( ^ω^)ブーンが述懐するようです

  
4: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 22:58:55.94 ID:PNjluoXTO
  
第七話 初夏の出会い


世間一般では、通信制高校=既に職に就いている人間が通う学校、というイメージが強いらしい。
何らかの理由で高校に進学出来なかったり、高校を中途退学してしまった者が、就職して生活にある程度の余裕が出てきてからもう一度高校に通う――といった風に思われているようだ。
だが実際は、半数ほどの生徒が一般の高校生と同じ10代であり、なおかつまともに就職はしていない。
せいぜいアルバイト程度である。



  
5: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 23:03:45.48 ID:PNjluoXTO
  
当然、全く働いていない生徒もまた存在している。
これを学生と呼ぶか無職と呼ぶかについては意見が分かれるようだが、新聞報道などで見るにおそらくは学生という呼称の方が正しいのだろう。
ブーンもまた、学生でありながら無職という、社会全体から見れば宙ぶらりんな存在である。
朝は放送を聴きながら勉強し、昼は疲れて寝てしまう。
夜はテレビを見て大笑いし、深夜にはゲームと自慰行為に励む。



  
6: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 23:09:12.36 ID:PNjluoXTO
  
J('‐`)し
「どう見ても半ニート生活です、本当にありがとうございました」
(;^ω^)
「……」
J('‐`)し
「…お前と同い年の子っていったら、今は受験勉強だなんだって忙しい時期なんじゃないの?」
( ^ω^)
「そうかもしれないお」
J('‐`)し
「で? お前は何もしないの」
(#^ω^)
「毎日勉強してるじゃまいか」
J('‐`)し
「ハァ? そのくらい普通の高校生ならみんなやってるよ。
てか毎日学校まで通ってる分、他の子の方がお前の数万倍偉いから」



  
9: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 23:13:16.53 ID:PNjluoXTO
  
(#^ω^)
「じゃあどうすればいいんだお」
J('‐`)し
「働けよ」
( ^ω^)
「だが断る。人付き合いマンドクセ」
J('兪)し
「あ、そ。お前がそんな態度なら、カーチャンもう家事しないから」
(;^ω^)
「は? 何だおその仕事放棄」



  
11: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 23:18:46.85 ID:PNjluoXTO
  
J('兪)し
「当たり前じゃん。
なんで収入もなく学費までかかる半ニート様のために、あたしがご飯作ったりしなきゃなんないの?
いっぺん氏ねよ」
(#^ω^)
「お前ガナー」
J('兪)し
「とにかく、これからは自分の食事は自分で作ってね。食器洗いも自分でやること。
もしあたしが仕事から帰ってきても食器が片付いてないようだったら、家から叩き出すから」
(;^ω^)
「mjd」
J('兪)し
「…サービスで洗濯ぐらいは引き受けてやってもいいよ。
ま、一度に洗濯しないと水が勿体ないからなんだけど」
(;^ω^)
「……」



  
12: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 23:26:49.53 ID:PNjluoXTO
  
(#^ω^)
「――というわけなんだお。こいつをどう思う?」
('A`)
「すごく…横暴です…」
(#^ω^)
「いや横暴はどうでもいいんだお、いつものことだから」
(;'A`)
「じゃあなんで怒ってんだwwww」
(;^ω^)
「スマンコwwwwついいつもの癖で、反射的にお前の考えを否定してしまったお」
(;'A`)
「おまwwwwwふざけんなwwwwwww」

六月のとある週末。
ブーンはいつものように、ドクオの家に遊びに来ていた。
彼は部屋に迎え入れられるなり自分勝手な愚痴を言い始めたが、ドクオは特にそれを咎めようとはしなかった。



  
13: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 23:32:54.69 ID:PNjluoXTO
  
(;^ω^)
「でも今回はカーチャンの言い分の方が正しいかもわからんね」
('A`)
「だな。つかブーンのカーチャンは、あんな性格だけどわりと常識人だと思うぞ」
( ^ω^)
「まあこの天才を産んだ女ですからwwww」
('A`)
「結局自分の自慢に持っていくんだな…。
ん、でもまあいいじゃん。お前、昔から結構料理やってたし」



  
14: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 23:35:40.35 ID:PNjluoXTO
  
