( ^ω^)ブーンが述懐するようです

  
2: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 13:55:56.42 ID:3Xw82XDXO
  
第五話 ブーンを取り巻く人々(後)


家から自転車で15分ほどの場所に、ブーンの通う塾はある。
大手の予備校と比べるとだいぶ小さな塾であったが、彼は中学生の頃からずっとそこに通っていた。母子家庭の者には授業料含む諸費用が半額になる、というシステムがあったためだ。
さて。高校に入り、地元の友達が辞めてしまった後、ブーンはしばらく塾に通うのをためらっていた。
だが塾長がある講師を雇ったのを機に、彼は再びその塾に通うようになった。
その講師の名は、佐々木バルバドス(一応、女)。



  
3: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 13:57:10.47 ID:3Xw82XDXO
  
( ^ω^)
「おいすー」
ξ*゚←゚)
「あら内藤君、こんばんは」
( ^ω^)
「佐々木先生、今日もよろすく」ξ*゚←゚)
「全員揃ったところで、授業を始めます」



  
4: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 13:58:27.20 ID:3Xw82XDXO
  
ブーンは何故佐々木を気に入ったのか。
別に、比較的好きな科目である英語の講師だったからではない。
当然のことながら、熟女の魅力にやられてしまったわけでもない。
もともと佐々木の本業は、塾の講師ではなかった。
彼女は教員免許を持った、れっきとした教師である。
そして彼女は英語教師の他に、もう一つの肩書きを持っている。



  
5: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 13:59:44.49 ID:3Xw82XDXO
  
( ^ω^)
「今日も内容のある授業をありがとうですお」
ξ*゚←゚)
「ふふ。おだてても、今日は何も奢らないわよ」
(;^ω^)
「平気ですお。今日はラウンジ時代の先生にいっぱい食べさせてもらったから(みかんだけを)」
ξ*゚←゚)
「あら、内藤君がラウンジの先生と仲良くするなんて珍しい。あいつらみんな死ねばいいって言ってたじゃない」
(;^ω^)
「その先生だけは別格なんですお」
ξ*゚←゚)
「へえ。…私ももう一度教師に復帰しようかしら。
やっぱり、スクールカウンセラーの仕事の方が人間観察に最適なのよね」



  
6: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:01:21.01 ID:3Xw82XDXO
  
佐々木バルバドスは、かつてスクールカウンセラーとして数々の学校に赴任し、多くの悩める青少年を救ってきた女性である。
彼女は最後に着任したとある県立高校を辞めた後、その卓越した話術と手腕を塾長に買われ、ブーンの通う塾に雇われたのだった。
尤も、教師を辞めたからといって、カウンセラーの仕事が無くなったわけではない。
現在も個人として様々な人から依頼を受け、睡眠時間を削ってまで青少年の悩みに真剣に相対している。
安定した収入こそ無いが、彼女の本業は今でもカウンセラーなのだ。

ブーンもまた、彼女に救われた人間のうちの一人だった。
初めて塾で会った時に彼女の肩書きを聞き。
自分の愚痴を散々聞いてもらい。
会うたびにラウンジ高校への不満をぶちまけて。
ラウンジを辞める直前に家出をして、真っ先に転がり込んだのも彼女の家であった。



  
7: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:02:32.83 ID:3Xw82XDXO
  
成績不振や失恋、親との摩擦によって落ち込むブーンを励まし続け、ニュー速学園への転入学を勧めたのも佐々木である。
ブーンはそんな佐々木のことを、ちんぽっぽ先生と同じくらいに尊敬していた。
( ^ω^)
「フヒヒ。次の日曜から、いよいよニュー速の授業が始まるんですお」
ξ*゚←゚)
「そうなの。内藤君ならきっと頑張っていけるわよ」
( ^ω^)
「放送を視聴してて思ったお。僕は、決して高校の勉強を理解してないわけじゃなかったんですお。ただラウンジの授業が難しすぎただけですお」
ξ*゚←゚)
「ふふ。じゃあもう『勉強やめた!』なんて言わないようにね。
先生が教えてあげられる科目は英語しかないけど、ちゃんと理解できるように協力するわ」
( ^ω^)
「はいだお!」



