135: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:56:12.79 ID:HHh5n93b0
(´・ω・`) 「…………別に。僕は」

(´・ω・`) 「言ったじゃないか。『僕の身に起こったことを、最後までありのままに話すだけだ』って。
      ただそうするだけさ」

('A`)「……」

(´・ω・`) 「いや、君がどうしても聞きたくないなら、いいんだ。
      それなら、僕は他の人に話を聞いてもらうだけだしね」

('A`)「……」

(´・ω・`) 「やっぱり、ブーンがいいかな。
      それとも、ツンにするか、クーにするか。どのみち――」

('A`)「……」

('A`)「……分かった」



137: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 01:58:05.64 ID:HHh5n93b0
('A`)「分かったよ。降参だ。俺の負けだ。
   お前の話、最後まで聞くよ」

(´・ω・`) 「本当に、いいのかい?」

('A`)「お前もしつこい奴だな。いいって言ったらいいんだ。
  それともここまで来て出し渋りか? さんざんひっぱっといて随分な仕打ちだな、おい」

(´・ω・`) 「いや、……そんなんじゃないんだよ。ごめん。
      分かったよ。それなら、話そう」


(´・ω・`) 「僕の、最後の……最後の告白だよ」



139: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:00:09.59 ID:HHh5n93b0
(´・ω・`) 「――それから、僕と彼女は。
      何日も、何日も。ずっと一日中、二人でベッドの中で過ごした」

('A`)「……」

(´・ω・`) 「なぜ、ベッドの中なのか? なんて、もう言わなくてもいいよね、
      僕は……もう完全に、彼女の虜だった」

(´・ω・`) 「たった一度、誘惑に負けただけなのにね。
      それだけで僕はもう、彼女がいないと生きていけなかった」

('A`)「そこまで、いいモンなのかね」

(´・ω・`) 「うん。
      他には何もいらない。そう思うほど、良かったよ」

('A`)「おー、怖わ。童貞の自分に感謝だな」



141: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:01:31.88 ID:HHh5n93b0



                      *

(;´・ω・)「は、っ。はあっ、はあっ、はあっ、はあっ――」

ζ(゚ー゚*ζ「んっ、んぁっ、あ、ふ、くふぅ――んッ」

(;´・ω・)「はッ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ。
      はあっ、はあ……っはッ、はッ! はッ……!」

(;´・ω・)「っ、く――、ッ、う――っ!」

ζ(゚ー゚*ζ「んんぅっ、んぁ、あ――――あ。
       ……ふふ、ん、あはぁっ♪」


                      *



143: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:02:49.25 ID:HHh5n93b0
(´・ω・`) 「僕らは、ろくに食事も取らずに、何度も何度も交わった。
      夜になったら、二人でシャワーを浴びて。
      朝起きたら、シーツを洗濯して替えて、また何度も」

(´・ω・`) 「ベッドのシーツは……毎日、僕らの体液でべとべとだった。
      でも僕はそれが汚いとか、不潔だとか、そんなことは全然思わなかった」

(´・ω・`) 「それはむしろ、僕だけじゃなく、言葉を知らない彼女も悦んでいることの証のように思えて。
      嬉しかった」

('A`)「お盛んなこって」

(´・ω・`) 「彼女だって、あの小さな身体のどこにそんな体力があるんだろうと、今でも不思議に思うほど。
      数え切れないほど、僕にせがんだ」

(´・ω・`) 「僕も、同じだ。あれだけ一日中交わり続けて、どこにそんなモノが残っているのか疑問になるくらい、
      何度も、何度も。何度も射精した」

(´・ω・`) 「……彼女の身体は、外側も、軟らかい肉に覆われたその内側も、暖かくて、柔らかかった」



146: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:04:29.13 ID:HHh5n93b0
(´・ω・`) 「僕は、幸せだった。
      時間の感覚もなくなるほど、飽きもせずに。どろどろになって、彼女と時間を過ごした」
      それはこの上なく、幸せな時間だった」

(´・ω・`) 「僕は、幸せで。でも……」

('A`)「……」

( ´;ω;) 「…………っ」

('A`)「……なんだよ急に?」

( ´;ω;) 「く……うっ」

( うω-) 「……」

(´・ω・`) 「――」

(´・ω・`) 「ドクオ」

('A`)「何だよ」

(´・ω・`) 「ドクオ。……僕は、きっと彼女を愛してたんだ。
      今になっても、やっぱりその気持ちは変わらない」

('A`)「……」



150: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:06:38.57 ID:HHh5n93b0
(´・ω・`) 「性欲を満たすためだけの行為。
      それは……いつの間にか、僕にそれを許してくれる彼女への、愛のしるしに変わっていった」

