( ^ω^)ブーンが神候補から能力を受け取ったようです

12: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:12:22.64 ID:HJ0JHcdvO
  
第九話 「仲間」


ξ゚听)ξ「……以上よ。黙って聞いてくれてありがとう」

(;^ω^)「……」

ブーンは言葉が出なかった。
何を言ってあげればいいのかがわからなかった。
ツンの話はブーンの想像以上に壮絶なものだったからだ。

しかしブーンは何か言わなくては、という使命感に襲われ、無理矢理言葉を紡ごうとする。

(;^ω^)「あ〜……、うん……」

でもやっぱり語彙が足りないブーンは、何も言葉が出なかった。
だがその流れを裂くように、ツンがまた口を開く。



13: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:14:09.18 ID:HJ0JHcdvO
  

ξ゚听)ξ「でね……ここからが本題」

ξ゚听)ξ「ブーン……あなたは見ず知らずの私を助けてくれた……」

ξ゚听)ξ「しかも何故だかわからないけど……あなたはお父さんに似てる」

ξ゚听)ξ「あなたなら、信じれる気がするの」

( ^ω^)「お?」


ξ゚听)ξ「ブーン、私の仲間になって。そして……私の能力を守って」

(;^ω^)「!」

ブーンはその申し出を聞き、思わず驚く。
少しは予想が出来た申し出だったが、いざ言われると戸惑ってしまう。



14: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:17:11.30 ID:HJ0JHcdvO
  

ツンの話を聞く限り、そいつは相当強い能力者。
そいつから本当に自分はツンを守ることはできるのか、自分では役不足なのではないか、などと考えてしまうのだ。

ξ゚听)ξ「……お願い」

ツンは真っ直ぐな目でブーンを見る。
そのツンの目は本気で、迷っているブーンの心を揺さぶった。

そうか。
彼女は本当にそのお父さんのことを大好きだったんだな……

……守ってあげたい

こんな僕だけど、出来ることはしてあげよう。

ブーンは素直にそう思った。
そして決断する。



16: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:18:57.65 ID:HJ0JHcdvO
  

( ^ω^)「……わかったお。ツン。君を守るお」

ツンは優しく微笑む。

ξ゚ー゚)ξ「……ありがとう。ブーン」

( ^ω^)「……でも仲間になるなら一つだけ聞いておきたいことがあるお」

ξ゚听)ξ「何?」

( ^ω^)「君の能力だお。戦うには仲間の戦力を知っておきたいんだお」

ξ;゚听)ξ「……」



17: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:20:04.54 ID:HJ0JHcdvO
  

するとツンは急に黙りこむ。
その姿を見てブーンは悟った。

(;^ω^)「……もしかして自分の能力……わからないのかお?」

ξ;゚听)ξ「……ごめん」

(;^ω^)「……もしかしてこの戦いのことも何も知らないのかお?」

ξ;゚听)ξ「……面目ない」

( ^ω^)「マジでか」



18: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:21:46.95 ID:HJ0JHcdvO
  

ブーンはそんなツンにこの戦いのことを説明する。


ブーンは、神候補、能力者、戦いのルール、何故戦うのか、優勝の賞品など、自分の知っていることを丁寧に、いやらしく、美しく、そして卑隈に説明した。


ξ゚听)ξ「キモいわ」



19: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:23:05.54 ID:HJ0JHcdvO
  

ξ゚听)ξ「なるほど……よくわかったわ……理解しがたいけどね」

( ^ω^)「僕も最初は驚いたお。まぁ慣れたけど」

ξ゚听)ξ「……でも気になることがあるわね」

( ^ω^)「おっ?」

ξ゚听)ξ「今……私の神候補は誰なのかしら」

(;^ω^)「え? 確かに……」

ξ゚听)ξ「……まぁでもよく考えたらどうでもいいわね。こんなこと」

(;^ω^)(早っ!てかどうでもよくはないだろ!)

ξ゚听)ξ「何か言った?」

( ^ω^)「いえ。何も」

ブーンは早くも悟っていた。
この人には逆らってはいけない。
本能が自らに訴えかけるのだ。



20: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:25:20.53 ID:HJ0JHcdvO
  

( ^ω^)(なんか早くも主従関係が出来てるお。僕の理想と違うお)

そんなブーンを知ってか知らずか、ツンはまた話す。

ξ゚听)ξ「あらもう暗いわね……車で家まで送るわよ

ξ゚ー゚)ξ「ありがとう。これからよろしくね。ブーン」

( ^ω^)「おっ!」

( ^ω^)(……まぁ悪くないかもしれんお)

