(^ω^)が三国志の世界へ迷い込んだようです

  
2:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:09:50.02 ID:DVqjyrF50
  
関羽「だろう?」

関羽はにんまりとした。

顔良「他はどんなことをするんです?」

関羽「おお、あとはこのバットを持ってだな・・・・・」


その後、顔良は関羽たちに色々と野球を教えてもらい、
時には自分からキャッチボールを頼むなどと、積極的だった。

その後顔良は借りていた本を休憩中に読んだ。
徐庶が貸したのは「誰にでもできる、軍師の策」という本だった。
これが意外に面白く、気づいたら全部読んでしまっていた。

その後徐庶に本を返したあと、周倉と剣の訓練をした。
最初は訓練程度にしか考えていなかったが、途中からお互い本気になりかけていた。
結局どちらが勝ったわけでもなかったが、顔良は周倉と剣の話で盛り上がった。

訓練を終えた顔良と周倉は、張飛と一緒に酒を飲むことにした。
張飛は秘蔵の酒「超老酒」を二人にご馳走した。
この酒は顔良が昔から飲みたかった物で、あっという間に飲み干してしまった。
張飛がときどき絡んできたが、顔良はそれをものともせず飲み続けた。

結局部屋に戻ったのは夜2時頃で、顔良は部屋に入ると布団に倒れこんだ。
干したての布団のようで、その気持ちよさで数分もせずに寝てしまった。

その顔は今まで顔良が浮かべたことのない、心からの笑顔だった。



  
3:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:10:42.78 ID:DVqjyrF50
  
その後も顔良はブーンや関羽たちと交流を深めた。
だが、文醜の事が脳裏によぎり、素直に楽しむことは出来なかった。

(^ω^)「そういえば、劉姉はどこいったお?」
関羽「公孫サン殿の所ではないのか?」
顔良「私は存じませんが・・・・・」

3人はお茶を飲んでいた。
関羽が良いお茶を手に入れたというので、せっかくだからと劉備を誘ってみたのだが、まだ来ない。

(^ω^)「じゃあ大事な話なのかお?」
関羽「そうだろうな。姉者の分も、とっておかねば」

関羽は残りのお茶の葉を避けておいた。

顔良「しかし、美味しいお茶ですね。ほのかな苦味がなんとも・・・・・」

そこで顔良は、また文醜の事を思い出してしまった。
どうしても、彼が心配なのだ。
その様子を見てブーンが心配そうな顔で話しかけた。

(^ω^)「どうしたお?関良、最近元気がないお」



  
4:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:11:21.11 ID:DVqjyrF50
  
顔良「いえ、私は・・・・・・」

関羽「何か心配事でもあるのか?話なら俺と武運で聞くぞ」

顔良「・・・・・」

(^ω^)「もしかして、追っ手の事を心配してるのかお?」

関羽「それが心配だったら、俺たちと共に来るか?」

予想外の答えだった。

顔良「私が・・・・・・あなたたちと?」

(^ω^)「そうだお。それなら劉姉たちも喜ぶお」
関羽「ああ。お前が来たら、皆喜ぶだろう。
それに剣の腕も中々だ。俺たちにとって欠かせない存在になるだろう」

顔良「(私が、彼らと・・・・・?)」

関羽「何か行けない理由があるのか?」

顔良「そういうわけではありませんが・・・・・・」

(^ω^)「じゃあ一緒にこれから戦うお。
関良がいたら楽しいお」



  
5:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:11:55.08 ID:DVqjyrF50
  
顔良「(私は・・・・・必要とされている?
私の剣術の腕前を認めているのはわかるけど、私が『いたら』・・・・・
私の剣術ではなく、『関良』を・・・・・)」

関良は心に締め付けられるような痛みを覚えた。
体の痛みなら今まで何度も経験してきた。
しかし、心が痛いと思ったのは初めてだ。
顔良は彼らに嘘をついている。
昔は、こんなこと、彼には無かったのに。