  
8: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:04:08.03 ID:3Xw82XDXO
  
時刻は既に夜の10時をまわっていたが、ブーンはなかなか帰ろうとはしなかった。ブーンにとっては、自宅で無為に過ごす時間よりも、こうして尊敬できる人物と語り合う時間の方がずっと大事だったのだ。

ξ*゚←゚)
「――それでね。その娘は結局、男とはカラダの関係を結ぶことでしか分かり合えない、という結論に達してしまったの」
(*^ω^)
「カワイソス(それなんてエロゲ?)」
ξ*゚←゚)
「まだ若いのにね…。やっぱり、幼い時の親との関係が――」

ガチャ



  
9: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:05:23.15 ID:3Xw82XDXO
  
(’e’)
「うわぁ〜〜〜もうこんな時間だ、帰ろうか」
( ^ω^)
「あ、セントジョーンズ先生乙」ξ*゚←゚)
「お疲れさまです、塾長先生」
(’e’)
「ほっほ、お疲れさん。
そろそろじじいは眠くなってきましたよ。戸締まりをお願いしてもいいですかな?」
( ^ω^)
「僕がやっておきますお。セントジョーンズ先生と佐々木先生は、今のうちに車のエンジンをかけておくといいですお」
ξ*゚←゚)
「ありがとう、じゃあお願いするわね」
(’e’)
「今日の内藤は随分と優しいのう。うわぁ〜〜〜涙が」
( ^ω^)
「きめぇ」



  
10: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:07:17.94 ID:3Xw82XDXO
  
全ての教室の戸締りを終え、ブーンは塾の外に出た。
外には、お互いの車の前で話し込む塾長と佐々木の姿があった。

ξ*゚←゚)
「…ええ。電話の件は本当に申し訳ありませんでした」
(’e’)
「いやいや、私の方は特に気にしておりません。先生の本業を承知の上で雇ったのは、他でもない私自身ですからな」
ξ*゚←゚)
「そう言って戴けると…。
とりあえず、携帯電話は車の中に置いておくことにしますわ。以後、勝手に授業を中断するようなことは絶対にありません」
(’e’)
「ほっほっ、それは何より。ところで先生、この後も用事が控えているのではなかったですかな?」
ξ*゚←゚)
「ええ。昔の生徒の家にちょっと。
県外から家出してきた子を預かってもらった件について、きちんとお礼をしていなかったものですから」
(’e’)
「ほうほう、それはそれは。まあ、あまりご無理をなさらないように」



  
11: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:08:44.62 ID:3Xw82XDXO
  
(’e’)
「おや内藤。ありがとうよ」
( ^ω^)
「礼には及ばないですお。はい、塾の鍵」
(’e’)
「うむ。ではお先にバギマ!」
ξ*゚←゚)
「お疲れさまでした」
( ^ω^)
「バギマー」

うわぁ〜〜〜←車の音

ξ;゚←゚)
「ふう。ねえ内藤君、バギマって何?」
( ^ω^)
「セントジョーンズ語で、さよならの意味だお」
ξ;゚←゚)
「どうにも把握し難い」
(;^ω^)
「お遊びが好きな人なんですお」



  
14: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:09:59.56 ID:3Xw82XDXO
  
( ^ω^)
「ところで先生、何を謝っていたんですかお?」
ξ*゚←゚)
「ああ…私、授業中でも平気で子供たちからの電話に出てしまうでしょう。そのことについて、やんわりと注意されたの」
( ^ω^)
「そうかお。まあ、授業が中断されるのは生徒にとっては大歓迎だおwwww」
ξ*゚←゚)
「でも、やっぱり仕事中にっていうのは間違ってる。
だから今後は電話が掛かってきても出ないわ。…当たり前のことなんだけどね」
( ^ω^)
「つくづく、カウンセラーの仕事は大変だと思うお」
ξ*゚←゚)
「そうね。電話の相手が相手でしょう。自殺願望の強い子も多いし、つい『電話に出なかったら死んでしまうかも』なんて思っちゃって…」



