( ^ω^)ブーンがモルダーなXファイルのようです

  
3: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:46:56.36 ID:zl5L6p4qO
  
イーベ州マイルスシティ。
この国アメリカでも比較的都会に位置し、人々もある程度高い水準の生活レベルを保っていた。

【マイルスシティ-メインストリート】

休日の昼間のメインストリートは、家族連れやカップルなどで大変な賑わいを見せていた。

父親の手を引いて玩具をねだる男の子や、ボーイフレンドと腕を絡ませる女性。
みな思い思いの休日を過ごしていた。

この幸せな空気が漂う中、誰が気づく事が出来るのだろうか?
一人だけ、この場所には到底似合わない負の雰囲気を持った人間がこの人混みに存在していることを。

その人間は黒いコートを羽織り、右腕ですれ違いざまに金髪の男に軽く触れる。

金髪の男は何も知らずに友達と談笑しながら歩いているが、数分後のある瞬間にいきなり変化が起こる。

金髪の男の頭が破裂したのだ。



  
4: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:47:37.48 ID:zl5L6p4qO
  
イーベ州マイルスシティ。
この国アメリカでも比較的都会に位置し、人々もある程度高い水準の生活レベルを保っていた。

【マイルスシティ-メインストリート】

休日の昼間のメインストリートは、家族連れやカップルなどで大変な賑わいを見せていた。

父親の手を引いて玩具をねだる男の子や、ボーイフレンドと腕を絡ませる女性。
みな思い思いの休日を過ごしていた。

この幸せな空気が漂う中、誰が気づく事が出来るのだろうか?
一人だけ、この場所には到底似合わない負の雰囲気を持った人間がこの人混みに存在していることを。

その人間は黒いコートを羽織り、右腕ですれ違いざまに金髪の男に軽く触れる。

金髪の男は何も知らずに友達と談笑しながら歩いているが、数分後のある瞬間にいきなり変化が起こる。

金髪の男の頭が破裂したのだ。



  
5: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:48:52.63 ID:zl5L6p4qO
  
………翌日………

【VIP-Xファイル課】

スカリーは何枚かの書類を持ち、急ぎ足で室内に入ってくる。

ξ゚听)ξ「モルダー、昨日の事件の事なんだけど資料を見ない?」

( ^ω^)「僕も今ちょうどニュースを見て興味を持った所だお。」

そう言い、スカリーから資料を受け取るとモーニングコーヒーを片手に一通り目を通す。

( ^ω^)「
【被害者はビル・マイヤーズ。休日に友人とショッピング中に突然頭部が破裂した。】
……突然?」

コーヒーをデスクに置き、スカリーに目線を送る。

ξ゚听)ξ「えぇ。直接の死因は頭部破裂なんだけど、なぜ頭部が破裂したかはまだ不明なの。」

( ^ω^)「なかなか面白そうじゃないかお。」

モルダーの顔に不適な笑みが浮かぶ。



  
6: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:49:36.84 ID:zl5L6p4qO
  
【イーベ州マイルスシティ-メインストリート】

事件現場であるメインストリートは交通規制がしかれ、あたりには警官しかいなかった。

( ^ω^)「VIP捜査官のブーン・モルダーです。よろしく。
こっちは同じくVIP捜査官のツン・デレダナ・スカリー。」

二人はVIP身分証を提示し担当刑事へ挨拶をする。

刑事「こちらこそよろしく。」

ξ゚听)ξ「捜査の進展状況を教えてもらえますか?」

刑事「被害者はビル・マイヤーズ。19歳の大学生。
死因は知っての通りで、被害者は病気などの身体異常は一切なしの健康体だった。」

( ^ω^)「そこまでは捜査資料で見させてもらいましたお。」

刑事がため息をついて答える。

刑事「これで捜査結果全部だ。」

ξ゚听)ξ「被害者はどこかから狙撃されたとは考えられないかしら?」

刑事「我々もその線を疑ったのだが、銃弾が見付からないんだよ。」

ξ゚听)ξ「……そうですか。
良かったら検死させてもらえませんか?」

