( ^ω^)ブーンがモルダーなXファイルのようです

  
5: File5.【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/22(月) 20:57:18.21 ID:1hGOL0VLO
  
File No.5【試練Part1】

【VIP本部-スキナーの部屋】

ここはVIP副長官であるスキナーの部屋。
僕は来たくもないこの部屋の扉をノックする。

( ^ω^)「失礼しますお。」

/ ,' 3「座れ。」

この男の名はウォルター・S・スキナー。
彼はVIPの副長官であり、僕とスカリーの直属の上司でもある。
超常現象を信じておらず、僕のXファイルの捜査も認めてない部分が多い。

( ^ω^)「今日はまた始末書でも書かせようと呼んだんですか?」

僕はスキナーに圧倒されないように威勢良く大口を叩く。

/ ,' 3「私としてもそうしたい所だが違う。上層部からお前への直接命令だ。」

スキナーが僕の前に差し出した手には封筒が握られていた。



  
6: File5.【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/22(月) 20:57:48.41 ID:1hGOL0VLO
  
( ^ω^)「上層部?」

差し出された封筒を見つめ、スキナーの言葉の意味を問う。

/ ,' 3「私も長官から君に渡すよう頼まれたから詳しくは知らん。」

( ^ω^)「分かりました。」

スキナーの手から封筒を受け取った僕は、さっさと部屋を出てオフィスへと向かった。

【VIP本部-Xファイル課】

ξ゚听)ξ「モルダー、また何かやらかしたの?」

スカリーは腕組みをしながら、ため息をついて僕に声をかける。

( ^ω^)「いや、VIPの上層部から僕の指名付きの捜査依頼が来たお。」

ξ゚听)ξ「VIPの上層部って……政府?」

( ^ω^)「良く分からないお。
ただ、上層部と名乗る連中は命令をスキナーにも教えてないから臭い感じはしなくもないお。」

そう言うと僕は丁寧に封筒を開ける。

( ^ω^)「【モルダー捜査官へ】…?」



  
7: File5.【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk :2007/01/22(月) 20:58:36.85 ID:1hGOL0VLO
  
【モルダー捜査官へ】

君はVIPに所属していながら我々には到底理解出来ないような捜査ばかりをしている。
そこで君をVIP捜査官にふさわしいのかテストを実施する事が決まった。
これは君へのテストである。
君は単独でインベリーブへ行って事件を解決し君の捜査力を見せて欲しい。

なお、現地警官は君がテスト中だとは知らない。



  
8: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:00:03.59 ID:1hGOL0VLO
  
( ^ω^)「…インベリーブ。セピア州の暗黒街か。」

スカリーは僕の手から手紙を取り上げ、内容を簡単に目で追った後、
真剣な顔つきで地図を見ている僕に向けて口を開く。

ξ゚听)ξ「まさかとは思うけど、あなたこんな意味不明な連中の指示に従うつもり?」

( ^ω^)「従わなかったら、スキナーに『上層部からの命令を無視する重大な規則違反だ。』とか何とか言われてXファイル課の存続自体も危なくなるお。」

ξ゚听)ξ「それはそうだけど、あなたを単独で危険な街へ行かせる事自体が危険性を伴わせているじゃない。
そんなテストをVIPが許すわけないわ。」

スカリーが僕の事を思ってこう言ってくれている、というのが僕にはひしひしと伝わっていた。

( ^ω^)「スキナー達はXファイルを潰す口実が欲しいだけだお。
今回の捜査を成し遂げられなければ良い口実になる。僕は大丈夫だから安心してほしいお。」

ξ゚听)ξ「…仕方ないわね。防弾装備位はしてきなさいよ。」



  
9: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:00:31.88 ID:1hGOL0VLO
  
【セピア州への道-車内】

am 9:28

僕は軽快な音楽をかけながら、ハンドルを握りしめ田舎道を走行していた。
辺りに人の気配は見受けられない。


そのとき、懐にある携帯が鳴り響く。

( ^ω^)「モルダー。」

ξ゚听)ξ『スカリーだけど、あの手紙は少しおかしいわよ。』

( ^ω^)「おかしいと言うと?」

ξ゚听)ξ『VIPの担当事件一覧を調べたんだけど、インベリーブで起きている事件はVIPの担当事件じゃないのよ。』

( ^ω^)「それじゃあ極秘の事件か何かか?
どっちにしろ、捜査官を一人しか派遣させないようなレベルの事件だ。気楽に行くさ。」

ξ゚听)ξ『気楽って…。モルダー、くれぐれも気を付けてね?何か分かったら連絡するわ。』

僕は携帯電話をしまうと、音楽を止め事件の事を考え始めた。

( ^ω^)「(VIPの担当事件でもない事件がなぜ僕のテストに選ばれたんだ…?)」



  
10: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:01:23.88 ID:1hGOL0VLO
  
―――単に担当事件一覧に記載されていないだけか?

