- 2: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 01:10:41.79 ID:RpQkz9sF0
- 赤。
私たちがだれでも知っている赤。
例えば、りんごの赤。
でも、となりの誰かが知っている赤のクオリア(質感)と
君が知っている赤クオリア(質感)は
はたして同じなのだろうか?
*クオリア…主観的体験が伴う質感
この世界は、また一人、一人とクオリアに悩み、翻弄されるであろう。
- 3: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 01:15:05.39 ID:RpQkz9sF0
- 教師A「え〜、これがこうであるからして、うんたらすんたらうんちぶりぶり…」
銀河系第三惑星地球の日本国某市にあるVIP高校。
その中のある一室に、教師の声が響く。
それは人間の睡眠欲を刺激するようなものであり、決して興味を抱かせるようなものではない。
と、少なくとも僕は思っているのだが…
( ´ω`)「眠いお…地理とかマジありえんお……なんで問題集の半ページ進むのに2時間もかかるんだお…」
そんな愚痴をこぼしつつ、僕は睡魔と闘いながら黒板に書かれていくことを自分のノートに、又は問題集の隅に書いていく。
紹介が遅れたが、僕は内藤ホライゾン。あだ名はブーン。
なぜブーンになったかと言うと、小学校の頃。
_,
( ゚∀゚)「おいブーン、なんか面白いことやれよwwww」
( ^ω^)「うはwwwwおkwwwwww」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「飛行機ブンブンブーンwwwww」
_,
( ゚∀゚)「ビリーズブートキャンプ乙wwwwwwww」
なんてことがあったりしたのだ。これは本人とごく一部の者だけしか知らない、僕の黒歴史だ。
こんなことを知られたらもう僕の人生はお終いだ。特にツンに…
ああ、ツンって言うのは僕の幼馴染であり、一応お付き合いという形で親睦を深めている者なのだが…
- 4: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 01:19:10.56 ID:RpQkz9sF0
- ξ゚听)ξ「こらブーン、ちゃんと集中しなさいよ!」
ξ゚听)ξ「全く、そんなんだから頭も悪いのよ。この学校の恥ね」
なんて、酷いことをさらっとバンバン言いまくる、日ごろからツンツンしている友達ができ辛い性格をしている。
だけど僕の友達と彼女の友達は大体一致する。まぁ僕が原因なのだが…
簡潔に述べると、
僕と一緒にいるところへ僕の友達がくる
↓
最初はぎこちなかったけれど、しばらくするとなれる
↓
彼女の性格についても理解してくれる。よき友達に。
こんな感じだ。
一応言っておくが、彼女に僕の友達以外の友達がいないわけではない。
もちろん彼女にもいいところはあるのだ。例えば…
( ^ω^)「おっおっおっ。でもツンがちゃんと僕の書き忘れているところを指摘してくれるからおkだおwww」
なんて僕がちょっと彼女を誉めたりすると、
ξ*゚听)ξ「べ、別にあんたのためじゃないんだからね!私の学校の成績が悪くなるのが嫌なだけなんだから!」
って感じになる。まぁ僕はそんなツンに惚れたんだけどね。
- 5: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 01:26:03.73 ID:RpQkz9sF0
- そんなこんなで、やっと授業が終わる。
ちなみにさっきのは午後課外二時間目だ。つまり!これから放課後である!
