( ^ω^)ブーンがモルダーなXファイルのようです

  
4: くれくれ厨(チリ) :2007/03/12(月) 22:14:34.83 ID:hZa2Jmh6O
  
pm 5:42

【トロピカル州-ウェストナイト山】

ウェストナイト山は大量の大木が立ち並び、まるで古代の原生林のような森が山を覆っていた。
だが、その自然多き山も半分近くが地域開発により緑を失っていた。

一部分ではあるが鮮やかな深緑色をした山をオレンジ色の夕日が照らし出す様はまるで有名な風景画のようだ。

その美しい山林を、リュックを背負った登山者のような者達が麓を目指し突き進んでいる。

三人組の若い男達だ。彼らは息を切らしながら足を進めている。
彼らは何かに怯えているのか、時々後ろを振り向いては額の汗を拭う。

「完全に日が暮れるまでの時間は!?」

髭を生やした男が興奮気味に仲間に尋ねた。

「あと30分もあれば完全に暗くなる。急ぐぞ!」

目つきが鋭い猛獣のような男がその問いに答えた。
もう一人いる男は先程から何も喋らずに、ただ黙々と足を動かしている。

彼らは色々な障害物に邪魔をされながらも進行速度を今までより更に上げた。
まるで何かから逃げるように。



  
5: くれくれ厨(チリ) :2007/03/12(月) 22:16:56.14 ID:hZa2Jmh6O
  
pm 6:18

先程までの夕日は完全に沈み、山を照らすのは僅かな月の光のみとなった。

若干速度は落ちたが、男達は枯れ木や枝に邪魔されながらも未だに走り続けている。

「おい…見ろ!小屋があるぞ!」

先程から黙りこくっていた男が急に声を発した。

「暗闇をこれ以上走るのは危険だ。今夜はあそこで過ごそう」

髭を生やした男はそう言うと、他の男達の顔を見回す。
他の男達は黙って頷いている。

外観は古めかしい森小屋だ。中には毛布が何枚か置いてあるが、逆に言えば小屋には毛布しかなく、壁と屋根があるだけで小屋の外よりはマシと言った程度の物だ。多少のカビの臭いが男達の鼻を刺激する。

「アイツが来ない事を祈るとしようか…」

先程までは猛獣のような眼をしていたガッシリとした男が、今はまるで捨てられる子犬のような哀れな目つきになっていた。

真っ暗な小屋の中を照らしているのは、小さなランタンの光だけだ。
カビ臭い小屋の中央でランタンを円く囲み、お互いの顔を見つめ合う彼らの中に言葉を発する者は一人もいない。



  
6: くれくれ厨(wbcc1s05) :2007/03/12(月) 22:18:00.72 ID:hZa2Jmh6O
  
この小屋に入ってどれほどの時間が経ったのだろうか?
五分という短い時間が十分にも二十分にも感じていた彼らは精神的に追い詰められていた。

その時、突然真っ暗な小屋の中に大きな音が響き渡る。
心身共に衰弱している時に突然何かの音が聞こえた彼らは、音の発信源を特定出来ずにいた。

髭を生やした男がランタンを持って窓に向かう。
汚れた窓ガラスを服の袖で拭いて外を眺めるが、飽きる程見てきた木々の他に何も見える物はない。

その時また大きな音が鳴り響いた。

今回の音で彼らは音の発信源の特定に成功する。
音が鳴っているのは外ではなく、男達がいる小屋の屋根の上だった。



  
8: くれくれ厨(wbcc1s05) :2007/03/12(月) 22:19:39.67 ID:hZa2Jmh6O
  
………二日後………

【VIP-Xファイル課】

僕と男はソファーに座っている。
朝からスーツを着こなした中年の男が、話がしたいらしく僕を訪ねて来た。何やら込み入った話のようだ。

( ^ω^)「で、僕に話したい事って何ですかお?」

男は真剣な眼差しで僕の目を見ながらゆっくりと口を開く。

男「朝からすまない。ただ君はこの手の事件の専門家と聞いたのでな。
私の名はビル」

そう言って目の前のソファーにどっしりと座っていた男――ビルが僕に右手を差し出してきた。

( ^ω^)「よろしくだお。で、用件はなんだお?」

僕はビルの手を握り軽く挨拶をする。

ビル「私は大学時代の友人達と共に登山サークルに入っていたんだ。だが、その友人達がトロピカル州のウェストナイト山で失踪したんだ」



  
10: くれくれ厨(wbcc1s01) :2007/03/12(月) 22:24:19.95 ID:hZa2Jmh6O
  
おいおい、僕はいつから山の遭難者を探す専門家になったんだ?

