通学途中のようです
- 410: 【NO.20】通学途中のようです :2008/09/01(月) 01:03:33.60 ID:YsXZH+K1O
三人の学生が歩いている
私は彼らと毎日会う
毎日といっても八年ほど前からだが、私は彼らと会うのを楽しみにしている
ほとんどの場合、他愛の話で彼らは笑いあっているが
中には機嫌が悪かったりぶすっとして会話を拒んでいる日もある
しかしそれでも彼らは一緒に通り続けていた
私はそんな彼らと会うのを毎日の楽しみにしている
話すことこそないが、彼らが楽しそうにしているのを見ると私も同じ輪にいるような気がしてくる
笑い顔の男の子がブーン、女の子がツン、背の高い男の子がドクオというらしい
( ^ω^)「ツンとドクオ遅いお!」
ブーンが後方の二人に声をかける
('A`)「お前と一緒にすんなバカ」
ξ゚听)ξ「いい加減ツンと呼ぶのやめてよね
もう3年生なんだし恥かしいのよ」
眉を狭めてツンはブーンに言った
( ^ω^)「ツンはツンだお?」
ξ゚听)ξ「ツンじゃなくて私には津出って名字があるの」
( ^ω^)「でもツンはツンだお」
そういうとコンクリートの塀に上り平均台のように歩き始めた
- 412: 【NO.20】通学途中のようです :2008/09/01(月) 01:10:25.97 ID:YsXZH+K1O
- ('A`)「ところで津出はどこの高校にするんだ?」
ドクオはだらしなく開けた胸元を揺らしながら、けだるそうに聞いた
ξ゚听)ξ「VIP第一にしようと思ってるんだけど、鬱田は?」
('A`)「俺もVIPだな、チャリ通できるし」
ξ゚听)ξ「ブーンは?」
( ^ω^)「ブーンはツンとドクオと一緒のところだお!」
塀の上から明るい声で答えた
ξ;゚听)ξ('A`;)
二人は顔を見合わせた
( ^ω^)「どうしたお?」
太陽を背負ったブーンが聞く
(;'A`)「…お前この前の模試いくつだっけ?」
( ^ω^)「偏差値なら40だお!」
勢いよく塀から降りてドクオの前に立つ
(;'A`)「こいつどうするよ?」ドクオはブーンを指差した
ξ;゚听)ξ「VIPなら最低55は必要よね」
(;^ω^)「お」
感情が表情にでやすいブーンはすぐに困った顔になった
- 416: 【NO.20】通学途中のようです :2008/09/01(月) 01:24:30.84 ID:YsXZH+K1O
ξ゚听)ξ「…ふぅ、見捨てるのもかわいそうだし私たちがめんどうみるしかなさそうね」
呆れたようにツンが口を開いた
('A`)「ブーンが塾に通えるとは思えないしな」
ドクオをもそれに同意する
(*^ω^)「お!ツンが勉強みてくれるのかお!?
やっぱりツン大好きだお!」
ブーンがツンに満面の笑みを送った
ξ;゚听)ξ「な、何言ってるのよ、別にあんたのためじゃないんだからね!」
ξ///)ξ「ただ幼馴染みだし見捨てるのもかわいそうだし…」
分かりやすいほど動揺したあと顔を赤く染め言尻を小さくした
('A`)「俺のことは無視か、ウツダシノウ」
彼にとって言い慣れた台詞をいいながら私を見た
( ^ω^)「おっおっ、今年の夏も楽しそうだお」
中心にいる彼はやはり変わらずだ
- 418: 【NO.20】通学途中のようです :2008/09/01(月) 01:29:22.89 ID:YsXZH+K1O
('A`)「来年も楽しければいいな、ブーン」
彼の皮肉にブーンは気付かない
ξ*゚ー゚)ξ「来年もその先もきっと楽しいわよ」
ツンが二人を見つめて言った
(^ω^)('A`)「くせぇwww」
ξ#゚听)ξ
チョットマチナサイヨ
ツンクセェ
カオニウンコツイテルオ
ブーンツブス!
…
君達はこれからも笑いあっていくのだろう、
そして成長して大人になっていくのだろう
これまでと同じように、これからも同じように
だから私は変わらずに君達を見守り続けよう
これまでと同じように、これからも同じように
私が寄せては返すように、ずっと。ずっと。
おわり
戻る