ。
それとも、死ぬか? 死ねば、あの世でその『ナナ』とやらと再会できるかも知れないぜ?」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「この大ホラ吹きが――冗談じゃねえ。
もう二度と、俺の前に顔を見せるな」
(´・ω・`) 「……」
('A`)「あばよ。どっかですれ違っても、話しかけるなよ」
(;´・ω・) 「あ、ド……ドクオ?」
- 220: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:46:46.79 ID:HHh5n93b0
- (´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) 「ドクオ、行っちゃった」
(´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) 「……二度と、か」
(´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) 「仕方、ないか」
(´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) 「……何だよ。
エログロ大好きなドクオなら、僕の話、気に入ってくれると思ったのにな」
(´・ω・`) 「――ふふっ」
(´・ω・`) 「まあ、いいか。
帰ろう。僕も、帰ろう」
(´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) 「さよなら、ドクオ。
……さよなら」
- 223: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:48:25.30 ID:HHh5n93b0
*
('A`)「ただいま、っと」
('A`)「……」
('A`)「あー……胸クソわりぃ」
('A`)「あいつ、適当抜かしやがって。
幼女を拾って、生活して。その挙げ句に、ヤリまくって、食べた、だって?
冗談じゃねえ。冗談じゃねえよ」
('A`)「優等生はみんなどっかしらおかしいって言うけど、マジなんだな。
思いっきり失望したわ」
('A`)「……はっ」
('A`)「……食べた、だってよ」
('A`)「ご丁寧に、手の込んだやり方で。
一から十まで、事細かに説明して――、ははっ」
('∀`)「あはははははっ!」
('∀`)「あいつ、マジメくさった顔しやがって。冗談にもほどがあるっての!」
('A`)「……」
- 226: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:50:13.97 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「第一よぉ、本当に食べたんだったら――」
('A`)「『ナナ』とやらが、もうこの世にいないんなら――」
ζ(゚ー゚*ζ
('∀`)「なんでお前が、俺の部屋にいるんだっての! なぁ?」
ζ(゚、゚#ζ「うー、あぅーっ!」
('A`)「ったく、バカも休み休み言えってんだ」
ζ(゚、゚#ζ「う〜〜〜っ!」
('A`)「あー……悪かったな。半日もほったらかしちまって。
寂しかったろ? よしよし」
ζ(^ー^*ζ「うふ、あははっ♪」
('A`)「……へっ」
('A`)「……しかし、ショボンの奴。
なんで知ってるんだ? まるで俺がしてたことを、見てたみたいに」
- 228: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:51:31.34 ID:HHh5n93b0
*
('A`)「……おーい、大丈夫ですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「……? うーぅ、あぅ、あーっ」
('A`;)「ちょ、そんなにしがみついて――うわっ。
ちょっと待った。タイム! ターイム!」
ζ(゚ー゚*ζ「あーっ。あーっ」
ζ(^ー^*ζ「ふふ、うふふっ。ふふふふっ♪」
*
- 230: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:52:59.52 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「覗きか? 人でも使ったか――探偵とか」
('A`)「あいつなら、やりかねねぇな。いいとこの坊ちゃんだしな」
ζ(゚ー゚*ζ「ふふ、ふふふっ」
('A`)「……こいつを横取りしようとしやがったのか?
考えられるな。あの優等生サマのことだ、何があっても不思議じゃねぇ」
('A`)「あの入れこみよう、尋常じゃなかったもんな。
ありとあらゆる淫らな行為を……だってよ。脳内肉奴隷乙」
ζ(゚ー゚*ζ「んんー? ……あは、ふふっ」
('A`)「……」
('A`)「おまけに、何も知らないフリして、カマかけて来やがって。
……へへっ。そう簡単にボロを出す俺様じゃないけどな。バカが」
ζ(゚ー゚*ζ「んん〜〜〜……」
- 234: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:55:21.26 ID:HHh5n93b0
- ('A`)「ったく、マジで胸クソ悪いったらないぜ。
なんだよあのグロ話は。吐きそうになっちまったじゃねーか。オカ板のコピペかなんかか?」
ζ(゚ー゚*ζ「あーっ。だーっ」
('A`)「だけど……」
('A`)「……ひとつだけ違ったな。
記憶にない言葉が、ひとつだけあった」
ζ(゚、゚*ζ「あう、う〜〜〜〜」
('A`)「あいつが拾ったって言い張ってる娘、『ナナ』……って名乗った、って言ってた。
こいつは、喋ったことなんてない。名前なんて、聞いたことがない」
('A`)「……『ナナ』……いや、『う なな』だっけか」
('A`)「でも……全部知ってて、俺を脅迫するつもりなら。
知ってるなら、名前なんて勝手に付けて、そんなこと――」
ζ(゚〜゚#ζ「ううううう〜〜〜っ!」
('A`*)「わわ、な、なんだよ。また水か?
