( ^ω^)ブーンが神候補から能力を受け取ったようです
- 8:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:15:29.52 ID:1yWBIlqgO
- 第五話 「ツン」
――さっき知り合ったばっかりなのに…。
仲良くなれると思ったのに…。
(;^ω^)「クー! 君はシャキンの…!」
川 ゚ -゚)「…あぁそうだ」
クーは何も感情を込めずに言う。
先程の眩しい笑顔はどうしたのだろう。
今はまるでただの機械のようだ。
川 ゚ -゚)「シャキン様の命令でな、私は君を倒さなくてはならない」
(;^ω^)「…!!」
そしてクーは一枚の紙をブーンに手渡す。
どうやらどこかの住所が書いてあるようだ。
- 9:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:16:58.27 ID:1yWBIlqgO
( ^ω^)(…この住所は見覚えないお)
川 ゚ -゚)「これは私の家…まぁ言っても道場だがな。そこで手合わせ願いたい」
川 ゚ -゚)「日にちは次の日曜日。では待っているぞ」
クーは立ち上がり、ブーン宅の居間から出ようとする。
が、それをブーンは止めようとするかのように彼女を呼ぶ。
(;^ω^)「クー!」
川 ゚ -゚)「…逃げるなよ」
クーはただ一言言い、そのまま振り返らず、扉を開け出ていった。
(;^ω^)「…クー……」
- 10:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:19:11.27 ID:1yWBIlqgO
――土曜日。
クーと約束した日の一日前。
ブーンは一人で町をうろうろしていた。
( ^ω^)「なんかおちつかないお……」
( ^ω^)「……ファミレスでも行くかお」
ブーンはクーのバイトしているファミレスに向かっている。
理由はわからない。
だが足が勝手にその方向へ向かってしまうのだ。
- 11:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:20:38.49 ID:1yWBIlqgO
( ^ω^)「……!」
が、ブーンは途中で足が止まる。
道の途中でうずくまっている女の子がいたからだ。
その子は顔を両手で押さえ、小さく声にならない声が出ていた。
どうやら泣いているようだった。
( ^ω^)「…どうしたお?」
ξ゚听)ξ「…誰?」
彼女は顔を上げた。
顔は涙で泣き濡れており、目の周りも赤くなっていた。
- 12:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:24:24.42 ID:1yWBIlqgO
( ^ω^)「どうして泣いてるんだお?」
ξ゚听)ξ「バッ……泣いてなんかないわよ!
……てか初対面の人にそんなこと言うなんてデリカシーないわけ!?」
ブーンの問いに、
その子はまるでマシンガンのようにブーンへと言葉を怒鳴り返す。
てかどう見ても泣いてるだろう。
ブーンはそんないきなりの予想GUYな反撃にショックで泣き崩れた。
( ;ω;)「心配しただけなのにお…」
ξ゚听)ξ「……あれ?」
ξ;゚听)ξ「あぁもう起きなさいよ!何メソメソしてんの!」
そう言い彼女はブーンを引っ張り上げる。
- 13:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:26:16.36 ID:1yWBIlqgO
( ;ω;)(あれ?立場が…)
ξ゚听)ξ「男なら泣かないの! もう…」
ξ゚ー゚)ξ「……ふふっ」
彼女はまだ少し目は赤いものの、ブーンに対して笑顔を見せる。
(*^ω^)「おっ?」
(*^ω^)(……かわいいお)
そして彼女は自分のことを話し出した。
ξ゚听)ξ「私は津出 玲(つで れい)。ツンと呼んで。貴方は?」
( ^ω^)「僕は内藤ホライズン! ブーンと呼んでお!」
何故か礼儀正しくお互いに自己紹介した後、ブーンはやっと核心に迫る。
- 14:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:30:48.95 ID:1yWBIlqgO
( ^ω^)「ところで…なんでツンは泣いてたんだお?」
ξ;゚听)ξ「…だから泣いてな……!」
(;^ω^)「あー、じゃあツンは一体どうしたんだお?」
ブーンは尋ね方を微妙に変え、また尋ねてみる。
ξ゚听)ξ「……実は私の宝物が盗まれたの」
(♯^ω^)「なんだとお! それはいかん! そいつはどこ行ったお?」
ξ゚听)ξ「うぅん、わからないわ…。
でも、確かそいつはエラが張ってたわね…」
( ^ω^)「…エラ?」
- 15:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:32:53.89 ID:1yWBIlqgO
魚かっ!