顔良「・・・・・・考えさせてください」

これが今顔良に言える精一杯の『本音』だった。

その頃劉備はというと・・・・・・

劉備「袁紹軍が、こちらに?」

公孫サン「ああ。趙雲が見回り中に敵斥候を捕らえた。
その斥候の情報によると、どうやら戦の準備をしているらしい。
それも、その戦の相手はこの公孫サン軍だそうだ」



  
6:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:12:38.50 ID:DVqjyrF50
  
劉備「しかし、相手の兵力はかなりのものです。
公孫サン殿の軍は兵力こそ袁将軍に劣っているものの、精鋭がそろってはいますが・・・・・」

公孫サン「うむ、どちらが勝つかは分からんな。
もちろん劉備たちにも戦には出てもらう。
あの関良と言う男もだ」

劉備「了解致しました。
今から戦の支度を致します」

そう言うと劉備はブーンたちの元に帰って行った。


関羽「色々考えることはあるだろう、武運、この話はここまでにしておくか」
(^ω^)「わかったお。けどブーンは関良に来てほしいお。
関良と一緒にいると楽しいお」

顔良「・・・・・・ありがとうございます。私は・・・・・」

顔良がその続きを言おうとしたその時、劉備が来た。



  
7:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:13:23.44 ID:DVqjyrF50
  
関羽「姉者?どこへ行っていたのだ。せっかくのお茶が・・・・・」

劉備「そろそろお開きにしときな。
戦の準備をするよ」

(^ω^)「戦かお?誰かが攻めてきてるのかお?」

劉備「ああ。どうやら袁紹軍が攻めて来るらしいんだ。
あたしらも、戦わなきゃ」

顔良「袁紹軍が・・・・・!?」

劉備「そうだけど・・・・・それがどうかしたのかい?」

顔良「・・・・・・それは大変ですね。
私も行かなければならないのでしょう?」

劉備「そうだね。そういう約束だったろ?
戦いの時は、あんたも戦に出るっていう約束、公孫サン殿と交わしたからには、
戦わなきゃね」

顔良「・・・・・・・ええ」



  
8:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:14:13.81 ID:DVqjyrF50
  
顔良は複雑な気持ちだった。
今、顔良の気持ちは劉備たちに傾いている。
けど、その傾きが劉備の知らせでまた揺らいだ。
これは袁紹軍に戻るチャンスだ。
投降するふりをして、袁紹に会えればまた文醜に会える。
しかし、劉備たちと離れるのは・・・・・。
正直なところ、どうしたらいいか顔良は完全に分からなかった。


突然だが、話は変わる。
顔良が劉備たちと出会う少し前のことだ。
曹操のいる許都に1人の男がやってきた。
その男は許都の入り口で門番の制止を振り切り、曹操のいる宮殿へと走っていった。
そこで夏侯惇がその男を宮殿前で捕らえたが、その男は
「曹操に会わせろ」という。
夏侯惇は曹操にその話をしたところ、曹操はあっさりとその男を宮殿に通した。