( ^ω^)
「鍵っ子歴10年は伊達じゃないお。
炒飯やサラダしか作れない毒女よりは、僕の方が数段上だお」
('∀`)
「いるいるそんな女wwww
で『得意料理は肉じゃが』とか言うんだろ」
( ^ω^)
「いや、それはまた話が別」
('A`)
「ですよね」



  
15: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 23:40:13.63 ID:PNjluoXTO
  
( ^ω^)
「ドクオと話したら、なんだかスッキリしたお」
('A`)
「うん。俺、難しい話はよくわかんないけど、簡単な悩みならいつでも相談に乗るからさ。
また何かあったら言ってくれよ」
( ^ω^)
「把握したお。明日はスクーリングの日だから、今日はもう帰るお」
('A`)
「そうか。…ああちょっと待った、ブーン!」
(;^ω^)
「そんな大声出さなくても聞こえてるお」



  
17: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 23:44:43.67 ID:PNjluoXTO
  
(*'A`)
「俺、彼女が出来るかもしれないんだ」
(*^ω^)
「ちょ、kwsk!!11!!」
(*'A`)
「こないだジョルジュと遊んだんだけど、あいつその時に女友達を紹介してくれてさ。
彼女の友達なんだって。スゲーかわいい娘」
(*^ω^)
「何故僕より先にお前に紹介したのかが気になるが、この際聞かないでおくお。
写真とかは無いのかお?」



  
18: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 23:49:34.35 ID:PNjluoXTO
  
('A`)
「すまん、写真は無いんだ。
でも彼女になったら真っ先にお前に紹介しに行くからさ」
( ^ω^)
「そうかお。まあ付き合ってもすぐには肉体関係を求めるなお。
せっかちな男は嫌われるお」
(*'∀`)
「把握したぜwwwwっうえうえwwww
実はもうコンドーム買ってたりするんだけどなwwwwwww」
( ^ω^)
「あるあるwwwwwwwwじゃあ楽しみにしてるお!」



  
19: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 23:54:53.68 ID:PNjluoXTO
  
ドクオ宅からの帰り道、笑顔で自転車を飛ばすブーン。
いかに見下しているとはいえ、ドクオとは長い付き合いである。
その彼がようやく女性と付き合う機会を手に入れたというのだから、友人として喜ばないわけにはいかない。
( ^ω^)
「ドクオのあんな嬉しそうな顔は、久々に見たお。
ジョルジュもあれで中々いいところがあるお」
長い上り坂を全力で上り切った後、自販機でスポーツドリンクを買って一気に飲み干す。



  
22: ◆TigerQqrbI:2006/08/16(水) 23:59:50.94 ID:PNjluoXTO
  
火照った体をクールダウンさせると、頭の中もスッキリしてくる。
(;^ω^)
「そういえば…僕も随分と長い間、同年代のおにゃのこと話していない希ガス。
最近話したのは、つーさんぐらいかお」

月に一度しか他の生徒に会えないような学校では、出会いも少ない。
ましてブーンのように内向的な性格の少年では、同年代の女子と接する機会など皆無に等しい。



  
23: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 00:03:45.73 ID:sA18m/6YO
  
ブーン自身、ニュー速での女性との出会いについては既に諦めていた。
なにしろ学友すらまともに見つける気がない男である。
そんな彼に恋人を学校で見つける意志など、存在しているはずが無かった。
( ^ω^)
「まあいざとなったら僕もジョルジュに頼んでみるかお。
ドクオに紹介するぐらいだから、僕にだって紹介してくれるはずだお」



  
26: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 00:09:37.94 ID:sA18m/6YO
  
六月のスクーリング日。
前回の失敗を踏まえ、ブーンは枕元に複数個の目覚まし時計を設置していた。
結果、彼は時間通りの起床に成功。
一限の始まる30分以上前に校舎に辿り着くことが出来た。
( ^ω^)
「電車の中でもゆっくり眠れたから気分爽快だお」

さすがに早く着きすぎたようで、教室には数人の姿しか見当たらなかった。
チャンスとばかりに一番後ろの席に荷物を置く。
( ^ω^)
「フヒヒ。早起きは三文のなんちゃらだお」



  
27: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 00:12:21.97 ID:sA18m/6YO
  
