( ^ω^)ブーンが述懐するようです

  
2: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:04:00.76 ID:F897mSxrO
  
第八話 涙と友情と


不思議な女。
伊藤に案内されるまま駅近くのファミレスに入ったブーンは、心の中で彼女のことをそう称した。
伊藤とは、今日出会ったばかりである。互いのことなど殆ど知らない。
電車の中での会話も、特に盛り上がったわけではない。
それなのに、何故か彼女は彼と二人で食事をすることを望んだ。
そして実際に、二人は食事を共にしている。
時には笑い、時には相手の話に真剣に耳を傾け…。
まるで、十年来の親友のように。目の前に座っている女に対してと同様、己の過去を抵抗なく彼女に話し続ける自分自身にも、ブーンは軽い戸惑いを覚えていた。
――人見知りは何処へ?
何度も頭の中にその手の問いが浮かんだが、ついに答えが出ることはなかった。



  
3: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:05:16.56 ID:F897mSxrO
  
( ^ω^)
「――で、ニュー速学園に来た話に繋がるわけだお」
('、`*川
「へえ、進学校っておっそろしwwww」
(;^ω^)
「あの学校を選んだのは、人生で一番の汚点だお。
しかし同時に、人生のピークでもあるから困る」
('、`*川
「自虐やめれwwww」
( ^ω^)
「冗談だお。ここで終わるつもりは無いお」



  
4: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:06:24.19 ID:F897mSxrO
  
('、`*川
「ってことは、この先何かやりたいことがあるんだ?」
(;^ω^)
「まあそれはそのうち話すお。一服させてくれお」
('、`*川
「うん。…でも意外だったな、内藤君みたいな人がタバコ吸うなんて。
どう見ても優等生タイプなのにね」
(;^ω^)
「ゴメス。嫌いならここで吸うのは我慢するお」
('、`*川
「あ、平気だよ。タバコの匂い、結構好きなんだ」
( ^ω^)
「把握したお」



  
6: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:08:32.08 ID:F897mSxrO
  
食事を終え、テーブルにデザートの皿が並ぶ頃にはもう、双方の長い過去話は終わりに近づきつつあった。
('、`*川
「こんなに人と話したの、ホント久々なんだけどw」
伊藤は、会話の途中に何度もその言葉を挟んだ。
最初は話半分に受けとめていたブーンだっだが…彼女の話を聞いていく中で、段々とそれが冗談でないことに気付いていった。



  
7: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:09:44.54 ID:F897mSxrO
  
伊藤もまたブーンと同じく、不登校を経験していた。
友人との些細な諍いが原因で「仲良しグループ」からはじき出され、それを境にクラスでも浮いた存在になってしまったらしい。
不登校になった直接の原因は、修学旅行の班分け。

('、`*川
「あれについては今でも担任を恨んでるよ。記名投票制だったからね。
しかもご丁寧に『一緒の班になりたい人』『なりたくない人』の両方を書かされるっていうwwwww
あれは効いたし引いたwwwwwwww」

…おとなしく結果を待てるほど、彼女の心は強くなかった。



  
9: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:11:21.07 ID:F897mSxrO
  
(#^ω^)
「シラネーヨと同等のクズだお。バキバキにしてやりたいお」
('、`*川
「まあまあ。キツイのはこれからwwww」
(;^ω^)
「mjsk」
('、`*川
「不登校になってからしばらくは、家でブラブラしてたんだ。
たまに料理を手伝ったりね。花嫁修行?wwwww」
(*^ω^)
「今の僕と似てるおwwww」
('、`*川
「あはは、そういえば恐いお母さんに自炊を強要されてるんだっけw」
( ^ω^)
「Exactly(その通りでございます)」
('、`*川
「ふふっ。
…一年ぐらい経った頃かな。うち、三つ下の弟がいるんだけどね。その時は中三…受験の年だったんだ」



