(^ω^)が三国志の世界へ迷い込んだようです

  
348:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/22(土) 12:15:14.67 ID:g+/6nF1r0
  
張飛「いやー、お前なら受け止められると思ってよ!
なんてったってお前は名キャッチャーだからな」
趙雲「受け止められませんよ、あんな大男!
それに私はキャッチャーじゃありません!」

関羽「まあそういうな。助かったんだから、良かっただろう?」
趙雲「先生!!」
関羽「久しぶりだな、山田」
趙雲「いやだから山田じゃないですって。
確かに昔はドカベンみたいな顔してましたけど、今はほら、精悍な顔立ちでしょ?」
関羽「精悍っつーか平坦だけどな」
趙雲「ねえ、そうやって俺をいじめて楽しいの?」


劉備「ま、助けてやったんだから文句は言わない。
あんたは下がってな。負傷したんだろ?」
趙雲「いえ、腹を強く突かれただけです。まだ戦え・・・・・」

趙雲はその場でうずくまってしまった。

劉備「どうしたんだい!?」

趙雲「あの、やっぱ無理です・・・・・。大事な所を打ってたみたいで・・・・・」



  
352:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/22(土) 12:34:13.11 ID:g+/6nF1r0
  

劉備「言わんこっちゃない!下がってな。ここは、あたしらが引き受けたよ」
周倉「だがお前も良い働きをした。それを誇れ」
(^ω^)「ナイスファイトだったお。ここは危険だから、下がったほうがいいお」

趙雲「すいません、感謝します・・・・・」

趙雲は芋虫みたいに地面を這いつくばりながらすごい速度で進んでいった。

関羽「(いつかあいつも蝶になるのだろうか・・・)」

劉備「さて、これで形成は逆転だね。
悪いけど、あたしらの後ろには弓兵部隊が控えてる。
あんたがあたしらの攻撃を防いでる間に、あたしらは容赦なく矢を撃たせてもらうよ。
それで負傷しない自信があるのなら、あたしらと戦いな。
その自信が無けりゃ、いますぐここから退くんだね!」

呂布「(・・・・・ここで退けば、奴らを洛陽に通すことになってしまう。
そうなれば貂蝉は捕らえられ、殺されるかも知れない。
いや、拙者が退き、貂蝉を連れて逃げれば貂蝉は助かるかも知れない。
この軍勢だ、流石に拙者だけでは戦えん。
左翼の張遼も曹操軍により敗退したという・・・・・。
退くのが上策か)」

呂布「・・・・・いいだろう。ここは退く。
董卓は拙者が斬る予定だったが、その役目は貴様らに任せることにする。
・・・・・貴様らとは、この先2度と会いたくないな」

そう言って呂布は赤兎に乗り、洛陽内部へと駆けていった。



  
399:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 20:22:12.92 ID:jrGUyZ2h0
  
曹操「劉備!孫堅!!」

遅れて曹操がやってきた。

孫堅「おう、そっちはどうだったんだ?」
曹操「被害は大きいが、なんとか突破できた。
・・・・・呂布はどうした?」

劉備「退いたよ。何が理由か知らないが、奴は董卓を斬ろうとしてたんだって」
曹操「奴が?」
孫堅「こりゃ放っておいても奴が董卓を斬ってくれたかもな」

曹操「だが・・・・・呂布と董卓、これほど危険な組み合わせはないぞ」

場所は変わって洛陽内部・・・・・。

貂蝉「奉先様・・・・・!?」

呂布「貂蝉!今すぐ拙者と来い!!洛陽から脱出するぞ!!」
貂蝉「敵軍が攻めて来ているのですか?」
呂布「ああ。張遼と高順も負傷した。
・・・・・奴ら戦力を中央に集中させ、洛陽内部に流れ込んでくる」
貂蝉「ですが董卓様は・・・・・」
呂布「あんな豚など放っておけ!どうせ奴らに董卓は斬られ・・・・・」

董卓「誰が豚だと?」



  
400:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 20:40:52.27 ID:jrGUyZ2h0
  