始業時間が近付くにつれて、教室には次々と生徒が入ってきた。
ぼんやりとクラスメイトたちの顔を眺めていたブーンに、見知った顔の男が声を掛ける。

(´・ω・`)
「やあ。おはよう」
( ^ω^)
「おはすー」



  
28: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 00:16:07.27 ID:sA18m/6YO
  
ショボンに対しては複雑な感情を抱いていたブーンだったが、ポポタン先生との約束もあって、彼に冷たい態度を取るのは止めにした。
(´・ω・`)
「今日はずっとこの席にいる予定かい?」
( ^ω^)
「そうですお」
(´・ω・`)
「そうか。僕はまた最前列に座るつもりさ。
分からないことがあったら、後で聞きに来てもいいかな」
( ^ω^)
「おkだお」



  
30: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 00:21:44.18 ID:sA18m/6YO
  
授業内容は、相変わらず簡単なものだった。
おそらく、欠席しても成績が落ちることは無いだろう。
だがそういうわけにはいかない。
各科目とも、四分の三以上は授業に出席しないと単位をもらえないことになっている。
全日制の高校なら、一回や二回欠席した程度では単位を落とすことは無いが、月に一度しか登校の機会がないこの学校では、同じ一回や二回の欠席でも充分に致命傷となる。



  
33: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 00:27:56.44 ID:sA18m/6YO
  
そういえば、とブーンは先月のことを思い出した。
(;^ω^)
「先月は午前の三時間分、欠席扱いになってるはずだお」

中には一年間に数度しか授業のない科目もあった。
このまま一年間全てのスクーリングに出席できれば問題はないのだろうが、また何らかのアクシデントで欠席してしまう可能性もある。
そうなった場合、単位修得は絶望的だ。
寝坊をキッカケに単位を落とすなど、実に馬鹿げた話である。
(;^ω^)
「何か対策は…。昼休みにでもショボンさんに聞いてみるかお」



  
34: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 00:36:06.69 ID:sA18m/6YO
  
(´・ω・`)
「なるほど、それは確かに不安だね。で、欠席した科目は?」
( ^ω^)
「国語と地理、それと家庭科ですお」
(´・ω・`)
「うーん。国語や地理はともかく、家庭科はまずいね。
技能科目は授業の回数も少ないし」
(;^ω^)
「どうすればいいんだお」
(´・ω・`)
「他のクラスで行われている授業に出るのが一番手っ取り早いよ。
特に内藤君は修得済みの単位が幾つかあるから、空き時間も結構あるだろうしね」
( ^ω^)
「他のクラスの授業? そんなことしてもいいのかお?」
(´・ω・`)
「もちろん。この学校には編入・転入学生が多いからね。
そうやって空き時間を有効に使っている人は何人もいるよ」
( ^ω^)
「把握したお。でも今日は家庭科の教科書を持ってないですお」



  
35: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 00:40:35.92 ID:sA18m/6YO
  
(´・ω・`)
「そうか。まあ今日じゃなくてもいいんだけどね。
どうしても今月中に授業を受けたいんだったら、他の曜日に出席するという手もあるよ」
( ^ω^)
「そんなことも出来るのかお。初めて知ったお」
(´・ω・`)
「忙しい人が多いからね。抜け道はいくらでもあるさ。
…ん。待てよ?」
( ^ω^)
「まだ何かあるのかお?」
(´・ω・`)
「家庭科なら、もっといい方法がある! ちょっと待っててくれ」
(;^ω^)
「おっおっ」



  
36: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 00:46:18.27 ID:sA18m/6YO
  
(´・ω・`)
「やあ、待たせたね。
このプリントはサービスだから、まず読んで落ち着いてほしい」
( ^ω^)
「これは?」
(´・ω・`)
「うん、『実習の予定』なんだ」
( ^ω^)
「実習って…調理実習かお?」
(´・ω・`)
「そう。年に何回かあるんだ。
調理実習は二時間あるから、二回授業に出たのと同じ扱いになる。
これに出席すれば…」
(*^ω^)
「授業一回分、得することになるお。
つまり、もう一度休んでも平気ってことだお!」



  
38: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 00:51:12.18 ID:sA18m/6YO
  
