( ^ω^)ブーンが神候補から能力を受け取ったようです

10:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:32:58.94 ID:oZc8P/xYO
  


私は津出玲。
今、私は以前とは少し違う生活を送っています。
なぜなら、私はおじさんと出会ったから。
おじさんはお父さんみたいで、私が心から楽しく話せる人。

私はおじさんが好き。
……あ、そういう意味じゃないよ?
あくまで親子的な「好き」だから。

そういえば。

最近、私には夢が出来ました。
でもまぁ、絶対に叶うことはない夢なんだけどね。

何かって?

それはね……



11:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:34:08.24 ID:oZc8P/xYO
  



おじさんと、本当の親子になること。



第八話 「TSUN's episode/separetion」



12:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:35:45.49 ID:oZc8P/xYO
  

私は今日も公園のいつものベンチでおじさんと話していた。
もちろん首にはおじさんからもらったペンダントを着けて。

ξ゚听)ξ「どう? おじさん。似合ってる?」

/ ,' 3「似合ってるよ。やっぱり僕はセンスあるねぇ」

ξ゚ー゚)ξ「ありがとう。でも似合ってるのは元がいいからよ」

/ ,' 3「言うねぇ」

などと私達は冗談を混じえながら楽しく会話する。
もうこれはいつものことなのだが、私は今日、あることを言う決意をしていた。
けれどもいざ言うとなると、なんだかためらってしまっている自分がいた。



13:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:37:54.06 ID:oZc8P/xYO
  

ξ゚听)ξ(……どうしようかなぁ……断られたらやだしなぁ……)

/ ,' 3「……どうした?」

ξ゚听)ξ「えっ」

私は驚き、思わず声を出してしまっていた。
顔に出ちゃってたのかな……?

でもここまで来たら……もう言うしかないか。

やるぞ! 私!
頑張れ! 私!



14:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:38:39.33 ID:oZc8P/xYO
  

ξ///)ξ「あっ、あのねおじさん!!」

/ ,' 3「?」

ξ///)ξ「こここっ今度、いいいっ一緒にどどどこかいい行かない?」

やった。
言えたぞ。
多少どもってしまったかもしれないが不可抗力不可抗力。

けれども……OKしてくれるかn
/ ,' 3「いいよー」

早っ!



15:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:41:18.51 ID:oZc8P/xYO
  

こんなにあっさり決まるとは。
なんであんなに悩んでたのか、自分が馬鹿馬鹿しくて恥ずかしい。

けど、嬉しい。

/ ,' 3「突然だね。ところでどこ行くの?」

ξ゚ー゚)ξ「……ペンダントのお礼よ。どこかにご飯を食べに行きましょう」

/ ,' 3「ん。いいね」

/ ,' 3「でもワリカンね」

ξ゚ー゚)ξ「いや、私が奢るわ。ペンダントのお礼だもん」

/ ,' 3「まだ高校生に奢られるほど金には困ってないわ」

ξ゚ー゚)ξ「ふーん」

私はニヤニヤしながらその発言を聞いていた。
そしてこの日は一緒に出かける日の予定を決め、また少し話してから、公園を後にした。



16:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:43:16.43 ID:oZc8P/xYO
  

――そして遂にやって来た、……その日。

待ち合わせはもちろんいつもの公園。
リムジンで迎えに行ったらなんかおじさんが凄く驚いてた。
私は思わずその姿に笑ってしまった。

/ ,' 3「……もしかしてお金持ち?」

ξ゚ー゚)ξ「まぁね。で、これから行くとこ高いけど…それでも、ワリカン?」

/ ,' 3「……大人をなめるな!」

ξ゚ー゚)ξ「ふふっ、そう」

執事にリムジンの扉を開けてもらい、おじさんはリムジンの中に入って来た。
なんだかしどろもどろしてる。
その姿がおかしくて私はまた笑ってしまった。



17:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:46:17.45 ID:oZc8P/xYO
  

そしてリムジンを走らせて数十分、目的地に着く。
高級なフランス料理店だ。
もちろん五つ星で味も納得の店。
おじさんはまた驚いたみたいで、顎が外れていた。

だが頑に奢るのを認めさせない。
強情だなぁと私は思った。
でもそういう所も、私は嫌いじゃなかった。

そして私達は店内に入り、メニューを見た所でおじさんはようやく折れた。
というより、おじさんの財布の中身ではここでは何も食べられなかった。

てか500円しか入ってないってどういうことだよ。
何食う気だったんだよ。

/ ,' 3「なんて高さだよ……良くここに来てるのかい?」

ξ゚听)ξ「まぁね」



18:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:49:24.54 ID:oZc8P/xYO
  

私は顔馴染みのウェイターにいつもの料理を注文する。
おじさんも同じのを注文した。
というか、私がさせた。
フランス語で、おじさんは読むことが出来なかったからだ。

/ ,' 3「……面目丸潰れ」

ξ゚听)ξ「大丈夫よ。元々面目なんてないから」

/ ,' 3「ひでぇwww」

ξ゚ー゚)ξ「冗談に決まってるでしょ」

/ ,' 3「……はは。楽しいなぁ」

ξ゚听)ξ「……?」

おじさんは何か思い出すような……遠い目をしていた。
私はそれに気付き、何故か話し掛けづらくなった。
しかし数秒後、すぐおじさんの方から口を開いた。

/ ,' 3「……あぁごめん。少し昔の事を思い出した」



19:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:52:11.91 ID:oZc8P/xYO
  

ξ゚听)ξ「昔の事?」

/ ,' 3「うん……実は僕には子供が居るんだ」

あっさりと凄いカミングアウト。
そういえばおじさんの昔の話って聞いたことなかったな……

ξ゚听)ξ「へぇ〜、結婚してたんだ」

/ ,' 3「まぁ今は色々事情があって離れて暮らしているけどね。僕の子は君と同じくらいの歳だっけかなぁ」

/ ,' 3「僕の子はやんちゃでね……楽しかったなぁ」

ξ゚听)ξ「……」

そんなおじさんの過去を聞き、私はおじさんが何故今離れて暮らしているのか気になった。
ただとても問いただす気にはなれなかった。



20:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:54:18.79 ID:oZc8P/xYO
  

過去を話すおじさんはなんだか楽しそうで、悲しそう。
変な表現だが、ホントにそんな感じがしたからだ。


そして料理が来る。
おじさんは料理にも驚いていた。
そこで空気は再び一転し、また話が弾んだ。


しばらくして、私達はおいしい食事を終え、またリムジンに乗り込んだ。



21:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:55:58.19 ID:oZc8P/xYO
  

リムジンにて。

ξ゚听)ξ「……ねぇおじさん、公園……行かない?」

/ ,' 3「公園?」

ξ///)ξ「べっ別に一緒に居たいわけじゃないんだからね! ただ話したいことがあるだけだからね!」

/ ,' 3「外もう暗くなってきてるが……大丈夫?」

ξ゚听)ξ「大丈夫大丈夫!」

/ ,' 3「そっか……なら行こうか。ただあんまり遅くまではダメな」

ξ゚ー゚)ξ「ありがとうおじさん!!」

私は浮かれていた。
大好きなおじさんとまだまだ話が出来るからだ。



――だけど、それがいけなかった。



22:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:57:17.49 ID:oZc8P/xYO
  


……私は今も後悔している。


あの時、私が、おじさんを、誘わなかったら、おじさんは、おじさんは――



23:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 20:59:38.78 ID:oZc8P/xYO
  

――そして公園。
私達はやっぱりいつものベンチで話している。
私の心の中ではおじさんと本当の親子になりたい、その理想が膨らむばかりだった。

ξ゚听)ξ「……大分暗くなってきたね」

/ ,' 3「そろそろ帰った方がいいんじゃないかい?」

ξ゚听)ξ「やだ」

/ ,' 3「即答ですね」

ξ゚听)ξ「おじさんがいれば何も恐くないもーん」

と、私がそんなことを言っていると急におじさんの顔が一変した。
おじさんの優しかった顔は突然強張る。
そして私に向かって言う。

/ ,' 3「……今日はもう帰りなさい」

ξ゚听)ξ「え?」



24:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:00:36.49 ID:oZc8P/xYO
  

ξ゚听)ξ「い…嫌だって言ってるじゃない」

/ ,' 3「いいから」

私は困惑した。

なんで?

おじさんが今まで私の願いを断ったことはなかったのに……まぁ嫌な顔される時はあったけど。

でも「話したい」と言って断られたことは一度もなかったのに……なんで?



25:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:02:01.04 ID:oZc8P/xYO
  

そう悶々と考えていると、私にある一つの考えが浮かんでくる。

……もしかして私……嫌われた?