それは僕らが自由になれることを意味しているわけであり、僕は部活にも入っていないわけで。
つまり僕は家に帰って色々なことができるってことだ。
僕はいつもツンと一緒に帰っているんだ。今日も一緒に帰ろう。
( ^ω^)「ツン、帰るお」
ξ゚听)ξ「私はもう準備できているんだけど?」
(;^ω^)「おっおっ、すまんこ。じゃあ帰るお」
そんなツンの罵声を浴び若干僕は感じながら、僕たちは校門を出た。
- 6: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 01:29:34.85 ID:RpQkz9sF0
- ξ゚听)ξ「ねぇブーン、私が見ているブーンと、ブーンが鏡で見る自分。一緒なのかしら?」
ぼくらの帰り道の途中。一緒に並んで帰っていたツンが、僕に突然訳の分からないことを聞いてきた。
( ^ω^)「はい?よく意味がわからないお」
ξ゚听)ξ「いや、だから…そうね。赤いりんごがあるでしょ?私が見ているその赤は、あなたが見ている赤とは違うのかもしれないじゃない」
ξ゚听)ξ「私が見ている赤は、あなたが見ている青かもしれない。わかる?」
(;^ω^)「おっ、なんとなく分かるお。でも急にどうしたんだお」
ξ゚听)ξ「別に、ただ単にフッとそう思っただけよ」
作者が言うには、ツンが言っていることはつまりクオリア(質感)の問題であるらしい。
所謂、君の理解している赤と、となりの人が理解している赤は違うかもしれない。
もしそうだとしたら、仮にあなたがとなりの人と移り変わったとき、いつもの貴方のみえるような世界じゃないかもしれない。
もちろんこれは色だけではない。姿、形、大きさ、etc...多くのものが含まれる。
まぁもちろんこんなのは馬鹿な僕には理解できないのですが。
( ^ω^)「おっ。別にいいじゃないかお。僕は僕から見えるツンが大好きなんだお」
ξ*///)ξ「ば、馬鹿!別にそんなこと言って欲しいわけじゃ…ないんだから!」
またなってるよツン…可愛いよツン…
そんなことを考えならが、僕らは歩いてゆく。
- 7: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 01:32:22.51 ID:RpQkz9sF0
- そんな帰り道の途中。
ξ゚听)ξ「あ、あれ何かしら?」
( ^ω^)「ん?なんだお?」
ツンが指差しているところを見てみると、確かに変なものが落ちていた。
それは球体のようであるが、3つの穴が開いている、黒くて不気味なものだった。
半径10cmといったところか。とりあえず勝った(性的な意味で)
(∵)
ξ゚听)ξ「なにあれ、気持ち悪いわ…」
( ^ω^)「おっおっ。ちょっと見てみるお」
ξ゚听)ξ「止めておきなさいよ、気持ち悪い。私、先に帰るから」
(;^ω^)「ええ!そんな!…って行っちゃったお……仕方ない、見てみるお」
僕はその黒い物体に近づいていった。
─―クオリア…クオリア…――
( ^ω^)「えっ!?誰かいるのかお!?」
僕はあたりを見回した。が、何もなかった。どうやら気のせいだ。
僕はもう一度その黒い物体を見てみることにした。
- 10: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 01:39:52.98 ID:RpQkz9sF0
- ( ^ω^)「うーん、やっぱり気持ち悪いお…」
そう思いつつ、僕はその物体を触ってみた。
刹那、僕の体に電流が走ったような気がして、僕は意識を失った。
─―ククク、また一人、クオリアに翻弄されし者が……――
─―ここはどこだお……
─――お邪魔するよ、君の頭に。
──だれだお…
─――我輩は……である。名はまだない
─―なんだって…?もう一度いってくれお
─――その必要はない。ククク……貴様、クオリアとは何か知っているか?
─―クオリア……なんて知らんお……ここはどこだお…
─――安心しろ、もうじき帰すさ…クオリアとは、主観的体験が伴う質感のことだ。
─―意味が分からないお……
- 11: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 01:44:40.21 ID:RpQkz9sF0
- ─――そうだな……貴様は今までに食ったパンの枚数を覚えているか?
─―DIO様乙……知らんお…
─――だろうな。では、仮に10枚とする。その10枚は君から見た10枚と、他人から見た10枚とでは違うとは思わないか?
─――つまり、君と隣人が見ているものは一緒でも、どう見えているかは違うかもしれない。そのどう見えているか、がクオリアだ。
─―クオリアは分かったけど、意味がわからないお…
─――君は、疑ったことがないか?君の周りが本当に生きているのか?君のように考えて行動しているのか?
─―そんなこと考えたことがないお…つーかありえないお……
─――ククク…そうか。なら、周りの人間が、機械的に考え、行動しているとしたら?
─――この世界で本当の意味で生きているのは、君だけだとしたら?
─――最愛の人が、全てが、嘘だったとしたら?
─―う、うるさいお!そんなわけないお!
