( ^ω^)ブーンが賞金稼ぎになるようです

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/21(木) 23:34:33.67 ID:I+u7U9vT0
  

第一話


( ゚∀゚)「しっかしお前も運が悪いな〜」

(;^ω^)「た、助けてくださいお……」


月明かりが差し込む廃屋。
うつ伏せに倒れている男に話しかける、ナイフを持った男。

そのナイフに付着した血を、月明かりが怪しく照らしていた。


( ゚∀゚)「金にならない殺しはやらない主義なんだが……」


そう呟いて、男は刃渡り30センチほどのナイフを逆手に持ち直した。


( ゚∀゚)「殺しの現場を見られたとなっちゃあ、な」



  
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/21(木) 23:35:27.53 ID:I+u7U9vT0
  

うつ伏せに倒れている男。
名前を内藤ホライゾンといった。

背中に置かれたナイフ男の足は、見事に内藤の動きを制している。

(;^ω^)「(なんでこんな事に……)」


きっかけは何てことのない、廃屋から人の声がしたからだ。

なんとなく気になった。
なんとなく覗いてみた。

中では殺人が行われているなど誰が予想できるだろうか。

しかしその結果が今のこの状況だ。
内藤は突如現れた非現実に無抵抗のまま冷たい床とご対面した。



  
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/21(木) 23:37:50.25 ID:I+u7U9vT0
  

( ゚∀゚)「大丈夫、サクッといくから……あ?」

ナイフを振り上げた男が動きを止める。

(;^ω^)「!?」

そのまま首を90度回転、壁を凝視した。

( ゚∀゚)「なんだ……?」

廃屋全体が揺らぐような、ミシリという音。

一瞬の静寂の間。

次の瞬間、壁を突き破り、黒光りする巨大な何かが現れた。



  
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/21(木) 23:39:59.93 ID:I+u7U9vT0
  

( ゚∀゚)「うおおっ!?」

ソレはナイフの男目掛けて突き進む。
男は内藤から飛び退いた。

内藤はソレを見て、スノーボードの板を連想した。

土木作業用の機械?

……いや違う。

(;^ω^)「これは……」

ソレが巨大な剣だと理解する頃には、使い手が壁に空けられた穴から姿を現していた。

( ><)「何で避けるんですか!!」



  
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/21(木) 23:42:24.98 ID:I+u7U9vT0
  

( ゚∀゚)「何で、ってな」

( ><)「閃光のナイフ使いジョルジュ!! 覚悟してください!!」

巨大な剣にはあまりに不釣合いな体。
子供が無理をして大人用サイズを買ったかのようなバランスの悪さ。

天からの助けと喜ぶべき内藤は、一抹の不安を覚えた。



  
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/21(木) 23:46:03.29 ID:I+u7U9vT0
  

( ^ω^)「お!?」

巨大な剣を片手に持ったまま、男は深く体を沈めた。
肉食獣を彷彿とさせる前かがみのその姿勢は、周囲の空気の質を変えた。


対峙する二匹の肉食獣。


( ゚∀゚)「あ〜めんどくせぇ……お前が来てるって事は……」


言いながらナイフを左右逆手に持ち、構える男。


( ゚∀゚)「あの女も来てんのか」



  
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/21(木) 23:51:22.80 ID:I+u7U9vT0
  

「ぽっぽ!!」

二度目の来襲。
壁を突き破る飛来物。
正確にナイフ男目掛けて飛んでいくソレは、巨大な剣の使い手の援護射撃だった。

(;^ω^)「おっおっ!?」

( ゚∀゚)「ちぃっ!!」

飛来物は男に命中することなく床に着弾し、爆発炎上する。

( ><)「とぅあ!!」

空中に逃げたナイフ男目掛け、巨大な剣の使い手も跳ねた。



  
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/21(木) 23:54:48.35 ID:I+u7U9vT0
  

(;^ω^)「あわわわ……」

およそ人間とは思えないような二人の争い。
頭の上から響く金属音を潜り抜けて、内藤は廃屋から逃げ出そうと試みた。

「早く!! こっちだっぽ!!」

(;^ω^)「ひぃっ!?」

(*‘ω‘ *)「早く!!」

こちらもまた不釣合いなバズーカを携えた女が、壁の穴から顔を出した。



  
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/21(木) 23:55:32.75 ID:I+u7U9vT0
  

(;゚∀゚)「はぁっ!!」

(;><)「!!」

(;^ω^)「っ!?」

内藤の真横に吹き飛ばされる巨大な剣の男。

(;゚∀゚)「ったく、てこずらせやがって……」

(*‘ω‘ *)「わかんないんです!! 大丈夫っぽ!?」

暴力とは無縁の人生を歩んできた内藤。
その彼にさえ、ナイフの男が放つ強者の匂いというモノを感じとれた。
今、劣勢なのはどちらかということも。



  
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/21(木) 23:56:19.57 ID:I+u7U9vT0
  

(*‘ω‘ *)「このっ!!」

女がバズーカを構える。
それが放たれるより早く、ナイフが女の腕に突き刺さった。

(*‘ω‘ *)「……っぽ……!!」

(;><)「ちんぽっぽちゃん!!」

(;゚∀゚) 「あ〜、無理無理。無駄だよ」


懐から新しいナイフを取りだす。


(;゚∀゚)「さて……」


それを逆手に構え、両手を広げる男。


(;゚∀゚) 「誰から殺してやろうか」



  
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/22(金) 00:04:01.66 ID:lBPWFh980
  

(;><)「う……!!」

(*‘ω‘ *)「ここは……」

(;゚∀゚) 「あ?」

(*‘ω‘ *)「一旦引かせてもらうっぽ!!」

言いながら、手に握られた白い玉を足元に投げつける。

(;゚∀゚) 「うおおっ!?」

割れた白い玉から強烈な閃光と、白い煙が溢れ出した。



  
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/22(金) 00:04:59.62 ID:lBPWFh980
  

煙が消え失せ、離れた場所から様子を伺うナイフの男。

(;゚∀゚) 「逃げられた、か」

そこには二人の姿は無かった。

(;゚∀゚) 「……あ?」



(*‘ω‘ *)「閃光のナイフ使い……あそこまでやるとは驚きだっぽ」

(;><)「ちんぽっぽちゃん、怪我は大丈夫ですか?」

(*‘ω‘ *)「平気だっぽ……ぽ?」

(;><)「? どうしたんですか?」



  
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/22(金) 00:06:21.52 ID:lBPWFh980
  

(;゚∀゚) 「お前……」

(;^ω^)「お……」

(;゚∀゚) 「見事においてかれてんなぁ……」




(*‘ω‘ *)「あの一般人はどうしたっぽ?」

(;><)「わかりません!!」

(*‘ω‘ *)「……」



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