(# ^ω^)「人違いじゃありませんか?」

朝から突然押しかけてきたビルに僕は少々イライラしていた。


ビル「まぁ落ち着いて最後まで聞いてくれ。遭難した僕の仲間は三人いたんだが、地元警察やハンターが山狩りをしても彼らは一人も出てこなかったんだ」

僕はため息をつき、コーヒーを入れようと立ち上がる。

ビル「まだ話は終わってない。山狩りをしてる最中に奇妙な物が見つかったんだ」

そう言って僕が振り返ると、ビルは一枚の写真を鞄から取り出してテーブルの上に置いた。
それを見て僕はテーブルの上の写真を手に取る。

( ^ω^)「……これは?」

ビル「専門家の調べによると爬虫類の抜け殻らしい。どうだ?興味を持っただろ?」

そう言ってビルは僕を見てニヤついた。僕もそれに笑顔で返す。



  
11: くれくれ厨(wbcc1s07) :2007/03/12(月) 22:26:48.12 ID:hZa2Jmh6O
  
―――蛇の抜け殻と言うものは、蛇の形をそのまま留めて存在する場合が多い。
…まぁそれは蛇に限った事ではなく爬虫類全般に言える事だが。

だがこのビルという男が持ってきた写真には、人間によく似た生物の形をした脱皮殻が写っていた。
人間によく似た生物と言っても、その皮膚は鱗のような模様をしているし、
人間だと判断出来る材料は少ないかもしれない。

だが、写真に収められた丸まった背中に五指の両手両足が存在する脱皮殻のその姿は、
僕の眼にはまさに人間そのものに映った。

ビル「明日の午前中に迎えにくるから準備をしておいてくれ」

ビルがそう言って僕のオフィスから出て行った。写真は置いたままだ。

('A`)「モルダー、今出て行ったスーツの男は誰だ?」

ビルと入れ替わりにクライチェックがコーヒーを片手にオフィスへと入ってくる。
彼は今ではしっかりとXファイル課の一員になれたと意識しているらしい。

( ^ω^)「クライチェック、明日の朝にウェストナイト山に出発するから登山用の装備をしておけお」

('A`)「は?」

僕はそれだけ言い残して、クライチェックを置いてオフィスを出る。
向かったのはローンガンメンのオフィスだ。



  
14: くれくれ厨(wbcc1s04) :2007/03/12(月) 22:29:38.85 ID:hZa2Jmh6O
  
【ローン・ガンメン オフィス】

从 ゚∀从「よぉモルダー。いきなりどうしたんだ?」

( ^ω^)「やぁラングリー。実は見せたい物があってね」

そう言って僕はラングリーに例の写真を渡した。すぐに他の二人も集まってくる。
ラングリーは僕から写真を受け取ると、写真や紙などを拡大して見る為の
拡大鏡が備え付けてあるデスクへと写真を持っていき、拡大鏡で写真を見ている。

(-_-) 「……今重点的に開発されている山で撮られたビデオによく似た生き物だな。
あの山……ウェストナイト山だったかな」

横から写真を覗いていたフロハイキーが声を発する。

( ^ω^)「ビンゴ。この写真はウェストナイト山で撮られたものだお」

(´・ω・`)「なら君にはこのビデオを見せるべきだな」

そう言ってバイヤーズは一本のビデオテープを持ってきて再生する。



  
15: くれくれ厨(wbcc1s10) :2007/03/12(月) 22:30:34.35 ID:hZa2Jmh6O
  
ビデオデッキが繋がれた画面には登山姿の若い男と若い女が映し出された。デートでもしに山に来たのだろうか?

深い緑の木々や、赤や黄色の花が移されている。

「あの花可愛いね〜」

「そうだね」

たわいもない会話をしながらビデオは進んでいった。

(´・ω・`)「少し早送りさせてもらうぞ」

バイヤーズがリモコンを操作してビデオを早送りする。所々見えた映像から、
カップルは山のだいぶ上の方まで登ったらしいという事が分かる。

バイヤーズが操作を止めると、どこかの洞窟の入口らしき場所が映されていた。男女は騒ぎながら洞窟に入って行く。
その時、男が何かを見つけたらしく女を呼んだ。画面には大型犬のような哺乳類と思われる動物の死骸が映っている。
女は悲鳴を上げているが、男は興味深そうに死骸をビデオカメラで撮り続けて実況をしている。

その大型の犬のような死骸は内臓を喰い尽くされているようで、
腹に開いた大きな穴からは臓物は何も見えない。

その時洞窟の奥の方から岩が崩れるような音がした。何かが走って近付いてくるらしい。カメラはじっと洞窟の奥を捉えている。



  
16: くれくれ厨(wbcc1s16) :2007/03/12(月) 22:31:44.87 ID:hZa2Jmh6O
  
男も女も声を発する事はない。いや、声を発する事は出来ないと言うべきだろう。
それはそうだ。大型の哺乳類をあんな状態になるまで食い散らかしたかもしれない動物が近付いてくるんだから。

暗闇の向こうからやってきた生物は僕の予想の斜め上を行く生物だった。
二本の足を交互に動かし、二本の手は交互に振り、物凄いスピードで走る緑色の皮膚を持った二足歩行ヒト型生物。
―――皮膚全体が緑色という事を除けばスキンヘッドの人間そのままの形だろう。