とブーンは突っ込みそうになる衝動に襲われるも、なんとか抑える。
にしても、ヒントが「エラ」だけとは。
てかエラってなんだよエラって。
捜査は難航しそうな暗雲が立ち込めていた。
と、思いきや。
MIYOKO「キャー!!ひったくりー!!」
( ^ω^)「ん?」
突然ブーン達の後方から悲鳴。
そしてバッグを持って走ってくる一人の男。
<;ヽ`∀´>「ハァハァ」
( ゜ω゜)「エラ!!」
一瞬で特定した。
- 16:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:34:29.05 ID:1yWBIlqgO
ξ;゚听)ξ「ブーン!! こいつだわ!!」
( ^ω^)「把握した!」
ブーンは両手を広げ、エラ男の前に立ち、通せんぼする。
( ^ω^)「ここは通さんお! 通りたくば持ち物全部置いてけお!」
ξ;゚听)ξ(完全に悪役のセリフね…)
が、エラ男は止まろうとしない。
- 17:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:35:29.98 ID:1yWBIlqgO
<`∀´>「邪魔だニダ! さっさとどくニダ!」
( ^ω^)「嫌だお! さっさと返すお!」
<`∀´>「じゃ、力ずくでどかすニダ!」
するとエラ男は急に笑い始める。
<`∀´>「ウェーハッハッハ!!」
(;^ω^)「何のつもりだお……ん!?」
途端、ブーンに違和感が走る。
- 18:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:36:45.02 ID:1yWBIlqgO
ξ;゚听)ξ「ブーン! どうしたの!?」
(;^ω^)「足が…動かないんだお! まるで重りが付いているみたいに…!」
<`∀´>「ウェーハッハッハ!」
笑いながらエラ男はブーンにぶつかる。
ブーンは踏ん張れずにコテン、と倒れてしまう。
(;^ω^)「な…なんでだお!?」
<`∀´>「ウェーハッハッハ! 思い知ったかニダ!」
エラ男が笑うのをやめた瞬間、急にブーンの足が軽くなる。
ブーンはすぐに起き上がり、男に向かう。
- 19:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:38:49.82 ID:1yWBIlqgO
(;^ω^)「今何をしたお!?」
<`∀´>「ウリはエラばれた人間ニダ! お前らなんかに教えてやるかニダー!」
( ^ω^)「選ばれた…?」
このセリフにブーンはピンと来た。
そして確かめるために言う。
( ^ω^)「お前能力者かお」
<;ヽ`∀´>「ファビョーン! ばれた! ということはお前もかニダ!」
ξ゚听)ξ「能力者…!?」
<`∀´>「なら逃げるが勝ちニダ!!」
エラ男はまた走り出す。
それに続いてブーン、ツンも走って追いかける。
そして走ること約一時間。
やっとブーンはエラ男の腕を捕まえた。
- 20:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:41:23.21 ID:1yWBIlqgO
(;^ω^)「つ…疲れたお…なんでこんな走る必要があるんだお…さっさと返すお…!」
<;ヽ`∀´>「い…嫌だニダ…! その手を離すニダ…!」
逃げようとするエラ男。
絶対逃がすまいとするブーン。
このままでは進まない、と思ったのかエラ男は提案する。
<`∀´>「…この際ニダ! 戦って勝負を決めるニダよ!」
<`∀´>「ウリの名はニダー! 朝鮮を世界の中心にする者なりニダ!」
( ^ω^)「…それなら受けてたつお!」
- 21:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:43:49.06 ID:1yWBIlqgO
ブーンはポケットからペンを取りだし、槍へと変える。
( ^ω^)(特訓の成果見してやるお!)
( ^ω^)「うおおおーっ!!」
槍をかまえ走るブーン。
しかしニダーは簡単にはそれをさせない。
<`∀´>「ウェーハッハ!」
また笑い出すニダー。
それに伴い足が動かなくなるブーン。
(;^ω^)「またかお…!」
<`∀´>(これでタコ殴りニダ!!)
