('A`)は(´・ω・`)と出会い人生が変わるようです
- 114: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:19:10.47 ID:GWh8eHoM0
- (^o^)<肩の力抜いて読もう。出ないと射精しちゃうよ
(´A')「はぁ、どうせ俺なんて」
何万回、口にしたのだろう。
何万回、溜め息を吐いたのだろう。
溜め息は幸せが逃げるらしい。
本当なら、俺にゃもう幸せは残ってないかもな。
いや、初めから俺には幸せなんかなかったのかもな。
('A`)は(´・ω・`)と出会い人生が変わるようです
- 117: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:20:06.09 ID:GWh8eHoM0
- (´A')「はぁ、今日は何食べようかな」
食べると言っても作るわけじゃない。
インスタントラーメンに、冷凍食品、それにお菓子。
料理は下手だし、作ってくれる人はいない。
と、くれば外食という手段もあるが俺は外には出ない。
いいや、出るのが怖いんだ。
外に出れば会う人、会う人に笑われる。
誰が呼んだかクソメンだ。
容姿が悪くても何か一つ飛びぬけた才能があれば、
社会で活躍出来たかもしれないが生憎、俺にも何もない。
あぁ、あるとすればオナニーの射精の早さかなw
('A`)「何で俺は生まれたんだろう」
母ちゃん、父ちゃん、ごめん。
期待に応えられなくてさ。
小さい頃からあれやこれや習い事に通わされた。
けれど、どれも一週間は続かなかった。
- 118: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:21:05.49 ID:GWh8eHoM0
- 勉強もスポーツも何もかも駄目だった。
中学までは卒業したが、高校は中退した。
以来、8年間引き篭もっている。
そんな俺に優しかった父ちゃんはブチ切れた。
ミ,,゚Д゚彡「ドクオ! お前はこのままでもいいかもしれない。
だがな、いつか父ちゃんたちは死ぬんだ。そうしたらお前はどうする?
餓死でもするのか? 一度も女を抱かずに死にたいか?
あの暖かく、気持ちの良い女性の性器はオナホールよりも気持ちが良いものなんだぞ。
ワシが買ってあげた『ぼくオナ』よりもなw いかん、今のは撤回するわw」
('A`)「それなら、童貞のままでもいいよ」
(*゚ー゚) 「あなた!」
ミ;,,゚Д゚彡「お、おぉ、すまん。ドクオ!
お前にだって何か一つ才能があるんだ。
でもな、引き篭もっていてはその才能も見つけられないんだ」
('A`)「どうせ、俺は屑人間ですよ」
ミ;#,;Д;彡つ「バカヤロー! お前は屑じゃない。
父ちゃんと母ちゃんの大切な宝物なんだ!
口で言っても分からないんだったら無理やりにでも、外に出てもらうぞ!」
- 122: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:22:28.02 ID:GWh8eHoM0
- Σ(;'A`)「う、うわぁ」
ミ;#,;Д;彡「家賃は払ってやる。一ヶ月に一万円もやる。
一人で暮らしてみろ。そうすればやりたい事も考えるようになるだろう」
こうして俺は今、一人暮らしをしているわけだ。
人によっては溺愛の親バカと思うかもしれない。
でも違うんだ。
両親は本当に愛情を降り注いでくれているだけ。
悪いのは俺の方なんだ。
甘えがあったのかもしれない。
('A`)「はぁ、死ぬか」
自殺が最も親不孝に値する行いだって分かってる。
分かっているけれど、体が限界だったんだ。
俺は自殺場所を海と決めると支度を始めた。
('A`)「遺書はいいか……髭ぐらい剃っておこう」
('A`)「テレビ見ながら髭剃るか」
テレビのスイッチを入れると暑苦しい声が聞こえてきた。
- 123: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:24:16.62 ID:GWh8eHoM0
- _
( ゚∀゚)o彡゜「今夜も激論! ブルマVSスパッツ。
司会のジョルジュです。私としてはブルマですね。
やはり、青春時代の目に焼きついた女子のブルマは