いや、VIP本部に限って記載漏れなど無いだろう。


―――一覧に載せる事が出来ない程の極秘捜査か?

僕を信用しないスキナー達の事だ。
極秘捜査に僕を一人で行かせるならスカリーもついていかせる筈だ。




―――罠?

誰の罠だ?

スキナー?
長官?
政府?
政府の秘密組織?


……今これ以上考えても答えなんて出て来ないだろう。

今は事件の解決を考える事にしよう。



  
11: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:02:08.08 ID:1hGOL0VLO
  
いつまで考えても答えは出ないと判断した僕は、頭を切り替えセピアまで車を飛ばした。

【セピア州-州道】

pm 3:21

長いドライブに疲れながらも僕はセピアまで無事到着した。

( ^ω^)「インベリーブの方角は……と。」

独り言を喋りながら地図を開き、インベリーブへの道を確認する。

道のりを確認した後、再びハンドルを握りしめる。

インベリーブ。
アメリカでも都会であるセピア州でとびきり治安の悪い街。
そこに一週間滞在すれば、死体の一つやニつは必ず見る事になるという。
二週間滞在すれば、自分がその死体になるらしい。

そんな事を思い出しながらインベリーブへ車を進めていると、僕は一台の車とすれ違った。



  
12: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:03:09.38 ID:1hGOL0VLO
  
( ^ω^)「……。」

特に理由があったわけでは無かったのだが、僕は対向車の男の顔をじっくりと見入ってしまっていた。


【セピア州-インベリーブ付近のガソリンスタンド】

pm 4:22

車のガソリンも少なくなって今日何回目かの給油が必要になり、
僕はガソリンスタンドに寄る事にした。

( ^ω^)「ガソリンを頼む。」

店員「はい。」

( ^ω^)「じゃあ、中に入って少し休憩しているから終わったら呼んでくれお。」

僕はガソリンスタンドの中へと入り、一杯のコーヒーを頼み一時の休息をとった。

それから僕は事件の事が載っているかもしれないと思い、ガソリンスタンドに置いてある地方新聞を一部手に取った。



  
13: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:03:40.97 ID:1hGOL0VLO
  
地方新聞を一通りめくっていると、ある記事が目に飛び込んできた。

【インベリーブの悪夢!】

これだ。

事件の内容はこうだった。

インベリーブで連続誘拐猟奇殺人が起きているらしい。
何でも被害者にインベリーブ在住と言う事しか共通点は無く、被害者の家には被害者の体の一部が綺麗に包装されて宅配便で届くという事だ。

僕の脳裏には一瞬で、悪趣味な快楽殺人犯が快感に溺れ笑顔で人間を切り刻む場面が浮かんだ。

反吐が出る。

店員「お待たせしました。」

そういえば給油中だったな。

( ^ω^)「ありがとうだお。」

こうして僕はインベリーブへと車を走らせた。



  
14: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:04:31.26 ID:1hGOL0VLO
  
【インベリーブ-街入り口】

pm 5:00

暗黒街と名高いここインベリーブは、なぜ暗黒街と言う名が出て来るのか分からないほど普通の平凡な街だった。

到着が少し遅くなってしまったが、僕はとりあえず警察署へと向かった。

【警察署-刑事課】

pm 5:18

とりあえず僕は、署の案内に教えてもらった通りに刑事課へと歩を進めた。

初めての警察署の刑事課って、けっこう疎外感あるんだよなぁ。

僕はそんな事を考えながらドアをノックした。

ドアを開けると、ベテランと言った様子の刑事が僕に近付いて来て、その他5人ほどは何か慌ただしく動いていた。

( ^ω^)「VIP本部から派遣されてきたVIP捜査官のモルダーと言いますお。」

刑事「おぉ。例の事件の捜査に来てくれたんだな?期待しているよ。
だが、今日はもう遅い。モーテルにでも泊まって明日からの捜査に備えようじゃないか。捜査資料を街のモーテルに送っておくよ。」