  
11: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:12:22.97 ID:F897mSxrO
  
('、`*川
「内藤君と同じで、結構レベルの高い学校を受ける気だったらしいのね。
で、受験の時って、誰でも多少はナーバスになるでしょ?」
( ^ω^)
「確かにそうだお」
( 、 *川
「お父さんたちに言ったらしいのさ。
『あいつがいると集中出来ない』『落ちこぼれがヘラヘラ笑って生きてんじゃねー』って」
(;^ω^)
「自分が言われているようで、耳が痛いお」
( 、 *川
「『あいつ』だよ『あいつ』。
弟にそんなこと言われたら…出ていくしかないじゃん」



  
13: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:14:39.68 ID:F897mSxrO
  
( ´ω`)
「それを知ってたら、実習の時にあんな話しなかったお。ゴメス」
('、`*川
「いいよいいよ。何だかんだで、一人暮らしも快適だしねwwwwまあ、たまに誰かと話したくて今日みたいに暴走しちゃうんだけどwww」
( ^ω^)
「それで僕を引き止めたのかお」('、`;川
「無理矢理連れてきてごめんね。迷惑だったよね、ホントごめん」
( ^ω^)
「全然wwwwおにゃのこと話が出来て嬉しいお。
でも確かに最初言われた時は、ちょっとウザイと思いますたwwwwww」
('、`;川
「おまwwwww変なとこ正直だなwwwww
でもありがとう」



  
15: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:15:48.28 ID:F897mSxrO
  
( ^ω^)
「もう10時過ぎだお。電車があるうちに帰るかお」
('、`*川
「ウチに泊まってもイーンダヨ? もっと色々話したいし」
(;^ω^)
「グリーンダヨ!!11!! でもカーチャンに殺されるおwwww」
('、`*川
「ホントに恐いお母さんなんだねwwwww
泊まれってのは冗談だよ、だからそんなに脅えるなwwwww」
(;^ω^)
「フヒヒ! すいません! じゃ出るお」



  
16: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:17:09.71 ID:F897mSxrO
  
不思議なことに、二人とも店を出てからは全く言葉を交わさなかった。
伊藤は携帯電話をいじることに集中しており、たまにブーンの方を見るだけだった。
一方のブーンも、歩きながら再び自らの心中に飛来した「何故伊藤とは気軽に話が出来たのか」という疑問の答えを探すのに夢中になっていた。
駅で切符を買うと、彼は静かに口を開いた。

( ^ω^)
「僕も伊藤さんと同じで、自分の本音を話せる相手を探していたのかもしれないお」



  
19: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:18:15.89 ID:F897mSxrO
  
ドクオやギコたちとは長い付き合いである。
だが、彼らは難しい内容の話には付いてきてくれない。
事実、ラウンジに嫌気がさしてきた頃、その理由や悩みについて話してみたが、それに対する彼らの答えは何処かピントがずれており、彼を満足させる内容のものではなかった。
似たような経験の無い者には分からないのだろうと半ば諦めていたが、ブーンの不満は募る一方だった。



  
22: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:20:08.98 ID:F897mSxrO
  
また、ちんぽっぽ先生や佐々木先生など、理解を示してくれる人間もいるにはいるが、彼女らは言うまでもなく「大人」である。
大人相手に本音をぶつけることなど、ラウンジ時代の彼ならともかく、今のブーンには不可能だ。
もちろんそれは「大人は汚い」などというステレオタイプな不良少年的思考によるものではなく、むしろ目上の人を尊重するあまりに本音をオブラートに包んだ形でしか言えない、という極めて優等生的な考えに基づいたものなのだが。



  
23: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:21:14.39 ID:F897mSxrO
  
( ´ω`)
「僕は、もっと自分の本当の考えを聞いてほしいんだお。
バカ話をしているのは楽しいし、大人の話を聞いてるのもおもすれー。
…けど」
('、`*川
「…うん。分かるよ」
( ´ω`)
「傷の舐め合いと言われても仕方ないかもしれんね。
けど童貞の恋愛論と一緒で、経験の無い奴の話は、上辺だけで中身は空っぽなんだお」
('、`;川
「これはひどい例えwwwwwwwでも、分かるよ」
( ;ω;)
「もっと、もっと同年代の子と話したいんだお。だけど誰も僕の本音を分かってくれないお。
たまに分かってくれる人がいても、みんな中々会えない人ばかりだお」