(´・ω・`) 「そして彼女も、僕にそれを望んでいた。
      たぶん、きっと…そうだ」

('A`)「……」

('A`)「愛? バカ言うな。
   素性も知れない女の子と、朝から晩までヤリまくって、それが愛だ?」

(´・ω・`) 「……」

('A`)「黙って聞いてりゃ、お前完全に犯罪者だよ。
   愛だとか、そんなキレイ事……語る資格もねえ。たとえ向こうから誘ってきても、同意の上でもだ」

(´・ω・`) 「ああ、そうだよね。僕は、タダの犯罪者で、どうしようもないゲス野郎だ。それは事実だよ」

(´・ω・`) 「最初に誘惑に負けたのは、僕だ。
      僕の行動が、全ての発端だから」

('A`)「だったら――」

(´・ω・`) 「でも、ドクオはきっと、知らないからそう言えるんだ。
      彼女の瞳を、身体を、声を、何も知らないから」



152: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:07:45.88 ID:HHh5n93b0
('A`)「……へ、いけしゃあしゃあと。
   ンなもん、知りたくもねえな」

(´・ω・`) 「そう、だよね。理解できないよね。
      でも、知っておいて欲しいんだ。僕が彼女を、間違いなく、愛してたってことを」

('A`)「……」

(´・ω・`) 「僕がしたことは、狂気とか、衝動とか、そんな下賤な感情に起因するものじゃない。
      ただ愛のためだって、それだけを分かって欲しいんだ」

('A`)「……」

(´・ω・`) 「彼女も、僕を愛してた。
      ……僕と、ひとつになりたいと望んでいた。それもきっと、間違えようがない事実だ」

('A`)「なんで、そう言えるんだ」

(´・ω・`) 「感じたんだよ。
      言葉はなくても、彼女はそう思っている、って。想い合うって、そういうことだろう?」

('A`)「想い合う――臭えな。お前にそう言える権利はあんのか?」



154: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:08:54.22 ID:HHh5n93b0
(´・ω・`) 「……分からない。
      でも、そう思う。それを、分かって欲しいんだ。
      この言葉にできない感慨を。僕と彼女の間だけの」

('A`)「……」

('A`)「――分からない、と言ったら?」

(´・ω・`) 「僕の話は、ここでおしまいだよ。
      この話の結末は、この先ずっと、誰の耳にも入ることはない」

('A`)「……」

(´・ω・`) 「でも、この話を最後まで聞けば、君にもきっと分かる。
      僕たちは、幸せだったんだ……そのことが」

(´・ω・`) 「ね、ドクオ。僕は、何度だって聞くよ。
      分かってくれたかな?」

('A`)「…………」



157: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:10:31.69 ID:HHh5n93b0
('A`)「……ああ。共感は到底できねーけど、理解はできる。
   これで十分か?」

(´・ω・`) 「十分だ。ありがとう」

('A`)「そいつはどーも」

(´・ω・`) 「――そうやって、何日ぐらい過ごしただろう。
      正直言って、日付の感覚も、時間の感覚も、曖昧なんだ」

('A`)「……文字通りの蜜月って訳だな。下らねえ」

(´・ω・`) 「次第に、僕の中には、最初の頃とは、彼女とのべつ交わるようになってからは――
      違う感情が、生まれてきた」

(´・ω・`) 「それは、そう」



160: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:11:45.44 ID:HHh5n93b0


                     *


(;´・ω・)「はあっ、あ――――あ、ああぁぁっ!」

ζ(゚ー゚*ζ「ふぁあ、はふ――ぅんっ」

(;´-ω-)「はあ、あ、ああぁっ。
      ああ、あ、あ――」

ζ(゚ー゚*ζ「ぅん? あーっ、あうーっ?」

( ´;ω;)「……、してる……。
      愛してる、『ナナ』、愛してる――!」

ζ(゚ー゚*ζ「ん……んぁっ?
       うふ、ふ、ふふふふふっ♪
       あははっ。あうぅ、――ん! んんぁっ♪」


                      *



163: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:13:04.26 ID:HHh5n93b0
(´・ω・`) 「……そう。僕は、いつの間にか、彼女を愛していたから。
      だから」

(´・ω・`) 「僕は――」

(´・ω・`) 「……」

('A`)「……」

(´・ω・`) 「……」

('A`)「……おい。
   黙ってちゃ、お前が何をしたのか分からないぜ。話せよ」

(´;ω;`) 「……、うっ」

(´;ω;`) 「う、うっ……ドクオ、僕は……僕は……」

('A`)「なんだ。どうしたんだよ?」



165: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:14:23.40 ID:HHh5n93b0
(´;ω;`) 「ぼ、僕は……っ、彼女を、愛してたんだ。
      ほんの短い間だったけれど、何よりも、世界中の何と引き替えにしてもいいくらい、
      彼女を愛してたんだよ。本当だ。信じてくれよ……」

('A`)「何だよ、何度も何度も。
   理解はできる、さっきそう言ったばっかじゃねーか」

(´;ω;`) 「だから、僕は……。
      僕は……」

(´;ω;`) 「……」

(´-ω-`) 「………………」

(´-ω-`) 「………………」

('A`)「おい、ショボン?」

( うω・) 「………僕は」

(´・ω・`) 「離れたく、なかったんだ」

(´・ω・`) 「いつまでも、永遠に」

(´・ω・`) 「ずっと」



169: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:15:46.59 ID:HHh5n93b0
(´・ω・`) 「離れたくない。
      いつまでも、永遠に、こうしていたい。
      もう、彼女がいない生活なんて、耐えられない」