ビデオカメラが地面に落ちて止まったらしく、そこで映像は途絶えた。

( ^ω^)「今のは陸上の選手か?」

从 ゚∀从「なかなか面白い映像だったろ?」

(-_-) 「このビデオテープはつい先週、我々の雑誌の読者である登山者が拾ったらしい」

(´・ω・`)「それで我々に届けられたというわけだ」

バイヤーズはビデオを巻き戻す。



  
17: くれくれ厨(wbcc1s06) :2007/03/12(月) 22:33:00.65 ID:hZa2Jmh6O
  
ラングリーはどこかから紙のようなものを数枚持ってきた。紙が一枚に、写真が何枚かあるようだ。

从 ゚∀从「洞窟の場所がこの地図で、この写真はあの陸上選手をプリントアウトしたものだ」

ラングリーはそれらを僕に手渡す。

( ^ω^)「で……このカール・ルイスの正体は掴めたのかお?」

僕は写真を見ながら言った。

(´・ω・`)「ガセネタの線が高いと思ってたから調査は何もしてないし、正体は全く掴めてない。
ただ皮膚の鱗と言い、さっきの脱皮殻と言い、爬虫類の線が高いかもな。気を付けろよ」

僕がオフィスを出ようとした時、誰かが僕の肩を叩いた。
振り向くとそこには真剣な表情をしたフロハイキーがいた。

(-_-) 「モルダー、スカリーの事だが……」

言いにくそうに口を開く。

( -ω-)「…………」

僕は首を横にふり顔を下げた。
スカリーの事を忘れた日は一日たりともないのだが、一向に出て来ないスカリーへの手掛かりが
僕の不安を大きくさせていた。



  
18: くれくれ厨(wbcc1s15) :2007/03/12(月) 22:34:48.78 ID:hZa2Jmh6O
  
【???】

真っ白な部屋に私は全裸で寝ている。
両手両足をベッド【ベッドと言うよりも手術台と言うべきか】に固定されて身動き一つ取ることは出来ない。
おまけに口までもが無理矢理に開かされて固定されている。

ξ゚听)ξ「……」

何故かは分からないけど、声を出す事も出来ない。麻痺してるのかな?
私は不思議と恐怖心は無い。

………私、いつからここにいるんだろう?
ずっとここにいる気もするけど、つい最近いや今さっきこの場所に連れて来られた気もする。
今までにない不思議な感覚。

ブーンと初めてXファイルを解決した時みたいに新鮮な気持ちだな。
あ、モルダーにブーンって呼ぶと『僕はモルダーだ!』ってムキになるんだよね。
そこがあの人の可愛い所なんだけど。

―――そんな事を考えていた時、銀色の細い棒が私の顔の前に現れた。
その棒の先端からは、虫歯治療に用いるドリルのような物が出てくる。

ここで私は恐怖を感じ始めた事に気付く。

そのドリルは予想通り、非常にゆっくりとだが私の口内に迫ってきた。そして、喉にひんやりとした感触が伝わる。

ξ;゚听)ξ「!!!!!」

私の口からは声にならない叫びが出た。



  
19: くれくれ厨(wbcc1s15) :2007/03/12(月) 22:45:25.82 ID:hZa2Jmh6O
  
【モルダーのアパート】

(; ^ω^)「あぁぁぁぁぁ!!!」

(; ^ω^)「……?」

………今のは夢か。それにしてもリアルな夢だったな。スカリーの意識に同化していたみたいだ…。
凄い汗をかいたな…疲れてるのかな。

今の時間は……?

am 1:24

時計にはそう表示されている。山登りは体力が必要だから、今のうちに寝ておかないとな……。

おやすみ、ツン。



  
20: くれくれ厨(wbcc1s02) :2007/03/12(月) 22:46:52.34 ID:hZa2Jmh6O
  
………早朝………

【VIP本部-地下駐車場】

僕はエレベーターの前で、ひまわりの種を食べながら迎えの時が来るのを待っていた。

遠くから近付いてくる誰かの車のエンジン音が聞こえる。ビルだろうか?
だが、近付いてきた車から降りたのはビルではなく、大きなリュックを背負ったこの男だった。

('A`)「ふう、時間には間に合ったようだな。待ち合わせ場所を知らせないから探したぞ」

( ^ω^)「……何しに来たんだお?」

(#'A`)「モルダー、ウェストナイト山に行くと言ったのはお前だぞ」

………あぁ、そう言えばそうだっけ。

その時、再びこちらへ近付いてくる車のエンジン音が聞こえた。
曲がり角から現れたその赤い車はとても大きく、軽い山登りならお手の物といった感じだ。

ビル「ようモルダー。そっちの若いのは付き人か?まぁ二人とも乗りな」

今日のビルは昨日のようなスーツ姿ではなく、チェックのシャツにベストと言った登山者と言った感じの服装だ。僕はビルに洞窟への地図を渡した。

( ^ω^)「ここに向かってくれお」

僕らは荷物をトランクに詰め込み、山へと向けて出発した。



  
21: くれくれ厨(wbcc1s03) :2007/03/12(月) 22:48:00.83 ID:hZa2Jmh6O
  
道中で僕はクライチェックに事件の内容を説明した。今考えれば、クライチェックは何も知らずに登山の準備をしていたわけだ。
何も考えずに楽しそうに今日の準備をしているクライチェックを想像した僕は、何だか笑いが込み上げてきた。

am 10:10

【ウェストナイト山】

目標とする洞窟が山の上の方にある為、僕達は山を登らなければなかった。
そこで山に着いた僕達は車で行ける場所まで山を登って行ったが、
すぐに車が通ることが出来る道がなくなり、自分の足を頼りに登って行く事になった。