  
26: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:23:06.60 ID:F897mSxrO
  
('、`*川
「なんで泣くんだwwww笑ってさよならしようよ」
( ;ω;)
「おっおっおっおっ…なんか勝手に涙が出てきたんだお」
( 、 *川
「…うん。気持ち凄く分かるよ。うちもさっきみたいな話、誰かに聞いてほしかったから」
( ´ω`)
「学校ではあんなこと言ったけど、今度電話しておkかお?」
('、`*川
「もち! そのために聞いたんでしょうがwwww
こっちからもガンガン掛けるよ? お母さんの声とか聞きたいし」
( ^ω^)
「それはガチで困るwwwww」
('、`*川
「なんなら直接会いに行っちゃうんだぜ?wwww
つか内藤君、口下手だって言ってたけど、全然そんなこと無いから!
内藤君となら、いつまでも喋っていられそうなんですけどwwwww」
(*^ω^)
「買いかぶり杉だおwwwwww」
('、`*川
「ふふふ。…あ、そろそろ電車が来るみたいだよ」
( ^ω^)
「うん。じゃあ行くお」
('、`*川
「じゃあね。電話してね」
( ^ω^)
「把握したお」



  
29: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:29:47.67 ID:F897mSxrO
  
翌日。そのまた翌日。
いつも通りにレポート作成に取り組みながらも、ブーンは常に伊藤からの電話のことを頭の中に置いていた。
無論、仲良くなったからといってすぐに電話が掛かってくるはずがないことぐらい、彼にも分かっている。
だが、それでも…ブーンは期待せずにはいられなかった。
何しろ、ようやく見つけた対等な友人である。
自分の過去の経験や悩みを理解してくれる、極めて希少な存在である。



  
30: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:32:52.13 ID:F897mSxrO
  
「また話したい」
そう彼が考えたのも、決して不自然なことではない。

伊藤は、バイトはしていないと言っていた。
親からの定期的な仕送りを頼りに生きていると。
つまり、基本的にはブーンと似たような生活を送っているわけである。
そのため、いつ電話しても差し支えは無いようだった。



  
31: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:38:57.24 ID:F897mSxrO
  
だというのに、ブーンは自分から電話を掛けようとはしなかった。
「もしかしたら寝ているかもしれない」
「忙しい時間かもしれない」
「せっかくの出会いを、空気の読めない会話で壊したくはない」
後ろ向きな仮定ばかりが頭の中をよぎり、一度手に取った受話器をすぐに下ろす…数日間、彼は同じ行動を繰り返した。

伊藤からの電話は、無かった。
――社交辞令だったのかもしれない。
何度もそう考えたが、自分から電話する勇気が無いブーンは、彼女からの電話を待つことしか出来ずにいた。
そんな折、彼はドクオから一本の電話を受けた。



  
32: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:47:02.79 ID:F897mSxrO
  
(#^ω^)
「なんだドクオかお。今忙しいから後に汁。一年後くらい」
('A`)
「…そうか」
( ^ω^)
「真に受けるなwwww
そういえば彼女の件はどうなったお? もう二人きりで会ったりしてるのかお」
('A`)
「……」
(;^ω^)
「ちょwwww怒ってるのかお? さっきのは冗談だお」
('A`)
「…なあブーン」
( ^ω^)
「なんだお。勿体ぶるなお」
('A`)
「友達って、なんだろうな」
(#^ω^)
「ハァ? ハァ? お前と問答してる暇は無いんだお。
いいから早く報告汁」
(;A;)
「ごめん……ウツダシノウ」



  
33: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 02:54:35.80 ID:F897mSxrO
  
( ゚ω゚ )
「あ、ありのまま今起こったことを話すお!
『僕は奴からの電話を受けたと思ったら
いつの間にか切られていた』
な…何を言っているのかわからんちんだと思うが
僕も何をされたのかわからなかったお…
頭がどうにかなりそうだったお…
イタ電だとか嘘泣きだとか
そんなチャチなもんじゃ 断じてナス
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったおwwwwwwww」