(;´・ω・`)
「休むのはどうかと思うけど、気持ちに余裕が出るのは確かだね」
( ^ω^)
「次の実習は明後日、第三火曜みたいだお。早速参加してみるお」
(´・ω・`)
「僕も行きたいところだが、明後日は家内と約束があってね。
一人でも平気かい?」
( ^ω^)
「大丈夫だお。ありがとうございますだお」
(´・ω・`)
「なぁに、そのぶん今日も勉強を教えてもらうさ」

ブーンはショボンにもらったプリントを大事に鞄にしまい、午後からの授業にも真面目に取り組んだ。



  
42: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 01:02:48.22 ID:sA18m/6YO
  
そして迎えた第三火曜。
実習は午後からのため、寝坊をすることはなかった。
だが早く着いたにも関わらず、ブーンはいつまでも校舎内をウロウロしていた。(;^ω^)
「調理室が何処だかワカンネwwww」

小心者な上にプライドの高い人間は、こういう時に困るものである。
近くにいる人に聞けばすぐ解決すると分かっているのに、つまらないプライドが邪魔をしてなかなか実行には移せない。



  
43: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 01:07:57.15 ID:sA18m/6YO
  
…結局、ブーンが調理室を見つけたのは始業のチャイムが鳴るのとほぼ同時刻のこと。
これでは早めに家を出た意味は全く無い。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」
諺の意味は知っていても、それを実際の行動に反映できない人間というのは、端から見ると非常に滑稽であり、同情すべき対象である。
まして本人だけがその滑稽さに気付いていないのなら、尚更のことだ。
( ^ω^)
「偶然見付けたおwwwwブーンスゲーwwwwww」



  
44: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 01:13:25.03 ID:sA18m/6YO
  
調理室の席は、ほぼ完全に埋まっていた。
ショボンの言葉通り、実習で出席時間数を稼ごうと考えている生徒はかなり多いようだ。
どうやらテーブル毎にグループ分けがされているらしく、幾つかのテーブルの人間は友人同士のお喋りに夢中になっていた。
川*・_・)
「こんにちは。席に着いて下さい」

黒板の前に立っていた教師に促され、ブーンは急いで座れそうな席を探した。



  
45: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 01:18:51.54 ID:sA18m/6YO
  
…当然のことながら「仲良しグループ」の席には座れない。
かといって、殺伐としたグループにも交じりたくはない。
彼はなるべく穏やかそうな人間の多いグループを探し、周りの生徒に会釈をしてから席に着いた。
川*・_・)
「今回皆さんに作って戴くのは炊き込みご飯とお味噌汁、それに野菜の煮物です」
( ^ω^)
「なんだ、そんなもんかお。簡単なメニューだお」
川*・_・)
「では材料の説明から――」



  
46: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 01:26:14.43 ID:sA18m/6YO
  
教師の長い説明が終わり、いよいよ実習が始まる。
ブーンの予想に反して、彼の参加したグループには積極的に周囲に話し掛ける者もいた。

('(゚∀゚∩
「おいら、なおるよっていうんだ!
どんなにかんたんなりょうりでも
あいじょうこめていっしょうけんめいつくれば
おいしいよ!」
('、`*川
「伊藤です。よろしくお願いします!」

他の人間は皆内向的なようで黙々と作業をこなしていたが、その二人だけは明るく楽しく料理に取り組んでいた。
自分と同年代であろう二人が知らない相手にも気軽に声を掛けているのを見て少しだけ気分が楽になったブーンは、自身もエプロンを身に付け、二人の会話に交じった。



  
48: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 01:33:26.43 ID:sA18m/6YO
  
( ^ω^)
「僕は内藤だお。じゃあ野菜の皮むきは僕がやりますお」
('、`*川
「うん、お願い。うちはお米を洗っとくね」
('(゚∀゚∩
「おいらはなにをしようかな!」
( ^ω^)
「味噌汁の方は他の人がやってくれてるみたいだから、僕と一緒に皮むきをするお」
('(゚∀゚∩
「おいらのかわは、もうむけてるよ!」
(;^ω^)
「ちょwwww料理中に下ネタ言うなお」
('、`*川
「あはははは! なおるよ君ウケるwwwww」
(;^ω^)
「mjsk」
('(゚∀゚∩
「どんなにいたくても
かわをむいてまいにちあついおふろにはいってれば
なれるよ!」
(*^ω^)('、`*川
「バカスwwwwwwww」