( ^ω^)「だけど、今日のうちに少しでも…」

刑事「あまり時間が経つとこの街の裏の顔を見る事になるから、早く南ブロックにあるモーテルに向かいなさい。」

この刑事の目線は無言の圧力とでも言うのだろうか。



  
15: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:04:50.67 ID:1hGOL0VLO
  
【モーテル-自室】

pm 5:51

うん、思ったよりも綺麗な部屋だ。
ふかふかのソファーも悪くはないな。

僕は今のところ、ここがそれほど治安が悪い地域とは感じられない。

僕はソファーに腰掛け、予約された部屋に送られていた10枚ほどの捜査資料に目を通した。



  
16: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:05:28.88 ID:1hGOL0VLO
  
【連続誘拐猟奇殺人についての捜査資料】

2006年7月12日、事件が起こる。

被害者の女性はエミリー・ビーン。年齢22歳・未婚。
過去に部分的記憶喪失の経験あり。

21:00頃買い物に出かけたところ、何者かに誘拐される。
身代金などの要求は一切行われず、三日後に被害者の自宅に乳房が二つ丁寧に包装され届く。

さらにその三日後、被害者の遺体が街の廃棄物処理場から発見される。

検死結果
・死因は絞殺。
・毒物反応はなし。
・絞殺以外の暴力の痕跡は一切なし。
・耳の裏に奇妙な傷跡があり、調べた結果金属片が埋め込まれていた。



  
17: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:06:12.57 ID:1hGOL0VLO
  
【連続誘拐猟奇殺人についての捜査資料U】

2006年8月21日、第二の事件が起こる。

被害者はスティーブ・マグナー。年齢23歳、既婚。
多重人格者。

21:30頃、ランニングをしているのを目撃されたのを最後に行方をくらます。
前回と同様に身代金の要求はなく、三日後に髪の毛の束が頭皮ごと自宅に届く。

その五日後に遺体が用水路から発見される。

検死結果
・死因は絞殺。
・毒物反応はなし。
・絞殺以外の暴力の痕跡は一切なし。
・不審な金属片が右手首に埋め込まれていた。



  
18: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:06:50.17 ID:1hGOL0VLO
  
その他の資料も見たが、事件はどれも似通っていた。

僕はとりあえず、インベリーブ市警の資料からVIP上層部へ提出用の捜査報告をまとめた。

―――――

【連続誘拐猟奇殺人についての捜査資料を見ての報告】

事件の共通点は以下の点である。

・被害者はいずれも二十代前半の若い人間であり、死因は絞殺。

・被害者は何らかの記憶障害や精神病を患っていた。

・いずれの被害者の体内からも異物を発見。

・夜間に誘拐される。

私がもらった捜査資料には他の有益な情報はない。

VIP捜査官
ブーン・モルダー

―――――



  
19: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:07:40.04 ID:1hGOL0VLO
  
そして僕は、スキナーには提出しないつもりのXファイル用の報告書を作成する。

―――――

【インベリーブ市警による連続誘拐猟奇殺人についての資料をXファイル的見地から見た報告】

事件の共通点は以下の点である。

・被害者はいずれも二十代前半の若い人間であり、死因は絞殺。

・被害者は何らかの記憶障害や精神病を患っていた。

・いずれも夜間に誘拐される。

・いずれの被害者の体内からも金属片が摘出される。
金属片については別に報告をまとめる。

【被害者は何らかの記憶障害や精神病を患っていた。】
【いずれの被害者の体内からも金属片が摘出される。】
→特にこの二点に着目し考察した結果、私はこの事件の被害者はUFOと何らかの関係があると考える。