ビル「日没まであと八時間だ。怪物がいるかもしれない山に暗くなってからウロウロするのは危険だ。よって、八時間以内に車に戻る事を最優先としよう」

車を降りて支度し終わったビルが僕達に声をかけてきた。
クライチェックは靴を履き替えて大きなリュックを背負っている。

それにしても緑が深い山だ。方向感覚など少し歩いただけですぐに失われてしまうだろう。
おまけに磁場も狂ってるらしく、僕がせっかく持ってきたコンパスも意味をなさない。



  
23: くれくれ厨(wbcc1s06) :2007/03/12(月) 22:49:49.94 ID:hZa2Jmh6O
  
登り始めて二十分ほど経過した時だった。クライチェックが何かを発見したらしく声をあげた。

('A`)「モルダー!」

クライチェックの元へと向かった僕達は、異様な物を見る事になった。
それは腐った人間の片腕だった。指が一本もなく、所々の肉は何かに噛みちぎられたように無くなっていて骨が露出していた。

ビル「マックス……」

ビルが力無く声を出す。

('A`)「腕だけじゃまだあんたの友達かは分からないだろ。落ち込むな」

ビル「タトゥーで分かるさ」

そう言うとビルは黙り込んだ。

( ^ω^)「クライチェック、写真撮ってくれ。それと、腕をビニールに入れて保存するのを忘れないでくれお」

クライチェックの作業が終わるのを待って僕達は再び洞窟へと向けて出発した。



  
25: くれくれ厨(wbcc1s02) :2007/03/12(月) 22:50:59.48 ID:hZa2Jmh6O
  
pm 2:00

腕を発見した後なしばらく歩き続けた僕らは、例のビデオが撮られた洞窟へと到着した。

( ^ω^)「ここが例の生き物の住処だと思われる場所だお」

ビル「……行くぞ!」

ビルは落ちていた木の棒を拾ってその棒を武器のように構えると、洞窟へと走って行こうとした。

( ^ω^)「ちょっと待てお!」

僕は慌ててビルを制止する。
危険な肉食陸上選手相手に木の棒で戦いを挑むなんて自殺行為だ。

僕とクライチェックは銃を構えて洞窟へと視線を向けた。

('A`)「戦闘は任せてもらおう」

僕とクライチェックがライトを照らして歩き出そうとすると、ビルがリュックを降ろした。

ビル「いや、つい慌てて先走りしてしまった。すまない」

そう言うと、ビルは自分のリュックから銃身を切り詰めた小型のショットガンを取り出して弾を装填した。

ビル「じゃあ行こうか」

('A`)「……頼りになるな」

クライチェックの顔が呆れてたように見えたのは僕の気のせいじゃないだろう。



  
26: くれくれ厨(wbcc1s06) :2007/03/12(月) 22:51:59.03 ID:hZa2Jmh6O
  
例のビデオに映っていた洞窟の内部は何とも言えない湿度に保たれ、そのうえ異臭までしている。
死体のいくつかが転がっていても不自然じゃない、
むしろ死体がない方が不自然だと思える程に異様な雰囲気だった。