  
50: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 01:39:55.78 ID:sA18m/6YO
  
('、`*川
「あれ? 内藤君、ピーラー使わないの?」
( ^ω^)
「ピーラーって何だお?」
('(゚∀゚;∩
「ぴーらーしらないでりょうりするとか、どんだけだよ!」
('、`*川
「ピーラーって、皮むき器のことだよ」
( ^ω^)
「ああ、皮むき器かお。そんなもんイラネ」
('、`;川
「え、でもでも」
( ^ω^)
「カーチャンが言ってたお。
皮むき器を使うと野菜の皮だけじゃなく、中身も結構削られちゃうお。
そんなの勿体ナス」
('(゚∀゚∩
「でもほうちょうはあぶないよ!」
( ^ω^)
「フヒッ、大丈夫だお」



  
51: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 01:46:21.02 ID:sA18m/6YO
  
('、`*川
「うわぁ…内藤君の包丁さばき…」
('(゚∀゚∩
「すごくかっこいいなりー!」
( ^ω^)
「昔からよくカーチャンにやらされてたおwwwwほい、オワタ」
('、`*川
「内藤君スゲー! うちちょっと感動した!」
(;^ω^)
「でも味付けとか盛り付けの方は下手なんだお」
('、`*川
「じゃあそっちはうちらに任せて」
('(゚∀゚∩
「おいらもないとうくんのぶんまでがんばるよ!
そらのうえから、おいらのことみまもっててね!」
(;^ω^)
「ちょwwwwwww死wwwwww」



  
54: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 01:52:34.49 ID:sA18m/6YO
  
('(゚∀゚∩
「ごはんがたきあがったよ! みそしるのほうはどうかな?」
( ^ω^)
「出来てるみたいだお。煮物も伊藤さんが仕上げてくれたお」
('、`*川
「もう熱々って感じ。
ほぉら…もうこんなに湯気がそそり立って…今すぐ食べちゃいたい」
(*^ω^)
「言い方エロスwwww」
('(゚∀゚∩
「ほかのぐるーぷがつくりおわるまで、ししょくはできないみたいだよ!
おいら、じかんまでうんこしてくるよ!」
(#^ω^)
「いちいち宣言すんなお」
('、`*川
「あっははははは、うんこwwwwwwww」
(;^ω^)
「……」



  
57: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 02:01:04.91 ID:sA18m/6YO
  
('(゚∀゚∩
「うんこのあとのごはん、おいしいな!」
(#^ω^)
「いい加減にしないとぬっ殺すお。でも本当にうめぇwwww」
('、`*川
「きっと皆で作って皆で食べてるからだよ。楽しかったねっ!」
('(゚∀゚∩
「うん!」
(*^ω^)
「楽しかったお」
('、`*川
「ね! うち一人暮らしだから、こういうの凄く嬉しいんだ」
( ^ω^)
「あれ、そういえば伊藤さんは何歳だお?」
('、`*川
「レディに歳を…ってのはベタだから止めとくね。今年で19だよ」
(;^ω^)
「僕と一つしか変わらないのに、一人暮らしかお」
('(゚∀゚∩
「えろいね! 19さいのひとりぐらし、じつにえろい!」
('、`*川
「どっちの意味でも通じるね、それwwwwエロいwwww」
(;^ω^)
「少しは下ネタから離れる努力を汁」



  
58: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 02:08:20.55 ID:sA18m/6YO
  
試食、後片付け――実習が全て終わった後も、三人は談笑を続けた。
特に伊藤となおるよは非常にウマが合ったようで、話題が尽きると必ず下ネタ談義で場の空気を盛り返していた。

( ^ω^)
「なおるよ君、彼女いたのかおwwww」
('(゚∀゚;∩
「まだちゅうがくせいなんだけどね!
かのじょのおやにばれたら、ぼこぼこにされるよ!
なおらないよ!」
('、`*川
「ロリコンwwwwww
でもなおるよ君は子供っぽいから、相手もそのぐらいの方がいいのかも。
ところで、内藤君は彼女いないの?」
(;^ω^)
「いないお。この学校じゃ出会いも無いし…」



  
59: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 02:13:31.38 ID:sA18m/6YO
  