  
15: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:11:16.61 ID:3Xw82XDXO
  
( ^ω^)
「確かに、難しい問題ですお。でも、そのせいで塾を辞めたりとかはしちゃダメですお?」
ξ*゚←゚)
「ええ、それは大丈夫。…あらやだ、また長話」
( ^ω^)
「今日はこのあと何処に行くんですかお?」
ξ*゚←゚)
「内藤君も知っている人の処よ。ほら、去年内藤君が家出した時に連れて行ったでしょう」
(*^ω^)
「ひょっとして、フサギコさんの家かお?」
ξ*゚←゚)
「そうよ。ちょっとお礼を言いにね。また一緒に行く?」
(*^ω^)
「うはwwwwおkwwww」
ブーンは自転車を塾の脇に停めたまま、佐々木の車に乗り込んだ。



  
16: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:12:43.20 ID:3Xw82XDXO
  
彼がフサギコ家に行くのを喜んだ理由…それはすぐに分かる。
ミ,,゚Д゚彡
「こんばんは、佐々木先生。お待ちしてました」
ξ*゚←゚)
「こんばんは。いつもお世話になっております。
実は今日は、飛び入りゲストもいるんですが…」
( ^ω^)
「どうもですお」
ミ,,゚Д゚彡
「やあ、君は確か…」
ξ*゚←゚)
「内藤君」
ミ,,゚Д゚彡
「そうそう、内藤君。久しぶりだね。お母さんは元気?」
( ^ω^)
「一応、息はしているようですお。てかカーチャンの人気に嫉妬」
ミ,,゚Д゚彡
「ちょwwww
…さて、玄関で立ち話というのもアレですから、二人共どうぞ中へ」
ξ*゚←゚)
「あ、すぐに帰りますから…」
(*^ω^)
「お邪魔しますお」
ξ;゚←゚)
「空気嫁」



  
17: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:14:27.72 ID:3Xw82XDXO
  
ξ*゚←゚)
「先日はお世話になりました。
あの子もこちらの家で凄く大事にして戴いたお陰で、自分を見つめ直す時間が出来たと喜んでいましたわ」
ミ,,゚Д゚彡
「それは良かった。また何かありましたら、是非お声をかけて下さい」
( ^ω^)
「その家出していた子は、幾つだったんですかお?」
ξ*゚←゚)
「17歳だったと思うわ。高校二年生」
( ^ω^)
「そうかお。僕が佐々木先生に連れられてこちらにお邪魔したのも、確か17の時でしたお。
まあ、今も大して変わらないけど。
17歳って、何だかんだで一番悩み苦しむ時期なのかもしれないお」
ミ,,゚Д゚彡
「そうか、もうあれから半年近くになるね。その後はどうだい?」
( ^ω^)
「結局、ラウンジには戻らなかったお。今はニュー速の生徒ですお」
ξ*゚←゚)
「勿体ないわよねぇ。世の中にはラウンジに入りたくても入れない子が大勢いるのに」
ミ,,゚Д゚彡
「ですよねwうちの子たちも内藤君ぐらい優秀だとよかったんですが」
(;^ω^)
「なんだか複雑な気分だお」



  
18: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:15:51.29 ID:3Xw82XDXO
  
その後もフサギコと佐々木は様々な話を続けた。
あまりブーンとは関係ない内容だったため、彼は二人の話に耳を傾ける振りをしながら、出された紅茶を静かに啜っていた。
(;^ω^)
「ヒマスwwwwあのまま帰ればよかったお」
だが、二人の話にある人物が割って入ってきたことによって、彼のテンションは一気に急上昇する。
その人物は、玄関から居間に入ってくると同時に大声をあげた。



  
20: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:17:16.08 ID:3Xw82XDXO
  
(*゚∀゚)
「アッー! 玄関に見たことある靴があるなーと思ったら、佐々木先生じゃん! おひさー!!」
ξ*゚←゚)
「あら、つーちゃん」
(*^ω^)
「ktkr!!11!!」