―――――



  
20: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:08:16.49 ID:1hGOL0VLO
  
pm 8:44

ひとまず報告書を作成した僕は、携帯のボタンをプッシュしスカリーへ電話をかける。

( ^ω^)「モルダー。」

ξ゚听)ξ『お疲れ様。捜査はどんな状況かしら?』

( ^ω^)「あぁ、とりあえずスキナーに一つ目の報告書を送るから見てくれお。
それとスカリー、良かったらインベリーブでのUFOの目撃情報を集めてくれないか?」

ξ゚听)ξ『…まぁ、理由は聞かないで調べてあげるわ。』

( ^ω^)「ありがとうだお。」

あ。今僕久しぶりに笑ったな。

ξ゚听)ξ『じゃあ調べたら連絡するわ。さよなら。』

( ^ω^)「おやすみだお。」

………提出用とXファイル用に別々に報告書を作ったは良いが、少し疲れたな。



  
21: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:08:52.28 ID:1hGOL0VLO
  
今日はもう早めにシャワーを浴びてベッドに入ろう。

pm 9:50

シャワーを浴びて僕はベッドへ入った。

だが疲れたと言っても、まだ夜も浅いもので僕の頭はまだ回転を続けていた。

―――あの話をした刑事、何か胡散臭い気がする。

まるで僕を早めに追い出したかったようだ。

そういえば、僕を見た瞬間に他の刑事はいきなり動き出したな。

彼等には注意をしないと。



  
22: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:09:34.13 ID:1hGOL0VLO
  
am 10:00

【警察署-刑事課】

( ^ω^)「おはようございます。」

刑事「よぉ。待ってたよ。
あんた心理分析が得意なんだろ?犯人の手掛かりが掴めんのだ。少しやってみてくれんか?」

―――彼はなぜ僕が心理分析を出来るという事を知っている?

( ^ω^)「…犯人は己の快楽を得る為に殺人を犯してると思われます。
そして、その殺人の証を遺族に見せつける事で自己の快楽を高めているサディストだと考えられますお。
このような猟奇殺人を犯す人間は高いIQを持つ場合と、精神障害を持つ場合が多く、前者の場合は事件は難解なものになる事が多いですお。」

刑事「なるほど。他には何かないか?」

( ^ω^)「これは僕の捜査経験から言える事ですが、犯人は単独犯ですお。
それと、男性も誘拐されていた事から、筋力的に女性が犯人という可能性は低いと思われますお。」



  
23: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:10:20.39 ID:1hGOL0VLO
  
―――こいつらは余所者の僕に話を聞くだけで、自分達で捜査はしないのか?

( ^ω^)「後は過去のプロファイリングから言える事ですお。
犯人が精神障害を理由に犯行をしていたと仮定すると、犯人の住所は、被害者の住所から6000m以内の可能性が非常に高いですお。」

