( ^ω^)ブーンが賞金稼ぎになるようです

  
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/25(月) 20:11:44.12 ID:nYJDZk+f0
  

第八話



不健康そうな青白い顔。
ひょろっとした背の低い男。
ジョルジュ☆ナイフを拾い、内藤に近づいてきた。

(-_-)「アーティファクトですか?」

(;^ω^)「あ、あーティ? 何のことだお?」

(-_-)「またまたとぼけちゃって……」

(;^ω^)「それよりお前は何者だお!! コウモリを操っているのかお!?」

マジマジとナイフを見つめる男。
彼は内藤の言葉を聞いていないようだ。

(-_-)「なんだ? なんか書いてあるぞ?」

(-_-)「……」


(-_-)「ジョルジュ☆ナイフwwwwwwだせぇwwwwwwww」

(;^ω^)「う、うるさいお!!」



  
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/25(月) 20:12:42.59 ID:nYJDZk+f0
  

(-_-)「いやいや申し訳ない。人を見たのは久々なもんで……」

(;^ω^)「ぼ、僕をどうするつもりだお」

(-_-)「まぁまぁそうカッカなさらずに」

そう言って男はナイフの刃を持ち、内藤に差し出した。

(-_-)「お返ししますよ。中々の値打ちモンのようですし」

(;^ω^)「……?」



  
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/25(月) 20:13:31.44 ID:nYJDZk+f0
  

(-_-)「申し遅れました。僕はヒッキーと言います」

(-_-)「もう長いことこの洞窟の深部に引きこもってます」

(;^ω^)「引きこもり?」

(-_-)「はい。安住の地を求めた結果、この洞窟に隠された深部を発見したんです」

(-_-)「ココこそまさに引きこもりの聖地!!」

(;^ω^)「引きこもりって……食べ物とかはどうするんだお?」

(-_-)「もっと奥に僕の居住地があるんですよ。そこで自給自足してます」

(;^ω^)「自給自足!? こんな洞窟でかお!?」

(-_-)「はい。壁を見てください」



  
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/25(月) 20:14:16.42 ID:nYJDZk+f0
  

そう言ってヒッキーは壁を指さす。

(-_-)「この壁……光ってるでしょ? これも立派なアーティファクトなんです」

(;^ω^)「な、なんのコトだかさっぱり分からんお」

(-_-)「へ? あなた……この洞窟にくるって事は賞金稼ぎでしょ?」

(;^ω^)「か、駆け出しなもんで」

(-_-)「はぁ……アーティファクトっていうのは……」


(-_-)「説明するのも面倒くさいんで省きますね」

(;^ω^)「ちょwwwwww」



  
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/25(月) 20:15:01.48 ID:nYJDZk+f0
  

(-_-)「まぁこの壁のおかげで作物を育てられるんですよ」

(;^ω^)「(引きこもりのくせに随分ベラベラ喋るヤツだお)」

(-_-)「やっと見つけた僕の聖地……だから僕は吸血コウモリを操ってココを守ってるんです」

(;^ω^)「……それで、僕をどうするつもりだお」

長剣を握り締める内藤。

(-_-)「まぁまぁだからそう構えずに。別にあなたを殺すつもりはないですってば」

(-_-)「言ったでしょう。ここは僕の安住の地なんです」

(-_-)「あなたを殺したら他のお仲間が探しにやってくる。そうなったらココを荒らされてしまいますからね」

(;^ω^)「はぁ……」

どうやらこの男は自分を殺すつもりはないようだ。
内藤は安心して力が抜けた。



  
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/25(月) 20:16:29.95 ID:nYJDZk+f0
  

(-_-)「ふふ、僕も久々に人に会ってテンションが上がっちゃいました」

(;^ω^)「……引きこもりには見えないお」

(-_-)「あなたは僕より弱そうですからね。弱者には強気になれる。そんなモンでしょう?」

(;^ω^)「……」


(-_-)「あなたは返してあげますよ。ココの事は他言無用でお願いします」

(-_-)「口止め料として……コレを差し上げましょう」

( ^ω^)「お?」

(-_-)「召喚のアーティファクトです。中に何が入ってるかは……お分かりでしょう?」



  
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/25(月) 21:02:26.01 ID:nYJDZk+f0
  