フサギコ家の長女、つー。彼女こそ、先ほど佐々木が塾長に説明していた「元生徒」である。
つーはブーンより二つほど年上で、県内のとある高校――佐々木が以前務めていた学校――を中退後、フリーターとして日々を過ごしていた。
初対面の際、つーの明るさと美しさ、そして胸の大きさに心を奪われたブーンは、なんとしても彼女とまた会いたいと思っていたが…なかなかその機会は訪れなかった。
電話番号すら知らない以上、つーとの再会の鍵を握るのは佐々木しかいない。
…そう。彼がフサギコ家に行くのを即座に許諾したのは、全てつーとの再会のためである。



  
21: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:18:24.95 ID:3Xw82XDXO
  
ξ*゚←゚)
「バイトに行っていたの?」
(*゚∀゚)
「そうだよー」
ξ*゚←゚)
「そう、頑張ってるんだ。
そういえば、この間は家出してきた子と仲良くしてくれてありがとうね」
(*゚∀゚)
「んー? …あぁ、あの子ね! 元気にしてる?」
ξ*゚←゚)
「ええ。つーちゃんに凄く感謝してたわ」
(*゚∀゚)
「あははっ。別に何もしてないんだけどなぁ。ただ一緒に遊んだりしてただけで」



  
23: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:20:07.82 ID:3Xw82XDXO
  
( ^ω^)
「……」
(*゚∀゚)
「あれ? キミは…」
ミ,,゚Д゚彡
「内藤君だよ。憶えていないのかい」
(;゚∀゚)
「えっと」
ξ*゚←゚)
「ほら、あのラウンジの」
(;゚∀゚)
「出てきそうで出てこねぇwwww顔は憶えてるんだけどね」
ミ,,゚Д゚彡
「最近の子にしては珍しく根が真っ直ぐだって、誉めてたじゃまいか」
(*゚∀゚)
「アッ、思い出したー! あの『真面目少年』かぁ!」
(;^ω^)
「何その憶え方。…お久しぶりですお」



  
24: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:21:26.22 ID:3Xw82XDXO
  
「真面目少年」。初対面の際、つーは彼をそう称した。
(*゚∀゚)
「ヒネてるようだけど、なんか考え方自体は真面目なんだもん」
ブーンは彼女のその言葉を否定すべく、自分がいかに不真面目な人間なのかを熱く語った。
タバコのこと、サボりのこと、母との毎日のケンカのこと…。
だが、つーの評価は覆らなかった。



  
25: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:22:51.29 ID:3Xw82XDXO
  
「真面目」という単語ほど、本来とは別の意味で使われている言葉もないだろう。
そもそもは誉め言葉であったはずなのに、現在では殆どの場合、相手を軽く馬鹿にする意味で使われている。
簡単に言うと、語尾に「w」が付いている。
「お前って、ホント真面目だよなw」
「あの人、いつも真面目だよねぇw」
「いいんじゃない、真面目でw」
誰にでもあるだろう。
「真面目」と言われて素直に喜べず、むしろ不愉快になった経験が。
人をけなすのは簡単だが誉めるのは難しい…とは良く言ったものである。



  
26: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:24:01.90 ID:3Xw82XDXO
  
佐々木とフサギコが話し込んでいる横で、ブーンはつーにニュー速への転校の経緯を簡単に説明した。
(*゚∀゚)
「ふんふん、なるほどね。てか、なんであたしの目を見ないで話すの」
(*^ω^)
「おにゃのこと話をするのに慣れてないんですお」
(*゚∀゚)
「そうは見えないけど」
(*^ω^)
「何故かおっきしてきたけど、スルーよろ」
(;゚∀゚)
「おまwwww胸ばっか見てるからだろそれwwww」
久々につーと話が出来たこともあって、彼は終始上機嫌だった。
話を聞き終えた彼女が、また彼に同じ言葉を返すまでは。



  
27: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:25:34.45 ID:3Xw82XDXO
  
(*゚∀゚)
「へえ、じゃあもうニュー速で真面目に頑張ってるんだね」
(;^ω^)
「あうあう」
(*゚∀゚)
「どうしたの? おねーさん何か変なこと言った?」
(;^ω^)
「真面目、ってのは止めてくれませんかお。
真面目な奴は学校辞めたりしませんお」
(*゚∀゚)
「まーだ気にしてたんだwwww粘着質な事この上ねーなwwww」
(;^ω^)
「おっおっ」
(*゚∀゚)
「じゃ、こないだ言えなかったことを言うよ。
いい? 真面目に頑張るってことは、全然恥ずかしいことじゃないんだよ。
世の中で成功してる人は、みんな何かしら真面目にやってるんだよ」



