川 ゚ -゚)が 恋 を知るようです
- 2: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 20:59:22.69 ID:MijDNmSo0
『恋』
私は、その事に対しては 一般的な基準と比較すると、酷く疎いらしい。
時々考えたりもするのだが、いまいち解らない。
どうなったら恋なのか。恋は、どのような条件で成立するのか。
恋をするとどうなるのか。恋が自分にもたらす影響はどのようなモノであるのか。
だが、経験した時の無い自分に解るはずもなく。
どのような文献を見ても、あまり明確な答えは載っていない。
心拍数が上がるとか、顔が赤らむとか。そのようなモノばかりだ。
全力で走れば心拍数が上がるし、顔も赤くなるだろう。
走った後の状態と、どう違いがあるのだろうか?
色々と考えていると、さらに悩み事が増えてしまう。
全く、面倒な事だ。
……寝てしまおう。
- 3: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 20:59:55.76 ID:MijDNmSo0
━━━━━━━━ 川 ゚ -゚)が 恋 を知るようです ━━━━━━━━
- 5: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 21:00:59.96 ID:MijDNmSo0
ある 夏の日の朝
今日も暑い。
今日も私はベッドから起きあがり、顔に冷水を浴びせ、着替え、朝食を取る。
いつもの行動パターンで、いつもと同じ様に また一日が始まる。
川 ゚ -゚)「母上 今日は僅かながら、味噌汁がしょっぱいようだ」
そんな毎日。
さて、そろそろ学校へ出かけなければ
川 ゚ -゚)「では、父上 母上 行ってくる」
そう言うと私は靴を履き、バッグを肩に掛けて玄関を出た。
- 9: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 21:02:51.01 ID:MijDNmSo0
外に出てから、少しあくびをする。
今日の天気は、どうやら快晴のようだ
私の通学方法は、自転車。
自転車のかごの中にバッグを入れ、ペダルを踏み込む。
さて、今日も学校だ。
- 11: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 21:04:00.63 ID:MijDNmSo0
━━━━━━━━学校━━━━━━━━
夏の日差しが眩しい。
7月の太陽は、まるで水を得た魚の様な輝きを見せる。
水を得た魚と言うのは、太陽=魚に例えての事で、本当に太陽が魚と言うことではn
ξ゚ー゚)ノ「クー おはよー」
川 ゚ -゚)ノ「む、ツンか おはよう」
突然声を掛けられたために、私の思考が中断される。
声を掛けたのは、私にとっての友達である ツンだ。
高校に入ってからの付き合いだが、割と仲が良い。
こんな、がさつで 気もきかず、馬鹿な私と、このように親しくしてくれるのだ。
私にとって掛け替えの無い 友達だ。
ξ゚听)ξ「そういえば、今日席替えだっけ?」
川 ゚ -゚)「そうらしいな。ホームルームの時間にやるようだが」
そんな、たわいのない話をしながら 私達は教室へ向かっていった。
- 13: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 21:05:05.11 ID:MijDNmSo0
(*゚ー゚)ノ「ぁ、2人とも おはよう」
( ,,゚Д゚)「………」
教室に入ると、もう一人の友達が 私にあいさつをする。
これも高校の時の付き合いである、しぃだ
隣りに居るのは…
( ,,゚Д゚)「あー… 月曜って鬱だわ…」
(*゚ー゚)「そういう事言わない!シャキっとする!」
そう言って、隣の男子の背中を手で叩く
隣りに居るもう一人の男子は、ギコ
2人は私と知り合う前に付き合っていたらしい。
ふむ。
恋という感情は、どうやら長続きするらしい。
いや、恋と言うのは 片思いの時に用いるのだろうか?
2人がお互いの事を好きというのは、いわゆる『愛』?