……そんなわけない
……ないよね
……

でも……私……ワガママだし……性格悪いし……しつこいし…

……おじさんが嫌いになっても……
……不思議じゃない……

……そっか。

……迷惑だったんだなぁ

……嫌われちゃったか

私の頬の辺りを生温かいものが流れ落ちている。
気付けば私は泣いていた。



26:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:05:10.28 ID:oZc8P/xYO
  

ξ;;)ξ「……そっか。そうだよね。迷惑だったんだよね。ごめんね。」

泣き出す私におじさんは戸惑ったようだ。

/ ,' 3「……ツン、違うんだ。これには理由が――」

ξ;;)ξ「違うもなにもないよ!!」

/ ,' 3「!!」

つい私は怒鳴ってしまった。
私が悪いのに。

ξ;;)ξ「嫌だったんなら……最初から言ってよ……。
私おじさんを本当のお父さんみたいに……思ってたんだよ……」

/ ,' 3「……」

おじさんは黙り込む。



27:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:06:18.11 ID:oZc8P/xYO
  

にしても何で私はこんなことを言っているんだろうか。
自分の素直じゃない性格にホントに嫌気が差す。

――私は今も思う。
この時、すぐ従っていたら……。



28:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:08:13.88 ID:oZc8P/xYO
  

と、私が泣きながら喋っていると私達のベンチに2つの人影が近寄って来ていた。
そしてそれは私達のベンチの目の前で立ち止まった。
ξ;;)ξ「……!」

一人は見覚えがある。
あいつだ。
私を襲おうとした男。

( ^Д^)「……よぉ。久しぶりだな」

あの時の恐怖が蘇る。
そしてその男、プギャーは私達に向かって話し出した。



29:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:09:48.98 ID:oZc8P/xYO
  

( ^Д^)「……今日の目的はお前じゃねぇよ。お前だ」

そう言って指差したのは……おじさん。

そしてプギャーは仲間に話しかける。

( ^Д^)「やっぱりここに居ましたぜ」

私はその仲間の方を見る。
その人は仮面を被っていた。
素顔は仮面に覆われていて全く見えない。
そしてそいつは仮面を被ったまま、喋り出した。



30:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:11:31.57 ID:oZc8P/xYO
  

(-_-)「オッサン……やっと見つけたぜぇ……!」

(-_-)「お前の能力……おとなしくよこしな……!
オレの野望にはそれが必要なんだよ…!」

/ ,' 3「……だから嫌だと言っているだろう」

ξ;;)ξ「……?」

さっぱり状況が飲み込めない。
能力?なんのことやら。

でも、一つだけ分かることがある。

あの人達……怖い。

(-_-)「やっぱ力づくでいくしかねぇかぁ…!」

と、仮面の男が言う。
仮面で表情が見えないことが私の恐怖をさらに増やさせる。

(-_-)「おい! プギャー!」

( ^Д^)「了解! オッサン…あん時の借り…返さしてもらうぜ」



31:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:14:27.08 ID:oZc8P/xYO
  

プギャーはポケットから何かを取り出した。

何かしら…?
と目を凝らしてよく見てみると、それはゲーセンとかでよく見る、メダルであった。

( ^Д^)「大人しく捕まりな!」

そう言うとプギャーはおじさんの所へそのメダルを投げてきた。

( ^Д^)「――メダルを鉄檻に変える能力!」

するとおじさんの所へ向かっているものがメダルから大きな鉄の檻に変化していた。

鉄の檻は台所のボウルみたいな半円の形をしており、捕えられた者は絶対に出てこれなそうだった。

/ ,' 3「おぉ」

だがおじさんは冷静にその鉄檻を避け、その後すぐさま私の腕を掴んで一言。

「逃げるぞ」と。



32:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:17:02.51 ID:oZc8P/xYO
  

私はおじさんに腕を引っ張られて走る。
まだ状況が飲み込めない私はおじさんに問う。

ξ゚听)ξ「ねぇ……何これ? 能力って? あの人誰?」

涙はいつの間にか引いていた。

/ ,' 3「……説明している暇はないんだ」

/ ,' 3「ツン……僕はここでやられるだろう」

ξ゚听)ξ「え? だ、だっておじさんは強いんじゃ――」

/ ,' 3「あいつは別格の能力者だ。神候補である僕も勝てない。
今まで逃げ回って来たが、ついにこの日が来た」

/ ,' 3「僕はおそらく……捕まり……そして死ぬ」

ξ゚听)ξ「!!」



34:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:19:32.65 ID:oZc8P/xYO
  

おじさんの言っている事はなんだか良くわからなかった。
というか理解したくなかった。

能力者?
神候補?
――死ぬ?