今、思い出しても抜けます。特に同じクラスのデレのブルマときたらブルマときたら――」
( ^ω^)「スパッツこそ至高にして唯一神エデス、ブルマなんてありえねーおw」
( ><) 「スパッツの意味がわからないんです。ブルマの端から見えるパンティが興奮するんです!」
(;^ω^)「ふふふふ、若造はお家に帰るおw スパッツの動くと食い込むお尻、あそここそ萌えだおw」
<ヽ`∀´>「そもそも、ブルマやスパッツはチョンセンが起源ニダ」
(#゜ω゜)(#><)「ぶ ち 殺 す ぞ ワ レ」
<ヽ`∀´>「あ、あ、あ、あ、あああああ」
('A`)「はいはい、五月蝿いよ」
髭を剃り終えると、テレビのスイッチを切った。
('A`)「……さようなら、俺の第二の家」
もう鍵を開けることはないだろう。
俺は目的の場所へと歩き始めた。
- 124: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:25:22.47 ID:GWh8eHoM0
- 四葉海。中央に存在する大きな岩がクローバーのように亀裂が走っていることからその名が付いたそうだ。
子供の頃はよく海水浴に来たっけ。
懐かしいな、母ちゃんがポロリしたっけな。
('A`)「母ちゃん、父ちゃん、さようなら」
俺は決心すると真夜中の薄暗い海を歩いていった。
夜だからか、暗いからか、海水は冷たく立っているのもやっと。
足まで水に浸かる所まで差し掛かった時、何かの声が聞こえてきた。
(;'A`)「空耳か?」
いや、違う。耳を澄ますと聞こえる動物の声。
可愛い泣き声の主は誰ぞ。
Σ('A`)「イルカだ! 何でこんな所に!?」
暗くてよく見えなかったが浜辺に一頭のイルカが打ち上げられていた。
('A`)「大変だ!」
不思議と俺はイルカの元へと駆け寄っていた。
いや、猫とか可愛いの好きっすけどね。
( ´・ω・`)「きゅー」
(*'A`)「うわぁ、本物のイルカだ。目の前で見れるなんて」
( ´・ω・`)「きゅー」
- 125: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:26:27.99 ID:GWh8eHoM0
- 触った。イルカの皮膚触った。
いや、優しくね。女性の体を触るように優しく。
童貞だけど。
( ´・ω・`)「あのね、動けなくなっちゃったから助けてほしいんだ」
(*'A`)「ん? 空耳か? イルカが喋るわけないだろJC」
( ´・ω・`)「ううん、君とは話せるみたい。何故かはわかんないけど。早く助けて」
('A`)「わ、わかった。え、えっと一人じゃ難しいから誰か呼んでくる!」
( ´・ω・`)「うん」
夢? 死後の世界?
イルカと会話出来るなんて普通ありえないだろ。
今はそんな事を言っている場合じゃない。
俺は近くを見渡すと運良く動物病院を見つけることが出来た。
(;'A`)「大変です! 大変なんです!」
近所迷惑かもしれない、通報されるかもしれない。
そんなことは頭にはなかった。
今はイルカを助けたい、ただそれだけしか頭の中になかった。
イルカ、名前は目がショボショボしてたから疲れ目だなw なんちてw
川 V -V) 「……どうしました?」
- 127: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:27:48.79 ID:GWh8eHoM0
- 良かった、女医が出てきた。
整った顔立ち、綺麗な黒髪、豊満な乳にそそる白衣。
是非とも、エンジョイしたいところだが俺は実に冷静だった。
(;'A`)「イ、イルカが、が、浜辺に、に」
川 V -゜) 「座礁したのか?」
(;'A`)「は、はい、そうだんですよよよ」
川 ゜ -゜)「わかった、人手がいるな。起きている人に協力してもらうしかないか。
君は急いで人を連れてきてくれ。私はイルカを診ているから」
(;'A`)「はい!」
第一印象、挙動不審の気持ち悪い男になっちまったよ、ママン。
いかんいかん、すべてはイルカのためだ。
起きている人といえばヤンキーだが、声掛けれるわけないJS。
後はコンビ二か。
(;'A`)「すいません、かくかくしかじかで」
おっと、実際にかくかく言っているわけじゃないんだぜ?