刑事「あぁ。…君、スカリー捜査官を案内してくれ。」



  
7: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:50:06.80 ID:zl5L6p4qO
  
( ^ω^)「(被害者は今のところ一人か……。新種の感染体や生物兵器の線はないな。)
刑事さん、被害者と事件時に一緒にいた友人の連絡先分かりますか?」

刑事「ここだ。」

刑事が差し出した一枚の紙を受け取るモルダー。

( ^ω^)「ありがとう。じゃあ、何かあったら連絡下さい。」

モルダーはそう言ってメモ用紙に自分の携帯電話の番号を書いて刑事に渡した。



  
8: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:50:54.12 ID:zl5L6p4qO
  
【セントマイルス病院-検死室】

白衣になったスカリーは、立ち会いの検死官が来るのを遺体の目の前で待っていた。

ξ゚听)ξ「(…頭部が破裂してるだけじゃなくて、両手両足が壊死してるわね。
こんなに不可解なのは初めて見たわ。)」

その時、遺体をざっと見ていたスカリーの背後のドアが開いた。

???「スカリー、久しぶりね。」

聞き覚えがある声が聞こえたスカリーは即座に振り向いた。

ξ゚听)ξ「ミラ!?あなたこの街の病院だったの?」

そこにいたのはスカリーの大学時代の友人のミラ・エフォートだった。

ミラ「えぇ。あなたこそVIPに入局したって噂は本当だったみたいね。」

ξ゚听)ξ「まぁね。…世間話はこれくらいにして仕事に入りましょう。」



  
10: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:51:29.46 ID:zl5L6p4qO
  
【被害者友人宅-玄関前】

( ^ω^)「…。」

チャイムを鳴らすモルダー。

???『どちら?』

( ^ω^)「VIP捜査官のモルダーです。
ビル・マイヤーズの件でお話を聞きたいので訪ねさせてもらいましたお。」

???『いま鍵を開けるよ。』

ドアチェーンを外して出て来たのはビルと同年代と見られる黒髪の男だった。

( ^ω^)「ジョージかお?」

ジョージ「そうだよ。中へどうぞ。」

リビングへと案内されたモルダーは大きなソファーへと腰掛ける。

( ^ω^)「早速だけど、ビルは何かの病気を患っていたとか彼の事について何か知らないかお?
本当に何でも良いお。」

ジョージ「いや、病気なんかかかってなかったしアイツは健康そのものだったよ。」



  
11: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:53:12.59 ID:zl5L6p4qO
  
( ^ω^)「誰かの恨みを買うとかは?」

ジョージ「アイツに限ってそんな事はないね。」

ジョージは強く首を横に振る。

( ^ω^)「そうかお。今日は時間を取ってしまいすまなかったね。何かあったら警察まで頼むお。」

そう言うとソファーから立ち上がり帰ろうとするモルダーをジョージが引き止める。

ジョージ「刑事さん、ちょっと待って!」

( ^ω^)「どうした?」

ジョージ「アイツ、死ぬ直前にいきなり火傷したみたいなんだ。」

( ^ω^)「(火傷…?)
いきなりって、どういう事だい?」

ジョージ「本当にいきなり熱がり出したんだよ。 で、そのすぐ後にあんな事になったんだ。」

( ^ω^)「そうか。今日はありがとうだお。」

ジョージ宅を後にしたモルダーは、VIPの自分のオフィスへと向かった。



  
12: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:54:51.29 ID:zl5L6p4qO
  
【車内】

携帯電話を取り出しスカリーへ電話をかけるモルダー。

( ^ω^)「スカリー、ちょっとXファイルの資料を見にD.C.に戻るから今日は適当に泊まってくれお。」

ξ゚听)ξ『分かったわ。何か分かった?』

( ^ω^)「まぁね。そっちは?」

ξ゚听)ξ『被害者の背中に真新しい火傷の後があったわ。なんだか人の手形に見えない事もないのよね…。
あなたオフィスに戻るんでしょ?オフィスに火傷の画像を送っておくわ。』