曹操「俺に何か用かな?」

??「ああ。あんたがすげぇ男だっていう噂を聞いた。
それがホントか、確かめに来たんだよ」



  
9:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:15:55.27 ID:DVqjyrF50
  
曹操「そうか。
俺がお前に聞きたいことは2つだ。
まずは1つ目だが・・・・・・
お前は、何者だ?」

??「俺は郭嘉。字は奉考ってんだ。
俺はこの乱世を治められるような、そんな人物を探してる。
そこであんたの噂を聞きつけて、やってきたってわけ」

曹操「そうか。では郭嘉とやら・・・・・。
最後の質問だ。
なぜ俺の元へやってきた」

郭嘉「簡単さ。あんたがどんな男か、量るためだ」

曹操「ハッ、俺を量るか。
お前は何様なのだ?」

郭嘉「俺が誰かって?さっき言ったろ。
俺は郭奉考。こう見えて軍師志望なんだ。
俺はこの乱世を終わらせられる程の才を持っている」

曹操「・・・・・そんな大それたことを自分で言うとはな。
お前の態度が気に入らんが、面白い男だ」

郭嘉「だろう?もしあんたがこの乱世を自分が終わらせたい、と思うなら。
今すぐ俺を曹操軍の軍師として雇え」



  
10:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:17:27.54 ID:DVqjyrF50
  
曹操「・・・・・・・」

曹操は押し黙った。

夏侯惇「孟徳、この者の話は聞いてはいけません。
この者が一体何処の誰なのか・・・・・」

曹操「・・・・・いや。
俺はこの男がどういう人物なのかわかった。
こいつは、馬鹿だ。
それも、天才と紙一重のな」

夏侯惇「孟徳、まさか・・・・・」

曹操は立ち上がった。

曹操「郭奉考よ!!
今からお前は曹操軍の軍師だ!!」

郭嘉「そう来ると思ったよ。
俺ほどの人間を逃がしたら、あんたはそれまでの男だったって俺は判断したよ」

曹操「・・・・・・だが1つ覚えておけ。
お前に乱世を変える才が無いと俺が判断したら、即刻曹操軍から叩き出す」



  
11:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:18:20.22 ID:DVqjyrF50
  
郭嘉はそれを聞いて笑った。

郭嘉「そう来たか。
ちょうど俺も、あんたに乱世を変える力が無いと思ったらあんたを見限ろうと思ってたとこだ」

曹操はそれを聞いてまた笑った。

曹操「ハハハハハ!!やはり気に食わんが、面白い男だ。
夏侯惇、この許都を案内してやれ」

夏侯惇「・・・・・・はい」

夏侯惇には、これが面白くはなかった。


その後郭嘉は許都を案内された後、曹操たちと軍議を行った。

曹操「これは不確定な情報だが、袁紹が北の公孫サンを攻めようとしているらしい。
これが本当なら、袁紹軍はますます強い勢力になってしまう。
そこで、お前達の意見を聞きたい」

曹操はまず郭嘉を見た。
これで郭嘉が献策しなければ、まずこの男にその才は無い、と曹操は思っていたからだ。
だが意外にも一番最初に献策したのは郭嘉だった。



  
12:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:19:37.93 ID:DVqjyrF50
  
郭嘉「袁紹なんて目じゃねえよ。
あいつは天下を取れる人間じゃないね」

曹操「袁紹という人物を知らずにそれを言うのか、お前は」

郭嘉「俺が袁紹を知らないといつ言った?
俺はあいつに一回だけ会ったことがある。
俺があんたに『軍師として雇え』と言ったように、袁紹にも同じことを言った。
そしたらあいつ、なんて言ったと思う?
『去れ!お前のように自分を高く見過ぎている奴になど、軍師になって欲しくも無いわ!!
それに私の元には今、祖授という優秀な軍師がいる。
そうだ、お前よりも優秀で、お前より人間が出来ている軍師なのだ、祖授はな!!』

そういって奴は俺を叩き出した。
確かに俺は人間は出来ちゃいねえ。
だが、見かけで判断する人間にろくな人間はいねえ。
曹操、あんたと違ってな」

曹操「・・・・・」

郭嘉「話を元に戻そう。
俺は、袁紹を公孫サンに勝たせた後、曹操に袁紹を攻めてもらいたい」



  
13:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:21:08.03 ID:DVqjyrF50
  
曹操は驚いた。

曹操「その理由とやり方を、聞こうか」

郭嘉「良いだろう。
まず、袁紹軍に俺たちの軍を加えてやるんだ」

曹操「袁紹の手助けをしようというのか」

郭嘉「話は最後まで聞けよ。こっからが肝心なんだぜ?
袁紹軍に俺たちの軍を加えて、まず袁紹を勝たせる。
これで袁紹は公孫サンの治める地域を手に入れることになる。
どうせ最後に笑うのは曹操、あんただ。
袁紹軍に公孫サンの地域をくれてやる。ただ、条件付きでな」

曹操「条件?」

郭嘉「ああ。
・・・・・今公孫サンの元には、虎牢関の戦いで活躍した劉備軍がいるとう。
その中で群を抜く強さなのが、関羽という男だ。
俺たちは袁紹に地域をくれてやる代わりに、その男を捕らえてもらうんだ。
もちろん俺たちも手伝ってな」



  
15:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:31:53.87 ID:DVqjyrF50
  
曹操「たかが1人の男のために軍を動かすのか?」

郭嘉「聞けば関羽は『万に匹敵する武を持つ男』だそうだ。
シ水関の戦いでは華雄を討ち取り、虎牢関の戦いでも大活躍。
こんな男を放っておく手は無い。
その後、袁紹が地域を手に入れた後、俺たちは袁紹を攻める。
その時、曹操軍に関羽がいれば劉備軍は動揺するだろう。
それが上手くいけば公孫サン軍も同じように動揺する。
その隙に、袁紹軍の兵糧庫を燃やすんだ。
それにより袁紹軍の士気はさらに下がり・・・・・
そこからどう攻めるかはあんたの自由だ」