しょうがないな……へへ。今持ってきてやるから、待ってろな」
ζ(^ー^*ζ「あーっ♪」
- 236: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:57:29.93 ID:HHh5n93b0
- 「えーと、水、水……と」
ζ(゚ー゚*ζ「ふふっ。うふふっ」
「水道水より、こっちの方が好きなんだよな。
この辺に買い置きのミネラルウォーターが……げ」
ζ(゚ー゚*ζ「ふふ、うふ。あはは……っ」
「なんだよ、ほとんどなくなってるじゃねーか。
あいつ、俺がいなくても飲めるんだな」
「それなのに、わざわざ俺に催促して……やべ、萌えた」
ζ(゚ー゚*ζ「あうーっ。あうーっ♪」
「待ってろよ。今そっちに持ってくからなー」
「……」
- 238: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:58:51.21 ID:HHh5n93b0
- 「……ショボン。あの野郎……いや、もういい。
俺には、こいつの方が大事なんだ。こいつさえいてくれれば、 一緒 にいてくれれば。
……くそッ」
ζ( ー *ζ「ふふ――っ」
ζ( ー *ζ「――」
ζ( ー *ζ「………………」
- 241: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:00:03.88 ID:HHh5n93b0
ζ(^ー^*ζ「――よんじゅう、はち♪」
- 242: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:02:04.64 ID:HHh5n93b0
*
(´・ω・`) 「よいしょっ、と。
ただいま、『ナナ』。
うん。やっぱり、僕らの部屋が一番落ち着くよね」
(´・ω・`) 「帰る途中、君のことばかり気に掛かって。
何度もお腹をなで回してたら、変な目で見られちゃったよ」
(´・ω・`) 「これじゃ、僕。まるで妊婦さんみたいだね。ははっ」
(´・ω・`) 「……」
(´-ω-`)「……『ナナ』、愛してる。
何よりも、誰よりもずっと。愛してる」
(´-ω-`)「僕たちは、ずっと、一生、一緒だよ。
大丈夫、僕が君を守ってあげるから。
誰にも、指一本触れさせないから」
- 247: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:03:48.32 ID:HHh5n93b0
- (´-ω-`)「ね? 『ナナ』。だから、そこでゆっくりお休み。
大丈夫、僕も一緒にいるから。ずっと、ずうっと……一緒にいてあげるから、ね」
(´-ω-`)「ふふ――……」
(;´・ω・)「……?」
(;´・ω・)「……なんだろう?
胃が……なんだかとても、お腹が重い」
(;´・ω・)「君と僕、二人分の重さだから。
しょうがないかな。はは、は…………っ?」
(;´-ω・)「う……! ――く、ごほっ。げほっ」
(;´-ω-)「う、ぇ――っ、気持ち悪い……でも、だめだ。吐いたりしちゃ、だめだ。
君は、もう僕のものだ。
二度と、離したりなんか、っ、しない。絶対、ぜった……ぅぐ」
- 249: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:05:02.98 ID:HHh5n93b0
- (;´-ω;)「か――っ、ぐ、ぇっ、げぼっ!」
( ´;ω;)「ああ、あ、はっ、はぁっ……ぅぅぅぅ、うげえっ、ごぼぉっ!」
( ´;ω;)「……!