呂布「董卓・・・・・」

董卓「呂布、貴様逃げるつもりか?」

呂布「ああ。この戦い、お前の負けだ」

董卓「まだそうと決まったわけではない!
まだ作戦はある。
・・・・・・この洛陽を火にかけて奴らの足を止め、
わしらは帝を連れて脱出する!」

呂布「・・・・・結局逃げるのではないか。
それでも奴ら、お前を血眼になって探すだろう」

董卓「お前がいればわしには指一本触れんだろう。
だが、お前が裏切るなら話は別だ!!」

呂布「ならばどうする。拙者を斬るつもりか?
出来るものならやってみろ!!」

董卓「いや、お前の命を奪うのではない。
・・・・・お前の大切な物を奪ってやる!!」



  
402:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 20:57:00.92 ID:jrGUyZ2h0
  
董卓「李儒よ、貂蝉を狙えい!!」

呂布と貂蝉の後ろから、李儒が貂蝉に向けて矢を放った。

呂布「ちょうせっ・・・・・・・!!!!!」

一瞬呂布が早く動き、貂蝉を庇った。

貂蝉「奉先様っ!!!!」

呂布はその右肩で矢を受けた。

呂布「くっ・・・・・」

董卓「ええい、もう1度だ!!」

呂布「させるか・・・・・!!」

呂布は左手に持っていた方天戟を李儒に向かって投げた。

李儒「っ!!!!!」

方天戟は李儒の胸に突き刺さり、李儒は死んだ。

董卓「なっ・・・・・李儒!!
貴様よくも!!」



  
404:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 21:12:23.10 ID:jrGUyZ2h0
  
董卓「ええい、こうなったらわしが殺してやる!」

董卓は腰に携えていた手戟を貂蝉に投げようとした。

だがその時、何者かが董卓の背後から現れ、剣を董卓の背中に突き立てた。

董卓「なっ・・・・・・・!!!!????」

呂布「高順!!」

高順「・・・・・大丈夫か、呂布殿」

高順は剣を董卓の背中から引き抜き、自分の鞘にしまった。

董卓「高順・・・・・貴様も裏切るのか!!」

高順「お前に仕えるのはもうたくさんだ。
俺が使えるべきは天下の猛将、呂布殿なのだ」

呂布「高順・・・・・」

董卓「・・・・・・・どいつもこいつも、わしを馬鹿にしおって!!
地獄の業火に焼かれよ・・・・・!!」

呂布「お前を高順が斬ったということは、洛陽に火をかける作戦は失敗したと言うことだ」

董卓「バカが・・・・・・ここに来る前に、火をかけるよう手配した・・・・・。
そろそろ火が上がる頃だ・・・・・」

高順「なんだと!!??」



  
405:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 21:27:32.62 ID:jrGUyZ2h0
  
その時、洛陽のあちこちで火が上がった。
火は当たり一面を焼き焦がし、呂布たちのいる場所は炎で囲まれてしまった。

呂布「くそっ、火の回りが早い・・・・・!!
貂蝉、赤兎に乗れ!!」

貂蝉は言われたとおりに赤兎に乗った。

呂布「高順、お前は・・・・・」

その時、炎が一瞬大きく燃え上がり、その炎をかき分け、男が飛び出してきた。

??「呂布殿ー!!大丈夫かっ!!」

呂布「張遼!!なぜここに・・・・・!?」



  
406:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 21:28:33.80 ID:jrGUyZ2h0
  
張遼「何故ってあんたを助けるためさ!
高順、俺の馬に乗れ!!
残念ながら赤兎は満席だ!
俺の馬ならまだ1人乗れる!!」

高順「・・・・・感謝する!!」

高順は張遼の馬に乗った。

張遼「よし、これでみんな大丈夫だな!!
・・・・・・呂布殿、何をぼーっとしてるんだよ!
あんな奴ほっとけ!!」

呂布は董卓を見ていた。
董卓はまだ息をしているが、背中からはおびただしい量の血が流れている。

呂布「・・・・・・・・哀れな奴だ」

高順「呂布殿!!急がねばこの洛陽共々、炎に食われてしまうぞ!!」

呂布「・・・・・・ああ。行くぞ!!」

呂布と貂蝉を乗せた赤兎と、張遼と高順を乗せた馬は走り出した。



  
409:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 21:43:57.43 ID:jrGUyZ2h0
  
