( ^ω^)ブーンが賞金稼ぎになるようです

  
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/03(火) 22:39:51.81 ID:wxOfU2Y70
  

第十三話


( ^ω^) 「お一人様二千五百円ですお」

( ^ω^) 「はい。はい、どーも」

お金を受け取りチケットを渡す。
高そうなスーツに身を包んだ紳士たちが、内藤の前を通り過ぎていった。

(;^ω^) 「……これも賞金稼ぎの仕事なのかお?」

内藤は今、展示場に来ていた。
といっても個人で主催しているらしいこの展示場に遊びに来ているわけではなく、賞金稼ぎの仕事として。



  
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/03(火) 22:40:53.34 ID:wxOfU2Y70
  

昨日、パレードでの護衛・警備に向け、賞金稼ぎとして少しでも経験を積もうと決めた内藤。
さっそく仕事はないかとギルドを訪ねた。

( ^ω^) 「仕事くださいお!! なんでもするお!!」

( ><)「内藤さんに出来る仕事ですか〜なんかありますかねぇ」

( ^ω^)「仕事!! 仕事!! さっさと仕事!! しばくお!!」

(#><)「……」

その結果。

( ><)「コレなんかどうですか? 展示場の警備・雑用です」

(*^ω^)「うほっ、いい仕事だお」

警備という言葉に惹かれた内藤だったが、実際の仕事はほぼ雑用だった。



  
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/03(火) 22:42:15.28 ID:wxOfU2Y70
  

( ^ω^)「むしろ警備らしい仕事は一切してないお」

朝早くから会場入りし、任された仕事は会場付近の掃除。
それが終わり、開場した後のチケット販売受付の今に至る。

(;^ω^)「12時になったら受付交代して……次はトイレの掃除かお」

(;^ω^)「完全に雑用だお。これじゃ雑用の経験値があがるお」

自分のポジションに疑問を感じ、ブツブツ呟く内藤は、フロントに響くヒールの音に気付かない。

(;^ω^)「まさかパレードでもこんな調子だったら……いやいやそんなコトは無いお」


川 ゚ -゚)「一枚頼む」

( ^ω^)「……!!」

川 ゚ -゚)「?」

( ^ω^)「あ……あ、はい。二千五百円ですお」

川 ゚ -゚)「ありがとう」



  
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/03(火) 22:44:39.29 ID:wxOfU2Y70
  

少し内側にハネた長い黒髪が風に泳ぐ。
強い意志を感じる瞳とすっと通った鼻筋、やや小さめの唇。


内藤の心は、目の前の女に完全に奪われた。


川 ゚ -゚)「こんなクソのような展示場でチケット二千五百円……高いとは思わないか?」

( ^ω^)「……」

川 ゚ -゚)「……ん?」

(;^ω^)「え? あ、なんですかお?」

川 ゚ ー゚)「……なんでもないよ」



  
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/03(火) 22:45:28.51 ID:wxOfU2Y70
  

(;^ω^)「あ、待ってくださいお!!」

川 ゚ -゚)「?」

(;^ω^)「あの……お、お名前は?」

川 ゚ -゚)「……最近の展示場は入場する際、名前も名乗らないといけないのかな?」

(;^ω^)「いや、その……」

川 ゚ ー゚)「……フ」

黒髪を翻し、女は奥へと歩いて行った。

( ^ω^)「すんばらしく綺麗な人だお……」

(;^ω^)「……でも今『クソ』とか言ってなかったかお?」



  
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/03(火) 22:47:42.21 ID:wxOfU2Y70
  

(;^ω^)「疲れたお……」

短い昼食時間・トイレ以外に全く休憩のなかった内藤。
日が落ちかけてきた頃、内藤はやっとまともな休憩をもらった。

( ^ω^)「でもやっと警備って感じがしてきたお」

疲れた体に鞭打ち、意気揚々と展示場内へ足を踏み入れる。



  
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/03(火) 22:48:28.30 ID:wxOfU2Y70
  

(;^ω^)「……なんだおこの悪趣味な展示場は……」


一つ目の鬼。

赤褐色の巨大な蜘蛛。

ガラスショーケースに納められた異形の数々。

そしてそれに魅入られるように、恍惚とした表情を浮かべる紳士達。


内藤には何もかもが異常な光景に映った。


(;^ω^)「……きめぇ」

居心地の悪さを感じ、裏に戻ろうとしたその時。

「うわああああああっ!?」

悲鳴が内藤の足を止めた。



  
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/03(火) 22:49:13.15 ID:wxOfU2Y70
  

(;^ω^)「な、なんだお!?」

ガラスの割れる音が展示場に響く。
悲鳴がした方向に駆けつける。


(;^ω^)「!!」

そこにはガラスを突き破り、暴れている怪物がいた。


長く太い胴体に大きな三角の頭。
そいつの背中には、黒い翼が生えていた。


(;^ω^)「な、なんだおコイツは!!」

一番近くで、腰を抜かしていた男に蛇が顔を向ける。

男「ひっ!?」

次の瞬間、大蛇は体をくねらせ、もの凄いスピードで男に巻きついた。

男「ぎゃっ、うっ!?」

男の体がミシリと歪む。
小気味よい音をたて、男は絶命した。



  
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/03(火) 22:50:01.03 ID:wxOfU2Y70
  

あっという間の出来事に動きをとれずにいた他の男達が、次々に悲鳴をあげ出口に向かって走り出した。

(;^ω^)「み、みなさん慌てちゃダメだお!! 落ち着いて!! こ、こっちですお!!」

「うわぁっ!!」

大蛇が逃げ惑う男達の退路を絶つように、出入り口に先回りした。

「ひいいいいいっ!!」

そして新たな犠牲者が出る。
男は頭から大蛇に丸呑みされた。



  
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/03(火) 22:50:46.15 ID:wxOfU2Y70
  

(;^ω^)「あ、ああ……!!」

「なーにボサっとしてんだ?」

(;^ω^)「だ、誰だお!?」

●「誰だとはなんだ。お前俺のコト忘れてんだろ」

(;^ω^)「ア、アーリマン!!」

●「早くしな」

(;^ω^)「ま、任せたお!!」

内藤はアーリマンを大蛇に投げつける。
空中で眩く発光し、黒い悪魔が光臨した。

「さて……」




( <●>)「久々に大物の食事だぜ……!!」


第十三話終わり



戻る