うああ、あ……ああ、あぁっ」
( ´;ω;)「――ああ、ああぁぁっ、だ、ダメだ、ダメだ!
ダメだよ、ああ、こんな、こんな……行っちゃダメだよ!
僕を――見捨てないでよ! 『ナナ』っ!」
( ´;ω;)「うあ、あああぁぁっ!」
( ´;ω;)「……は、あははっ。
ああ、捕まえた。良かった――もう離さない、絶対に離さない。
僕と君は、ひとつなんだから」
( ´;ω;) 「……」
( ´;ω;) 「――ずっ……ずるっ」
- 251: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:06:54.02 ID:HHh5n93b0
- ( ´;ω;)「っは、ふはっ……ずるっ、ぴちゃっ。
ごくっ……は、あ、はあぁっ。
ああ…あ、そうだ、そうだよ。僕は君と。ふふ、っ、くちゃ、ずずっ…はふ、は、はぁっ」
( ´;ω;)「ひとつに、ぴちゃっ……なるんだ。
ぅぐ、ずるるっ、永遠に、永遠に……ず、ちゅっ、は、あ、ああぁっ――」
(*´;ω;)「はぁっ、は……、ふ、はぁぁぁ……っ」
(*´-ω-)「……はあ……っ」
(*´-ω-)「……」
(´-ω-)「ごめんよ……僕を、許して。吐いたりして、ごめんよ。
もう、大丈夫だからね。もう、二度と吐いたりしないからね。
大丈夫、もう大丈夫だよ。綺麗に舐め取って、飲み込んだから。また、元通り 一緒 だから」
(´-ω-) 「『ナナ』、愛してる。
絶対に、離したりしない。
僕たちは、ずっと 一緒 に、ひとつになって、生きるんだ」
(´-ω-)「――……けほっ?」
- 253: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:07:52.79 ID:HHh5n93b0
- (;´-ω-)「喉に……何か……ごほっ」
(;´-ω-)「……」
( ´・ω・)「…………?」
( ´・ω・)つ「……なんだろう、これ」
( ´・ω・)つ「植物の……芽?」
- 255: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:09:45.47 ID:HHh5n93b0
*
< ぴんぽーん
< ぴんぽーん ぴんぽーん
< ぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴんぽんぴんぽーん
( ^ω^)「ドクオ、ドクオ! いないのかお? 開けろお!」
( ^ω^)「……ん?」
( ^ω^)「ありゃ、鍵開いてるお」
( ^ω^)「じゃ、遠慮なくおじゃまシママースwwwwフヒヒwww」
( ^ω^)「……? 部屋、真っ暗だお。
おーい、ドクオ。ドクオ、いないのk
( ^ω^)「うぷっ!」
- 258: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:11:35.26 ID:HHh5n93b0
- ( ^ω^)「……なんだお、これ。ツタかお?」
( ^ω^)「よく見ると、壁も天井もびっしりだお。甲子園も真っ青だお」
( ^ω^)「…………」
( ^ω^)「ここもかお。ワケ分かんねぇお」
( ^ω^)「ショボンの部屋と、全く同じ状況だお」
( ^ω^)「…………」
( ^ω^)「ショボンといい、ドクオといい、部屋で植物育てるのが流行ってるのかお?」
( ^ω^)「カギは開けっ放しで、部屋は留守だお。
それに、服……ぞうきん? みたいな布きれが、そこらじゅうに絡まってるのも同じだお」
( ^ω^)「……あ、あれユニクロのタグだお」
( ^ω^)「……」
( ;^ω^)「……うぇっ」
- 261: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:13:10.62 ID:HHh5n93b0
- ( ;^ω^)「なんか微妙に青臭いのも同じだお……雑草の汁とか、精液? みたいな。
まwwwブーンってばおげふぃんww」
( ^ω^)「…………」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「……ドクオ……?」
( ^ω^)「……」
(# ^ω^)「ムッカー」
(# ^ω^)「ドクオ! いい加減出てくるお!
