( ^ω^)達が立ち上がるようです

  
100: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:36:01.28 ID:yRFMFQYw0
  
第2話−衝突−

川;゚ -゚)「間に…合った…」

見たことのない女性がそこに立っていた。

( ・∀・)「VIPの野郎か…?」
モララーが問う。
鎌を受け止めていたのは刀だ。そこそこに大きいが、そこまでではないので小太刀といったところだろうか。
川 ゚ -゚)「お前に話すことはない。だが人殺しをしようとするのが許せないんだ」
( ・∀・)「人聞きの悪いことを言わないでくれ…素直クール君」
モララーは彼女の名前を知っているようだ。
川 ゚ -゚)「なんだ、知っていたか…モララー」
二人ともお互いの名前を知っているようであった。
そして金属音の後、二人は離れた。
( ・∀・)「君も知っているようだね…」
川 ゚ -゚)「それ以上話しても答えないぞ」
二人の間には異様な緊張感と殺気が漂っていた。
ここで分かったことは彼女の名前は素直クール。少なくとも今は僕の味方…と取っていいだろう。
( ・∀・)「彼をどうするつもりだね?クー?」
川 ゚ -゚)「答えないと言ったはずだ」



  
102: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:37:18.59 ID:yRFMFQYw0
  
その言葉の後、風が吹く。
金属音が後から着いてくる。
二人はそれぞれの武器をぶつけ戦っている。
鎌の平面の攻撃軌道を、小太刀がいなす。それに加え突風が吹き荒れる。
昼休みに体感した強い風だ。ブーンはずっとしゃがみ込んで二人の闘いを見ている。
( ・∀・)「君も風のエレメントか」
川 ゚ -゚)「なかなかの腕と見たぞ、モララー」
なぜだろう、さっきまで殺されかけていたというのに安心している。
( ・∀・)「当然だよ。私は本部では幹部役員だからね」
川 ゚ -゚)「自分のことをサラサラと口に出すのはどうかと思うが?」
再び風と金属音。ほぼ互角と言える。
モララーの攻撃軌道は単純だが、特筆すべきはそのテンポだ。
鎌の円状の攻撃範囲にクーが入り込むとすぐさまに斬撃が飛び込む。スピードと範囲の広さを利用している。
一方クーの攻撃は不規則であり、面の攻撃に対して点の攻撃を放っていく。
刀の攻撃は一見、切ることに目がいってしまうが、実際は突きのほうが多様される。
それを踏まえてクーは鎌の攻撃に出来る隙間を狙って突きを放つ。
だがモララーの鎌のテンポの速さがそれを食い止めてしまう。
どちらも攻撃してはいなされ、攻撃してはいなされを繰り返している。
両者一歩も譲らぬ攻防が続く。



  
103: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:38:38.66 ID:yRFMFQYw0
  
( ・∀・)「上出来だ。だがこれくらいいなせて当然かもしれないな」
川 ゚ -゚)「退くつもりはない」
( ・∀・)「そうか。なら終わらせよう」
モララーが言った途端、今までよりもさらに強い突風が吹いた。
川;゚ -゚)「クソッ、逃げるのか!?」
モララーはいつの間にか空中に居た。
( ・∀・)「…今日は退こう。少し様子を見るよ。そこの内藤とか言うのは任せる」
川;゚ -゚)「待て!!」
さらに風が強くなった。
そしてついさっきまでそこに居たはずのモララーの姿はなくなっていた。



  
104: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:39:26.36 ID:yRFMFQYw0
  
(*゚∀゚)「バイバイ…」
ξ><)ξ「イヤアアアァァァ!!!!!!」
小刀がツンに襲い掛かろうとしたその時。

(* ー )「…久しぶりだね」
金属音とまた別の誰かの声がした。
目を開くと、つーと同じくらいの身丈の女の子が私とつーの間に立っていた。
(*゚ー゚)「…」
…その身丈に合わないくらいの長い槍を持った女の子が。
(*゚∀゚)「8年ぶりかな?しぃ…」
(*゚ー゚)「もうそんなに経つっけ?つー?」
その言葉の後に水しぶきが舞った。
(*゚∀゚)「変わらないね、アンタは」
(*゚ー゚)「変わらないっていいことよ」
そして再び金属音が響く。
ξ゚听)ξ(あの女の子はしぃって言うんだ。私を守ってくれたことから味方と考えていいのかな…)
正面に槍を突くしぃ。だがそれは小刀ではじかれる。