と、ニダーが思ったのも束の間、ブーンの槍がニダーの頬をかすめる。
<;ヽ`∀´>「ニダ!?」
- 22:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:45:38.98 ID:1yWBIlqgO
( ^ω^)「足が動かなくても腕は動くお!」
そう言いブーンは槍を突きまくる。
ニダーはギリギリでそれを避ける。
<;ヽ`∀´>(なんだニダこれは…! 避けるので精一杯ニダ…)
( ^ω^)「フンフンフン!!」
止まらないブーン。
ニダーは避けるのと笑うのに精一杯だ。
そのため後ろから迫る者に気付かなかった。
- 23:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:46:47.85 ID:1yWBIlqgO
ξ゚听)ξ「ブーン!!」
と、ツンはニダーの背中に体当たりする。
その威力は大したものではなかったが、今のニダーにはそれだけで十分だった。
<;ヽ`∀´>「ウェーハッ……ゲホッ!ゲホゲホ!!」
むせるニダー。
( ^ω^)「おっ!」
とたんにブーンの足が軽くなる。
- 24:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:48:45.44 ID:1yWBIlqgO
( ^ω^)「隙あり!!」
動けるようになったブーンはすかさず槍をニダーの脇腹に、まるでバットを振る時のように柄の部分を叩き込む。
<;ヽ`∀´>「ゴフッ!」
ニダーの口からは血が飛ぶ。
そして彼は自分の脇腹を押さえる。
痛みを堪えているのか、苦しんでごろごろ転がっていた。
<;ヽ`∀´>「ウ…ウリの『影に重(ズシ)を加える能力』が…こんな小娘のせいで敗れるとはニダ…」
<;ヽ`∀´>「た……竹島はウリ達の領土ニダ……!」
謎の捨てゼリフを吐いて、ニダーは気絶した。
(;^ω^)「勝ったお…にしてもこいつ耐久力ないお」
- 25:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:52:23.28 ID:1yWBIlqgO
ニダーが気絶したのを確認し、ブーンの元へ駆け寄るツン。
ξ゚听)ξ「ブーン! 大丈夫?」
( ^ω^)「なんとか大丈夫だお。ツンのおかげだお。ありがとうお」
ブーンの何気なーい言葉にツンは赤面する。
ξ///)ξ「べっ…別にブーンのためにやったんじゃないんだからね!」
(;^ω^)「わかってるお! それよりツンの宝物はあるかお?」
ブーンはニダーの身ぐるみを探る。
そしてニダーの服のポケットから何かを取り出した。
ξ゚听)ξ「あっ…あったわ! それよ!」
( ^ω^)「お! これかお?」
- 26:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:53:48.98 ID:1yWBIlqgO
それはペンダント。
ペンダントに付いているきれいな青色の石がキラキラと光る。
( ^ω^)(きれいだお…)
そしてブーンはそのペンダントをツンに渡す。
ξ゚听)ξ「……ありがとう」
ツンはペンダントを自分の首に着け直す。
ペンダントはとてもツンに似合っていた。
( ^ω^)「似合ってるお! もう盗まれるんじゃないお!」
ξ゚听)ξ「……ねぇブーン」
( ^ω^)「お?」
- 27:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:56:19.88 ID:1yWBIlqgO
ξ゚听)ξ「なんであなたは…見ず知らずの人のために必死になれるの?」
ツンが尋ねる。
ツンの突然の質問にブーンは戸惑う。
ブーンは手を顎につけ少しの間考える。
そして答えた。
(;^ω^)「ん〜…」
(;^ω^)「……わからんお」
ξ゚听)ξ「え?」
(;^ω^)「自分でもわからないお……ただ困っている人を見ると体が勝手に動くんだお」
ブーンの言葉に思わずツンは少し微笑んでしまう。
- 28:三銃士(関東) :2007/03/23(金) 22:57:16.32 ID:1yWBIlqgO
ξ゚ー゚)ξ「なによ、それ」
(;^ω^)「アッー! 今笑ったおね! 恥ずかしいんだから笑わないで欲しいお!」
ξ゚ー゚)ξ「ふふっ」
ξ゚ー゚)ξ(なんだろうこの感じ…あの人に…似てる……)
(;^ω^)「だから笑うなお――!」
第五話 おわり
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