- 7: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/05(月) 01:02:28.90 ID:koTv0ZtF0
- ─―カタカタ──
この世が闇に覆われた頃、不意に何かの音が聞こえた。
─―カタカタ──
…あなた、ちょっと、あなた…
ん、なんだ?まだ3時じゃないか。どうしたんだい?
…さっきからへんな音が聞こえるの、どうかしら?
…いや、聞こえないなぁ…
─―カタカタ──
む、今聞こえたな。どれ、ちょっと見てこよう。お前はここにいなさい。
…あなた、気をつけてね……
─―リ……メデモ…リナイ
次の日の新聞には、こう書かれていた。
──夫婦殺害事件!謎の死因――
从 ゚∀从(*゚∀゚)ノシ 人形たちは、…ようです
- 8: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/05(月) 01:05:17.15 ID:koTv0ZtF0
- 200X年の夏。まだまだ科学は発展途上でありながら、様々な問題が起こっている時代。
そんな中に、ある男女が並んで歩いている。
( ゚∀゚)「あー、糞あついな。なんか今年は異常な暑さじゃねーか?」
(*゚ー゚) 「そうだねー。今日は35度越えるらしいよ?」
( ゚∀゚)「まじかよ!もうそろそろ…」
\(゚∀゚)/「地球オワル」
そんなふざけた会話をしながら、歩いている男女。
男のほうは、ジョルジュ長岡という。あだ名はオッパイ星人である。その理由はいうまでもない本人の黒歴史である。
一方、これまた可愛らしいようzy…女の子のほうは、可憐しぃという。ジョルジュとは幼馴染である。
- 11: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/05(月) 01:11:01.98 ID:koTv0ZtF0
- (*゚ー゚) 「そういえばジョルジュくん、知ってる?一昨日の夫婦殺害事件のこと」
( ゚∀゚)「あぁ、新聞に載ってたな。なんかへんな死に方してたんだろ?」
(*゚ー゚) 「へぇ。ジョルジュ君が新聞読むなんて夏なのに雪が降るんじゃないのかな?まぁ、そのとおりだよ」
カエシテ…
(*゚ー゚) 「なんか首の血管を切られて出血多量ってことが死因らしいけど、それだけじゃ解決できないようなことがあるらしいよ?」
カエシテヨ…
( ゚∀゚)「へぇ。なんかこえー話だな。お前も夜、気をつけろよ」
アソンデアゲタジャナイ…
(*゚ー゚) 「言われなくたってわかってますー!そろそろ急がないと遅刻しちゃうよ!」
ネェ…
( ゚∀゚)「お、おう!急ごうぜ!」
…
……
カ エ セ ヨ ・ ・ ・ !
- 13: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/05(月) 01:16:10.48 ID:koTv0ZtF0
- ──キーンコーンチーンコーン──
場は変わって彼らの学校。
学校のチャイムが今日の憂鬱な時間の始まりを告げる。
それと同時に開くドア。小太りの男が入ってきた。
(´・ω・`)「はい号令ー」
キリーツ、キョーツケー、レイ!チャクセキ
(´・ω・`)「はい、今日も糞あついな。お前ら熱中症には気をつけろよ?」
この小太りの男─ショボン先生─が、そういった跡、しばらく教室は静まり返っていた。
あれれ?僕たちの先生は内藤先生だぞ?
