( ^ω^)ブーンが神候補から能力を受け取ったようです

6:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:27:21.18 ID:0oiC/ZAWO
  

第四話 「クー」


それは夜中。
ブーン宅の玄関。
ローブを着た奇妙な男とパジャマを着た間抜けな男は話込んでいる所だった。

( ・∀・)「で、だ。お前シャキン様と共に戦う気はないか?」

( ^ω^)「俺はそんな邪悪な誘いには勧誘禁止だぜ!!」

( ・∀・)「なんで?危なくないよ」

( ^ω^)「…なら詳しく聞かせてくれお」



7:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:28:46.85 ID:0oiC/ZAWO
  

( ・∀・)「まぁ…つまりシャキン様の神候補を神に、そしてシャキン様の願いを叶えさせるだめにシャキン様に集められた精鋭達だ」

( ・∀・)「シャキン様の願いはズバリ『世界の再構築』素晴らしいとは思わんかね?」

( ・∀・)「この世は…しがらみばかりでもうウンザリだ。そうは思わんかね?
シャキン様についていけば私達の理想郷になるんだぞ?
こんなお得な話はないんじゃないか」

( ^ω^)「だが断る」

( ・∀・)「…あぁ
一人が嫌ならドクオ君も誘ってくれればいい。これならどう――」

(♯^ω^)「だが断る!!」



8:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:31:52.33 ID:0oiC/ZAWO
  

モララーの誘いを怒鳴って断るブーン。
その顔には怒りが見えていた。
だがそれはモララーも同じだった。

( ・∀・)「…そうかい」

( ・∀・)「君は本当に愚かだ」

(;^ω^)「!!」

ブーンは背筋に鳥肌が立った。
一瞬でその場のふいんき(なぜかへry)が変わったのだ。

しかしそんな雰囲気に呑まれまいと、ブーンは対抗する。



9:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:35:12.75 ID:0oiC/ZAWO
  

(;^ω^)「…それでいいんですかお?」

( ^ω^)「他人に運命を任せる…そんなんでいいんですかお?」

( ・∀・)「…愚問だな。シャキン様の願いは我等の願い。シャキン様のためなら何でもするよ私は」

( ・∀・)「…さて君は仲間にならないならただの敵だ。覚悟してもらうよ」

( ^ω^)「やるんですかお」

( ・∀・)「だから今日はそんな気はないと言っただろう早漏。今回はこれだけだ」

( ^ω^)「僕はどっちかってーと遅漏だお」

( ・∀・)「…今後君は私達と戦うことになるだろう。ドクオ君と楽しみに待っていたまえ…」

モララーはそう告げると、ハハハハと笑い声を上げながら夜の漆黒の闇の中に消えていった。



10:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:37:25.46 ID:0oiC/ZAWO
  

――次の日

学校も終わり放課後。
今日は部活が休みだったのでブーンはドクオと一緒に帰り、昨夜のことを話した。

('A`)「へぇ―。じゃあそいつらからアプローチが来るかもしれんNE」

( ^ω^)「いつ攻撃してくるかわからんお…」

('A`)「にしても『世界の再構築』ねぇ…」

( ^ω^)「厨二病だおね。何があったんだろうお」

('A`)「さぁな〜」

('A`)(にしてもシャキン?前から引っ掛かってたんだが…どっかでその名前見たような…)



11:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:38:34.57 ID:0oiC/ZAWO
  

と、突然ブーンの腹から空腹を告げる音が鳴った。

(*^ω^)「お恥ずかしい」

('A`)「…まぁまだ晩飯時でもねぇしな。どっかでなんか少し食ってくか」

( ^ω^)「賛成だお!」

ブーンとドクオは近所のファミレスに入る。
そして適当に席に座り料理を注文した。



12:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:40:04.35 ID:0oiC/ZAWO
  

( ^ω^)「まだかな〜」

(;'A`)「今注文したばっかだろ…」

そんなことを話しながら料理を待っていると、ブーン達の近くの席がなにか騒がしくなった。

( ^ω^)「なんかさわがしいお…」

('A`)「なんだ?揉めてんな」

そこには一人の客と一人の女店員がいた。
客は他人の迷惑を考えず店員に怒鳴り散らしている。
それに対し店員は冷静に答え続けているようだ。



13:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:41:37.23 ID:0oiC/ZAWO
  

亀田「ワイの注文した料理はまだ来ないんか!?遅すぎるでここは!」

川 ゚ -゚)「…ですからお客様。お客様からはまだ注文を伺っておりませんが」

亀田「ワイと言ったらハンバーグに決まっとるやないか!注文しなくてもわかる常識やろ!」

川 ゚ -゚)「ですが…」

亀田「あーうるさい奴やのぅ!金払わんで!さっさとハンバーグ持ってこいや!」



14:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:43:07.31 ID:0oiC/ZAWO
  

(♯^ω^)「なんだおアレ…態度でかすぎるお」

(;'A`)「にしても変な髪型の奴だな…」

どうやらその男の怒りはまだ収まらないらしく、また店員を呼び出す。

亀田「おい!ウェイター!」

川 ゚ -゚)「私は女ですが、お呼びでしょうか」

亀田「黙れや!てかさっきから思うてたんやけどアンタかわええやん。
どうや?今夜ワイとスパーリングせんか?」

亀田「ヒィヒィ言わせたるでwwどんなもんじゃーいwww」

その話を一部始終聞いていたブーン達。ブーンの我慢はもう限界だった。



15:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:46:16.48 ID:0oiC/ZAWO
  

(♯^ω^)「もう我慢できんお! 一言言ってやるお!!」

ブーンは椅子から立ち上がり、男の元へ向かおうとした。

(;'A`)「ちょ、待てブーン!」

とドクオが止めようとするのと同時に、どこからかブチッという音が聞こえた。

( ^ω^)「お?」

ブーンの動きが止まる。
どうやらその音は例のテーブルから聞こえてきたようだ。



18:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:48:08.16 ID:0oiC/ZAWO
  

亀田「…ん?なんや今の音」

川#゚ -゚)「…お客様。他のお客様に迷惑ですのでお引き取り願いたい」

亀田「な、なんやと!?それが客に対する態度か!?」

川#゚ -゚)「あなたは客でもなんでもありません」

川#゚ -゚)「他の人に不快を与えさせる害虫です」

亀田「な…なんやとぉぉ!?」

その店員はズバっと言った。
その迫力にはブーンも思わず自分が言われた訳ではないのにビビってしまった。



19:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:50:13.12 ID:0oiC/ZAWO
  

亀田「な…なんやこの店は!?
世界チャンピオンを舐めとんやないんかぁ!?」

亀田「もう頭来たで!!女と言えども一発喰らってもらうわ!」

と、言い男は立ち上がり、店員の目に前に立つ。

(;^ω^)「こ、これはまずいお…!」

(;'A`)「さすがに…まずいなこれは」

(;^ω^)「…止めるお!」

ブーンは店員の所へ向かう。
だが、間に合わない。


亀田「喰らえやぁ!シュッ!」

誰もが目を瞑った。



21:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:53:12.13 ID:0oiC/ZAWO
  

が、悲鳴も何も聞こえない。

ブーンは不思議に思い、目を開けてみる。
すると男のパンチは女店員に普通に手で止められていた。

亀田「え…!?」

川#゚ -゚)「さっさと店から出ていけ」

そう言うとその女店員は男の首根っこを掴む。
そしてなんと持ち上げた。

亀田「な!?
こ…こんなことって…ありえないやろ!?」

男は完全に浮かびあがり、足をバタバタさせる。
が、それでも状況は変わらない。

亀田「い…今のはワイなりのパフォーマンスや…だから許し…」

川#゚ -゚)「去れ!」



22:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:57:24.42 ID:0oiC/ZAWO
  

女店員は男を睨む。
そしてなんと彼女は男を投げ飛ばした。
しかもそのまま片手で。

亀田「親父――――っ!!!」

男はすごいスピードで投げ飛ばされ、ファミレスの窓を突き破り、どこかへ消えた。

(;^ω^)(;'A`)「…」

店長「あーっ!客は投げ飛ばすなって言ったろクーちゃん!」

川 ゚ -゚)「申し訳ない」

店長「うーん!でもかわいいから許しちゃう☆」

川 ゚ -゚)「ありがとうございます」


( ^ω^)「…きめぇ店長だお」

ブーン達は今の一件でとりあえず冷静になり、飯を食いさっさとファミレスを後にした。



23:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 19:59:52.20 ID:0oiC/ZAWO
  