ブーンは何度かドクオの家に電話を掛け直した。
だが電話線を抜いているのか、ドクオ宅に電話が繋がることは無かった。



  
34: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 03:01:03.31 ID:F897mSxrO
  
…ドクオは、泣いていた。
これは意外に思われるかもしれないが、彼は今までどんなにいじめられても、からかわれても、只の一度も人前で涙を見せたことは無い。
…ドクオは「死ぬ」と言った。
幼い頃からの付き合いであるブーンは知っている。
ドクオが父を亡くしたブーンの前で、冗談でも「死」を連想させる言葉を使用しないように気を遣っていたことを。

( ^ω^)
「…なんとなく理由は察したお。
とりあえずドクオの家に…いや、その前にアイツに電話するかお」



  
36: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 03:19:47.49 ID:F897mSxrO
  
( ゚∀゚)
「お、ブーンか。今ちょうどお前に電話しようと」
( ^ω^)
「ドクオに何をしたお?」
( ゚∀゚)
「耳が早いなwwwwwそうそう、そのことなんだwwww
まあ聞け」
( ^ω^)
「産業でよろ」
( ゚∀゚)
「ドクオに紹介した女は彼氏持ち
ドッキリ大成功
バロスwwwwwwww」
( ^ω^)
「把握したお」
(;゚∀゚)
「あれ、ウケない?」
( ^ω^)
「何かおもすれーこと言ったかお?」



  
38: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 03:26:10.63 ID:F897mSxrO
  
(;゚∀゚)
「ちょwwwwwww
嘘だって分かった時のアイツの反応とかマジウケるんだけど、聞きたくない?」
( ^ω^)
「全然」
( ゚∀゚)
「お前も現場にいたら、絶対笑ってたってwwww」
( ^ω^)
「ふーん、かもしれんね。…でもお前はドクオの友達じゃなかったのかお?」
( ゚∀゚)
「だとしてもあんなキモ顔に、本気でおっぱいを紹介する気なんてねーよw
それに、アイツ空気読めないじゃん?」
( ^ω^)
「……」



  
39: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 03:31:24.21 ID:F897mSxrO
  
( ゚∀゚)
「その上、自分がそこそこイケてるとか勘違いしてるしwwwww
あれは痛いwwwwwww」
( ^ω^)
「…痛さじゃお前もddだお」
(#゚∀゚)
「は? よく聞こえなかったんだけど」
(#^ω^)
「そうかお。
じゃ、三流校にしか受からないお前のお粗末な頭でも理解できるように、簡潔に説明してやるかお。
人を傷つける嘘を平気で言えるような奴は、人間のクズだお。
死ね。氏ねじゃなく死ね」



  
42: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 03:36:54.64 ID:F897mSxrO
  
( ゚∀゚)
「何を急に良い子ぶっちゃってんの?
お前だって普段ドクオのこと馬鹿にしてんだろーがwwwwww」
( ^ω^)
「…僕みたいな良い子ちゃんには、相手に一旦希望を与えて後で叩き落とす、なんてふざけた真似は絶対に出来ないお」
(#゚∀゚)
「面白いこと言うね、優等生がよ。
一回マジでフルボッコにしねーと分かんねーか?」
(*^ω^)
「フルボッコバロスwwwwwwww
DQNさんの語彙の豊富さには、頭が下がる思いですお。ははー」



  
44: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 03:45:43.71 ID:F897mSxrO
  
(#゚∀゚)
「てめー!」
( ^ω^)
「大学、推薦枠を狙ってるんだったかお?
せいぜい進学に響かない程度にフルボッコしに来て下さいおwwwwww」
(#゚∀゚)
「大口を叩いてる割に卑怯だな。恐いんか? あ?」
( ^ω^)
「卑怯はお互い様だおwwwwww
自分より弱い相手にしか粋がれない、坊っちゃんヤンキーさん?
声が震えてる件についてくやしくwwww」
(;゚∀゚)
「…お前とは絶交だ。ノリのいい奴だと思って付き合ってやってたのによ」
(*^ω^)
「その歳で『絶交』とかwwwwwハズカシス」
( ゚∀゚)
「なんとでも言え、口だけ野郎」