( ^ω^)「(やはり火傷か。)
ありがとう。お疲れ様だお。」

そう言うとモルダーは電話を切り懐のポケットにしまい、車をD.C.へと飛ばした。

【???】

僅かな光しか入らぬ薄暗い部屋の中央には、一人の男が座禅を組み目を閉じている。

この薄暗い部屋を照らす少量の光は、男を囲む幾つかの蝋燭から放たれていた。

不意に男が拳を床へと叩きつける。

その瞬間男を囲む蝋燭の炎が大きく燃え上がり、薄暗かった部屋をまるで昼間の陽の下のような明るい部屋へと変えた。



  
14: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:56:02.15 ID:zl5L6p4qO
  
………五時間後………

ワシントンD.C.

【VIP本部-Xファイル課】

( ^ω^)「ふぅ。さすがに1日でD.C.とイーベの往復は疲れるお。」

独り言を言いながらスカリーから送られた写真を眺める。

背中の中心にまさしく手形と思える火傷がある。

写真をよく観察した後、モルダーはXファイルが収納されたボックスを開き中からいくつかファイリングされた紙を取り出す。

( ^ω^)「これ位かお?」

そしてモルダーは手に取ったいくつかのファイルを一つずつめくりだす。



  
15: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:56:43.47 ID:zl5L6p4qO
  
File No.X-0877

【ポータ州 ブリングル無差別放火事件】

1991年8月11日、ブリングルで第一の放火が発生。

デパートの改築記念の生放送中にカメラが撮影している前でリポーターから出火。瞬く間に火がデパートを覆い尽くした。出火元のリポーター、その他逃げ遅れた27名が焼死した。
この事件は生放送中の出来事で大きな話題になった。

その後ブリングル各地で出火元不明の放火事件が20件起きるが、
ある時を境にピタリと事件は起きなくなる。

事件は未解決。

・担当捜査官
ジェームズ・マクラウド
リン・ビーナ

―――――

( ^ω^)「(違うか…。)」



  
16: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:57:56.65 ID:zl5L6p4qO
  
File No.X-0717

【セピア州 サニックシティ太陽光照射事故】

1987年8月4日、街の公園で大規模な熱放射による事故が発生。

公園で遊んでいた親子連れ計19名が高熱による重度の火傷で死亡。
公園の近くにある巨大な湾曲したビルが原因だと思われる。
そのビルの壁面は鏡で出来ており、湾曲した巨大な鏡が太陽光線を公園の一点に収縮放射し事故が発生したと思われるが、
専門家同士の意見の意見が食い違い具体的な解決は困難を極める。

以上の捜査報告で捜査を打ち切る。

問題のビルは証拠不十分により放置。

・担当捜査官
ウォルター・S・スキナー

―――――

( ^ω^)「(これは全然関係ないお。)」



  
17: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:58:42.22 ID:zl5L6p4qO
  
File No.X-0856

【トロピカル州 グランドバーンズ小屋炎上事件】

1990年3月12日、グランドバーンズにある小屋が炎上。

炎上中、火柱がはるか上空まで上がるのを多数の住人が目撃。

火柱が上空まで上がった理由を追求するためにVIP捜査官が派遣されたが、
原因を捜査中に上層部からの捜査中止命令が出る。


・担当捜査官
ブレア・フィール

―――――

( ^ω^)「(少し興味あるけど、これも関係ないお…。)」



  
18: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/17(水) 23:59:44.62 ID:zl5L6p4qO
  
モルダーが過去のXファイルを読み漁り始めて2時間ほどが経った頃だった。
今日一日の疲れのせいか、モルダーを強烈な睡魔が襲っていた。
無意識のうちにモルダーの頭の中では無数の仮説が浮かんでは消えていた。

―――多数の警官の必死の捜査でも何も分からない。彼が死んだ事に特別な理由何て無いんじゃないのか?