曹操「くそ、董卓め、なんということを・・・・・!!」

曹操たちは洛陽に火がかかった事に驚いていた。

孫堅「動ける奴は水汲んできて消火活動にあたれ!!」

孫堅は負傷していない兵を消火活動に当たらせている。

劉備「なんてこったい、これじゃ董卓を逃がしちまうじゃないか!!」
関羽「奴の事だ、恐らく帝を連れて既に逃げている・・・・・」
周倉「それが奴のやり方か、許せんな」
張飛「呂布は董卓と一緒に逃げたのか?」
徐庶「それはありません。たぶん、別々に逃げてると思います」
(^ω^)「どっちにしろどっちも逃がしたらまずいお」

曹操「董卓が何処に逃げたか分からなければ、追いようがないな」
孫堅「悔しいが、ここは黙ってみてるしかないな。
兵も疲れてる」
劉備「炎が消し終わったら、とりあえず洛陽の中を調査しようよ。
董卓がどこに逃げたか分かるかも知れない」
曹操「仕方がないか。困ったものだ・・・・・」

曹操は、炎に覆われている洛陽を見つめた。
しかし、既に董卓が死んでいるとは、誰も予想していなかった・・・・・。



  
422:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/22(土) 22:49:05.86 ID:jrGUyZ2h0
  

呂布「くっ、落下物に気をつけろ!!」

炎で天井は焼け、崩れかかっている。
既にところどころ天井は落ちており、落ちるたびに炎が強く舞い上がる。

高順「帝はどうなったんだ?張遼」

張遼「ああ、既に脱出の手配がしてあったみたいだ。
どこに逃げるのかは知らないが、もうここにはいない」

高順「そうか・・・・・」

呂布「出口が見えたぞ!!」

呂布たちは出口へ向かって駆けていく。
だが、出口の真上の天井が崩れかかっていた。

高順「まずいぞ!天井が崩れかかっている!
崩れる前に脱出するんだ!」

張遼「分かってらぁ!!」

呂布たちはさらに馬を加速させる。
だが、天井は音を立てて崩れ去ろうとしている。

高順「間に合うのか!」

張遼「お前は黙ってろ!!」



  
423:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/22(土) 23:02:55.54 ID:jrGUyZ2h0
  
貂蝉「奉先さま・・・・・」

呂布「貂蝉、安心しろ。俺はお前を・・・・・」

その時、天井がみしみしと悲鳴を上げた。

呂布「くっ、落ちるぞ!!
全速力で駆け抜けよ、赤兎よ!!」

張遼「いい子だから、いい子だから間に合わせろよ、おい!!」

呂布たちはもうすぐで出口にたどり着く。

だがその時、天井が呂布たちの頭上に崩れ落ちてきた。

呂布「退くな!駆け抜けよ、赤兎っ!!」
張遼「もういやだぁーっ!!!」
貂蝉「きゃあああああ!!!」
高順「ここまでかっ・・・・・!!」



  
424:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/22(土) 23:03:34.85 ID:jrGUyZ2h0
  
崩れ落ちた天井は呂布たちが出口にたどり着いた後に地面に落ち、
呂布たちはなんとか洛陽から脱出することができた。

張遼「死んでんのか、生きてんのかどっちだ、高順!!」
高順「安心しろ、生きている・・・・・」
貂蝉「よ、良かった・・・・・」

呂布「ハァ、ハァ・・・・・よくやった、赤兎よ。
お前の足には感謝している。本当にありがとう」

呂布は赤兎の頭をなでてやった。

赤兎「ブルルッ」

赤兎も嬉しそうだ。



  
428:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/22(土) 23:24:55.64 ID:jrGUyZ2h0
  
洛陽の消火作業も終わり、曹操たちは洛陽へ入った。

曹操「跡形もなく燃えているな。これでは手がかりも何も・・・・・」
孫堅「まったくひでえことしやがる。董卓ってのは、最低の奴みたいだな」
劉備「とにかく、何か探すんだ。何もやらないよりはましだろ?」

関羽「どれもこれも、触れてしまえばボロボロに崩れてしまうほどに焼けてるな」
張飛「こんなことしてる間にも、奴らどっかへ逃げてるんだな・・・」
周倉「追いかけるには遠すぎる。何か手がかりが見つかればいいのだが」

(^ω^)「大変だお!!ひどいにおいがするお!!」
徐庶「・・・・・このにおいは・・・・・・
くさっ!!!」

関羽「大丈夫か武運!いったい何が・・・・・くさっ!!!」
張飛「何か手がかりがあったのか?・・・・・くさっ!!!」
周倉「いったいどうしたのだ、武運・・・・・くさっ!!!」