――そして家までの帰り道にて。

( ^ω^)「世の中色んな子がいるもんだお」

('A`)「顔はいいのになー」

ブーン達がそんなことを話していると目の前にまさにその女の子が。

都合いいなんて意見は聞かないぞ。

川;゚ -゚)「……」

彼女は何か紙を見ながら同じ所ばかりうろうろしていた。
どうやら何か困っているようだった。



24:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:05:21.17 ID:0oiC/ZAWO
  

( ^ω^)「あ、さっきの店員さんだお」

('A`)「なんか困ってるみたいだな…」

( ^ω^)「僕のモットーは一日一善だお!」

そう言い、ブーンはその女の子の所へ歩いていった。
(;'A`)「ちょ、待てよ!」

( ^ω^)「キムタク乙」

ドクオもブーンについて行く。
そして一日一善と表向きでは言いつつも、実は下心満載のブーンがその女の子に話しかける。

( ^ω^)「どうしたお?」

川;゚ -゚)「ん?君は?」

( ^ω^)「困った人を見捨ててはおけない者だお!」

('A`)「…その友達です」

ブーンとドクオはそう言い、肩を組んだ。
仲良さアピールである。



25:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:07:13.78 ID:0oiC/ZAWO
  

川 ゚ ー゚)「…そうか」

女はクスッと笑いブーンに持っていた紙を見せる。

川 ゚ -゚)「実はこの住所の家に行きたいのだが…わかるか?」

ブーンは紙を見る。
するとそれは見たことのある住所だった。

( ^ω^)「あぁこの住所はなんか見覚えあるお!」

川 ゚ -゚)「なら…案内してくれるか?」

( ^ω^)「お安い御用だお」

川 ゚ ー゚)「…ありがとう」

その女の子はまた優しく微笑んだ。



26:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:09:01.21 ID:0oiC/ZAWO
  

ブーン達は三人でその住所を探す。
そしてその間色々なことを話した。

川 ゚ -゚)「私の名は空。素直空(すなおくう)だ」

( ^ω^)「へー!クーちゃんって言うのかお!僕はブーンだお!」

('A`)「俺はドクオです…」

川 ゚ ー゚)「ブーンにドクオか…いい名前だな」

( ^ω^)「ありがとだお!
ところでクーちゃん!今日僕達クーちゃんがバイトしてるファミレスにいたんだお!」

川 ゚ -゚)「あ〜そうなのか……見た?」

('A`)「そりゃもうバッチリと」

( ^ω^)「凄かったお!なんであんなに強いんだお?」



27:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:12:05.00 ID:0oiC/ZAWO
  

川 ゚ -゚)「実は私は父が空手の道場を営んでいてな。
それで小さい頃から父に鍛えられて育ってきたんだ」

( ^ω^)「ほぉ〜…道理で強いわけだお」

(;'A`)「ブーン、あんま誉め言葉に聞こえないぞそれ」

川 ゚ ー゚)「面白いな君たちは」

クーはまたまたフフッと小さく笑う。

その笑顔はファミレスで見せた鬼の表情とは180度違う神々しい顔だった。


('A`)(うおっまぶし)



29:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:16:58.25 ID:0oiC/ZAWO
  

そしてブーン達が歩き続けて何分か経った。
どうやらクーの目的地に着いたようだ。

( ^ω^)「おっおっおっ!着いたお!この家だお!」

川 ゚ ー゚)「ここか。色々ありがとう」

( ^ω^)「いいってことだお!じゃあ僕達はこの辺で!また会おうお〜」

川 ゚ ー゚)「ああ」

ブーン達はそこで別れた。
クーはその家の中へ入っていき、ドクオも満足して自宅へと帰って行った。


( ^ω^)「人の役にたつのは気持ちいいお!
超気持ちいい!!」

ブーンも満足し、優越感に浸っていた。



31:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:19:53.74 ID:0oiC/ZAWO
  

( ^ω^)「さて…僕も帰るお!」

ブーンはそう言うと目の前の家の玄関を開け、家の中に入った。

( ^ω^)「…あれ?」

ブーンは何か違和感を感じつつも、気にしなかった。

J( 'ー`)し「ブーンおかえり。あ、お客さんが来てるわよ」

あれ?
ブーンはやっぱり何か引っ掛かるも、お客さんの待っている居間に顔を出す。

満面の笑顔で。

( ^ω^)「こんばんは!どちらさまだお!?」



32:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:24:17.31 ID:0oiC/ZAWO
  

川 ゚ -゚)「…大分早い対面だな」

( ^ω^)
(^ω^)
( ゚д゚ )

川 ゚ -゚)「こっちみんな」

( ゜ω゜)「アッ------!!!!!」

ブーンはやっと気付いた。
謎の違和感の正体を。



あの住所は、自分自身の家の住所だったことを。



33:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:29:40.67 ID:0oiC/ZAWO
  

川 ゚ -゚)「…君は…馬鹿だったんだな」

(;^ω^)「あうあう…」

ブーンはあやふやする。
なんだか恥ずかしいのと面目ない感情が同時に襲ってきたからだ。

(;^ω^)「…すまんかったお」

川 ゚ ー゚)「ふふっ…」

川 ゚ ー゚)「…君は本当に面白い奴だな」

(;^ω^)「…馬鹿にしないで欲しいお」

川 ゚ ー゚)「安心しろ。私は君を馬鹿だとは思っていない。
すこし間抜けだと思っているだけだよ」

(;^ω^)「あうあう…」



35:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:35:44.44 ID:0oiC/ZAWO
  

川 ゚ ー゚)「冗談だよ。あまりに君が面白くてな」

(;^ω^)「…そうかお?」

川 ゚ ー゚)「そうだとも。
あぁ気分がいい。こんなに笑ったのは久しぶりだ」

クーの顔は笑顔だった。

普段無愛想な顔をしている彼女に、ブーンはずっとそのままの顔でいればいいのに。とも思った。

( ^ω^)「…おっおっ! クーが喜んでくれて嬉しいお!」

川 ゚ ー゚)「そうかい。ありがとう」

( ^ω^)「僕達きっといい友達同士になれるお!」

ブーンは期待を込めて言う。

川 ゚ ー゚)「あぁ…そうだな」

そうクーが答えた瞬間、クーの顔からは笑顔が消えた。



37:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:41:08.73 ID:0oiC/ZAWO
  

川 ゚ -゚)「それだけに…残念だよ」

クーの顔からは完全に笑顔は消えた。
ファミレスで見た時の様な、事務的な顔に戻ってしまった。

(;^ω^)「…どういうことだお?」

ブーンは意味がわからない。
理由を知りたいがためにブーンはクーに問う。

川 ゚ -゚)「…そういえばブーン。
君のブーンとは本名ではないのか?」

クーはブーンに問い返す。
その時の顔は心なしか少し明るくなっていた気がした。



39:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:45:31.11 ID:0oiC/ZAWO
  

(;^ω^)「あ…ごめんお。
僕の本名は内藤ホライズンって言うんだお…ブーンはあだ名だお」

川 ゚ -゚)「そう…か」

クーの顔からは先程あったように思えた明るみはなくなっていた。
そして喋り出す。

川 ゚ -゚)「ブーン…いや、内藤ホライズン…」

(;^ω^)「??」

川 ゚ -゚)「君も…能力者なのか」

(;^ω^)「!!」



40:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:50:59.65 ID:0oiC/ZAWO
  

川 ゚ -゚)「…シャキン様の誘いを断った者よ」

(;^ω^)「シャキン!?」

(;^ω^)「まさか…!」

クーの顔には全く笑みはない。

今は使命感に取り憑かれたような…そんな奇妙な感じしかしなかった。

川 ゚ -゚)「君とはもっと別な形で会いたかったよ」

川 ゚ -゚)「内藤ホライズン…」



41:fushianasan(関東) :2007/03/20(火) 20:51:55.00 ID:0oiC/ZAWO
  

川 ゚ -゚)「君を…倒す」









第四話 おわり



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