刑事「つまり精神科医を片っ端から当たって20代もしくは30代の男の住所を調べて、
この地図と照合すればひょっとしたら犯人の居場所が出て来るってわけだな。」

そう言いながら彼は、机からこの街の地図を取り出し被害者宅にポイントを付け、その周りをペンで囲み始めた。

―――被害者宅のポイントをする位、捜査初期にやっておけよ。

刑事「よし。お前ら、早速精神科医を当たってくれ。
捜査官はここで私と一緒に各警官の指揮を取ってくれ。」

( ^ω^)「分かりましたお。」



  
24: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:11:25.79 ID:1hGOL0VLO
  
刑事課のオフィスにいた僕達には何の連絡もないまま、一時間が経過した頃だった。

続々と刑事が戻ってくる。

精神科に通院している若い男性の資料が集まるが、そのほとんどは犯罪が出来るレベルの病気ではなかった。

しかし一人だけ、多重人格者の患者がいた。
その男の住所は、すべての被害者宅から3000m以内の場所にあった。

僕は直感で彼が犯人だと確信した。

刑事「あぁ、グリーブスか。こいつは別件でマーク中の男だ。今も張り込んでるから捕るなら今だぜ。」



  
25: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:12:02.43 ID:1hGOL0VLO
  
【グリーブス宅】

am 11:22

グリーブス「あぁ、可哀想に…。お前も俺と同じで怖かったろ?いま解放してやるからな…。」

そう言うと男は、両手を縛られ動けない女性の眼球にナイフを突きつける。

グリーブス「お前が生きた証は、きちんとお前の親に渡すから安心しろよ…。」

ナイフが眼球に触れた瞬間、窓から多数の武装警官が現れグリーブスを包囲した。



  
26: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:12:35.92 ID:1hGOL0VLO
  
【警察署-取調室】

( ^ω^)「君は誘拐・殺人・死体遺棄の罪状で逮捕された。なぜこんな事をしたか説明するんだ。」

僕は目の前でブルブル震えている大柄な男に話しかける。

―――我ながら、精神障害者に説明を求めるなんてナンセンスかもな。

グリーブス「違う…。俺は奴らから解放してやっていたんだ……。」

( ^ω^)「奴らって誰だお?」

グリーブス「小さくて、目がデカいんだよ…。今もこの会話を聞いているかもしれない…。」

グリーブスはキョロキョロと窓の外を覗いている。

僕はその時、グリーブスの首に一つの傷が見えた。

( ^ω^)「おい、この傷どうしたんだ?」



  
27: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:13:02.55 ID:1hGOL0VLO
  
グリーブス「だからあいつらだよ!」

……この言動。
これはまるでUFOに連れ去られた人間のようだ。

いや、待てよ。
被害者には共通点が有ったな。

【部分的記憶喪失】
【多重人格者】
【体内から金属片】

……。

( ^ω^)「話を詳しく聞かせてもらえないかお?」

グリーブス「やっとまともに話せる人間に会えたみたいだな。」

( ^ω^)「君はUFOに誘拐されたのか?」

刑事「そこまでだ捜査官。もう犯行は自供したから十分だろう。
おい、お前らグリーブスを連れて行け。」



  
28: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:14:32.88 ID:1hGOL0VLO
  
―――何でいつも邪魔が入るんだ。
グリーブスを何処へ連れてく気だ?

( ^ω^)「ちょっと待って下さい。」

刑事「捜査官!もうあなたの試験ごっこは終わりだ!」

―――?

( ^ω^)「今何て言った?この捜査が試験だと言う事は知らないはずじゃないのか!?」

刑事「…少し眠って頭を冷やせ。」

僕は、何かハンカチのようなものを背後の警官から口と鼻に押さえつけられたらしい。

ぼやけていく視界の最後には、連行されるグリーブスの姿が写っていた。



  
29: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:15:03.95 ID:1hGOL0VLO
  
pm 10:14

―――頭が痛い。

―――ここは………?

暗く、寒く、空気が重い。

牢か?
誰かの足音が近付いてくる。

刑事「捜査官、我々はあなたの味方だよ。
あなたの事情は分かってるつもりだし、ある人物から捜査官の言うとおりにしろとの依頼も受けている。」

―――僕の味方…?
嘘をつくな。

( ^ω^)「なら、なぜこんな真似を…?」

刑事「ある人物からの依頼は、あなたにスムーズに事件を解決させる事だった。」

―――ある人物って誰だよ。

刑事「捜査官が余計な行動を起こして、あなたの評価が下がる事があっては我々の面目も潰れてしまう。」



  
30: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:16:15.07 ID:1hGOL0VLO
  
( ^ω^)「黙れ!僕をグリーブスに会わせろ!」

刑事「もう彼は凶悪犯収容施設にいってここにはいない。」

( ^ω^)「ふざけるな!今すぐ僕の前に連れてこい!
…分かったぞ!お前らも政府の手先だな!」

刑事「やれやれ…。事件は解決した事だし、依頼は達成されただろう。
君の相棒を呼ぶから、迎えに来るまでここで頭を冷やして報告書でも作っていてくれ。」

( ^ω^)「おい!待て!僕を出せ!」

だが僕の叫びも通じず、彼は去ってしまった。

それから一時間、何もする事がなかった僕はスキナーに提出用の報告書とXファイル用の報告書を作成した。



  
31: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:16:47.44 ID:1hGOL0VLO
  
………翌日………

pm 3:00

刑事「おはよう。頭は冷えたか?」

( ^ω^)「お陰様で。
なぁ、スカリーはまだなのか?」

刑事「昨日の夜にワシントンを発ったと連絡があったんだが、遅いな…。電話してみたか?」

( ^ω^)「昨日からずっと通じないんだお。」

―――嫌な予感がする。

刑事「いま確認してくるから待ってろ。」

( ^ω^)「……。」

―――特に根拠はないがこの不安は何だ?

―――寒い。



  
32: File5【試練Part1】 ◆JXck9Ucovk : 2007/01/22(月) 21:17:16.04 ID:1hGOL0VLO
  
………三十分後………

刑事が走って来る音が聞こえる。

―――話を聞くのが怖い。

刑事「モルダー捜査官!スカリー捜査官が失踪した!」


To Be Continued.



戻る次のページ