( ´_ゝ 片翼の天使のようです <_` )

61: 101 ( ´_ゝ 片翼の天使のようです <_` ) :2008/08/30(土) 02:05:36.21 ID:wQTADkWlO
 神様は不公平だと思う。

 神様、なんて馬鹿げた存在自体理不尽で仕方ない。
 両翼の天使なんて存在も。

 ただ神様は不公平だ。

( ´_ゝ`)「なんでこの上弟者は死ぬんだ」

爪'ー`)「お前の加護が足りなかったんじゃなくこれは寿命だ。諦めな」

 目の前のボディコンナイスバディな長髪の両翼の女――フォックスが無情な言葉を吐く。

 ああ、神なんて不公平だ。



62: 101 ( ´_ゝ 片翼の天使のようです <_` ) :2008/08/30(土) 02:06:46.60 ID:wQTADkWlO
 ボディコンナイスバディな両翼の天使は更に続ける。

爪'ー`)y‐「今は天使の定員に開きがねえから即転生回しだな」

 本当に神様は不公平だ。

 俺は背中の羽を一度羽ばたかせた。



63: 101 ( ´_ゝ 片翼の天使のようです <_` ) :2008/08/30(土) 02:09:24.48 ID:wQTADkWlO


―――俺は、死産だった。
 同時に産まれた双子の弟者は無事に生きることが出来た。

 その時たまたま「天使」に欠員があった為に俺は産まれて死んで、
 すぐその後に天使とやらになって背中に翼が出来た。

 18年の見習い期間は弟者の守護天使として。
 その後は、フォックスと組んで地上の安定の為に。

 そして18年の見習い期間が終わる今日その日、弟者はトラックにはねられた。

 俺が何よりも大切にしている弟者が。



 神様は不公平だ。
 なんで弟者を。



65: 101 ( ´_ゝ 片翼の天使のようです <_` ) :2008/08/30(土) 02:11:16.05 ID:wQTADkWlO
( ´_ゝ`)「なら何故黙っていた」

 ノートパソコンを構える。
 超能力的な力を使う時に依り代となるパソコンを。

爪'ー`)「ぶっそうなことすんなよ。つか言ったって仕方ないだろが」

 フォックスが彼女の依り代である鉄扇を開いた。
 もちろんフォックスに対して勝ち目なぞ無い。

爪'ー`)「兄者、一つ方法があるぞ」



66: 101 ( ´_ゝ 片翼の天使のようです <_` ) :2008/08/30(土) 02:13:08.43 ID:wQTADkWlO
 意地悪く顔を歪めて笑いながら。
 俺がすがりつくことが楽しくて仕方ないというように。
 フォックスは一つの道を示してきた。

 もちろん俺はすがりつく他無い。

( ´_ゝ`)「……なんだ」

爪'ー`)「お前と弟者で翼を分け合え。力も命も何もかも
    半分に分け合うことになってやたら不便だがな」

 もちろん俺はすがりつく他無い。
 弟者という存在を一瞬でも長く保つ為に。

神様の不公平を覆すために。



67: 101 ( ´_ゝ 片翼の天使のようです <_` ) :2008/08/30(土) 02:15:44.30 ID:wQTADkWlO
爪'ー`)「キツいぞ。体重は一人分なのに飛ぶ力は半分。
    ダメージは一人分なのに体力は半分。まぁ流石に
    任務の量は調整されるがな」

( ´_ゝ`)「……望むところだ」

 片翼を弟者に。
 俺はパソコンを抱え直すと目を閉じた。







68: 101 ( ´_ゝ 片翼の天使のようです <_` ) :2008/08/30(土) 02:17:11.63 ID:wQTADkWlO




 数ヶ月後。

(´<_` )「兄者、次の仕事まで間が無いぞ」

( ´_ゝ`)「あっ弟者あんなところにUFOが」

(´<_` )「そんな訳わからん注意の逸らし方に引っかかる輩はいないだろ。逃げようとするな」

 神様は不公平だ。
 だが今は許そう。弟者に免じて。

 俺は片翼の弟者を見て、次の任務へ引きずられながらそう呟いた。



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