割合ってやつだ、気にしない。
川 ゜ -゜)「ふむふむ、座礁してからそう経っていないようだな。
運の良い子だ」
( ´・ω・`)「きゅー」
- 128: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:28:50.20 ID:GWh8eHoM0
- (;'A`)「はぁ、はぁ、連れてきました!」
川 ゜ -゜)「よし、では私の言う通りに並んでくれ。
そう、それでいい。君はそこに。
タグをつけて、よし」
(;'A`)「はい!」
( ´・ω・`)「きゅー♪」
イルカって重いんだな。
大人数十人でやっとこさ、海まで運ぶことが出来た。
川 ゜ -゜)「ここまでくれば大丈夫だな。よし、離してくれ」
( ´・ω・`)「きゅー♪」
お礼を言ったのか尾びれで水しぶきを飛ばすと遥か遠くへと泳いでいった。
川 ゜ -゜)「ありがとう。君がこの場に居合わせなければイルカは間違いなく死んでいたよ」
(;'A`)「俺はただ、ただ」
川 ゜ -゜)「ただ?」
(;'A`)「なんでもないです。それではさようなら」
終わった。女医とのエンジョイもイルカとの触れ合いも。
まるで空気が抜けたように眠りについていた。
- 132: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:41:42.24 ID:GWh8eHoM0
- 「きゅー」
太陽の日差しが閉じた瞼を刺激する、もう朝か。
また、イルカの声が聞こえることに気づいた。
( -A`)「ん? 幻聴か?」
( ´・ω・`)「ごめんね、また打ち上げられちゃった。駄目だね、ぼく」
Σ(;'A`)「ちょw 待ってろ。女医連れてくる」
( ´・ω・`)「うん……体がチクチクする」
――数分後。
川 ゚ -゚) 「同じイルカか、再座礁。どうするかな」
(;'A`)「また、海に戻せば」
ん? この女医さん、昨日より痩せてやがる。
なんて奴だ、ますますタイプじゃん。
川 ゚ -゚) 「座礁による打撲、海洋レーダーの影響、異常気象、諸説あるが
一度座礁したイルカが再び座礁するということはまた座礁をするかもしれないということだ。
もう、このイルカは海には帰れないだろう」
(;'A`)「なら、どうすれば?」
川 ゚ -゚) 「後はどこかの水族館で引き取ってもらうしかない。
ちょっと待っててくれ!」。
- 136: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:52:10.63 ID:GWh8eHoM0
- 引きこもっている数年間に何百ものドラマや映画を見てきた。
だから、ドラマや映画のようにイルカは引き取られ幸せかは
分からないけれど第二の人生を歩むものだと思っていた。
でも、現実はそう甘くはなかったんだ。
色々な事情から、引き取り先は見つからなかった。
(;'A`)「残された手段は?」
川 ゚ -゚)「苦しめるのはイルカにとっても辛いだろう。
……安楽死させよう」
(#'A`)「ふざけんな! まだイルカは生きているのに!」
川 ゚ -゚)「そうだ、イルカはまだ生きているよ。けれどね、
人間が出来ることにも限りがあるんだよ。
人間は神様じゃないんだ」
( 'A`)「だったら、イルカの傍に最後までいます。
信じられないでしょうが、イルカと話が出来るんです」
川 ゚ -゚)「わかったよ」
( 'A`)「でさぁ、それでな」
( ´・ω・`)「ふふふ、ドクオったら面白い」
- 137: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:53:54.17 ID:GWh8eHoM0
- 俺は色んな事を話した。
通じるかは分からないけれど、家族、恋、性癖、人生、色々と。
俺の全てをイルカに話した。
イルカも全てを話してくれた。
永遠に続くと良いと思っていた二人だけの世界。
けれど、終わりが来てしまった。
( ´・ω・`)「さようなら、ドクオ。君は友達だよ!」
( 'A`)「俺もだよ!」
やがてイルカの皮膚はひび割れて、動かなくなった。
生きたくても生きることが出来ない者もいる。
それなのに俺は生きることを放棄しようとしていたんだ。
俺は正に屑人間だよ。
生きよう、イルカのためにも。
生きよう、女医とよろしくするためにも。
( 'A`)「獣医になろう……やっと見つけた俺のやりたいこと
やっと見つけた……俺の才能」
- 138: 絵はNo.100 :2008/08/29(金) 03:55:11.28 ID:GWh8eHoM0
- 太陽が眩しい。
流れ落ちる涙はしょっぱかったよ。
数年後。俺は獣医になった。
勿論、数多のドラマがあったよ。
でも、話したら長くなるからここでは話さない。
( 'A`)「疲れ目、俺、頑張るよ!」
俺は一人じゃない。
いつだって、傍にあのイルカはいるのだから。
( 'A`)は(´・ω・`)と出会い人生が変わるようです 終わり
(^o^)<はははは、ちんこしまえよw
<読んでくれてありがとね♪
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