从 ゚∀从瞳の裏側のようです

24: 56 从 ゚∀从瞳の裏側のようです :2008/08/30(土) 00:59:41.33 ID:wQTADkWlO
『コンナむちゃバッカリシテタラからだモタなイぞ』

从 ゚∀从「うるせえ。その分私が早く食えて嬉しいんだろが」

『おんなノしゅんハ20さいダトいっタダロ。きさまハあと2ねん。
 ソレマデいキテもらワナキャナラン』

从 ゚∀从「てめえの都合なんか知るか悪魔が」

『のぞンデ契約ヲかワシタくせニなまいきダナ』

 深夜、血だらけの女子高生が体を引きずって歩いていく。
 一歩ごとに奪われる体力。



25: 56 从 ゚∀从瞳の裏側のようです :2008/08/30(土) 01:01:21.18 ID:wQTADkWlO
 だが彼女はまだ休むことを許されなかった。

('、`*川「おやおや、そんなに傷ついてたら殺すのためらっちゃうじゃない」

 究極の地味顔の女が立ちふさがる。

 女子高生――ハインは舌打ちすると周囲に注意を払った。
 どうやら女は1人らしかった。

('、`*川「せっかく悪魔と契約したんだからもっと頭良く立ち回ればいいのに……」

从#゚∀从「うるせぇえ!!」

 叫ぶと同時にハインが跳ぶ。
 二階の窓に手が余裕で届くほどの跳躍を見せる。



26: 56 从 ゚∀从瞳の裏側のようです :2008/08/30(土) 01:02:53.44 ID:wQTADkWlO
('、`*川「あらあら本当に見境ないのね」

 ハインは空中で一気に手を振り下ろした。
 真っ直ぐ足元の道路が避けて女をまでそれが届いて

('、`*川「通用しないよん」

 女は片手でそれを防いだ。
 ただ爆風が刹那の視界を奪う。

从 ゚∀从「だりゃぁあっ」

('、`;川「なっ」

 さっきまで空中にいた筈のハインがすぐ横に迫っていた。
 避け切れない回し蹴りが女の腹に入り、数メートル吹っ飛ぶ。



27: 56 从 ゚∀从瞳の裏側のようです :2008/08/30(土) 01:04:33.08 ID:wQTADkWlO
 息の詰まった女に大勢を立て直す暇を与えず、ハインは先程より鋭く手を振りはらった。

 彼女の手先から放たれるは真空、鎌鼬。

('、`*川「……っ!」

 空気の刃は今度は正確に女を捕らえた。





 女が息絶えるのを確認するとハインは崩れるようにその場に膝を着いた。
 息が荒い。

『かげんヲしレ』

从 ゚∀从「うるっ……せぇよ……」

( ∵)「その憑き魔の言うとおりだよ」

从 ゚∀从「だれだ!」



28: 56 从 ゚∀从瞳の裏側のようです :2008/08/30(土) 01:05:55.47 ID:wQTADkWlO
 ハインの背後から少年が現れた。
 少年は驚くハインを無視してそのまま息絶えた女の元に歩み寄る。

( ∵)「ペニーもなかなか優秀なエクソシストなのに。結構あっさりいったね」

从 ゚∀从「お前……気配なんかなかったのに……」

( ∵)「あのさ、ハインだっけ?悪魔の言うことなんで信じてるの?」



――エクソシストを100人殺せば貴様の望みを叶えてやる
  ただし失敗すれば喰い殺す
  契約により力も貸すが使いすぎれば体が負けるぞ



 ハインの頭の中に契約を交わした時の声が蘇る。
 信じる保証なんて、最初から無い。



29: 56 从 ゚∀从瞳の裏側のようです :2008/08/30(土) 01:07:35.44 ID:wQTADkWlO
从 ゚∀从「そこに縋ってでも叶えたい望みがあるからに決まってんだろ」

( ∵)「愚かだね」

从 ゚∀从「なんとでも言え」

 ハインには分かっていた。
目の前の少年はきっと自分には倒せない。

 明らかに力の差を感じる。
 気配さえ読み取れなかった。

 それどころか、力の使いすぎによって体がバラバラになりそうだった。

( ∵)「でも、もう終わりだね」



30: 56 从 ゚∀从瞳の裏側のようです :2008/08/30(土) 01:08:56.86 ID:wQTADkWlO
从 ゚∀从「うるせぇよ」

せめて、無様ではないように立ち上がって笑って見せた。

笑って見せたところで、カラダニげんかいガきテ



『オワリダナ』



ばしゅっ



从 ゚∀从「………っ」



嫌な音がして左目が飛んだ。



31: 56 从 ゚∀从瞳の裏側のようです :2008/08/30(土) 01:10:34.03 ID:wQTADkWlO

( ∵)「ほら、限界だ」

さっきまでハインの一部だった球体が転がる。



ばしゅっ



右肩が裂けた。



从 ∀从「………!!」



32: 56 从 ゚∀从瞳の裏側のようです :2008/08/30(土) 01:12:37.56 ID:wQTADkWlO



ばしゅっ

ばしゅっ



 右肩を抑えた左手が裂けて、思わず着いた膝はそのまま柘榴のように割れた。
 次に背中がはじけてのけぞり、天を仰いだ口から血液が吹き上がる。
 バランスを失って倒れ込む途中に、下腹部がはぜて腸が飛んだ。

 その様子を少年はじっと見ていた。

( ∵)「悪魔なんかと契約するから」

 眉一つ動かさずにずっと見ていた。



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