  
45: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 03:51:18.83 ID:F897mSxrO
  
( ^ω^)
「バカのくせに人を騙そうなんて、10年早いお」

電話が切れたことを確認すると、ブーンは急いで着替え始めた。
(;^ω^)
「ドクオに死なれたら寝覚めが悪いお。…世話の焼ける小僧だお」

まさに家を出ようとした瞬間、再び電話が鳴る。
ブーンは無視してそのまま出発しようとしたが、またドクオからかもしれないと思い直し、慌てて受話器を取った。



  
49: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 03:57:58.76 ID:F897mSxrO
  
( ^ω^)
「あっ、ギコかお。カクカクヌルヌルマンマン」
(,,゚Д゚)
「うむ、俺にもドクオから電話があってな。今、奴の部屋だ」
(;^ω^)
「先を越されたかお。で、ドクオは?」
(,,゚Д゚)
「さっきまで相当取り乱してたけどな。
一発お見舞いしたらおとなしくなったぞ」
( ^ω^)
「ヒドスwwwwww殺したんじゃねーのかwwwwww」
(;゚Д゚)
「軽くだ軽く。そうでもしないとマジで収拾つかなかったんだぞゴルァ」
( ^ω^)
「まあ非常時だし通報はしないでおくお。
代わってくれるかお?」
(,,゚Д゚)
「把握した」



  
51: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 04:07:13.27 ID:F897mSxrO
  
('A`)
「もしもし…」
(#^ω^)
「何やってんだバーロー!!11!!」
(;'A`)
「ごめん…」
( ^ω^)
「…童貞のまま死ぬと、天国でも馬鹿にされるらしいお。
だから死ぬなお」
(;'A`)
「マジ?」
( ^ω^)
「嘘だお。
でも女のことぐらいで死ぬ奴は、死んだ後にみんなに馬鹿にされるお」
('A`)
「…ごめん」
( ^ω^)
「その程度で自殺ってwwwwww引くわwwww」
(;'A`)
「ごめんな…」
( ^ω^)
「まあオナヌして寝れ。夏休みになったら、またエロビでも貸しに行くお。
それまで生きてろヴォケ」
(;A;)
「ブーン…俺…」
( ^ω^)
「また自殺したくなったら、すぐ言うんだお?
形見として、通帳とハンコだけは預かってやるお」
(;'A`)
「ひでぇwwwwww」



  
52: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 04:12:04.48 ID:F897mSxrO
  
その後、数分ほど言葉を交わしたところで、ドクオとの電話は終わった。
その日がたまたま土曜だったこともあり、ギコはそのまま彼の家に泊まるようだった。
ブーンも行こうかと考えたが、すぐに思い直した。
( ^ω^)
「なんだか電話の多い日だったお。
このノリで、伊藤さんにも電話してみるかお」

…念のため夜が来るのを待って、震える手で受話器を取る。



  
54: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 04:18:14.72 ID:F897mSxrO
  
(;^ω^)
「もももし、もしもしもし」
('、`*川
「内藤君? もちつけwwwwwww」
(;^ω^)
「あ、あ、あうあう、ああうあうあう」
('、`*川
「ちょwwww何処のDJだwwwwwwwww」
(;^ω^)
「おいすー」
('、`*川
「おっす。…なんか改めて電話すると照れるねw」
( ^ω^)
「ネー。そう思ってなかなか電話出来なかったんだお、ゴメス」
('、`*川
「いいよいいよ。なんの話しようか?」
(;^ω^)
「…明るい話がいいお」



  
55: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 04:27:11.27 ID:F897mSxrO
  
