( ^ω^)ブーンが神候補から能力を受け取ったようです

5:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:29:42.48 ID:KhZARuTEO
  
第三話


(=゚ω゚)ノ「邪魔なやつが来ちゃったもんだよぅ」

(メメメメ´ω`)「ドクオ…!来ちゃダメだお…! やられてしまうお…!」

('A`)「…安心しろよブーン。俺も能力者だ。」

(メメメ;´ω`)「!!」



第三話 「ドクオ」



6:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:31:37.49 ID:KhZARuTEO
  

(=゚ω゚)ノ「…なんで居場所がわかったんだよぅ」

('A`)「悪いが昨日ブーンの後をつけさせてもらった。
ブーンに接触してくるだろう…と読んでな」

(=゚ω゚)ノ「へぇ…キミ趣味悪いよぅ」
('A`)「お互い様だろ」
(=゚ω゚)ノ「やっぱ気付いてたのかよぅ」

(メメメ;^ω^)(?? 二人は何の話をしてるんだお…)

状況を掴めず一人取り残されたような気分になるブーン。
だがそんなブーンに関係なく、二人の会話は続く。



7:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:32:50.78 ID:KhZARuTEO
  

(=゚ω゚)ノ「ま、ついでに君も倒させてもらうよぅ」

('A`)「やれるもんならな」

そう言うとドクオはポケットから何かを取り出した。
それは誰もが見たことある、いや誰もが使っているであろう身近なものだった。

(メメメメ^ω^)「…ハンカチ!?」
(メメメ;^ω^)(…まさか…ハンカチ王子を意識!?
もうその話題は古い気がするお…遅れてるお!!)

('A`)(ねーよwwww)

心の中でブーンとドクオは会話をした。

僕らはいつも以心伝心。



8:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:35:23.56 ID:KhZARuTEO
  

(=゚ω゚)ノ「いくよぅ〜!」

ボン、と爆発音。
イヨウはブーンを殴り飛ばした時と同じように靴を爆発させ、一歩でドクオの懐に潜り込む。

('A`)「はや…」

('A`)「でもあめーよ」

イヨウが潜り込んだ時、ドクオはまるで闘牛士が牛を誘う時のように、ハンカチを広げていた。

(=゚ω゚)ノ「ははっ!なんのつもりだよぅ!」

イヨウはそのままドクオの腹を殴りとばそうとする。
が、それと同じタイミングにドクオは指を弾き、音を鳴らす。

その瞬間、ドクオを殴ろうとしていたはずのイヨウはまるでビデオの逆再生のように吹き飛ばされていった。



9:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:37:51.18 ID:KhZARuTEO
  

(=゚ω゚)ノ「ぐあぁっ!?」

イヨウは仰向きに倒れ込む。

(メメメメ^ω^)「す…すごいお!!何だお今のは!」

('A`)「…ハンカチに『撃(バン)』を加える能力。それがオレの能力だ」
('A`)「つまりオレのハンカチからは衝撃波が出るんだよ」

(メメメ;^ω^)「しょ、衝撃波!?」

('A`)「近い距離しか届かねぇけどな」

衝撃波か。
まさかそんなものまで能力にはあるのか。
なんでもありやな。とブーンは感じていた。



10:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:39:37.84 ID:KhZARuTEO
  

(=゚ω゚)ノ「…なるほど。そういうタネかよぅ」

イヨウはそう言うと、仰向けに倒れたイヨウはゆっくりと起き上がった。

('A`)「もう起き上がったか。しぶといねぇ」

(=゚ω゚)ノ「結構…効いたよぅ」

イヨウは腹を抑えながら言う。
普通に喋っているがやはりダメージはあったらしい。

(=゚ω゚)ノ「さて…」

イヨウは突然屈伸し、伸脚、そして深呼吸をした。

(=゚ω゚)ノ「準備運動は終わりだよぅ…こっからが本番」

イヨウはそう言うと、またクラウチングスタートの体勢に構える。
もちろん標的はドクオだ。
目線はドクオに一直線。



11:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:42:10.10 ID:KhZARuTEO
  

(=゚ω゚)ノ「…キミも陸上やってるならわかると思うけど…陸上の世界は一瞬一瞬が勝負だよぅ」

(=゚ω゚)ノ「だから僕は次の一瞬に全てを込めるよぅ」

('A`)「…次で決着ってか」

(=゚ω゚)ノ「そういうことだよぅ」

(=゚ω゚)ノ「燃えてきたよぅ!!」

言い終わるとイヨウはスタートの姿勢のまま足を伸ばす。
スタート直前の姿勢である。



14:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:43:39.52 ID:KhZARuTEO
  

(メメメメ^ω^)「!」

('A`)「どしたブーン?」

(メメメ;^ω^)「イヨウさんすごいお…。これは本気だお…!
イヨウさんのオーラが燃えている気がするお…!」

('A`)「…」

ブーンの目には、イヨウの周りにメラメラと燃え盛る炎(ブーンいわく、オーラ)が見えていた。
と、いうかドクオにもそれは見えていた。

('A`)「…てか本当に燃えてんじゃね?」

(メメメメ^ω^)「それは盲点」



16:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:45:33.40 ID:KhZARuTEO
  

イヨウは本当に燃えていた。
どうやら自分の爆風で引火させ、ワザと燃やしたようだった。

(=゚ω゚)ノ「さぁ本気でいくよぅ―――!!」

イヨウは爆風、そして燃えた体と共にドクオの元へ突撃してきた。
爆風が吹く度、加速するイヨウ。
速さも爆発も先程の比ではなく、これがまさにイヨウの本気、というほどの相当なものだった。



17:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:47:34.76 ID:KhZARuTEO
  

(メメメメ^ω^)「これは少し近付くだけでも爆風でアウト…!!
さらにあのスピードでぶつかられた日にゃあ死ぬかもわからんNE」

(=゚ω゚)ノ「うおおぉぉ――!!」

叫びながら爆音と爆風と火とで迫り来るイヨウ。
その姿はまるで火の化身のようだ。

だが、ドクオは平静をたもったままで、もう片方のポケットからもう一つハンカチを取り出した。


('A`)「…こっちもいくぜ」

('A`)「ハンカチに『撃(バン)』を加える能力!!」

そう言いドクオはまた指を弾く。



18:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:49:57.58 ID:KhZARuTEO
  

すると二枚のハンカチから衝撃波が放出される。

それらは一つとなって巨大な衝撃波となり、向かってくるイヨウへと立ち向かう。
そして衝撃波はイヨウを包み込んだ。

イヨウの勢いが緩む。

(=゚ω゚)ノ「ぐ…!なんのこれしき…!」
(=゚ω゚)ノ「!!」

ブワッ、という音と同時にイヨウを纏っていた火は全て消え失せた。

イヨウのスピードも完全に勢いはなくなっていた。



19:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:51:59.73 ID:KhZARuTEO
  

(;=゚ω゚)ノ「そんな…!僕の爆風が…!炎が…!」

(メメメメ^ω^)「全て消えた…?
相殺したのかお…?」

('A`)「…んじゃとどめだ」

衝撃波で一瞬怯んだイヨウ。
そんなイヨウの目の前に居たのは右手でハンカチを握り締めているドクオの姿だった。



21:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:53:49.68 ID:KhZARuTEO
  

('A`)「お前の能力は確かに強いよ。でも…」

('A`)「オレの方がさらに強い」

(;=゚ω゚)ノ「しまっ…!」

ドクオは拳をギュッと握り締める。

パチン
と音が聞こえたかと思うと、イヨウの腹にはドクオの衝撃波が加わった会心の右ストレートが決まっていた。

ドゴォォォォン、
と工場全体が揺れた。


それはこの勝負の終わりを告げた音だった。



22:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:55:52.72 ID:KhZARuTEO
  

(=´ω゚)ノ「ぐっ…!」

('A`)「おーまだ気絶してなかったのか。本当しぶてーな」

(=´ω゚)ノ「…こんなにやるとはね…。油断したよぅ」

('A`)「ハッ 勝負の世界に油断も糞もねーだろ?あんたならわかんだろ」

(=´ω゚)ノ「そうだな…その通りだよぅ。
僕はこの能力に自惚れ過ぎていたのかもしれないよぅ…」

(=´ω゚)ノ「シャキン様…僕は戦線を離れますよぅ…役に立てず…」

(=´ω゚)ノ「すいま……」

(=´ω`)ノ「……」

(メメメメ^ω^)「…気絶したお」



23:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:58:23.73 ID:KhZARuTEO
  

('A`)「そんなことよりブーン!大丈夫か!」

(メメメメ^ω^)「うんこすればなおるお!
それよりもドクオは何でここに来れたんだお?」

('A`)(…話聞いてねぇなコイツ)

ドクオはブーンに説明する。
自分達はつけられていたこと。
それに気付いたドクオが念のため、隠れてブーンにつけて行っていたこと。
それで話を盗み聞きし、助けに来たこと。
そしてエロゲに夢中ですっかりブーンを手助けに行くのに遅れてしまったことを冷静に、かつ大胆に、そして淫靡になまめかしくドクオは話した。

(メメメメ^ω^)「キモいお」

そして大体話を聞いた後、ブーンはドクオがいつ能力者になったか尋ねた。
どうやらブーンより一週間程前になっていたらしい。



24:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 20:00:36.38 ID:KhZARuTEO
  

ちなみにドクオの願いは彼女を作ることだそうだ。

ドクオはそんなチンケな願いに対する熱意を説明したが、ブーンは適当に聞き流していた。

そして尋ねた。

(メメメメ^ω^)「そういえばドクオは…僕と戦う気はないのかお?」

('A`)「あ?なんでだよ」

(メメメメ^ω^)「だって能力者同士じゃ…」

('A`)「…今は戦う気分じゃねぇよ。それに…」

('A`)「友達だからな」

(メメメメ^ω^)「くせぇwwww」

('A`)「うぜぇwwww」

これなんて青春?
そんなことを思っていたブーン達は知るよしもなかった。

まさか数日後にその杞憂が現実になるとは。



25:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 20:03:43.76 ID:KhZARuTEO
  