みんながそう思い始めた頃
Σ(´・ω・`)「あ、言い忘れていたけど、ブーン先生は昨日のほもせっkゴフンゲフンウォエゴエエ!ガハ!ゴエエエエ!はぁはぁ…、お尻が痔になったから病院へいってくるそうだ」
ほもせっk のところが何かはあえて何も言わない。なぜならばこの先生はこの学校の生徒たちからホモ疑惑がかけられているからである。
(´・ω・`)「あ、そうそう。最近夜に物騒な事件がおきてるみたいだから、お前ら寝るときは戸締りをしっかりしておけよ。してなかったやつには俺の厚い棒・・・警棒アタックを食らわせるからな?」
(´・ω・`) 「しかし本当に今日は暑いな。おまえら死なないようになー。んじゃあHRを終わるから、チャイムがなるまで席を立つなよ」
冗談とも脅迫ともとれる言葉を残しながら、小太りホモ被疑者は教室から出て行った。
- 15: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/05(月) 01:21:31.23 ID:koTv0ZtF0
- それから数時間後。やはりなんだかんだ言って学校とは楽しいものなんだ。つまり時間は早く感じるわけで。
あっという間に放課後になった。ジョルジュとしぃはどちらも部活動には入っていないため、いつもいっしょに帰る。
そのため回りに冷やかされることもあったが、最近は慣れているようで、そういう輩は軽くあしらっているようだ。
( ゚∀゚)「はぁー。今日もだるかったー。」
(*゚ー゚) 「まったく、今日も一日中寝ていただけでしょう?」
( ゚∀゚)「いやいや、そんなことはないぞ。とりわけ俺の睡眠欲が欲するままにあることを行っていただけで…」
(*゚ー゚) 「つまり寝ていただけでしょうが!」
─アハハハハ…
そんな冗談を言いながら、途中二人は別れて、それぞれ家路へとつく。
カエシテヨ…
- 18: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/05(月) 01:24:42.34 ID:koTv0ZtF0
- 場は変わって、しぃ宅──
(*゚ー゚) 「はぁ。今日も疲れたー。」
ため息と共に荷物を部屋の隅へ放投げる。勉強なんて糞食らえ、だ。
そんなことを思いながら、部屋を出る。そうだ、お風呂に入ろう。
──カタカタ─―
ん?音がした?
……気のせいかな。それよりもお風呂お風呂っと。
テヨ…
マテヨ…
カエシテヨ…
川д川
私 ノ 目 、 カ エ シ テ ヨ !
- 19: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/05(月) 01:27:40.81 ID:koTv0ZtF0
- (*;゚ー゚)「ひっ!な、なにこれ!」
急に現れた何か。
それは、人形だった。いや、動いている時点で人形とは言えないが、姿形は人形だった。
右手に、銀色に光る何かを持っているしゃべり、動く人形。
私はあまりの恐怖に、腰が抜けてしまっていた。
川д川「目ヲ…カエシテヨ…ネェ?私ノ目…ドコ?」
(*;゚ー゚)「よらないで!いや!そうだ!お、おかーさん!おとーさん!」
私は必死に叫んだ。だが、私の父母が来ることはなかった。なぜならば…
(*;゚ー゚)(逃げなきゃ…逃げなきゃ…!!)
私は、やっとの思いで抜けた腰に力を入れて、居間へ逃げた。
(*゚ー゚)「おとーさん!おかーさ…嘘……」
そこにあったのは、確かに私の父母だった。屍と化した。
もうダメだ。なんなんだろうか、この人形は。
- 22: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/05(月) 01:30:29.29 ID:koTv0ZtF0
- (*゚ー゚)「あなたは何なの!私が何をしたというの!?」
私は命一杯叫んだ。私へとゆっくり近づいてくる人形に。
川д川「私ヲ…覚エテイナイノ…?ソウ…」
そのとき私には、人形が悲んでいるようにも笑っているようにも見えた。
川"∀川「覚エテ…ナイノネ…」
从 ゚∀从
川"∀川
从 ゚∀从
川"∀川
…そう、思い出したわ。髪はまっすぐに、眼が・・・ほじくられているけれど、この人形は…
そう、この人形は…
─―ガシャァン!ィィィィィィィ!――
不意に、逆側の窓の割れる音と雑音がした。いや、それは雑音ではなく…
- 25: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/05(月) 01:34:05.72 ID:koTv0ZtF0
- (#゚∀゚)「しぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
なぜか、ジョルジュ君が入ってきた。この家は一軒家だから、たしかに庭にまで入れば、そおから居間までは楽に入れるけれど…
(*;゚ー゚)「ジョルジュ君!なんで!?」
(#゚∀゚)「詳しい話は後だ!こいつらをどうにかするぞ!」
こいつら?そう私が思うのと同時に、割れた窓から何かが入ってきた。いや、飛んできたとでも言うべきか。
その姿は、私に似ていた。
そう、これらの人形たちは…
(*"∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャ!カエセ!私ノ眼ヲカエセ!」
そう、この、片目を失っている人形たちは、私とジョルジュ君がまだ小さかったころの。
その頃にいっしょに遊んだおままごと。そのときに使っていた人形だったのだ。
しかし、なぜその人形が今頃…
あれ?人形、使わなくなってからどこにどうしたっけな…?