─――そう思えばいい……だが忘れるな?君すらも、いや、この世、全てのものが
─――哲学ゾンビなのかもしれないのだからな……
*哲学ゾンビ…外面的には、普通の人間とまったく同じように振舞いながら、内面的には、意識を持たない
主観的体験を持っていない人間 参考…は自分で探してください。勝手に抜粋してすいません。
- 12: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 01:47:16.79 ID:RpQkz9sF0
- (;^ω^)「はっ!」
気づいたら、僕は布団の上に倒れていた。
どうやってここまできたんだろうか、いや、さっきの夢はなんだったのだろうか……
──ギュウゥゥ
腹の音が鳴った。どうやら僕の体は食べ物を欲しているようだ。
今何時だろう?そう思って時計を見ると、まだ8時だった。
よし、居間に行こう。さっきのことを考えるのは後ででいいや。
そう思い、僕は居間へ向かった。
( ^ω^)「カーチャン、飯くれお!」
J(川川)し「はいはい、ちょっとまってね」
カーチャンは僕が来ることを見越していたようだ。すでにキッチンへ向かっている。
( ^ω^)「そういえば、僕、いつ帰ってきたお?」
- 14: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 01:50:09.71 ID:RpQkz9sF0
- J(川川)し「何いってるの、7時ごろに帰ってきたじゃない。そのまま寝るって言ってたわよ」
そうなのか。記憶がないって怖いなぁ。
J(川川)し「さぁ、できたわよ。たんと」
J( ∵ )し「 お た べ 」
( ゚ω゚)「う、うわああああああああああ!」
僕がみたその顔は、まさにあのときの黒い物体の穴のようだった。
J( 'ー`)し「ど、どうしたんだいブーン!大丈夫かい!?」
ふと見直してみると、いつものカーチャンだった。
見間違いだろうか、とも思ったが、それはなさそうだった。
( ゚ω゚)「あ、ごめんおカーチャン。ちょっと気分が悪くなってきたお。明日、ご飯たべるからおいておいてくれお」
そういって、僕は部屋へ向かった。そして、そのまま布団を頭まで被った。
- 15: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 01:52:48.45 ID:RpQkz9sF0
- ─―あれから一週間がたった。
ずっとブーンは来ていない。担任や、彼の母親は風邪と言っている。
流石に今日はお見舞いに行こうかなぁ。
そう考えていながら、今日も無意味に思える先生の話を、黒板に書かれていることをノートに書き写す。
なんで、休んでるんだろう。本当に風邪かな?
今頃どうしているだろう。
そんなことを考えていると、あっという間に放課後になった。
私が帰る準備をしていると、不意に声をかけられた。
(*゚ー゚)「ねぇねぇツンちゃん。今日、ブーン君のお見舞いにいかない?」
しぃだった。彼女とは小学5年生のときに初めて会った。
それからしばらく会わないで、一昨年──つまり高校1年のとき──の秋に再会した。
とても気が利く、いい子で、少なくとも私は親友だと思っている。
ξ゚听)ξ「あ、私もそうしようと思っていたところよ。じゃあ、一緒に行きましょうか」
(*゚ー゚)「うんうんそうしよう!じゃあ、途中でお見舞いの品何か買っていかないとね」
それは完全に盲点だった。ブーンの家にいったら蹴って休んでた理由を問いただすことしか頭になかったのだ。
ξ゚听)ξ「あー、そうね。やっぱり食べ物がいいのかしら?太ってるしwww」
(*゚ー゚) 「うわぁひどいww。でも、やっぱり果物とかよさそうじゃない?」
そんなことを話しながら、私たちはブーンの家へ向かった。
途中、黒い物体を見ることもなかった。
- 16: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 01:56:32.86 ID:RpQkz9sF0
- あれから一週間たつか。
僕はふとそう思った。時間が立つのは早いなぁ。
まぁ時間なんて……いや、よそう。
今日、実行しよう。うん、そうしよう。
─――ピンポーン、ピンピンポーン、ピンピンポーピンポピピピンポーン
誰かが僕の家のチャイムを鳴らしている。いや、遊んでいる。
誰だろう、迷惑な。
まぁ、誰だっていいのだ。
……はぁ、面倒だ。
でも仕方がない、出るか。
そう思って、僕は玄関まで向かった。
─――ぴんぽポポポポポポポポポグエエ!ガハ!ゴエエエ!ポポポポポン!
はいはいでますよ、でますよ。とりあえずどなたですか?
─私よ、私!さっさと開けなさいよ!
私じゃ分からんお。誰だお。
─……ツンよ!