……今の私では、いささか知識不足のようだ。
- 14: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 21:08:55.85 ID:MijDNmSo0
ξ゚听)ξ「ブーン おはよう」
( ^ω^)「お、ツン おはようだお!」
ツンが、ある男子に挨拶をする。
('∀`)「隙アリ」
(;^ω^)「アッー! 今の無しだお!?」
2人の名前は、ブーンとドクオ
なにやら勝負をしている。
あのゲームはPSP?と言うらしい。
奮闘中のようだ。
(´・ω・`)「やれやれ… そろそろ先生来ちゃうよ?」
ショボンだ。
どうやら、3人は中学の頃からの付き合いらしく、ショボンは2人のまとめ役と言ったところか。
人間観察は面白い。
その人がどのような役割なのか、明確な答えを出してくれる。
- 16: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 21:12:12.57 ID:MijDNmSo0
…キーンコーン ナグッタネ!? オヤジニモナグラレタコトナイノニアッー!
鐘が鳴ると、皆が座り始める。
さて、私も座るとするか…。
ガララ
不意に教室のドアが開く。
(=゚ω゚)ノ「ぃょぅ ショートホームルーム 始めるょぅ」
担任の ぃょぅ先生だ。
割とほがらかで、面倒見のいい先生である。
- 17: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 21:14:54.72 ID:MijDNmSo0
…
…
…
時間は一気に過ぎ、ホームルームがある六時間目
きりーつ
れーい
(=゚ω゚)ノ「…さて、予告したとおり席替えするょぅ」
周りがざわつき始める。
隣の席だといいな!とか
今のままでいいんだよなぁ…とか
色々な声が聞こえる。
席替えというのは、そこまで楽しみなものだろうか?
- 18: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 21:17:30.02 ID:MijDNmSo0
(=゚ω゚)ノ「じゃあ出席番号順から、紙をとりに来てくれょぅ」
教卓には、ちょうど人数分の紙が 折り畳まれて散らばっている。
あの折り畳まれた紙を開くと、番号が書いてある。
その番号によって、席が決まる という方法だ。
……あの紙を作るのにどれくらい掛かったのだろうか
どうせ、席替えをした後は捨てられる運命なのに。
その時間を他の事に活用した方が、よっぽど有意義だと思うのだが…。
(=゚ω゚)ノ「クー 次は君だょぅ?」
川 ゚ -゚)「ぁ、はい先生」
考え事をしていたせいで、反応が少し遅れてしまう。
どうやら、順番が回ってきたようだ
ガサッ
私は悩むことなく、一枚の紙を手に取る。
さて、何番だろうか
川 ゚ -゚)「…14番」
- 20: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 21:20:34.67 ID:MijDNmSo0
私の席は、どうやら最も後ろの席らしい。
む、そうすると黒板が見えにくくなるじゃないか。
頭ではそう考えるが、ここは私の運が悪かったのだろう。
多少黒板が見えにくくなっても、視力は悪い方ではないし 勉学には支障はない。
素直に諦める。
…
…
…
ひとり、またひとりと、各々が紙をとっていく。
暇だから、読書でもしようか。
そう思い、私は机から小説を取り出す。
- 26: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 21:49:20.99 ID:MijDNmSo0
…
…
…
(=゚ω゚)ノ「これで全員終わったみたいだから、みんな 移動してくれょぅ」
先生が、私達に指示を出す。
私は小説をいったん閉じ、机を掴む
教室内が机とイスを動かす音で溢れた。
川 ゚ -゚)「…ふぅ」
私は比較的早く、指定された場所へと机を移動させた。
…さて、小説の続きでも読もうか。
そう思い、私は小説を再び手に取った。
- 21: わた ◆WaTaIfF.YE :2007/01/06(土) 21:24:16.53 ID:MijDNmSo0
すると、隣から声を掛けられる。
('A`)「…ぁーっと 隣りになったんで、よろしく」
川 ゚ -゚)「あぁ、よろしく」
どうやら、私の隣はドクオになったらしい。
まぁ、授業中に隣で騒ぐヤツではないから、特に支障は無いだろう
私は挨拶をすると、再び小説に目を通す
そこには、こう書いてあった。
━━━━頭のいい人は恋が出来ない。恋は 盲目だから。
by寺田寅彦
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