(´・ω・`) 「彼女は、いつか、いなくなってしまうかもしれない。
      親が、友人が、警察が、あるいはあの夜、僕が彼女を拾ったあの夜、僕の姿を見ていた人が。
      もしくは僕の友人が、僕の親が、知らない誰かが」

(´・ω・`) 「誰かが、彼女を奪い返しに来るかもしれない。
      誰かが、僕と彼女の仲を引き裂くかもしれない。
      誰かが、今にでも部屋の戸を叩くかもしれない」

(´・ω・`) 「僕は、限界だった。
      彼女と愛し合いながら、彼女の唇を吸いながら、僕は、その時を心から恐れていた」

(´・ω・`) 「いやだ。
      離れるのはイヤだ。
      彼女は、誰にも渡さない。絶対に、渡さない」

(´・ω・`) 「だから」

(´・ω・`) 「だから、僕は」

(´・ω・`) 「僕は――――彼女を」



172: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:17:33.56 ID:HHh5n93b0
(;'A`)「――ッ」

(;'A`)「ショボン、お前――」

(´・ω・`) 「ドクオ。
      言ったよね。分かって欲しい、って。
      僕たちは相思相愛だって、分かって欲しいって」

(´・ω・`) 「愛してたんだ。本当だよ。たとえそれが僕の思い込みだったとしても。
      ……いや。そんなはず、ない。彼女も、きっとそう望んでた。
      間違いない――うん、間違いない」


('A`)「……」

('A`)「――ショボン」

(´・ω・`) 「何だい?」

('A`)「さっきは悪かったな、犯罪者だのどうの。言い直すよ。
   お前は、狂ってる。
   完全に狂ってる」



175: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:18:53.83 ID:HHh5n93b0
(´・ω・`) 「……」

('A`)「キチガイだよ、お前は。
   完全に向こうに行っちまってる。
   お前は、もう、この世界の住人じゃない」

(´・ω・`) 「……」

(´・ω・`) 「……そう、思うのかい」

('A`)「ああ。心の底からな」

(´・ω・`) 「そうか。
      でも――いいんだ。
      君が信じてくれなくても。分かってくれなくても」

(´・ω・`) 「僕は、君に、ありのままのことを話すだけだから」

('A`)「……け。ホント白々しいぜ」



177: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:20:40.47 ID:HHh5n93b0
(´・ω・`) 「僕は……僕は、泣いていた。
      彼女と交わりながら、別れの悲しみに胸を引き裂かれる思いだった」

(´・ω・`) 「彼女は、笑っていた。
      僕が何で泣くのか分からない、といった表情で、あどけなく笑っていた」

(´・ω・`) 「そんな彼女の、細い鎖骨が、カーテンの隙間から差した月の光に――、
      いや、あれは陽の光だったかな。覚えていないけれど――照らされて、浮かび上がった」

(´・ω・`) 「――それは――天啓だった」

(´・ω・`) 「あるいは、彼女がそう、望んだのかもしれない。
      声ではない声で、僕に語りかけたのかもしれない」

(´・ω・`) 「――僕がしたいようにして、いいんだ――と。
      その声は、絶対だった。逆らいがたい魅力の誘いだった」

(´・ω・`) 「だから僕は」

(´・ω・`) 「大きく、口を開けて――」

(´・ω・`) 「――くわえた。
      彼女のその鎖骨を、深く、深く。
      顎に、思い切り力を入れて」

('A`)「……ッ」



179: ◆wZk4NVoY.w :2008/05/04(日) 02:21:55.19 ID:HHh5n93b0
(´・ω・`) 「めき、と、口の奥で音がした。
      彼女は、笑っていた。
      僕も笑おうとしたけれど、彼女の骨をくわえていたから笑えなかった」

(´・ω・`) 「でも、彼女が笑っているのが、嬉しくて。
      彼女も、僕と同じことを思っていたんだ、そう分かると、嬉しくて」

(´・ω・`) 「僕は、思い切り首を、後ろに引いた」

(;'A`)「――!」

(´・ω・`) 「なんと形容したらいいんだろう。
      そう、彼女の薄い皮膚がまとわりついた鎖骨は、そう。
      柔らかくて、芯があって……セロリのように、堅くて、細い繊維が縦にびっしり入っているようだった」

(´・ω・`) 「僕はベジタリアンだったかな、と、その骨を咀嚼しながら考えていた」

(´・ω・`) 「不思議なことに、映画みたいに真っ赤な血が飛び散ったりはしなかった。
      でもあれは映画だから、作り話なのかな?」

(;'A`)「う――ッ」

(´・ω・`) 「あるべき一部がぽっかりとなくなっている彼女の身体は、それでも綺麗だった。
      僕と彼女の体液と唾液にまみれて、てらてらと光っていて。
      体液の臭いはまるで、あくの強い雑草のように青臭かった」



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