(;゚∀゚)「くそ、こいつらどうやっても起き上がってきやがる!しぃは下がってろ!」
目の前でジョルジュ君が叫ぶ。私はそれを無視して考える。
あの人形は…たしか、使わなくなって。それで…
そう、修学旅行で。ジョルジュ君が使うからくれっていってきたんだ!
そう、「ひとりかくれんぼ」に使うっていっていた。それで…!
- 26: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/05(月) 01:38:57.93 ID:koTv0ZtF0
- 川"∀川(*"∀゚)「カエセ!私タチノガナイノナラ、貴様タチノヲ貰ウ!」
(;゚∀゚)「あぶねえ!」
ジョルジュ君が私を押し投げた。廊下に肩がぶつかって痛い。
(;゚∀゚)「ぐぅ…」
ジョルジュ君が苦しそうな声を出していた。
見てみると、ジョルジュ君の太ももが服ごと深く抉られていた。でも、どうやって?
──フォークだ。人形たちは、どちらもフォークを持っていた。
川"∀川(*"∀゚)「貴様ラニ選バセテヤロウ!片目ズツ寄コスカ、ソレトモドチラカガ両目ヲ寄コスカ!」
(;-∀゚)「うぐぅ…やべぇ…俺は逃げられそうにない…いけ、しぃ!逃げろ!」
(*゚ー゚)「ジョルジュ君……ダメだよ。格好つけようとしちゃぁ」
(;゚∀゚)「何を言っているんだ!早くにげろしぃ!」
- 27: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/05(月) 01:42:30.18 ID:koTv0ZtF0
- (*゚ー゚)「わからないの?逃げられないんだよ、私たちは。この人形たちは、怒ってるんだよ」
(*゚ー゚)「修学旅行を思い出して?あのとき、人形使ったでしょ?この人形たちは、私たちが小さな頃遊んでくれたの」
(*゚ー゚)「それなのに、目を抉られちゃって…理不尽だと思わない?結局は私たちが悪いの。」
(;゚∀゚)「しかし…それはお前は関係ないだろ…?早く逃げろ・・・!」
(*゚ー゚)「ううん。私にも罪はあるの。ジョルジュ君があの遊びをするってことを知っておきながら、止めなかったこと。それが罪」
(*゚ー゚)「いっしょに、罪を受けよう?命までは取られないよ。きっと」
私はそういった。ジョルジュ君は深く考えているようだったけれど、時間はなかった。
人形たちはそう長くは待ってくれない。
( -∀-)「しかたないか。罪を受けよう。人形たちよ、片目ずつ取ってくれていい!だが、その前に言いたいことがある」
( ゚∀゚)「すまなかった、な。それだけだ。」
川"∀川(*"∀゚)「アヒャヒャヒャヒャ!ソレジャア、覚悟シロヨ!」
─―その後、しぃとジョルジュはその人形たちを見ることはなかった。
- 28: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/05(月) 01:46:05.34 ID:koTv0ZtF0
- ─―数日後。病院のベットにて
なぁ、しぃ。本当は俺はお前に罪がないと思っているんだ。
あのとき、俺だけ目を両方ともやろうと思っていたんだ。
だけど、やっぱり俺は屑だ。せめて、お前と俺の片目ずつにしてほしい、なんて思ってしまったんだ。
ごめんな。しぃ。
(*Φー゚)「いいのよ。それよりもジョルジュ君。よかったわ、まだあなた…見れて」
( Φ∀゚)「しぃ……ごめんな。愛してるよ、しぃ」
(*Φー゚)「えぇ。私もよ。ジョルジュ君…」
─―だから、あなたの目を頂戴……
从 ゚∀从(*゚∀゚)ノシ 人形たちは、…ようです 終
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