  
105: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:40:22.79 ID:yRFMFQYw0
  
(*゚∀゚)「それに相変わらずまっすぐな攻撃手段…バレバレよ」
(*゚ー゚)「そうかしらね。…そうとも限らないわ」
しぶきが暗くなり始めた空に舞う。
(*゚ー゚)「そろそろ本気出したら?一本じゃやる気出ないでしょ?」
しぃは挑発とも取れる言葉を吐いた。
(*゚∀゚)「…死んでも怨まないでね」
そう言うとつーは小刀をもう一本取り出した。
(*゚ー゚)「今日は死ねないわ」
急接近する二人。
槍は大きな円を描いて回転する。
二本の小刀は十字を描き突進する。

そして衝突。

(*゚∀゚)「……」
(*゚ー゚)「……」

沈黙。

(*゚ー゚)「意外とやるわね、つー」
(*゚∀゚)「アンタも!」



  
106: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:41:15.59 ID:yRFMFQYw0
  
そして再び衝突する。
不規則な角度を生みながらぶつかる十字の斬撃と、円を描きながらぶつかる斬撃と刺突。
そして舞う水しぶき。
(*゚ー゚)「そういえばアンタ何しにきたの?」
(*゚∀゚)「私が聞きたいよ!」
攻撃しながら会話をする余裕はどこから生まれるのだろうか。
(*゚ー゚)「私はアンタが来ると思ってたから!」
(*゚∀゚)「なら私もそれ!」
(*゚ー゚)「理由、あるんでしょ?」
(*゚∀゚)「私は!命令されただけ!」
不規則な金属音に混じって声を交わす二人。
(*゚ー゚)「悪い、けど!他のやつらはやられちゃった、かも!ね!」
息が少し荒くなった二人は話すのが辛くなってきているようだ。

ツンは今の言葉を聞いて思った。
ξ゚听)ξ(他って…ブーン達のこと!?)



  
107: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:42:22.30 ID:yRFMFQYw0
  
そして二人はまた衝突。鍔競り合いの形になる。

(;*゚∀゚)「ハア…しつこいね!」
(;*゚ー゚)「アンタも十分しつこい!!」
そして二人は離れた。
(*゚∀゚)「…やっぱやーめたっ。もう少し君達見てたほうが面白いかもね」
(*゚ー゚)「逃げるのかな?」
(*゚∀゚)「いや。お預けね。今度はきっちりケリつける!」
(*゚ー゚)「逃がすと思った?」
しぃは槍をつーに向けてどっしりと構えた。
(*゚∀゚)「無駄だよ。しぃ」

その言葉の意味がここで分かった。
…霧だ。視界が悪い。晴れたらつーの姿は見つからないだろう。
しぃは槍を地面に立てた。
(*゚ー゚)「逃がしちゃったか…」



  
108: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:43:06.57 ID:yRFMFQYw0
  
('A`)「もうダメぽ…」
(-_-)「動かないでね…」
ドクオは完全に諦めていた。…と言うよりむしろビビッて動けなかった。
ヒッキーが大きく鉄球を振りかぶった。
ドクオは失神しそうになったが、次には目を見開いて状況の把握に力を注ぐことになる。
( ´∀`)「させないモナ」
目の前に突如現れた男。
自分の身丈ほどある大きな金槌で鉄球を受け止めている。
(-_-)「邪魔しないでよ…モナー」
ヒッキーは鉄球を振り上げ離れようとした。
この男はモナーと言うのか。語尾に"モナ"なんて付けるし、分かりやすいか。
( ´∀`)「そこだ!」
離れるヒッキーに横殴りの形で金槌を振るモナー。
だがそれは受け止められてしまう。
地面に鉄球を突き立てて横からの衝撃を容易く吸収していた。
(-_-)「そう簡単に当たると思ったかい?」
冷静なようで、呑気にも聞こえるその声だが、先ほどの殺気はまったく消えていない。
モナーは受け止められた金槌を元に戻し、背中に担いで構える。
(;´∀`)「やはり本部は各が違うモナ」
('A`)(…本部?)
(-_-)「負け犬のVIPと一緒にされては困る」
ヒッキーは鉄球を下段に構えた。



  
109: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:44:35.20 ID:yRFMFQYw0
  
(-_-)「行くよ」
まただ。さっき見せたあのスピード。重そうな鉄球を軽々と持ってこちらに突進してくる。
( ´∀`)「上等だモナ。来い、ヒッキー」
('A`)(ヒッキーて言うのかあいつ…)
 