頭の中でおじさんの言葉が巡りに巡って、私はさっき乾いたはずの涙がまた溢れでてきた。

ξ;;)ξ「や…やだよおじさん!! 死ぬなんて言わないで!!」

/ ,' 3「……落ち着いて聞いて欲しい。ツンに、最後で最初のお願いだ」

泣き叫ぶ私に、淡々とした声で話すおじさん。

/ ,' 3「……私の能力は悪用されると酷い事になる。あいつらの手に渡してはいけない」

/ ,' 3「そこでだ。ツン……この能力を受け取って……逃げてくれ」

ξ;;)ξ「なんのことだか全然わかんないよ!! おじさん、一緒に逃げようよ!!」



35:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:23:27.72 ID:oZc8P/xYO
  

するとさっきまで淡々と話していたおじさんの声が、急に優しくなり、私にまた喋りかけた。

/ ,' 3「……ツン。泣くな。強くなれ」

ξ;;)ξ「!!」

/ ,' 3「自分でも酷い頼みだとわかっている。ただ……これしかないんだ」

ξ;;)ξ「でも……でも…」

/ ,' 3「……ツン。キミは素直でいい子だ。僕もキミと別れるのは嫌だ」

ξ;;)ξ「なら……!」

/ ,' 3「でもダメなんだ。相手は僕の能力を狙っている。一緒にいたらキミも狙われる」

/ ,' 3「だからキミは僕の能力を受け取り、逃げるんだ。
しばらくの間はバレないように私がなんとかしておく」

/ ,' 3「逃げた後は能力者の仲間を探せ。キミに味方してくれる者はきっとすぐ現れる」

そこでおじさんは一息つき、また一言。



36:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:26:04.42 ID:oZc8P/xYO
  

/ ,' 3「……僕とキミはもう親子だ。血が繋がってなくても親子だ」

ξ;;)ξ「!!」

/ ,' 3「僕のかわいい娘、ツン……親の言うことは聞くもんだぞ?」

/ ,' 3「私達親子の絆は深い。例え、離れ離れになっても、だ」

その時のおじさんは、私とおじさんが出会った時のような、ひょうひょうとした感じだった。

私は泣きながらもその言葉を聞き、笑う。

ξ;ー;)ξ「……そっか。親子か…」



37:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:26:57.60 ID:oZc8P/xYO
  

ξ;ー;)ξ「……わかった。おじさんのお願い叶えるよ。
……でも、そのかわり……私も最後のお願い……」

ξ;;)ξ「お父さん、って呼んでもいい……?」

/ ,' 3「……あぁ、もちろんだ」

ξ;;)ξ「――お父さんっ!!」

私は泣きながらおじさん、いやお父さんの胸に飛びこんだ。
お父さんはそんな私を黙って抱き締めてくれた。

それはあったかくて、心地好くて、幸せだった。



38:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:28:24.15 ID:oZc8P/xYO
  

/ ,' 3「……さてツン。そろそろお別れだ。能力はもうキミに授けておいた」

/ ,' 3「……さらばだ。最愛なるツンよ」

ξ;ー;)ξ「うん……お父さん。私、頑張るよ。……今までありがとう。じゃあね」

と、私はおじさんに向かって手を振ろうとする。
その瞬間。
お父さんの背後から黒く、大きな物が飛んでくる。
それは見覚えがある、さっきの鉄檻だった。

ξ;;)ξ「お父さん!!」

/ ,' 3「!!」

お父さんは反応が遅れ、その鉄檻に捕まってしまった。



39:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:30:04.21 ID:oZc8P/xYO
  

( ^Д^)「ヒャッハー! やっと捕まえたぜ!!」

うろたえる私。

ξ;;)ξ「お、お父さん!!」

/ ,' 3「私の事はいい!! 逃げろ、ツン!! 早く!! 行け!!」

ξ;;)ξ「――!!」

私はさっきお父さんに言われた事を思いだし、歯を喰いしばり、走り出す。

お父さんの頼みを聞けるのは私しかいない、私がこの能力を守るんだ。

その事のみを胸に私は走る。
もう後ろは振り返らない。
振り返るとお父さんの姿を見てしまいそうだから。
心が折れてしまいそうだから。



40:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:33:01.24 ID:oZc8P/xYO
  

/ ,' 3(……私の愛する子供達よ、悪の手から世界を救ってくれ……)

/ ,' 3(そして妻よ……夫らしいことを全然してやれなくてすまなかった。
……今までありがとう)

(-_-)「これでもう逃げられないぜぇ……! 能力渡しな! オッサン!」

/ ,' 3「……私はまだやらねばならないことがある。お前達を少しでも足止めすることだ」

(-_-)「ヒャハハ……何言っちゃってんのオッサン!?
アンタはもう袋の鼠! オレらに従うしかねぇんだよ!!」

/ ,' 3「……それでもただ従うのは嫌だ。僕は最後まで諦めない主義でね」

(-_-)「……強情なオッサンだな。わかったよ。でもちょっとだけな? あんまり長引くと……」

(-_-)「つい殺しちゃうから」



41:ひちょり(関東) :2007/04/01(日) 21:34:17.24 ID:oZc8P/xYO
  

月明かりに照らされるアスファルトを私はとにかく走る。

例え涙が溢れて前が見えなくても。

例えお父さんの悲鳴が聞こえてこようとも。


私の首からぶら下がるお父さんからもらったペンダント。
ペンダントの青い石は月の光に反射し、それはただただ美しく、そして悲しく輝くのみであった。





第八話 おわり



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