便器のようです
- 742: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:08:10.89 ID:Q8OMwzG80
- ( ^ω^) 「……」
ここは我が家のトイレ。
一人暮らし。 だから隠れる必要はない。
しかし。
( ^ω^) 「……始めるかお」
シコシコシコシコピュッ
( ^ω^) 「ふぅ……」
僕はトイレで自慰するのが好きなのだ。
便器のようです
- 744: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:10:49.16 ID:Q8OMwzG80
そもそもトイレで自慰するようになったのはいつだろう。
ああ、あの時だ。
懐かしいなあ。
僕にもあんな日があったんだ。
- 746: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:13:12.80 ID:Q8OMwzG80
- 思い返せば生まれた時から一緒だったね。
('、`*川 「おめでとうございます。 男の子ですよ」
J( 'ー`)し 「嬉しい……」
そんな会話が病院であったんだろう。
僕の勝手な想像でしかないが。
そして僕の6分遅れで君はこの世に生を受けた。
恐らく君の家族の間では看護婦さんの科白が男の子から女の子に変わっただけだったろう。
そう考えると運命を感じないかい?
ねえ。 どう思う?
- 748: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:16:08.55 ID:Q8OMwzG80
- 幼少期。
2人揃って同じ保育園に入れられたね。
あの時は2人離れるときが無かったよね。
一緒に女子トイレに入ろうとして先生に怒られたっけ。
( ^ω^) 「……ふふっ」
今日はおかしいな。
精神がたかぶってるのかな。
それとも賢者モードの賜物かな。
なんだか今日は人生を振り返ってみたい気分なんだ。
付き合ってくれるよね?
- 751: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:18:09.63 ID:Q8OMwzG80
- 中学校に入ってから君はずいぶんと冷たくなったね。
今思うとあれが今はやりのツンデレってやつかな。
あの時から君は最先端を行ってたんだ。
ξ゚听)ξ 「気持ち悪いから近寄らないでくれる?」
そう言われたのが中学1年生の時だっけ。
まったくこのころから素直じゃないんだから。
从 ゚∀从 「ツン、ちゃんと言ってきたか?」
(*゚ー゚) 「あーいう奴はさ、ビシッと言わないと駄目なんだよ」
ξ゚听)ξ 「ちゃんと言ったわよ、これであいつももう近寄らないでしょ」
(*゚ー゚) 「よかったー。 じゃあカラオケいこっか」
- 753: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:20:25.80 ID:Q8OMwzG80
- 僕は純粋だったなあ。
君の裏の意思をくみ取ろうともせず、本当に近寄らないでいたんだ。
あの頃にツンデレなんてはやっていたらきっともっと早く君の気持ちに気がついたのに。
( ^ω^) 「……でも、やっと高二の時に気がついたんだおー」
- 755: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:22:17.61 ID:Q8OMwzG80
- 君と話せない。
辛い気持ちから逃れるために僕は中学から柔道部に入ったお。
きつい練習は胸にぽっかりと空いた隙間は埋めるとまではいかなかったけど。
ほんのちょっと気持ちは紛れたんだ。
でも。
( ゚∀゚) 「おい聞いたかブーンwwwwツンさんがお前のこと好きらしいぞwwww」
この朗報だお。
パンを毎日買ってあげてたから教えてもらった情報だお。
その日から君へのアタックが始まったお。
- 758: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:24:21.67 ID:Q8OMwzG80
- 悪い虫がつかないかチェック。
君は学年で断トツでかわいかったから当然悪い虫がたかってたお。
ここで柔道部の経験が活きたお。
(;^Д^) 「ちょっおまっ ガッグエッ」
悪い虫はこうやって地面に叩きつけて成敗したお。
2人ぐらい病院にいって柔道部を退部になったけどどうでもよかったお。
君に悪い虫がつかないことが1番の重要課題だったお。
次に家周辺のパトロール。
家は隣同士だったから部屋からでも監視できたお。
君は恥ずかしがってカーテンを閉めていたけど。
- 762: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:26:49.80 ID:Q8OMwzG80
- まったく好き同士なんだから隠れる必要ないのに。
そう思ったけど考えたんだお。
君は僕から隠れてたんじゃなくて、他の誰かから隠れてたんだ。
('A`) 「防犯グッズ……? アキバとかにあるんじゃね」
クラスの根暗なやつから情報を聞いてグッズを揃えたお。
正直カメラとかのお金はかさんだけどしょうがないお。
君を守るためなら安い出費だお。
ξ゚听)ξ 「行ってきまーす」
君が学校に行ったのを見計らって家に侵入したお。