ブーンをからかって面白いのかお?」
(# ^ω^)「ショボン! ショボンもグルになってんのかお! 許さねーお!」
(# ^ω^)「ドクオ! ショボン! 観念して出てくるおーっ!」
- 263: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:14:57.51 ID:HHh5n93b0
- (# ^ω^)「…………」
(# ^ω^)「……」
(# ^ω^)「もういいお! せっかくすごい話しに来てやったのに、知らないお!」
( ^ω^)「…………」
(*^ω^)「フヒヒヒヒヒッw」
(*^ω^)「実はブーン、この前、道端で裸のおにゃのこを……おっと!
これ以上は言えないお。誰が聞いてるか分からないんだおwwwフヒヒヒッww」
(*^ω^)「ドクオもショボンも、もうどうでもいいお。
自慢する相手もいないし、とっとと帰っておにゃのこと遊ぶお!」
(*^ω^)「……ツンには悪いけど。
ブーンは若い娘の方が調教しがいがあって好きなんだお……なんちゃってwww」
(*^ω^)「調教…………フヒヒヒヒヒww」
(*^ω^)「フヒッwフヒヒヒヒヒwww
ばいぶーwww」
⊂ニニニ(*^ω^)ニニ⊃ブーン
- 269: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:17:32.85 ID:HHh5n93b0
- ( ^ω^)「ただいまだおー。
遅くなってごめんだお」
ζ(゚ー゚*ζ「あうううーっ、うふ。あはっ♪」
( ^ω^)「分かってるお。喉乾いたんだお?
すぐ持ってくるから、ちょっと待ってるんだお」
ζ(゚ー゚*ζ「あうううぅっ♪」
「まったく、ブーンの友達は薄情な奴らばっかりだお! プンプン」
ζ(゚ー゚*ζ「あう、あーっ」
「君は、あんなオトナに育っちゃダメだお?
ま、まあ、ぶ、ブーンにまかせておけば……ああ、安心だお! フヒヒッw
一緒 に、イロイロお勉強するお!」
ζ(゚ー゚*ζ「きゃはっ。あははは♪」
- 271: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:18:49.26 ID:HHh5n93b0
- 「い、今お風呂の準備するから、また、い、一緒に入るお?
あ、君がイヤなら別に構わないんだお! でも――……」
ζ(゚ー゚*ζ「……うふふっ」
「君が、もしそうしたいなら――ブーンと、ずっと 一緒 にいるお!
そしたら、ブーン、君を……ずっと守ってあげるお。 一緒 にいてあげるお!
だから――フヒッ、ハズカチーwww」
ζ( ー *ζ「…………ふ、ふ」
ζ( ー *ζ「――」
ζ( ー *ζ「………………」
- 272: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:20:08.28 ID:HHh5n93b0
ζ(^ー^*ζ「――よんじゅう、きゅう♪」
- 277: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:22:12.83 ID:HHh5n93b0
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/05(月) 03:03:36.00 ID:WhoIsNext
真夜中の街角で一人の少女が∩/繝サ謌で
とても楽しそうに数を数えながら繧、繧ケ繧定していた。
少女:「49♪ 49♪ 49♪ 49♪ 49♪ …………」
それを見ていた青年は声をかけた。
青年:「繝ァ繝ウで溘□閾ェするのって、そんなに楽しいのかい?」
少女:「ええ、とても。あなたも 『いっしょに』 やってみる?」
青年:「いいのかい?本当に?」
少女:「ええ。きっと楽しいわ。みんなで 『いっしょに』 遊んだら、もっと楽しい」
そして青年は莠コ縺ァs縺の上を元気良く≧縲 乖しはじめた。
青年:「49、49、49、49、49…………」
その瞬間少女は吶?ょ酔 を 繧オ繝した。
青年は>蠕悟?の??に∝クょ??縺ョ驕コ霍。縺ていった。
そして少女達は何事も無かったように
∪繧翫UR∝、壽を豎コ縺めて、またそこでヲ句粋縺しはじめた
少女:「50♪ 50♪ 50♪ 50♪ 50♪ …………」
- 279: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 03:23:28.59 ID:HHh5n93b0
从从゚从从从゚从ぼくらはエコロジストのようです从从゚从
終
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