あー、はいはい。ちょっとまってお。
そんなやり取りをし、僕は玄関の鍵を開けた。
ガラガラ
- 17: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 02:01:01.64 ID:RpQkz9sF0
- ξ#゚听)ξ「ちょっと、遅いのよ!なによさっきの言い草は!」
( ´ω`)「私じゃ分からんお。だから聞いただけだお」
ξ#゚听)ξ「私の声を忘れたってわけ!?」
( ´ω`)「そうじゃないお。でも名前を言わないほうが悪いお」
ξ#゚听)ξ「そ、そうだけど……!」
( ´ω`)「んで、今日はどうしたんだお?」
ξ゚听)ξ「お見舞いにきてあげたのよ、しぃと」
…?何か変だ、彼女は。まぁいい。
ξ゚听)ξ「んで、なんで休んでたのよ」
( ´ω`)「別に何だっていいお。風邪だお風邪」
ξ゚听)ξ「嘘つきなさい。どうせずる休みなんでしょ。まったく、貴方はそんなんだから…」
いつもはそんなに気にならない、その言葉が、なぜか、最後の言葉が頭にきた。
- 18: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 02:04:23.44 ID:RpQkz9sF0
- ( ゚ω゚)「うっせーお!だまれお哲学ゾンビが!」
ξ゚听)ξ「はぁ?いきなりどうしたのよ!?」
( ゚ω゚)「お前には関係ないお!所詮この世はそうなんだお!」
( ゚ω゚)「いいお、教えてやるお!ずっと考えていたんだお!最初はテメーが言ってたクオリアから!」
( ゚ω゚)「クオリアのことを考えているにつれて、色々かんがえたお!この世界は作られたものだとか!」
( ゚ω゚)「本当に君らが僕と同じように意識をもっているのか、とか!僕だけが見ているこの世界だとか!君たちは哲学ゾンビであるんじゃないだろうかとか!」
( ゚ω゚)「この、考えている自分だけは確かに存在しているお!でも君たちが僕と同じとは限らない!」
( ゚ω゚)「所詮僕は誰か…いや、何かの手のひらで踊らされているだけなんだお!わかったかこの哲学ゾンビが!もうかかわるなお!」
ξ゚听)ξ「な、なによその言い草!ちょっと考えたからっていい気になっちゃって!」
( ゚ω゚)「じゃあお前と僕が同じってことを証明してみせろお。え?どうだ、できないんだお?ほらみろ!哲学ゾンビが!」
- 19: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 02:07:27.77 ID:RpQkz9sF0
- なぜだろう。私はこのブーンをみて悲しくなった。いつもなら怒っているのに…
ブーン、ブーン。あぁ可愛そうなブーン、あなたは一体どうしてしまったの?
そう、思って。私は下に落とした目線を上げてブーンを見ようとした。
が、その途中に見えてしまった。あってはいけないもを。
そこには、あの物体があった
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- 20: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 02:10:16.69 ID:RpQkz9sF0
- ( ゚ω゚)「うわああああああああ!!!な、なんで……なんであるんだお!」
ξ;゚听)ξ「え…ブーン、これもって帰ったの?」
( ゚ω゚)「違うお…なんで…ありえない……あり得ない……有り得ない」
僕は目の前の現象を理解できなかった。
( ゚ω゚)「そうか……ははwwなるほどなwww」
( ゚ω゚)「聞け!僕は、貴様らに騙されないお!」
( ゚ω゚)「僕は死ぬのが怖い!なぜならばその後の世界が怖いからだ!そう思っていた!」
( ゚ω゚)「でも、違った。所詮僕は脳に支配されている存在。その後は無になることは必然。死後の世界なんて在るわけがない!でもそれは別に問題じゃなかった!」
( ゚ω゚)「その恐怖の原因は、経験していない、ということだった!今、僕は、恐怖を乗り越える!」
( ゚ω゚)「うひゃははははははは!」
突如、狂ったように笑い出した彼は、懐からナイフを取り出すと、いっきに。
止める間もなく、首へ突き刺した。
- 21: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 02:14:57.06 ID:RpQkz9sF0
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- 23: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 02:18:25.11 ID:RpQkz9sF0
- ξ;゚听)ξ「ブ、ブーン!」
私は叫んだ。精一杯叫んだ。叫んだところでどうしようもないのに。
(; ω゚)「くるなお…ゾンビめ……僕は、貴様らから逃れるんだお…くくく…」
彼は狂ってしまった。もう、止められないのだ。それでも私はあきらめられない。
ξ;゚听)ξ「ブーン、しっかり!しぃ、しぃ!誰かよんで!」
(; ω゚)「し…ぃ…?グ…さらばだ、この世よ……最後に、君がもし違うというならば……」
─―僕が生きていたことを、忘れないでくれお……
それが彼の最後の言葉だった。その言葉を言い終わると、体から力が抜けたように、彼は倒れた。
私はそれが全く理解できていなかった。
しぃ、しぃ!早く、救急車を!