('、`*川
「あるあるwwwうちもカレシどころか友達も出来ないwww」
( ^ω^)
「ですよねwwww三人とも同じクラスならよかったのに」
('、`*川
「ね。でも曜日も違うしなぁ…。
そういえば二人とも、何処に住んでるの?」
('(゚∀゚∩
「さいたまー!」
( ^ω^)
「僕は千葉だお」
('、`*川
「マジで? うちも千葉だよ! 船橋!」
( ^ω^)
「おっおっ。以外と近くだお」



  
60: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 02:17:24.90 ID:sA18m/6YO
  
('、`*川
「また会えそうだね」
('(;∀;∩
「…おいらはもうあえないのかな?」
('、`*川
「そんなこと無いって。また皆で遊ぼうよ! ね!
電話番号が分かってればいつでも会えるよ」
('(゚∀゚∩
「はあくしたよ! おいらひるはばいとあるけど、よるはひまだよ!」
( ´ω`)
「…携帯持ってナス」



  
63: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 02:22:44.90 ID:sA18m/6YO
  
('(゚∀゚∩
「じゃあいえのでんわばんごうでいいとおもうよ!」
(;´ω`)
「でも…。やっぱり僕はいいお。二人で番号交換してくれお」
('、`*川
「ダメダメ! どうせそのうち携帯買うでしょ?
折角の出会いなんだから、そんな空気読めないこと言わないで」
('(゚∀゚∩
「そうだよ! からけよめ!」
(;^ω^)
「からけ? ああ、空気のことかお。
…把握したお。二人がそれでいいなら…」
('、`*川
「うん!」



  
64: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 02:29:34.76 ID:sA18m/6YO
  
三人は電話番号を交換し、国立駅から同じ電車に乗り込んだ。
ブーンが他の生徒と一緒に下校するのは、中学校以来のことだった。
電車の中での話題も、相変わらず下ネタを中心とした明るい内容だった。
だが、埼玉に住むなおるよが新宿で降りてしまってからは、ブーンも伊藤も特に話をしようとはしなかった。
たまに思い出したようにレポートの内容などについて話をしたが、それも束の間、二人ともすぐに口をつぐんだ。
何度もそれを繰り返すうちに、電車は千葉へと近づいてゆく。



  
66: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 02:34:53.70 ID:sA18m/6YO
  
(;^ω^)
「(…今日会ったばかりだから、共通の話題が見つからナス)」
('、`;川
「……」
(;´ω`)
「ゴメス。僕はなおるよ君と違って口下手だから」
('、`;川
「そんなことないよ。うちの方こそ、なんかごめん」
( ^ω^)
「そろそろ船橋に着くお。伊藤さんとはここでお別れかお」
('、`*川
「だね。次はいつ会えるのかな?」
(;^ω^)
「さあ。…楽しかったから、また会いたいものだお」
('、`*川
「うん。…ねえ内藤君」
( ^ω^)
「なんだお?」



  
68: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 02:41:50.43 ID:sA18m/6YO
  
('、`*川
「次はいつになるか分からないし…よかったら、晩ご飯も一緒に食べない?」
(;^ω^)
「でも、また気まずくなるかもしれないお」
('、`;川
「うーん。じゃあさ、じゃあさ、お互いのこととかもっと話そうよ!
うち、他の通信生の話なんて聞いたことなくて」
(;´ω`)
「…暗い話になるお」
('、`*川
「暗くてもいいから! ね、行こ!
うち、一人で食べるの淋しいって言ったじゃん」
(;^ω^)
「ちょwwww僕にも船橋で降りろと? 待ってくれお」
('、`*川
「いいから来るの!」
(;゚ω゚)
「アッー!! どこ掴んでんだwwwwwwww」



  
70: ◆TigerQqrbI:2006/08/17(木) 02:50:31.53 ID:sA18m/6YO
  
次回予告

('、`*川
「君に新しいあだ名をつけてあげよう」
(;^ω^)
「だから、ブーンでいいって言ってるお」

(;A;)
「もしもし…ブーン…。
オレ…モウダメポ…」
(;゚ω゚)
「ちょ! 応答しろ、スネーク! スネェェェク!!11!!」

J('兪)し
「よい子のみんなへ。
勉強しないと、うちの息子みたいになっちまうよ?
料理の材料買いすぎて、あたしの分までご飯作っちゃうようなバカ息子にね」

友を救うために走れ、ブーン!



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