  
28: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:27:13.04 ID:3Xw82XDXO
  
(;^ω^)
「でも、真面目な奴が全員成功しているとは限らないですお」
(*゚∀゚)
「まあね。
でも、自分にとって一番大切なことすら真面目に出来ない奴は、何やっても成功しないね。
あたしがいい例wwwwバイト辞めまくりんぐwwwwっうえ」
(;^ω^)
「ちょwwwww自虐wwwwwww」
(*゚∀゚)
「内藤君は、まだ勉強をする気があるからニュー速に行ったんでしょ?
キミが真面目に頑張ってる姿は、おねーさんみたいな奴にとっては凄く眩しいんだよ」



  
29: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:28:29.95 ID:3Xw82XDXO
  
( ^ω^)
「本当にそうなのかお?」
(*゚∀゚)
「自分で選んだ道でしょうが。もっと自信を持ちなさい。
そしたら、真面目って言葉も全然恥ずかしくなくなるよ。頑張って」
(*^ω^)
「はいだお。ちょっと感動したお」
(*゚∀゚)
「うはwwww厨臭ぇことばっか言ってたら、こっちが恥ずかしくなってきたwwww
牛乳取ってくるwwww」
(;^ω^)
「ヒドスwwwwww僕の感動は何だったんだお」



  
30: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:29:45.39 ID:3Xw82XDXO
  
(*゚∀゚)
「うめぇwwwwwwww」
台所から牛乳を取ってきたつーは、パックのままそれを飲み始めた。
ミ;゚Д゚彡
「ゴルァ、いい年して口飲みは止めなさい」
(*゚∀゚)
「いいのいいの。この方が栄養が胸にいく」
ミ#゚Д゚彡
「そんなの聞いたことがないぞ。コップを取ってきなさい」
(*゚∀゚)
「はーい。…この胸がいい証拠なんだけどな」
(*^ω^)
「きょぬーモエスwwww」
つーの胸を目で追いながら、ブーンはカップに残っていた紅茶を全て飲み干した。



  
31: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:30:53.74 ID:3Xw82XDXO
  
ミ,,゚Д゚彡
「おっと、お代わりはいるかい? 先生もいかがですか?」
ξ*゚←゚)
「あ、お構いなく」
( ^ω^)
「遠慮なく戴きますお」
ξ#゚←゚)
「……」



  
32: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:32:04.99 ID:3Xw82XDXO
  
ミ,,゚Д゚彡
「つー。お客様に紅茶のお代わりを」
フサギコは台所に向かって声をかけたが、つーの返事はない。
それもそのはず、台所は紅茶どころではない状況にあった。
(#゚∀゚)
「てめー! なんでここにいるんだ! さっさと寝ろ!!11!!」
(*゚ー゚)
「いいじゃん、ちょっとぐらい…」
(#゚∀゚)
「うるせー!! 大人に構ってほしいからって、いちいち部屋から出てくるんじゃねーよヴォケ!!」



  
33: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:33:18.27 ID:3Xw82XDXO
  
(;^ω^)
「え? ケンカかお?」
ミ;゚Д゚彡
「申し訳ない、ちょっと見てくるよ」
台所へ走っていき、一言二言発した後、フサギコはケンカの張本人たちを居間に引っ張ってきた。
(#゚∀゚)
「……」
(#゚ー゚)
「……」
ミ#゚Д゚彡
「お客様に失礼だと思わないのか」
(#゚∀゚)(#゚ー゚)
「だって、こいつ(お姉ちゃん)が…」
ミ,,゚Д゚彡
「だってじゃない。先生と内藤君に謝りなさい」
(;゚∀゚)(;゚ー゚)
「ごめんなさい」
ξ;゚←゚)
「(ふぅ。この姉妹の仲の悪さは相変わらず、か)」
( ^ω^)
「(つーさんの妹さんかお? まだ厨房ってとこだお)」