――それからしばらくは何事も起きずブーン達は普通の生活を送った。

ドクオ曰くブーン達をつけていたのは複数だった、というので、何か仕掛けてくるか、とブーンはびくびくしていたのだが。



ある日の夜、VIP公園

(;^ω^)「ふんおっ!!」

ブーンは槍を奮っていた。

( ^ω^)(このままじゃダメだお。僕は強くならんといかんお)

( ´∀`)「偉いじゃないかモナ」

(;^ω^)「モナー先生!?」

ブーンは突然の後ろからの声に振り返る。

( ´∀`)「イヨウと戦った日から毎日特訓してるモナね」

(;^ω^)「知ってたんですかお」



27:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 20:05:56.49 ID:KhZARuTEO
  

ブーンはイヨウと戦った。
だが手も足も出なかった。
そのうえ突然現れたドクオに助けてもらい、自分の弱さを知った。

このままではいけない――
そう思ったのだ。

( ´∀`)「ま、自分の担当してる子のことくらいは分かるモナ」

( ^ω^)「そうですかお…」

ブーンはまた槍を突き、振り始める。
そしてそれをしつつもモナーに語り始めた。

( ^ω^)「…僕は先生を神にするため戦っていますお」

( ^ω^)「先生が神ならこの世界も平和になりそうだし…何より神とコネがある高校生なんてすごくないですかお」

(;´∀`)「コネって」

( ^ω^)「でもそれだけじゃないんですお」

( ´∀`)「?」

( ^ω^)「…トーチャンに会いたい」



28:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 20:08:25.95 ID:KhZARuTEO
  

( ^ω^)「僕にはトーチャンの記憶があまりないんですお。
物心つく前にはいなくなってしまったお」

( ^ω^)「でも僕がカーチャンに叱られて泣いている時、トーチャンが黙って僕を抱き締めるんですお。
そうするとそれだけでなんだか心が温かくなって…僕はすぐ泣きやむんですお」

( ^ω^)「それでトーチャンは一言だけ言うんですお。
『泣くな。強くなりたいんだろ』
って…」

( ^ω^)「僕は先生を神にしてトーチャンに会うんだお」

( ´∀`)「ブーン…」

( ^ω^)「だから負けられないんですお!」

ブーンは先程よりも強く槍を突く。
と、公園の真ん中に高くそびえる一本の木から一人の男が飛び降りてきた。



29:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 20:11:34.11 ID:KhZARuTEO
  

( ;∀;)「イイハナシダナー」

(;^ω^)「 誰だお!」

一瞬でブーンに緊張が走る。
しかし相手にはどうもそんな様子はないようだ。

( ・∀・)「おっと今日はやる気はないんだ。挨拶しに来ただけだよ」

( ・∀・)「私はモララー。少し大人っぽい高校3年生、部活は演劇部に所属しているよ」

モララーと名乗る彼はローブを来ていた。
ローブがそよ風でヒラヒラと揺れている。

( ・∀・)「ここちよい風だね。こんな清々しい夜は久しぶりだ」

( ^ω^)「いいから話進めろお」

( ・∀・)「…早漏だね君は。
まぁいい。君はシャキン様のことは知っているね?」

シャキン。
またその名か。
そう思いつつ、ブーンは普通に答える。



30:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 20:12:52.86 ID:KhZARuTEO
  

( ^ω^)「名前しか知らんお」

( ・∀・)「何?偉大なシャキン様のことを名前しか知らんのか!
なら私が説明してあげよう。
何故彼があんなに偉大なのかをね!」

( ・∀・)「だから彼はペラペ〜ラ…であり、弟思いな面も…ペラペ〜ラであるからして、時折オチャメであり、そして…ペラペ〜ラ…」

ブーンは話が長いから帰った。



31:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 20:16:10.59 ID:KhZARuTEO
  

ピーンポーン

ブーン家のインターホンが鳴る。

( ^ω^)「どちら様?」
(;・∀・)「まさか帰るとは思わなかったよ」

( ^ω^)「夜中にインターホンを鳴らすなんて迷惑極まりないお。さっさと帰れお」

( ;∀;)「待って!!せめて用件だけでも!!」
( ^ω^)「さっさと話せお」

ブーンは玄関でハナクソをほじりながら仕方なくモララーの話を聞く。

どうやら寝る直前だったらしい、枕も片手に抱いていた。



32:タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 20:19:14.51 ID:KhZARuTEO
  

( ・∀・)「で、先日お前イヨウを破ったろう?」

( ^ω^)「うん」
( ^ω^)(正確にはドクオだけど)

ブーンはハナクソをほじる。

( ^ω^)(うほっ!これはいい大きさ)

( ・∀・)「それについてシャキン様が関心を寄せてなぁ」

( ^ω^)「へぇ」

パクッ!ブーンはハナクソを食べた。

(♯・∀・)「真面目に聞け!」

モララーはキレた。そりゃそうだ。

( ^ω^)「正直すまんかった」

( ・∀・)「…まぁいい。で、お前…シャキン様と共に戦う気はないか?」

(;^ω^)「…え?」



第三話おわり



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