('A`)「………」

( ^ω^)「………」

ビル「………」

僕らは誰も言葉を発さずに洞窟内部を探索していた。色々な動物の骨がそこら中に転がっている。
その時、奥から何かの物音が聞こえた。

('A`)「!?………行くぞ」

クライチェックが奥へ向けて走り出す。
僕はゆっくりと奴を追い詰めて催涙ガスを吹き付けて捕まえたかったのだが、僕の計画は見事にぶち壊されたらしい。

ビル「ぶっ殺す!」

ビルまでが大声を発して奥へと走ってく。
包囲網を作らなければ、すばしこい相手へのガス噴射は難しいだろう。

( ^ω^)「………」

僕は自分の手に握られた新型の催涙ガス噴射銃を見て、それを一度リュックにしまい走り出した。



  
28: くれくれ厨(wbcc1s09) :2007/03/12(月) 22:53:16.04 ID:hZa2Jmh6O
  
洞窟の最深部は広いドームのような形状をしていた。

ビル「どこだぁ!?」

僕がそこに着いた時には既にビルが怒り狂って陸上選手を探し回っていた。
辺りを見回すと何人かの人間の骨がある。

( ^ω^)「まぁ落ち着けお。この洞窟は一本道だったし、奥に奴がいたならまだこの辺にいるはずだお」

そう言って僕はライトを使ってそこらを照らし始めた。
だが、僕らがいくら探しても緑色の生物なんて見つからない。

('A`)「おい、さっきの物音って岩か何かが崩れただけじゃないのか?
それに、そこら中に転がってる骨も犬か何かが運び込んだというのなら説明がつく」

クライチェックの推理を否定する要素は無いが、僕の直感は彼の推理を否定している。

ビル「見ろ、俺の仲間の持ち物だ。そこに落ちていた」

ビルが古くて使い込まれたライターを持ってきた。

ビル「やっぱりここには何かいるぜ?」

その時だった。
ドームの入り口付近に固まっていた僕らの目の前20メートル程先に、緑色の何かが落ちてきた。
いや、飛び降りてきたと言った方が適しているだろう。



  
29: くれくれ厨(wbcc1s02) :2007/03/12(月) 22:54:39.21 ID:hZa2Jmh6O
  
上から降ってきた緑色の何かが、奇声を発しながら僕達に向かって走ってきた。小さい時に見たB級ホラー映画のワンシーンが脳裏に浮かぶ。

緑色の何か、さっきまでは気が動転して正体が分からなかったが正体は例の爬虫類人間らしい。
身長は大きく180センチはある。

相変わらずの綺麗なフォームで僕達に突進してきた。僕とクライチェックは横飛びで奴の突進を避ける。
ビルは銃を構えたが、発砲はする暇が無かったらしい。奴に弾き飛ばされた。