曹操「・・・・・・・」

曹操は驚いた。
発想が突拍子もないものであったからだ。
これが上手くいけば、郭嘉の才はかなりのものである事が立証される。
それを確かめるために軍を動かすのでは割に合わないが、
これが実は素晴らしい策なのだ。
策とは、軍をどう動かすかではないと曹操は考えている。
人の心をついてこその、策なのだと曹操は考えていた。
なので郭嘉の策は曹操の考えに実にはまっている。
これは面白くなる、と曹操は考えた。

曹操「実に面白く、それでいて素晴らしい策だな。
郭嘉、この件はお前に一任する。
その才、この一件で立証して見せろ」

郭嘉「・・・・・ああ。
では詳しい話を・・・・・・」



  
19:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:49:35.24 ID:DVqjyrF50
  
関羽を捕らえる策は簡単だ。
曹操軍は袁紹軍に手を貸し、見返りとして関羽の引渡しを要求する。
これだけだ。

曹操「では、これを袁紹に届けよ」

曹操は兵に手紙を手渡した。
前述の策に関する手紙だ。

兵士「はっ」

兵士は手紙を受け取ると、すぐさま袁紹の元へ駆けていった。

郭嘉「これで関羽を捕らえれば、後に大きな戦力となる。
ハッキリ言って、関羽にはいてもらうだけでいい。
それだけ関羽の名は今知れ渡っているそうだ」

曹操「確かに奴の武は素晴らしく、その名は大陸全土に広がっている。
その名を使って袁紹を脅かすという策、見事だぞ」

郭嘉「ありがとう。
・・・・・俺の株は上がったかい?」

曹操「ふん。それは戦いが終わるまで分からんな。
袁紹軍を滅ぼしたあとで考えるとしよう。
だがその才は本物かも知れんな」

郭嘉「だろう?
ま、俺は関羽を使わなくても袁紹には勝てると思うんだけどよ」



  
20:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 22:50:54.33 ID:DVqjyrF50
  
曹操「?なぜそう思う。
袁紹軍はとにかく規模が大きい。
兵力だけなら我が軍の倍はある」

郭嘉「兵力だけならな。だが1人1人の実力はこっちの方が勝ってると思うぜ?」

曹操「それはそうだ。
今俺の元には素晴らしい武を持った者達が数多くいる。
これで勝てんわけがない」

郭嘉「ま、たいていの戦には勝てるだろうな。
だが、とてつもなく大きい規模の戦となれば話は別だ」

曹操「そのとてつもなく大きい規模の戦とは?」

郭嘉「・・・・・わかんねーけどよ。
どっかとどっかが手を組んで、俺たちに戦を仕掛けてきたりとかな」

曹操「・・・・・有り得ん話ではないな。
後にこの曹操軍は大規模な勢力となる。
それを良く思わん輩も、当然出てくるだろうな」



  
23:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 23:05:20.67 ID:DVqjyrF50
  
郭嘉「はっ、随分と先を見てるんだな」

曹操「それを言うなら、お前もだ。
先天の才もお前には備わっているのかもな」

郭嘉「それが現実に起きたら、そうなんだろうな。
だが今は今でやることがある。
あまり先を見ずに、出来ることからやっていこうか、曹操さんよ」

曹操「ふん、言われなくてもそのつもりだ。
お前にも戦に出てもらうから、覚悟しろ」

郭嘉「かっー、マジかよ?
俺は戦は苦手なんだよなぁー・・・・・」


その数日後、袁紹軍にその手紙は届いた。

袁紹「ご苦労であったな。この件については軍議で議論する。
結果は追って知らせようぞ」

兵士「よろしくお願い致します」

そう言うと兵士は、足早に去っていった。



  
25:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 23:14:16.00 ID:DVqjyrF50
  
袁紹「さて・・・・・・。
祖授、これをどう思う?」

袁紹は円卓に座っていた祖授を見た。
だが、なにやら祖授の様子がおかしい。

祖授「ちょ、待って待って!鼻クソが・・・・・」

袁紹「・・・・・早く鼻から指を抜け!
軍議で鼻をほじる奴がおるか!
しかも両穴をほじくって・・・・・お前どんだけ鼻詰まってんだよ!!」

祖授「・・・・・あーっ、とれた!
なぁ文醜これ見て!デカくね!?」

祖授は獲れたばかりの新鮮な鼻クソを文醜に見せた。
明らかに、嫌がっている。

文醜「き、汚い」

袁紹「・・・・・どいつもこいつも、人間性に欠陥のあるやつばかりだな!
祖授、さっきから言っているが、この件についてどう思うのだ、お前は!」

袁紹は少々大きな声で言った。



  
28:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 23:20:47.10 ID:DVqjyrF50
  