  
34: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:35:21.88 ID:3Xw82XDXO
  
ミ,,゚Д゚彡
「本当に申し訳ありませんでした…」
ξ*゚←゚)
「まあまあ、フサギコさん。
私たちが長居してしまったから、しぃちゃんも一人で寂しかったんでしょう。
そろそろおいとましますわ。内藤君、行きましょう」
(;^ω^)
「あうあう…まだつーさんの電話ばんg」
ξ#゚←゚)
「いい加減、空気を読むことを覚えなさい。
じゃあね、つーちゃんしぃちゃん」
(*゚∀゚)
「また来てね。先生、内藤君」
( ^ω^)
「把握したお。バイバイつーさん。それと、しぃさん?も」



  
35: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:36:40.50 ID:3Xw82XDXO
  
(*゚ー゚)
「さよなら、佐々木先生」
(;^ω^)
「ちょwwww僕はヌルーかお?」
(#゚ー゚)
「……あ?」
(#^ω^)
「何コラ、ツンツン娘コラ」
(*゚∀゚)
「長州ワロスwwww内藤君、こんな奴にキレることないよ。
こいつホントに可愛げがないから、相手するだけ無駄」
(#^ω^)
「キレてないっすお。僕キレさせたら大したm」
ξ*゚←゚)
「やめなさい。…じゃあまたね」



  
36: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:38:15.07 ID:3Xw82XDXO
  
( ^ω^)
「悪意あるヌルーは、確実に人の心を傷つける――内藤ホライゾン」
ξ*゚←゚)
「しぃちゃんはちょっと変わった娘なのよ。
あまり気にしないようにね」
(*^ω^)
「把握したお。
僕が気にする女性は、今のところつーさんだけですお」
ξ;゚←゚)
「はぁ。やっぱり一人で来ればよかった」

帰りの車の中で、つーの言葉を反芻する。
(*゚∀゚)
「自分にとって一番大切なことすら真面目に出来ない奴は、何やっても成功しないよ」
――学生の本分である勉強、そして将来の夢である作家になるための努力。
( ^ω^)
「くそみそ精神を維持するためには『真面目』が必要不可欠なのかもしれないお。
つーさん、教えてくれてdクス」



  
37: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:39:25.55 ID:3Xw82XDXO
  
家に着いてからも、彼はつーのことを考え続けた。
つーの言葉、つーの声、つーの胸…。
最終的に明らかに違う方向の妄想に行き着いたところで、ようやく彼の思考は眠気に負けた。
残念なことに、その日の夢に出てきたのはつーではなく、あのツンツン少女の方だった。
(#゚ー゚)
「何オマエお姉ちゃんに萌えてんの? マジきめぇwwwwwwww」
(;´ω`)
「うーんうーん…お前みたいなひんぬーツンツン女には興味ナス…とりあえずチェンジよろ…」
(#゚ー゚)
「死ね。氏ねじゃなく死ね」



  
38: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:40:37.20 ID:3Xw82XDXO
  

ブーンは知らない。ツンがあればデレもあるという真実を。
ブーンは知らない。自身が何年か後にその「ツンツン女」と真剣に愛し合う運命にあることを。
そして、ブーンは知らない。彼女と結ばれたことをキッカケに、親以上に慕っていた佐々木のことを心から憎むようになってしまうという悲劇を。
だが――それらは全て、別の話。
初めてのスクーリングまで、あと一週間。
ブーンはうなされながらも、満足な一日を終えた。



  
39: ◆TigerQqrbI:2006/08/04(金) 14:42:50.72 ID:3Xw82XDXO
  
次回予告

⊂二二二( 凸 )二二⊃
「……」
(;゚ω゚)
「なっ…これが噂のイデオ○ソード!
僕は…この先生きのこることが出来るのかお?」

ミ ゚∀゚ミ
「あなたの性格は大体把握しました。
内藤さん、私はあなたの成長を楽しみにしていますよ」
(;^ω^)
「成長なんてする必要ナス。僕は僕のままだお」

J('兪)し
「夏休みだからってはしゃいでんじゃねーよ。
首締めてやろうか? 新学期や宿題のことなんて忘れるくらいに
な!」

伝説教師の真の力を存分に振るえ、イデオ○!!



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