―――否。何の理由もなく頭が破裂するなんて事は有り得ない。ならば、絶対に何かしらの要因があるはずだ。

―――ならば何の要因がある?

―――破裂すると言う事は外側からの力、もしくは内側からの力がなければならない筈だ。

―――外側から引く力。磁力?
いや、人間の頭部にそこまで強い磁力に反応する要素はないはずだ。

―――ならば内側から押す力か?
何かが被害者の頭部を押していたのか?

―――一体何が?

―――手形。
手形は何かの痕か?



  
20: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:01:22.03 ID:W75OEAiRO
  
( ^ω^)「………寝てたみたいだお。」

大きく背伸びをして、一息つく。

( ^ω^)「(だけど、推測が出来たお。)」

その時突然携帯電話のコールが鳴り響く。

( ^ω^)「モルダー。」

ξ゚听)ξ『やっと起きた?もう10回目の電話よ。
…そんな事より、ショッピングモールでまた人が死んだわ。』

( ^ω^)「……状況を説明してくれないか?」

ξ゚听)ξ『そのつもりで電話したのよ。
今度の被害者は心臓部分が破裂して即死。背中には前と同じ手形があったわ。』

( ^ω^)「…ありがとう。少し調べものをしたら戻るから捜査は頼むお。」

そう言い一方的に電話を切ったモルダーは、今度は自分からどこかへと電話をかける。

( ^ω^)「バイヤーズ、調べてほしい事があるんだが良いかお?」

(´・ω・`)『朝から挨拶も無しにせっかちだね。何だい?』

( ^ω^)「マイルスシティの件だお。」



  
22: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:02:29.06 ID:W75OEAiRO
  
(´・ω・`)『あぁ、例の不可解な事件か。君も苦労してるらしいな。』

( ^ω^)「話を続けるお。
被害者の背中には何者かの手形の火傷が付いているんだお。
それで君達には、手から何かを人の体に注入し破裂させる事が出来る能力を持つ人を探してほしいんだお。」