そう言ってピンポン玉サイズの宝石を渡すヒッキー。
紫色の光をうっすらと放つその宝石は、中に何か蠢いているようにも見えた。

( ^ω^)「さっぱり見当つかんお」

(-_-)「……」


(-_-)「まぁいいです。約束を守っていただければ」

(-_-)「さぁ脱出出口までご案内しますよ」

( ^ω^)「あ、はいですお」

歩き出すヒッキーについて行く。
さっきまで内藤に襲い掛かってきた吸血コウモリも今は静かだった。

( ^ω^)「……」



  
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/25(月) 21:04:51.47 ID:nYJDZk+f0
  

やがて洞窟の中を流れる川に到達した。

(-_-)「さぁここが出口です。ここを下っていけば外にでれますよ。大分町からは遠くなりますがね」

( ^ω^)「……あの……」

(-_-)「はい?」

ヒッキーが振り向いた。

( ^ω^)「吸血コウモリは……あなたが操っているんですお?」

(-_-)「そうですが、何か?」

( ^ω^)「そのコウモリが近隣の住民を襲っているのはご存知ですかお?」

(-_-)「……それは……」

( ^ω^)「この洞窟から遠ざける為にやっているとは思いますけどお……」

( ^ω^)「それはやっぱりいけない事ですお」

(-_-)「……」



  
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/25(月) 21:07:00.50 ID:nYJDZk+f0
  

数秒の沈黙。
ヒッキーは内藤の顔を見なかった。

( ^ω^)「僕はそのコウモリを退治する為に来たんですお。それに……」

( ^ω^)「コウモリの被害がある限り、あなたの安住の地に絶え間なく賞金稼ぎが来ますお」

(-_-)「……」


(-_-)「……僕に意見するつもりですか?」

(;^ω^)「ヒッ!! いや、あのそういう事になってしまうかもしれない、ですお……」

(-_-)「……っふふ」



  
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/25(月) 21:08:21.94 ID:nYJDZk+f0
  

にやりと、口の端を吊り上げるヒッキー。
ソレが何を意味するか内藤には分からなかった。

(;^ω^)「? あの……」

(-_-)「わかりました。あなたの言い分はもっともです」

( ^ω^)「!! じゃあ……?」

(-_-)「ええ。コウモリも大人しくさせるようにしますよ」

( ^ω^)「そ、それがいいと思いますお!!」



  
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/25(月) 21:09:30.36 ID:nYJDZk+f0
  

( ^ω^)「じゃあ僕はこれで……」

川に足を踏み入れる。
腰までの深さで流れは急だったが、なんとか進めそうだ。

(-_-)「あなたは面白い人ですね」

( ^ω^)「お?」

(-_-)「無邪気というかなんというか……」

帰ろうとした内藤を呼び止めるヒッキー。

(-_-)「あなたには道具を使った戦い方があってると思いますよ」

(-_-)「見たトコ戦闘のセンスは皆無ですからね。ソレを補うアーティファクトを集めた方がいいと思います」



  
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/25(月) 21:15:15.52 ID:nYJDZk+f0
  

( ^ω^)「あーてぃあくと、ですかお」

(-_-)「まぁ、困ったことがあったら訪ねなさい。その時はお茶でも用意しますよ」

(*^ω^)「は、はい!! ありがとうございま……お?」

(;゚ω゚)「おっ? おっ!?」

川の中で足を滑らす内藤。
そのまま急流の中に身を沈めていった。

(;゚ω゚)「あqwせdrftgyふじこ!!」



あああああああぁぁぁ〜〜……



(-_-)「ふふ……弟者の剣にジョルジュのナイフですか。意外な人脈を持っているものですね」

(-_-)「……たまには外にでも出てみますか」



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