君の両親は共働きだったし、鍵の隠し場所も知ってたお。
僕は君の安全のためにカメラをいたるところにしかけたんだお。
- 764: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:29:40.32 ID:Q8OMwzG80
- これで完璧だお。
そう思ってずっとモニターの前にいたお。
たぶん24時間中22時間ぐらいは見てたんじゃないかな。
もちろん僕にも学校はあったし両親もいたお。
J( 'ー`)し 「ブーン! あんたまた学校サボって!」
こういったカーチャンのおせっかいは邪魔なことこの上なかったお。
だから両親が事故で死んで1人になったときはこの上なく喜んだお。
これで誰にも邪魔されず君を守れる。
そう考えると興奮して眠れなかったお。
- 766: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:31:25.19 ID:Q8OMwzG80
- 両親の葬式はずっと突っ立ってるだけで終わったお。
周りの人たちが 「かわいそうに」 って全部してくれたからだお。
だから僕はずっと参列者の中にいる君を見ていたんだお。
ξ゚听)ξ 「……」
いつも見てるセーラー服も葬儀会場で見るのはまた違って。
僕は両親の死に2度目の感謝をしながら式場のトイレで自慰したお。
他の人からは 「トイレで泣いてる」 って思ってたみたいだけど。
- 770: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:33:33.75 ID:Q8OMwzG80
- 晴れて僕は自由の身となったお。
親戚が 「自分の家に来い」 って言ったけど丁重にお断りしたお。
だって、君と離れるなんて考えられなかったもの。
('A`) 「おい、ブーン。 親御さんが死んだのは残念だけどさ、学校、来いよ」
こんな根暗のおせっかいもしょっちゅうあったけど、カーチャンほどではなかったお。
だから安心して君を見ることができたんだお。
ξ゚听)ξ 「……ふう、疲れた」
君が部屋に入ってからの第一声はいつもこれだお。
その他にも寝る前とか、起きたあととか、口癖はいくつもあったお。
君の口癖は全部把握していたお。
- 773: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:36:07.78 ID:Q8OMwzG80
- 僕は高校を中退したお。
両親の遺産や保険金で食うには困らなかったし、面倒なことは親戚がやってくれた。
おおむね不自由ない生活を送っていたお。
ξ゚听)ξ 「……ふう、疲れた」
ひとつだけ不自由だったのは。
君だったお、ツン。
口癖を毎日繰り返す君だけが僕に足りなかったんだお。
- 774: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:39:20.99 ID:Q8OMwzG80
- 君は結構高ランクの大学に入ったお。
そこは地元でもなかなか人気の大学で人数も多かったお。
さすがの僕も。
悪い虫を完全に退治することはできなかったお。
ξ゚听)ξ 「入って入ってー」
( ・∀・) 「お邪魔しまーす。 お、なかなか部屋片付いてるじゃん」
ξ゚听)ξ 「なによー、汚部屋だと思ってたわけ―?」
君は大学1年の夏に男を部屋に入れたお。
その部屋には僕しか入ったことなかったのに。
入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに
入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに
入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに
入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに
- 777: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:42:05.72 ID:Q8OMwzG80
- 気づけば目の前のモニターを叩き壊していたお。
失敗したお。
モニターは君と僕を唯一つないでいたのに。
しょうがないから直接君の元に行くことにしたお。
ξ゚听)ξ 「なによあんた! まだこの街にいたの!? 気持ち悪い」
( ・∀・) 「なにこいつ。 誰?」
ξ゚听)ξ 「隣の奴なんだけど、小さい頃からもうキモイの」
( ・∀・) 「そっか、じゃあぼこってやればもう来ないんじゃね」
そういって僕はサンドバッグみたいにボコボコにされたお。
訳がわからなかった。
君はどこの誰ともわからない男と一緒に部屋に入っていったお。
まいったな。 僕には、M属性もないし。
嫉妬させるにしてもやり方があるってもんだお。
僕はその日はおとなしく部屋に戻ったお。
正直、あの男にははらわたが煮えくりかえる思いだったお。
でも僕は寛大だったお。 どうせ君が仕掛けた悪戯だろうし。
- 781: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:44:36.86 ID:Q8OMwzG80
- でも。
少し君はやりすぎたお。
なんで。
なんで、君の部屋から情事の声が聞こえてくるんだい?