(´・ω・`)『で、注入した痕に手形の火傷が残るってわけだね?了解した。』

( ^ω^)「よろしく頼むお。」

( ^ω^)「(さて…と、マイルスシティに戻らないと。)」



  
23: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:03:15.13 ID:W75OEAiRO
  
【マイルスシティ-ショッピングモール】

ξ゚听)ξ「同じ街の人混みの中で、部分的な体の爆破。
これで同一人物による殺人の線が高いですね。」

刑事「そうだな…。」

鑑識課の人間の行動を見ていた二人の元へ、一人の警官が走ってきた。

警官「刑事!監視カメラが事件の様子を映していました!」

【ショッピングモール-セキュリティールーム】

広大なモールをカバーするセキュリティールームは、無数のモニターが一つの部屋に集まり何かの指令室のような雰囲気を醸し出していた。

警備員「もしやと思いビデオをチェックしてみたら、案の定映っていましたよ。」

手元の危機を捜査すると、全てのモニターに同じ一つの映像が映し出された。



  
24: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:03:54.61 ID:W75OEAiRO
  
映像には、人混みが写っている。突然、何かが破裂し血しぶきが宙を舞った。

ξ゚听)ξ「止めて。10秒前に巻き戻して、被害者の所をアップで再生して。」

警備員が機器を操作すると、先程よりも少し映像が乱れるがモニターは鮮明に被害者の事を映していた。

しかし、特に異変もないままモニターの男は胸が破裂する。

ξ゚听)ξ「……。もう一度一分前からお願い。」

しかしスカリーの頑張りもむなしく、たった一分の映像とはいえ人混みをしっかりと検証するのには時間がかかった。

被害者が死ぬ十分前までの映像をチェックするのに二時間かかっていた。



  
25: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:04:18.22 ID:W75OEAiRO
  
皆映像チェックに疲れ、セキュリティールームのドアが開いた事に気付いた者はいなかった。

( ^ω^)「みんなして必死にモニター見て、何か面白い映画でもやってんのかお?」

ξ゚听)ξ「モルダー!?
…遅かったわね。」

( ^ω^)「寝ちゃったのは君も知ってるだろ?
で…、何か分かったかい?」

ξ゚听)ξ「事件を捉えていた監視カメラのチェック中よ。」

スカリーが言い終わるか言い終わらないかの内に電話のコール音が鳴り響き、
モルダーはいきなり携帯電話を取り出し通話を始める。

( ^ω^)「バイヤーズかお。何か分かったかお?」

(´・ω・`)『バッチリだ。』



  
26: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:04:51.06 ID:W75OEAiRO
  
(´・ω・`)『モルダー、君は気功と言う技は知ってるかな?』

从 ゚∀从『まぁ簡単に言うと東洋の魔法みたいなものだな。』

通話相手がバイヤーズからラングリーに変わり、その後すぐにフロハイキーに変わる。

―――その時、モルダーが見ているモニターに不穏な動きをする男が現れた。


(-_-) 『気功は、【気】と言われるエネルギーを自在に使い色々な事に利用する術だ。』

―――不穏な動きをする黒コートの男は被害者の背後に立つ。

(´・ω・`)『気功の達人となると、気を相手に流し込み人体を破壊出来るらしい。』

―――黒コートの男はそっと被害者の背に手を当て、すぐに離れて行く。

从 ゚∀从『そして、気を流し込まれると気の注入口の温度が上昇するらしいんだ。』

(-_-) 『人体を破壊出来る程の気功の達人ともなると、注入口に火傷させてしまうのかもな。』



  
27: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:05:43.93 ID:W75OEAiRO
  
( ^ω^)「そうかお。ありがとうだお。切るお。」

モニターに釘付けのモルダーは、愛想もなく電話を切ると、電話には目も向けずに懐にしまう。

ξ゚听)ξ「やっと見つけたわね。」

刑事「この男を指名手配しろ。」

警官は刑事の声を聞くと急いで画像を取り込み指名手配の準備を始めた。

( ^ω^)「……。」

その後もモルダーは映像を見続け被害者の最後を見届けた。



  
28: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:06:20.07 ID:W75OEAiRO
  
………指名手配から数日後………

【マイルスシティ-メインストリート】

不気味な事件が起きたこのメインストリートも、休日の昼間となると以前の賑やかさを取り戻していた。

東から西へと流れる人の流れ。

その人の流れの中に黒いコートを着た男がいた。

彼は人の流れに身を任せ歩く。

その時、一人の女が彼の目の前を流れに逆らって横切る。

それを見た男は今までの進行方向を変え、女の背を追い出す。

―――変化が起きたのは黒コートの男が女性に手を触れようとした瞬間だった。

「両手を頭の後ろで組んで腹這いになれ!」

一人の男が銃を男に向け叫ぶ。



  
30: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:08:08.26 ID:W75OEAiRO
  
【警察署-取調室】