祖授「あ?それは別に構わねーでしょうよ。
関羽1人で公孫サンの地域が手に入るなら安いもんでしょ?」

袁紹「それはそうだがな!
だが曹操が関羽を欲しがってるということは、これ即ち何か企んでいるということだ!
違うか!」

祖授「まー、なんか考えてのことなんでしょうなー。
例えば・・・・・私らが公孫サンの地域を手に入れた後、我らを攻め滅ぼしたりねぇ・・・・・」

袁紹「な、なんとっ!?だがそのような事ならば、関羽を引き渡してはならないのではないか!?」

祖授「はっきり言って曹操が攻めてきても、その曹操軍に関羽が加わったとしても、
関羽1人増えたからって覆せる戦力じゃないでしょ?
公孫サンの地域は結構広いですし、それに伴って兵力も増すわけで。
ま、安心しなさいって」



  
29:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 23:21:59.96 ID:DVqjyrF50
  
袁紹「・・・・・まぁお前が言うならばそうなのであろうな。
では、この件はこれで良しとするか。
他に、議論することはあるかな?諸君」

袁紹は立ち上がり、円卓を見た。
その中でただ1人、文醜がこっそり手を挙げている。

袁紹「文醜・・・・・顔良のことだな?」

文醜「う、うん・・・・・」

袁紹「奴の件は任せておけ。
生きていたら、かならずお前に会わせよう」

文醜「あ、ありがとう・・・・・」

文醜はうなだれた様子で返事をした。


そのまた数日後、曹操の元に知らせが届いた。
その件はよろしく頼む、だそうだ。

曹操「・・・・・きたか。
皆の者、戦の準備を!!」



  
32:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/26(水) 23:50:18.73 ID:DVqjyrF50
  
その知らせが曹操たちに届いた頃、劉備たちは戦の準備を終えていた。
もちろん、顔良もだ。

劉備「さて、これで準備は終わったね。
後は、戦を待つだけだ」
(^ω^)「まさか袁紹軍と戦うとは思わなかったお。だってこの前まで仲間だったお」
関羽「そういうこともある。乱世とは、得てしてそういうものだ」
周倉「悲しいですね。それが乱世の性とは、思いたくないものです」
張飛「なんであろうと、敵ならぶっ潰すまでよ!
なぁ、徐庶!!」
徐庶「えぇ、公孫サン殿の恩に報いるため、全力で戦いましょう」

顔良「・・・・・・・」

(^ω^)「関良・・・・・関良は、戦いたくないお?」

顔良「・・・・・・・」

顔良は何も言わない。

関羽「戦いたくないのなら、無理はするな」

顔良「・・・・・・」

劉備「関良?」

顔良「・・・・・・戦います」



  
35:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/27(木) 00:20:02.54 ID:LZQGg9hg0
  
(^ω^)「大丈夫かお?」

顔良「戦います。・・・・・皆さん、よろしくお願いします」

そう言うと顔良は、劉備たちに頭を下げた。

劉備「ああ、任せときな!けど関良、無茶はいけないよ!
ただでさえ無茶する奴らが多いんだから!」

劉備は笑いながら言った。

張飛「姉者、それって俺のことか?」
劉備「あんただけじゃないさ。皆だよ!」

顔良「分かっています」

劉備「それで良し。
じゃ、戦いまでしばらく時間があるから、皆今は休んどきな。
あたしはちょっと寝てくるよ」



  
36:1 ◆0S5frHLuDM :2006/07/27(木) 00:20:38.96 ID:LZQGg9hg0
  
(^ω^)「劉姉、乙だお」

そう言うと劉備は自分の部屋に帰っていった。

関羽「さて、俺も寝るとするか。
準備で疲れたしな」

張飛「俺も寝るぜ。眠い」

周倉「私も寝ます。万全な状態で戦いたいので」

徐庶「僕も寝ます。休んどかないと、頭が働きませんから」

(^ω^)「みんな寝るのかお。関良はどうするお?」

顔良「皆さんが休むなら、私も休みます」

(^ω^)「そうかお。じゃあまたあとで」

顔良「ええ・・・・・」

そう言うとブーンたちは自分の部屋へ帰っていった。
顔良も自分の部屋に帰っていった。
これが皆と過ごす最後の時となる、そう思いながら。





戻る次のページ