('、`*川
「――メールを開けたら、『('(゚∀゚∩』の顔文字ばっかりwwww」
(*^ω^)
「なおるよ君らしいおwwwww」
('、`*川
「ね。あの子ホントに可愛いよね」
( ^ω^)
「あの可愛さは異常wwwwww僕もメールしてミタス」
('、`*川
「なら携帯買おうよ! うちが選んであげるよ」
( ´ω`)
「でもカーチャンが毎月のお金を払ってくれないお。
僕、無職だから」
('、`;川
「そっか。…働いてないうちが言うのもアレだけど、バイトする気は無いの?」
(;^ω^)
「僕、人付き合いで悩むのが嫌だから、働くのが怖いんだお」



  
56: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 04:33:47.17 ID:F897mSxrO
  
('、`*川
「うーん。でもバイトの経験はあるんでしょ?」
( ^ω^)
「うん」
('、`*川
「ならたぶん大丈夫だよ。
苦手とかそういうのは、殆ど思い込みな気がするなぁ。
いざ働き始めたら案外うまくやってけるかもよ?」
( ^ω^)
「そうかお、じゃあ探してみるお。何の仕事がいいのかお?」
('、`*川
「んー、ファミレスとか。
内藤君は料理のセンスがあるから、きっとすぐに仕事に慣れるよ」
( ^ω^)
「把握したお」



  
59: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 04:48:41.06 ID:F897mSxrO
  
J('‐`)し
「ブーン」
( ^ω^)
「なんだお」
J('‐`)し
「電話、使いたいんだけど」
(;^ω^)
「あと三時間待って下さい」
J('‐`)し
「…聞かなかったことにしてやるから、あと10分で終わらせてね」
(;^ω^)
「はいだお」
J('‐`)し
「残り9分40秒……30秒……」
(;^ω^)
「うぜぇwwwwwwwせめて向こうに行っててくれお」
J('兪)し
「何を照れてんだこいつは。きんもーっ☆」



  
62: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 04:56:52.48 ID:F897mSxrO
  
( ^ω^)
「スマンコwwwwwなんか変なおばさんが、あと10分で切れって」
('、`*川
「今の声、お母さん?
あの話、誇張じゃなかったんだwwwwww」
(;^ω^)
「事実は小説より奇なり、だお」
('、`*川
「それより内藤君。下の名前、ブーンっていうんだ?」
( ^ω^)
「ブーンはあだ名だお。本名は内藤ホライゾンっていうんだお」
('、`*川
「へぇ…。なんでブーンなの?」
( ^ω^)
「ワカンネwwww小さい頃からブーンだったお。
よかったら伊藤さんもそう呼んでくれお。
ホライゾンって名前はなんだか慣れないお」
('、`*川
「自分の名前なのにwwwww
ブーンか…。他の人と同じように呼ぶのって、なんだかつまんないな」
( ^ω^)
「そう言われても困る」



  
63: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 05:03:27.94 ID:F897mSxrO
  
('、`*川
「ホライゾン…んー、ホラ…ライゾ…。
うん!
じゃあこれからは、内藤君のこと『ライ』って呼んでいい?」
(;^ω^)
「何その厨臭い呼び名。別にいいお」
('、`*川
「厨って言うなwwwww
うち、下の名前はペニサスっていうんだ」
(*^ω^)
「変な名前wwwwwwwwwww」
('、`*川
「ホライゾンに言われたくねーよwwww
せっかくだからライも、これからはうちのことペニサスって呼んでね」
( ^ω^)
「把握したお。じゃ、カーチャンがキレる前に一旦切るお」
('、`*川
「キレさせてみたい気もするけどねwwwwwじゃあまたね」



  
64: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 05:07:07.09 ID:F897mSxrO
  
ペニサスとの電話を終えたことで、ブーンが家に留まる理由は無くなった。
彼は母親に見られないように冷蔵庫から数点のお菓子を抜き取ると、手早く身仕度を整え、ドクオの家へと自転車を飛ばした。



  
65: ◆TigerQqrbI:2006/09/04(月) 05:10:30.17 ID:F897mSxrO
  
次回予告


「ねぇ…うちのこと、好き?」


「ずっと、一緒だお」




J('兪)し
「18禁描写? ねーよwwwwwwwww」



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