そのまま、あの全身が鱗で覆われた爬虫類人間は洞窟を駆け抜けて行った。

ビル「なろう!」

ビルとクライチェックが奴を追っていく。今回は二人に取り残される事はなく、僕も一緒だ。



  
31: くれくれ厨(wbcc1s03) :2007/03/12(月) 22:55:57.39 ID:hZa2Jmh6O
  
pm 2:53

僕らは洞窟の入口まで急いで戻ったが、奴を見付ける事は出来なかった。
木々がうっそうと茂っている周囲を見回してみても、何も見つけられない。

('A`)「奴はどこに行った?……モルダー、バラバラに探すぞ」

ビル「いや、待て。そろそろ車に戻り始めないとまずい。日が暮れちまう」

興奮気味のクライチェックを時計を確認したビルが制止するが、クライチェックはそれに反抗する。

(#'A`)「あんな危ない化け物をこのまま野放しにしておけってのか?」

( ^ω^)「確かに、このままアイツを野放しで帰るのはまずいお。ビル、地図を貸してくれないか?」

ビルがポケットから地図を取り出して僕に手渡した。

( ^ω^)「……見ろ、小屋があるお」

僕が地図上の一点を指差すと、二人は僕の近くに寄ってきた。

ビル「……五十分もあれば歩いても着けるな。今夜はここに泊まらせてもらうか?」

('A`)「それならまだアイツを捜せるな」

……クライチェックはあの化け物にタックルされかけたので頭に血が昇ってるらしい。



  
32: くれくれ厨(wbcc1s08) :2007/03/12(月) 22:57:28.37 ID:hZa2Jmh6O
  
( ^ω^)「そうと決まったらこれからの計画を立てるお」

僕は切り株に腰を下ろして、二人に声をかけた。

('A`)「……あの化け物、人間って可能性はあるか?」

クライチェックが疲れた顔をして喋った。

ビル「あの写真に映っていた脱皮殻がアイツの物だとするなら、奴が人間だと言う可能性はほぼ0だろう」

('A`)「なら、次に出て来たら迷わずに発砲するぞ…」

( ^ω^)「話の流れをぶったぎって悪いんだが、二人とも僕の考えを聞いてくれ」

僕は切り株から立ち上がると、リュックに入っているある物を探す。

( ^ω^)「奴が爬虫類で、あの脱皮殻が奴の物だと仮定する。脱皮とは何の為に行われるか分かるかクライチェック?」

('A`)「……成長の為、もしくは皮膚の更新の為か?」

( ^ω^)「御名答。僕はここで奴が自分の成長の為に脱皮を行っていると推理するお」

ビル「何故だ?皮膚を新しくする為に脱皮をしてるかもしれないぞ?」

( ^ω^)「実はこの山の失踪事件を調べたんだが、この山で人間が失踪し始めたのはつい最近なんだお。
そして脱皮殻が見付かったのもつい最近だお」



  
33: くれくれ厨(wbcc1s10) :2007/03/12(月) 22:58:51.54 ID:hZa2Jmh6O
  
('A`)「それが今の状況と何の関係がある?」

クライチェックがイライラした表情で僕を見ている。

( ^ω^)「まぁこれはあくまで推測の域を出ないんだけど、奴は人間の豊富な栄養源を得る事によって
脱皮を繰り返し成長してるんじゃないかお?」

ビル「確かに理にかなった推理だな。だが、確固とした決め手がない」

ビルがタバコに火をつける。

( ^ω^)「確固とした決め手は無いんだけど、この写真のアイツより今さっき見たアイツの方がデカいと思わないかお?」

そう言うと二人は僕が持っている写真を見る為に僕の周りに集まる。

('A`)「…確かに二回り位は大きいな」

( ^ω^)「だろ?もしビルの友達が奴の養分とされたならば奴の脱皮は自分の成長の為だと説明がつくお」

('A`)「だが、それがどうした?」

( ^ω^)「そこでこれだお」

僕は、さっきまでリュックの中をほじくり返して探していた物を取り出す。



  
34: くれくれ厨(wbcc1s16) :2007/03/12(月) 23:00:02.20 ID:hZa2Jmh6O
  
僕は真っ白なビニール袋に入った重い物をリュックから取り出した。

ビル「それは?」

( ^ω^)「昨夜スーパーマーケットで売られていた特売品の豚肉1sだお」

(#'A`)「おい!」

クライチェックの視線が痛い。ちょっと最近からかいすぎたかもな。

( ^ω^)「まぁ落ち着けお。豚肉ってのは人間の肉に近いって知ってるかお?」

ビル「…囮か」

ビルが低く、それでいてハッキリと発声する。

( ^ω^)「その通り。ビル、あの化け物を捕まえるトラップは作れるかお?」

そう尋ねた僕に向けてビルはすぐさまウインクをして、どこかに歩いて行った。

( ^ω^)「クライチェックもビルの手伝いをしてきてくれお」



  
35: くれくれ厨(wbcc1s06) :2007/03/12(月) 23:00:55.68 ID:hZa2Jmh6O
  
pm 5:17

二時間ほどかけてクライチェックとビルは洞窟の入口付近にトラップを作り上げた。
トラップの内容は、囮の肉を対象が食べると肉の周囲に張り巡されている網が木の枝につり上げられ、
対象が宙吊りにされると言った古典的な物だ。

ビル「モルダー、終わったぞ。あと五十分程で日が暮れるから急いで小屋に向かおう」

僕達はここから少し山を下りた所にある小屋を目指した。

pm 5:57

僕達は日没前に古めかしい外観の小屋へと到着した。
僕が先頭に立ち小屋の扉を開ける。

( ^ω^)「……臭いお」

小屋内は妙な臭いがした。
カビ。いや、この臭いはカビだけでは無いだろう。

ランタンを小屋の中心に置き、僕は臭いの元を探した。

( ^ω^)「………クライチェック、ビル」

僕が二人を呼ぶと、彼らはすぐに僕の元へ来た。



  
36: くれくれ厨(wbcc1s08) :2007/03/12(月) 23:03:27.91 ID:hZa2Jmh6O
  
('A`)「…ひどいな」

赤い壁、僕が初めて見た時はそう思った。しかしそうではなかった。
赤い塗装だと思っていたが、壁の赤色の正体は何かの血が固形化したものだったのだ。
何かの血が壁一面にベットリと付着し、固形化して赤い壁を形成していた。

ビル「人間の血か……?」

この血液量から言って人間以外とは考え難いだろう。僕はビルの問いに静かに頷いた。

固形化した血液の中心に指輪が落ちていた。僕はそれを拾ってビルに見せる。

ビル「俺の仲間の物だ…」

ビルの仲間の内の一人は、この場所で奴の餌食となったらしい。
骨は、きっと食事の後に洞窟へ持って行ったのだろう。

小屋の中には無造作に置かれた毛布が三枚あるだけだった。ビルはそれらを何もない小屋の中央に集めた。
毛布を集め終わったビルは天井を見上げている。

ビル「あれ見ろよ」



  
38: くれくれ厨(wbcc1s06) :2007/03/12(月) 23:05:01.74 ID:hZa2Jmh6O
  
僕が天井を見上げると、そこには人間一人が通れそうな穴が開いていた。
天井の穴からあの化け物が侵入し、ビルの友達を食したんだろう。

何もする事が無くなった僕達は、毛布にくるまり横になっていた。
まだ七時前だと言うのに異常な睡魔が襲ってくる。

('A`)「なぁモルダー、俺には想像も出来ないんだが、あの緑色の奴はどうやって生まれてきたんだ?」

今まで黙っていたクライチェックが口を開いた。

( ^ω^)「……世の中には科学じゃ説明出来ない事があるんだお」

('A`)「なるほど。勉強になったよ」

……山登りって本当に疲れるな。
僕は意識が遠くなっていくのを感じていた。



  
40: くれくれ厨(wbcc1s10) :2007/03/12(月) 23:07:32.50 ID:hZa2Jmh6O
  
【???】

とても明るい場所に私はまだ寝ている。いや、今まで目を閉じてたから明るいって感じるのかな。
実際はそんなに明るくないのかも。

眩しいよ。
私、まだ生きてるんだ。さっきまでのドリルは無くなったみたい。

喉に異物感がある。さっきのドリルのせいかな?

