素直でクールな世界のようです。川 ゚ -゚)

46: 祭り(2) :2008/08/29(金) 07:10:35.41 ID:dzcaeISl0


素直でクールな世界のようです。川 ゚ -゚)



49: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:11:26.98 ID:dzcaeISl0
podから聴こえる音楽にノリながら音楽の〆に合わせてわざと遅く漕ぐ、実にクールだ。

音楽の終了を耳で聞き取ると電源を次の曲が始まる前に切る。クールだな。

そして颯爽と下駄箱を後にし教室についてみれば・・・



川 ゚ -゚)ノ『ガラッ』





( ゚д゚ )



50: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:12:06.53 ID:dzcaeISl0






川 ゚ -゚)「・・・遅れてすいません・・・」



いつも遅く漕げば当然だが、遅れるのだが、これだけはやらなければ。自分に素直なことはよし。

そしてあの日だけ、隣の席からつつかれた。

( ^ω^)「・・・毎回思うけどなんで遅れてるんだお・・・?」

それが私と彼との出会いだった。



52: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:12:40.98 ID:dzcaeISl0
(;^ω^)「・・・それはそれは随分変わった趣味だお・・・」

川 ゚ -゚)「だがこれだけはやらねばならないし仮に早く行こうと思っても家と学校が遠いのだ。5時には起きてるんだがな・・・」

( ^ω^)「そんなに遠いのかお。どこに住んでるお?」

川 ゚ -゚)「おっとさりげなく聞いたつもりだろうが私をナンパするには一年足らんぞ」

(;^ω^)「来年になったらって言いたいのかお・・・隠す意味が分からんお」

彼はため息をついた。時刻はいつの間にか四時間目が終わる辺りだ。



53: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:13:14.20 ID:dzcaeISl0
( ^ω^)「紹介するお。僕の幼馴染のツンだお」

ξ゚听)ξ「・・・ブーン?この子とどんな関係・・・?」

( ^ω^)「その殺気の量で俺の体が危ない」

ツンは面白い人だった。

一応「だった」は過去形じゃない。今でも私の親友だ。

彼女は私とは正反対みたいだった。ブーンのためならどこまでも熱くなれるし自分の気持ちになかなか素直になれないみたいだった。

でも正反対のほうが釣り合うな。



54: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:13:46.57 ID:dzcaeISl0
ちなみに上記のセリフを言ったブーンは(;;#)ω(#)こんな顔になってその顔が元に戻るまで殴られていた。

風紀委員が割って入らなければ死んで・・・いや普通の人間なら死んでいた。でも生きていた。それも面白かった。

まるでギャグみたいな体を持っていて・・・タフという言葉をひとつかふたつ超えた辺りかな。

ブーンもツンも面白かった。また言うけど「かった」は過去形じゃない。たまに集まっては馬鹿な話をお互いにして盛り上がってる。皆、親友だ。

それで、もう一人いた。



55: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:14:22.47 ID:dzcaeISl0
たまたま登校時にブーンともう一人誰かが走っているのを見かけた。

( ^ω^)「やっべ。絶対遅刻だお。」

その声がヘッドフォンを通して聞こえたが私の関心は自転車に乗っているもう一人のほうだった。

ヘッドフォンをすこし耳からずらして、

川 ゚ -゚)「やぁブーン。そちらさんは誰かな?」

('A`)「・・・おいおい。ブーン・・・。俺はお前が浮気してたなんて知らなかったぜ・・・?」



56: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:15:07.00 ID:dzcaeISl0
川 ゚ -゚)「・・・念のために言っておくがブーンが私と付き合うには十ヶ月足りん!」

( ^ω^)「何気に短くなってるお・・・」

('A`)「あと十ヶ月で彼女できるのかよ!」

( ^ω^)「そう解釈するかお?普通・・・」

('A`)「俺はお前がうらやましいよ・・・ツンという人がいながら・・・」

( ^ω^)「お前らと話してる間に時間がやばい」

ブーンはそのフレーズが気に入っているのか。前にも聞いた気がした。



57: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:16:03.81 ID:dzcaeISl0
私とドクオが付き合い始めたのは大体それから一ヶ月・・・しないかくらいだったかな。

きっかけはドクオと知り合った時についてのやりとりだった。

('∀`)「そーいえばよwクーと知り合った時に十ヶ月足りん!とか言ってたけど俺は何ヶ月足りないんだ?」

川 ゚ -゚)「・・・んーそうだな・・・二週間くらいか?」

( ^ω^)「ちょwwwwもうちょっとまともに考えろおwww」

('A`)「そうだぞー俺でも傷つくんだぞー」



59: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:16:37.28 ID:dzcaeISl0
川 ゚ -゚)「・・・まともに考えた結果がこれなんだが」

( ^ω^)「まともに考えたように聞こえないおwww」

ξ゚听)ξ「大体私だったら一生掛かっても付き合いたくはないわね」

( ^ω^)「ちょ、おま、さっきのドクオの発言無視っすか」

('A`)「・・・・・・・・・・・・」

どうしよう。そう思ったとき、私の言葉の信憑性が上がるのと彼を慰めることができるかもしれない一言が思い浮かんだ。



60: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:17:44.12 ID:dzcaeISl0




川 ゚ -゚)「しょうがない。私がドクオと付き合ってあげよう」




61: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:18:50.35 ID:dzcaeISl0




(;^ω^)ξ;゚听)ξ(;'A`)「「「は???????」」」


一同唖然となってこちらを見た。私はいたってまじめだ。



62: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:19:21.44 ID:dzcaeISl0
ドクオの家が案外近かったこともあり、一緒に通うようになった。

ブーンが住所を聞こうとしてたのもドクオを紹介するためだったのかと思うと若干ブーンの好意を無駄にしてしまったことを後悔した。

彼と付き合う理由はただ一つ。私に似た世界を持ってるから。

通学中は自転車を並べて走っているがその光景はカップルとは思えないだろうと思い返してみて思う。

二人ともipodに繋がれたヘッドフォンからの音楽を聴いて音楽の〆に学校に着くように漕いでいるからたまにズレルことがあった。

それも、楽しかった。



63: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:20:24.81 ID:dzcaeISl0
私に似た世界を持っていると言ったが実にその通りだった。

できるだけクールを目指して、自分に素直になれるように努力している姿は私と瓜二つだったが


彼の素直はちょっと違っていたような気がした。クールを目指していてもクールになりきれていなかった。


だから[似ていた]



64: 祭り(2) [素直でクールな世界のようです。] :2008/08/29(金) 07:21:03.09 ID:dzcaeISl0
今でもこんなやりとりがあったなと思い返すことがある。

('A`)「恋人同士がこの世に二人だけいればいいとかいうセリフあるけどさ、クーもそう思うか?」


川 ゚ -゚)「この世に二人だけ、か。二人だけだと地球がないじゃないか。だから私はドクオという名の星の上にいるのが幸せだな」

きっとその星は自分に素直になれるクールな世界だなと笑いあった。

そして今、私はその世界の中にいて、幸せだ。



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