中央に机と椅子が置かれただけの質素な部屋に、黒いコートを着た男と灰色のスーツを着た男が向かい合って座っている。

男の顔は、白くホリは深い。
体格は弱々しい。


( ^ω^)「僕の名はモルダー。
良かったら君の名前を教えてくれないかお?」

男は黙ってモルダーを見つめる。

( ^ω^)「君はただ痴漢と思われて取調されているだけだお。
君の名前と女性に近づいた目的を言えばすぐに釈放するお。」

男「この国ではいつから痴漢容疑の男に銃を向けるようになったんだ?」

今まで一度も口を開かなかった男が、モルダーの一言にようやく反応を示した。



  
31: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:08:44.10 ID:W75OEAiRO
  
( ^ω^)「……喋れるじゃないか。」

男「喋るか喋らないかは俺の自由だ。」

モルダーは小さくため息をつく。

( ^ω^)「…君には第一級殺人容疑がかかっているお。」

男「俺には話が良く掴めないな。」

とぼけた顔をしてモルダーをあしらう。

( ^ω^)「…このままじゃ会話するのにも不自由だから名前位は言えないか?」

男「エンギー」

薄ら笑いを浮かべながら答える。

( ^ω^)「良い名前じゃないか。」

エンギー「初めて言われたな。」



  
33: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:09:27.86 ID:W75OEAiRO
  
( ^ω^)「エンギー、君が捜査に協力しないならば君を解放する事は出来ないお。」

エンギー「勝手にしろ。俺は自由に出ていくことが出来る。」

またも薄ら笑いを浮かべながら語るエンギー。

( ^ω^)「看守の頭でも爆発させる気かお?」

エンギー「……。」

途端にエンギーの顔つきが真剣そのものになる。

( ^ω^)「さっきまでの薄ら笑いはどうした?」

エンギー「黙れ。」

( ^ω^)「命令する立場は僕の方なんじゃないのか?」

口を閉じたままモルダーを睨みつける。

( ^ω^)「睨む事しか出来なくなったのかお?」

エンギー「黙れと言っている!」

そう叫ぶとエンギーは机を叩きつけた。
すると、たちまち机の叩きつけた部分からは湯気のようなものが立ち、机に彼の手形のようなものが残った。

( ^ω^)「尋問はこれで終わるが、君があの女性に近付いた理由を話すまでは解放しない。」



  
34: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:10:09.23 ID:W75OEAiRO
  
【警察署-取調室前】

刑事「怒らせるだけ怒らせて君は何がしたかったんだ?」

( ^ω^)「犯人は彼ですお。
供述を始めるまでは解放しないで監視を続けて下さいお。」

刑事「証拠がないんじゃ不当に拘留は出来ないぞ?」

( ^ω^)「取調室の机に手形があるはずだから、その手形と今までの被害者の背中の手形を比較してみてくださいお。
それから、彼に触れられないように気をつけて下さいお。」



  
35: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:10:57.41 ID:W75OEAiRO
  
………翌日………

【VIP本部-Xファイル課】

ξ゚听)ξ「微妙な終わり方だったけど、貴方自身スッキリしないんじゃない?」

( ^ω^)「奴を捕らえている間は事件も起こらないお。」

スカリーは軽くモルダーと口を聞きながらも、ワープロに向かい事件の調査報告を作成している。

ξ゚听)ξ「……。」



  
36: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:11:41.20 ID:W75OEAiRO
  
File No.X-1002

【イーベ州 マイルスシティ連続通り魔事件】

2007年1月17日、マイルスシティ メインストリートで通行人の頭部が破裂し死亡する事件が発生。被害者の背中には、人の手形の火傷があった。
手掛かりを得られぬまま捜査を続けるが、捜査中に第二の犠牲者が出る。

事件現場は同市ショッピングモール。被害者は心臓部が破裂し死亡した。背中には第一の犠牲者と同じ手形あり。

モール内の監視カメラに、被害者に近付く黒いコートを着た男が映されていた事から、マイルス市警は男を指名手配する。
それと同時に私服警官を街中に配置し、黒いコートを着た男を一名一名監視した。
その数日後、ある黒いコートを着た男がメインストリートで女性に背後から急接近したところ、その男をマークしていた警官に連行される。



  
37: File4.【ボマー】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/18(木) 00:12:36.59 ID:W75OEAiRO
  
その男を尋問しても【エンギー】という名前のみしか語らない事から、市警は供述するまでの拘留を決める。

エンギーの手形を採取し被害者の背中の手形と比較したところ、完全に一致する事から市警はエンギーを事件の重要参考人とする。

凶器についてモルダー捜査官は気功という術で殺害していたと推理していたが、証拠は出ていない。

エンギーはいまだ黙秘を継続中。

・担当捜査官
ブーン・モルダー
ツン・デレダナ・スカリー



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