ずっと叫んでいた。
─―ふふふ、おばかさぁん……まだ分からないの?
不意に、声が聞こえた。
- 24: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 02:22:01.22 ID:RpQkz9sF0
- ( ω゚)「ふふふ。本当にダメねぇ。」
ブーンの亡骸がしゃべりだした。もう、私には理解できなかった。
周りを見渡すと、しぃはどこにもいなかった。
ただただ、それ以上彼を汚さないで欲しかった。
( ー゚)「別に汚しているわけじゃないわ。ひどいいいようね」
( ゚ー゚)「まぁ、どうでもいいのだけれど?」
かつでブーンだったそれは、確実にしぃへとかわっていった。
ξ゚听)ξ「あなたは…一体なんなの?」
(*゚ー゚)「ふふふ、私?私に名前なんてないわ。そうね、あえて言うなら」
─―ウィルス、かしら?
- 25: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 02:25:13.25 ID:RpQkz9sF0
- これは何を言っているのだろう。今起きていることを理解できない時点で、それが言ってることを理解できるわけがないのだが
(*゚ー゚)「うふふ。ウィルスよ。人に感染する、あのウィルス。彼は気づいていたようだけど、はじめからしぃなんて者はないわ」
ξ゚听)ξ「え…?じゃあ、私としぃが初めてあった小学5年生のときから…」
(*゚ー゚)「いいえ。ちょっと違うわね。正しくは、少なくとも小学5年生から、よ。うふふ」
(*゚ー゚)「なぜそうなのか。それは、私は言ったとおり、ウィルスみたいなものなのよ。つまり常にこの姿をしているわけじゃないの」
(*゚ー゚)「私たちは、別に攻撃なんてしないわ。貴方たちが勝手に、死ぬだけ。私たちはただ、問いかけるのよ」
─―――クオリアを……ね?
ξ;゚听)ξ「どういうこと……感染しても、何も問題はないってこと?」
(*゚ー゚)「えぇ。大正解。感染しても問題はないわ。問題は貴方たちの心にある悩みよ。私たちは、貴方たちのクオリアに住み着くの」
(*゚ー゚)「私たちが問いかけたクオリアの問題に、翻弄されたら最後。ふふふ。あなたはどうなのかしらね?」
(*゚ー゚)「もちろん、彼も勝手に死んだのよ?私は問題じゃないんだから。うふふふふ」
そう彼女がいうと、急に回りの風景がぐるぐると変わりだした。
まるで、他人のクオリアを感じるように。
ジャングルの中だったり、見たこともないようなところだったり。
様々な風景が、流れは変わり、そしてまた流れては変わって言った。
そして、元の世界に戻った。
- 26: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 02:29:05.41 ID:RpQkz9sF0
- (*゚ー゚)「これが最後になるでしょうけれど、言っておくわ。彼が、ブーンが感じていたクオリア。それは、貴方の顔が、貴方のあの黒い物体の穴が見えるクオリアと同じ。そう見えていたのよ」
まぁ、それを信じるかどうかは貴方しだいだけれども。
そういって、彼女──ブーンの亡骸──は音を立てて崩れていった。残ったのは粉となった彼と、ナイフ。
私にはもう無理だった。
私は、彼のナイフを手にとって
首へ振り落とした。
ゴツッ
- 27: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/06(火) 02:33:21.20 ID:RpQkz9sF0
- あのナイフは、私の首には刺さらなかった。
それが何故かなんて分からない。いや、この世界の根源事態を理解してない私に分かるわけがない。
それと同時に、私の周りは闇に閉ざされた。
自分の声は頭の中で反射する。だが、音は聞こえない。
何もない。あり得ない。そんな世界。私は死ぬことすらも拒絶されてしまったのだ。
これも、誰かが感じているクオリアなのかもしれない…
そんなことを考えていた。
もうどれだけの時がたったのだろう。
しばらくして、私は考えるのを止めた。最後に、こう思ってから。
「ごめんなさい、ブーン。貴方が誰だったか、忘れてしまったわ。
代わりに、この世に残る人たちに、最後に私からのプレゼントを…言葉で贈るわ」
貴方は、すでに感染しているかもしれませんよ?
( ^ω^)訳が分からないままクオリアと戦うようです 〜END〜
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