 衝突。

鈍く重い音に耳が痛くなりそうだが、ドクオは目を瞑らなかった。

(-_-)「…意外と重いのぶつけてくるね」
( ´∀`)「驚いたモナ?」
静止するも、二人の武器が少し震えているので相当な力が加わっている。

(-_-)「別に…」
( ´∀`)「そうかモナ」
二人は再び間合いを取る。
これはスピードとパワーの両立が重要な戦いである。
金槌の平面の圧力は鉄球の面の圧力に比べ軽いが、重量は圧倒的に金槌が上である。
そう見ればほぼ互角と言っても過言ではない。
力は互角。

残る課題はスピードだ。



  
110: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:45:49.17 ID:yRFMFQYw0
  
(-_-)「さて、続きしようか」
( ´∀`)「来いモナ」

再び衝突。

今度はヒッキーが一枚上手だった。
(;´∀`)「くそっ」
ヒッキーの一撃は金槌が加速を付けるよりも早く届いた。
弾かれる金槌。その瞬間を待っていたかの如くヒッキーは次の攻撃に移る。
だがモナーもまた上手だった。
弾かれた金槌の重心を中心にして宙返り。
ヒッキーの一撃は空振りした。
またこの隙を今度はモナーが利用する。着地と同時し金槌で突くように突進。

ヒッキーは空振りした鉄球を戻し、前方に迫り来る金槌に向かって立てた。

鈍い音が響き、地鳴りまでする。

( ´∀`)「なかなかやるモナ…」
(-_-)「君もね。…もうやめにしようか…」
ヒッキーはそういい残すと鉄球を地面に突きたて地割れが起きた。

バランスを崩すと同時に視界からヒッキーは消えてしまった。

( ´∀`)「行ってしまったモナ…」



  
111: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:46:52.27 ID:yRFMFQYw0
  
(;´・ω・`)(まずい、避けられない!!!!!!!)
迫り来る熱気と衝撃。
それもまた止められてしまう。
 _
( ゚∀゚)「あぶねーとこだったな」
男だ。
(´・ω・`)(うほっいい男…)
受け止めた武器は…銃剣と言ったところだろうか。
ロケットランチャーのような見た目の銃身に、半月形の刃がくっついている。
( ´ー`)「お前ジョルジュ長岡だな?その武器はよく覚えている」
ネーヨは突然の刺客に驚く素振りも見せず、尋ねた。
 _
( ゚∀゚)「よく覚えていたな。ネーヨ」
そう答えるとジョルジュは大振りに銃剣の刃を振るった。
もちろん、ネーヨは避けていたが。距離はこれで十分取れた。

( ´ー`)「邪魔はしないでホシーヨ」
そう言うとネーヨはグローブに熱気を込めた。
 _
( ゚∀゚)「そういう訳にもいかn…」

不意打ち。というより同士討ちに近い。

ジョルジュの目の前にはネーヨの拳が。
ネーヨの前には銃口が向けられていた。



  
112: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:48:58.64 ID:yRFMFQYw0
  
 _
( ゚∀゚)「…動いてみろ。お前の頭吹っ飛ばすぞ?」
ジョルジュはこの静止された状況でも微動だにせず喋る。

( ´ー`)「それはお前もダーヨ。動けば熱を開放する」
目の前に握られた拳からは熱い熱気が伝わってくる。こんな高熱を顔面に受けたらひとたまりもない。


…次に動いたのは同時。
ジョルジュの銃弾が射出されたと同時にネーヨの拳が放たれ、灼熱の空気が飛び出した。

同時に動いたこともあり、両者は無傷であった。

( ´ー`)「よく見抜いターヨ」
 _
( ゚∀゚)「お前も…だな。さてどうすr…」



  
113: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:49:53.65 ID:yRFMFQYw0
  
今度は違った。


ネーヨの拳のベクトルを瞬時に判断し、ネーヨの胸元に入り込めた。

 _
( ゚∀゚)「降参しな。動けばこの刃が首を掻っ切るぞ」

ネーヨは驚いてもいなかった。
…むしろ笑っていた。

突然爆発と閃光。ネーヨは胸元に閃光弾を隠し持っていた。

光に眩まされ視界がぼやけるが、復活したころにはネーヨの姿はなかった。

 _
( ゚∀゚)「行ったか」



  
114: ◆hBCBOVKVEc :2007/03/06(火) 18:50:23.08 ID:yRFMFQYw0
  
川 ゚ -゚)゚∀゚)゚ー゚)´∀`)『さて…』




川 ゚ -゚)゚∀゚)゚ー゚)´∀`)『君、大丈夫かい!!??』





(;^ω^);゚听)ξ;'A`);・ω・`)『あなたは一体、何者ですか(お)??』


第2話−衝突−完



戻る次へ