- 786: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:46:18.22 ID:Q8OMwzG80
- 僕は、暴れまわったお。
息を切らしながら、部屋のありとあらゆるものを破壊したお。
でも僕は思いついた。
もはや、君の家を監視しても悪い虫は撃退できないお。
だから。
君を、いつでも目の届く場所に君を招待することにしたんだ。
- 790: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:48:13.49 ID:Q8OMwzG80
- あの時僕は久しぶりに外に出たお。
月が出てて結構きれいだったなあ。
そこで無防備に路地を歩いている君を睡眠薬で眠らせたんだお。
睡眠薬は高かった。 でも君のためならなんてことはなかったお。
インターネットの力はすごいってその時初めて思ったお。
そして君を僕の家に招待した。
君はとても軽くて今にも折れそうなほど細かったお。
そういえば、君と一緒に家に帰るのは初めてだったかもしれないなあ。
- 793: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:50:20.12 ID:Q8OMwzG80
- 無事に僕の家に帰ってくることができた。
これで2人の生活に邪魔は入らない。
でもふと思ったんだお。
僕は君と一生ここで暮らしたい。
でも君は大学がある。
それなら。
大学でいつ虫がつくかわからない。
それなら。
もう、外に出るための足なんていらないんじゃないか?
僕以外と触れ合うための手なんていらないんじゃないか?
そう、思ったんだお。
- 797: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:52:25.35 ID:Q8OMwzG80
- それからのことは正直興奮してあまり覚えていない。
鉈を用意して、消毒液を用意して、血を止めるためのバーナーを用意して、ビニールシートを敷く。
目隠しをされて恐怖に怯える君はとても妖艶で。
僕はだらしなく勃起していたんだ。
――ああ。
思い出すと、また勃起してくる。
手を一本づつ切り落とされていく時に出した君の絶叫。
足を一本づつ切り落とされていく時に見せた絶望に満ちた表情。
それはまるで崇高な美術品のようで。
思わず見とれてしまったんだお。
- 803: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:54:39.28 ID:Q8OMwzG80
- 完全な失態だった。
見とれてしまって止血を忘れていた。
もはや生きるのは困難なほど彼女の血は流れてしまった。
なにをしているんだ僕は。
一瞬だけそう思った。
でも思い直した。
だってそうじゃないか。
君だって、いつかは――信じたくないけれど――老いていく。
壊れていく。 そんな姿を、僕は見たくない。
なら。 なら――ここで永久に若くいることは――彼女にとって1番いいのだ。
- 805: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:56:24.56 ID:Q8OMwzG80
- そこで困ったのは保存場所だ。
どうせ保存するんだから、僕がいつもいるところにいた方がいいに決まってる。
それはどこだろう。
――トイレだ。
僕はトイレで自慰をする。
そこに君がいる。 ハッキリ言ってこれほど最高の自慰なんてないだろう。
君にはちょっとばかりの罪悪感があったりもするが。
- 808: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 12:59:08.04 ID:Q8OMwzG80
- でも僕はまた失敗していた。
君を壊すのがあまりに楽しくて。興奮して。
君の原型はほとんどといっていいほどなかった。
でもこれでいいんだ。
心配しないで。僕は君に流れる血や肉まで好きなんだ。
でも君に顔がないのはちょっぴり寂しい。
君も化粧に興味があっただろう。
実際君の部屋にはファッション誌が山ほどあった。
作ろう。
君の顔を、僕の手で。
- 812: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 13:01:14.68 ID:Q8OMwzG80
- トイレの便器に君を石膏と一緒に塗りこんだ。
所詮素人の腕だから少しドロドロになってしまったけど。
君の巻き毛が少しはみだしてしまったけど。
顔は、君とは程遠いものになってしまったけど。
僕は、君の体自身が――全てが――好きなんだ。
君と一緒なら何だって怖くない。
何が来たって、2人一緒なら大丈夫。
( ・∀・) 「てめえ! ここにいるんだろ! ツンをどこにやった!」
例え、悪い虫が来たって。
- 818: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 13:03:38.62 ID:Q8OMwzG80
- ああ、居場所がわかっちゃったなあ。
きっと、これが見つかったら君は連れ戻されてしまうのだろう。
なら、もう2度と、捕まらない場所に行こう。
トイレの内側から、ガムテープで目張りをする。
あらかじめ用意しておいた練炭に火をつける。
狭い空間だ。 一酸化炭素はすぐに空間を支配する。
意識が朦朧としてくる。 こんなときにも僕の息子は勃起している。
それもそうか。 愛する人がすぐ後ろにいるのだ。
最後の自慰だ。
きっと最高の快感だろう。
外からは、誰かが踏み込んでくる音が聞こえる。
もう間に合わないよ。
心の中で、虫に向ってあっかんべーをする。
- 822: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 13:04:50.26 ID:Q8OMwzG80
- 僕が絶頂に達したとき、視界が白く染まっていく。
ああ、君と、永遠に。
- 823: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/30(土) 13:06:41.35 ID:Q8OMwzG80
- あとがきという名の言い訳
えーと……
俺は下ネタギャグハートフルコメディを目指してたんだが……
とりあえず絵師の方すいませんでした。
あれはどうみてもショボンです。ツンじゃないです。
支援とかいろいろしてくださった皆さんありがとうございました。
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