さっき???
本当にさっきなのかも分からないよ。喉に穴を開けられてから物凄い時間が経ってるのかもしれない。

怖いよ。あの人の隣に帰りたい。

―――そんな事を考えてた私の前にまた用途不明の機械が現れた。
今度の機械は、先端がレーザーメスのようになっている。

手術台がリクライニングベッドのように起き上がり、それに伴い私の体も起き上がる。
私の首筋後部にレーザーメスが近付いてくる。

ξ--)ξ「……」

目を開けているのが怖くなった私は、唯一の自由が守られている瞼を動かし目を閉じる事にした。



  
41: くれくれ厨(wbcc1s05) :2007/03/12(月) 23:10:09.84 ID:hZa2Jmh6O
  
am 4:12

('A`)「モルダー!」

……?

クライチェックが僕の体を揺すっていた。

( ^ω^)「どうしたお?」

('A`)「さっき外で物音がしたからビルが見に行った。俺達も行くぞ」

クライチェックは銃のマガジンを確認して外へ飛び出して行った。
僕はまだ頭が寝ぼけていて、天井を見上げ考え事をしていた。

その時、天井に開いた穴からアイツの顔が見えた。

( ^ω^)「!!」

僕は飛び起きて銃を抜く。奴は穴から小屋の内部へと侵入してきた。
緑色の生物との二度目の対峙。今回はお互い間をとり硬直している。

やはり、緑色をしてるだけで人間だ。

( ^ω^)「…喋れるかお?」

僕の問い掛けには唸り声をあげるだけで言葉は話さない。
これで『喋れない』といった答えと言った所か。



  
43: くれくれ厨(千葉wbcc1s05) :2007/03/12(月) 23:17:41.36 ID:hZa2Jmh6O
  
僕の銃は奴を完璧に捉えている。撃とうとすればいつでも撃てるだろう。

( ^ω^)「………」

だが僕は発砲はせずに、どうやって催涙ガスを吹き付けるか考えていた。
ガス銃はリュックに入ってて、リュックまでは1mと言った所か。
リュックからガス銃を取り出して奴に吹き付けるなんて、隙ができ過ぎる。
やはり実弾で急所を外し、相手を行動不能にさせる必要があるな。

( ^ω^)「(下手に動くなお)」

僕の銃弾は綺麗に奴の右太股を貫いた。
緑色の生物は奇声をあげて倒れ込む。
僕は悶えている緑色の生物の手首をロープで柱に縛り付けた。

これからクライチェックとビルを探しに行かなければならないと思うと、
少々気が重い。



  
44: くれくれ厨(東海wbcc1s09) :2007/03/12(月) 23:19:08.77 ID:hZa2Jmh6O
  
小屋を出た僕は辺りを見回す。徐々に外は明るくなってきた。

あいつら、どっちに行った?
検討もつかないな。

その時、銃声が鳴り響いた。

銃声?

何に向けて発砲したんだ?
もう例の化け物は捕まえた筈だぞ?

( ^ω^)「…………」

僕は何だか嫌な予感がして銃声が聞こえた場所へと走っていった。



  
47: くれくれ厨(08-中部wbcc1s08) :2007/03/12(月) 23:23:01.28 ID:hZa2Jmh6O
  
僕が銃声の聞こえた元へ走って行くと、銃を構えたクライチェックが僕に銃を突きつけてきた。

(; ^ω^)「…落ち着けお。僕だお」

僕は両手を上げてクライチェックの警戒を解かせる。

(#'A`)「全く!走って茂みから出て来るから間違えたぞ」

クライチェックが興奮しながら銃を下げて周囲の警戒を始める。

( ^ω^)「さっきの銃声は?」

(#'A`)「アイツだ!今さら何を言ってるモルダー!?」

………?
あの緑のなら僕が捕まえたぞ?

( ^ω^)「クライチェック、あの緑の化け物はもう捕まえたぞ」

('A`)「…どういう事だ?」

僕とクライチェックの間に少しの沈黙が流れる。
だが、その沈黙もすぐに20m程先から聞こえてくるビルの叫び声で破られる事になった。

ビル「いたぞ!」

その叫び声のすぐ後に二発の発砲音。
あのショットガンを発射したのだろう。



  
48: くれくれ厨(au07-東京) :2007/03/12(月) 23:29:43.91 ID:hZa2Jmh6O
  
僕とクライチェックは同時に走り出した。走っている途中、僕は昨日罠を仕掛けた場所に向かっている事に気付いた。
そうこうしてるうちに僕達はビルの元に着く。

ビル「……」

ビルは、罠が作動して吊し上げられた網を見て黙って立っている。
網の周囲の木には散弾が当たった跡が見受けられる。
網の下には血の水たまりが出来ており、血痕がポツポツと森の奥へと続いていた。