劉備「武運、大丈夫かい!?・・・・・・・・くさっ!!!」

(^ω^)「においはここからしてるお・・・・・・
!!!!!」



  
432:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/22(土) 23:41:31.58 ID:jrGUyZ2h0
  
劉備「なんてことだい・・・・・・・こいつは、董卓じゃないか」

関羽「姉者、なぜ董卓だと?」

劉備「見たら分かるだろ。・・・・・豚みたいに太ってるじゃないか」

張飛「確かにな。けどなんで死んでんだ?」
徐庶「呂布が斬ったのでしょうか?」
周倉「呂布は董卓を斬らないと言った。それが信用できるかどうかは・・・・・」

劉備「分からないね。けどこれで、あたしらの戦いはやっと終わるよ。
とりあえず、みんなに報告だ」

劉備たちは曹操たちに、董卓が焼け死んでいた事を伝えた。

曹操「そうか。・・・・・理由はどうであれ、俺たちの目標は達成できた。
これからが、肝心だな」
孫堅「俺の軍は、ここに残って後片付けだ」
劉備「あたしたちはどうしようか・・・・・行く当てもないし」
公孫サン「行く当てがないのなら私のところに来るがいい。
助けてもらった、恩返しをしなくてはな」
劉備「本当かい?助かるよ・・・・・
よろしくお願いします、公孫サン殿」

曹操「俺は帝を探す。帝なしでは政治が行われんからな」



  
434:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/22(土) 23:59:24.51 ID:jrGUyZ2h0
  

曹操たちは帝を探すために洛陽を離れ、劉備たちは公孫サンと共に洛陽を離れた。
残ったのは、孫堅軍だけである。

孫堅「しっかしよー、何にもねーよな、黄蓋」
黄蓋「そうですなあ。めぼしいものは全て焼けてしまっております。
これ以上の駐屯は、無駄なものでは?」
孫堅「でもまだ片付けが済んでねーんだよな。
それが終われば、俺たちも帰れんだけどよ」
黄蓋「片付けておかねば、帝も帰ってこれませんからなあ」
孫堅「ま、曹操が帝を見つけるまでどうせここは使われねえ。
どうせ国に帰ってもやること無いんだし、お掃除お掃除・・・・・」

その時、兵士が走ってきて孫堅に報告をした。

兵士「大変です!あそこの井戸から、とんでもないものが・・・・・!!」



  
436:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/23(日) 00:15:02.58 ID:VBtTTsJY0
  

兵士「こちらです。・・・・・・・これを」

黄蓋「何ですかな?これは・・・・・」
孫堅「さあな。開けてみないと分からない」

孫堅たちは井戸へ言った。そこで兵士に朱色の袋を手渡された。

兵士「その井戸に落ちていました」
兵士は井戸を指差した。

黄蓋「何かの拍子に落ちたのでしょうかな?」
孫堅「そうだろうな。・・・・・さて、ご対面と行こうか」

孫堅はゆっくりと袋を開ける。やがて、『それ』は孫堅たちを驚かせた。

黄蓋「・・・・・これは」

黄蓋は言葉を失った。

孫堅「・・・・・すげえぜ!黄蓋、俺すげえもん拾っちまった!!!!」



  
437:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/23(日) 00:21:41.11 ID:VBtTTsJY0
  
孫堅は喜びを隠せない。

黄蓋「・・・・・しかしなぜこんなものが」

孫堅「さあな。・・・・・・けどよ黄蓋。
これで、俺たちは天下を取れるかも知れねえ。
なんて美しいんだ・・・・・!!
この『伝国璽』はっ!!!!」


時代は流れ、歴戦の群雄達はそれぞれの道を歩くこととなった。
劉備たちは公孫サンの所に居候となり、
曹操は帝を探しに行った。
孫堅は伝国璽を手に入れ、意気揚々と洛陽を離れ、国へ帰った。

ブーンもまた、劉備たちと一緒に公孫サンの下で居候として働くこととなった。
これから先、この世は『乱世』と称される事となる。
ブーンもこの乱世の中で、懸命に生きていくことになるだろう。

これからブーンはどうなってしまうのか?
果たして元の世界に帰ることはできるのか?

(^ω^)が三国志の世界へ迷い込んだようです
第1部『群雄割拠』 完





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