('A`)「…アイツは?逃げたのか?」

ビル「吊されたアイツを見てカッとしてショットガンをぶっ放したのは良いが、
弾を装填してるうちにアイツは興奮して網を自分で切り裂いて逃げてったよ」

('A`)「なに!?早く追わなくて良いのか?」

クライチェックの言葉を聞いてもビルは動かない。
恐らく僕と同じ考えだろう。

ビル「二度も散弾を受けてこの量の出血をしているんだ。ゆっくり歩いても追いつけるさ」

( ^ω^)「クライチェック、血液のサンプルを取っておいてくれお。血液の採取が終わったら奴を追う」

( ^ω^)「ビル、実は僕も一匹捕まえて今は小屋に繋いでいるんだお」

ビル「………」



  
49: くれくれ厨(au16-沖縄) :2007/03/12(月) 23:33:10.79 ID:hZa2Jmh6O
  
血液サンプルを採取した僕達は歩いて奴を追った。血痕が残っていて追跡は容易だった。
徐々に血痕が付いている間隔が短くなっていた。奴の体力が削られて移動スピードが落ちているのだろう。

( ^ω^)「……いたお」

そいつは大きな木の根元で、体を丸めて事切れていた。
僕が捕まえた奴は身長が180センチ近くあったのだが、ここでうずくまっている者は150センチあるかないかといった所だ。
まだまだ幼く、可愛い顔にある目からは一筋の血が流れていた。

('A`)「小さいな……」

( ^ω^)「……もしかして、最近になって人間が襲われていたのって…」

ビル「こいつを育てていたのか…?」

僕達はしばし無言になり、泣いて事切れていた子供に大きな葉をかけてから小屋へと戻って行った。



  
51: くれくれ厨(au09-東海) :2007/03/12(月) 23:35:45.90 ID:hZa2Jmh6O
  
('A`)「…驚いたな」

小屋に入った僕達はまたも言葉を失ってしまった。
柱に繋がれていた手首を自ら喰いちぎって逃げたのだろう、緑色をした手首が一つ転がっていた。
柱の周りにはまたもや血の水たまりが出来ていた。

('A`)「追うぞモルダー。手首一つならまだ奴は生きている筈だ」

( ^ω^)「いや、追跡はよそう。もう養うべき子供を失ったアイツは無闇に人間を襲ったりしない筈だお。それに…」

僕の言葉を遮ってビルが口を開いた。

ビル「山を開発して自然の生活を壊したのは人間だしな。
…俺は友達を食われた事を忘れる事は出来ない。だが、こいつらの生活を壊した同じ人間として責任を感じている。
恐らくこいつらは何世代も山奥でひっそりと暮らしていたが、急速な地域開発のせいでエサが取れなくなり仕方なく人間を襲ったんだろう」

( ^ω^)「…僕は小さい時に妹が失踪したんだお。僕の親はいつも泣いていた。
だから、子を失う親の気持ちが痛いほど分かるお」

('A`)「……」

( ^ω^)「帰ろうお」



  
52: くれくれ厨(au10-福岡) :2007/03/12(月) 23:39:25.83 ID:hZa2Jmh6O
  
………数日後………

小屋に落ちていた手首のDNAとビルが射殺したあの子のDNAを比較した結果、やはり彼らが親子だった事が判明した。
それと、彼らは医学的に人間と変わりが無い事も分かった。

これは僕の推理だが、彼らの先祖は過去にあの特徴的な外観・爬虫類の特性・運動能力を恐れられて、ウェストナイト山に追放された。
そこで近親相姦を繰り返して血を絶やさずにいたのだろう。
だが最近になってウェストナイト山の開発が始まり、子育てをするには環境が悪くなったので仕方なく人間を襲っていた。

これはあくまで僕の推理に過ぎない。
だが、地域開発までこの山で人間が失踪する事件は起きていない事からもあながち推理が外れているとも言えないだろう。

僕はこれからVIPの捜査官として山の立ち入りを注意していくつもりだし、ビルも地域開発の反対を訴えていくらしい。
僕達が出来る事はまだまだある。



  
54: くれくれ厨(au02-東北) :2007/03/12(月) 23:44:56.72 ID:hZa2Jmh6O
  
【ローン・ガンメン オフィス】

(´・ω・`)「そうか…。そんな事があったんだね」

僕とバイヤーズとラングリーはコーヒーを飲みながら事件の事を語っていた。
フロハイキーは欲しい本があるらしく、本屋へと出掛けたらしい。

( ^ω^)「あぁ。人間という生き物は自然愛護を謳っていながらワニ革のバッグを持ったりする矛盾した生き物だお。
人間の発展は人間以外の多数の生き物の犠牲の上に成り立っているんだお」

僕はコーヒーを一口すする。

( ^ω^)「……スカリーの夢を見たお」

从 ゚∀从「どんな夢だ?」

コーヒーをすすりながらラングリーが僕に尋ねた。

( ^ω^)「真っ白な部屋に寝かされたスカリーが実験をされている夢だお。夢にしてはリアルだったお」

興味深そうなバイヤーズがコーヒーを置いて語り出す。

(´・ω・`)「まぁ夢なんてものはリアルなものだからね。あまり気にしない方が良いぞ」

その時、オフィスのドアが大きな音をたてて開いた。

(;-_-) 「おいこれを見ろ!スカリーの事が載っているぞ!」

息を荒くして慌ててオフィスに入ってきたフロハイキーの手には、UFO関連の月刊誌が握られていた。
To Be Continued.



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