僕にはMの素質があるのかもしれない。
ブーンはそう思った。

そしてツンの車(リムジン)でブーンは家まで送られる。
ブーンは帰宅すると疲れがたまっていたのか、すぐに深い眠りに落ちた。



21: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:27:39.84 ID:HJ0JHcdvO
  

――そして次の日。
全国的に朝。

( ^ω^)「うぅーん……よい目覚めだお」

( ^ω^)「……ってあれ? なんで僕は日曜なのに早起きしてるんだお?」

( ^ω^)「……まぁいいお。仮面ライダー電王でも見るかお」

( ^ω^)「モモタロス? キンタロス? クソバロスwwwwww」

( ^ω^)「おっと鬼太郎も見るかお」

( ^ω^)「……まさか猫娘に萌える日が来ようとは」

( ^ω^)「さてそろそろいいとも増刊号の時間だおwwこれ見なきゃ日曜は始まらんおww」

( ^ω^)「……でもやっぱりなんか忘れてる気がするお」



22: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:29:21.89 ID:HJ0JHcdvO
  

と、その時、ブーンは机の上に置いてあるメモに目が行った。

( ^ω^)「お。これは……」

それには住所が書いてあった。

( ^ω^)「……これは……なんだっけ?」

ブーンはアホだった。
だが一応考える。
そして考えること30分。

( ゜ω゜)「アッ------!!!!!!! こ、これは!!!」



23: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:30:58.46 ID:HJ0JHcdvO
  

( ^ω^)「思い出せんお」

読者もイライラするほどの記憶力のなさ。
これは間違いなく痴呆。

( ^ω^)「そんなことよりウンコするお」

ブーンはメモを片手にトイレへと向かう。
そして便座に腰をおろし、自分のスペルマを放出する。

( ^ω^)「ブリッ!ブリブリ!!ブリューゲル!!ブリブリ!!ブリリトニー!!」

事を終えたブーン。



24: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:33:11.87 ID:HJ0JHcdvO
  

( ^ω^)「すっきりしたお」

その時のブーンの顔はまさに恍惚の表情だった。
が、次の瞬間、ブーンの気分は奈落の底まで落とされることになる。

( ゜ω゜)「か、紙が……ない!!」

絶望。

まさにその2文字が今のブーンにはふさわしかった。

ブーンは考える。
その後の自分の行方を。

(;゜ω゜)(このままでは僕はケツを拭かないままパンツを穿くことになってしまうお……)

それ、すなわち絶望。

( ^ω^)「……そんなの嫌だお!!」

(;^ω^)「でも一体どうすれば……」

ブーンはまた考える。



26: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:34:58.63 ID:HJ0JHcdvO
  

思考を巡りに巡らし考える。

――そして10分後、手に持っている物に気付く。

( ゜ω゜)「アッ-----!!!!! こ、これは紙!!!!!!」

( ^ω^)「これはきっと天の恵み! これで拭かなきゃ何で拭く!」

フキフキ、とメモでケツを拭くブーン。
その表情はさながら地獄から蜘蛛の糸を登って天国へとたどり着いたような表情であった。
解りづらいので要約すると、笑顔だった。



27: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:37:44.09 ID:HJ0JHcdvO
  

ケツを拭き終えたブーン。

( ^ω^)「さっぱりしたお! ところでやっぱり何か忘れてるような……」

( ^ω^)

(;゜ω゜)「アッ-------!!!!!」

(;^ω^)「思いだしたお! クー! クーと戦う日だったお!」

(;^ω^)「急がないと! え〜と住所のメモは……」



28: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:39:25.75 ID:HJ0JHcdvO
  

( ^ω^)

(;゜ω゜)「アッ----------!!!!!!!!」

(;^ω^)「しまったお!! さっきケツ拭いて流しちまったお!!」

(;^ω^)「これじゃ場所がわからんお……! 一体どうしたら……」

その時、ブーンの頭の上ら辺で電球が光った。
(気がした。)

( ^ω^)「あ、そうだお……あそこに行って聞いてみるかお」



29: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:42:06.42 ID:HJ0JHcdvO
  

―――

ξ;゚听)ξ「というわけでウチに来たのね……」

(;^ω^)「ツンなら知ってそうな気がしたんだお……。
てなわけで素直流道場の場所を教えて欲しいお」

ξ゚听)ξ「……いいわよ。でも……」

( ^ω^)「お?」

ξ゚听)ξ「私もついてくわ」



30: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:43:44.48 ID:HJ0JHcdvO
  

ツンの予想GUYな反応にブーンは思わず驚く。

(;^ω^)「マジかお!?」

ξ゚听)ξ「マジよ。クーって子も能力者なんでしょ? もしかしたら私の能力のヒントが得られるかもしれないじゃない」

(;^ω^)「それはどうかと……」

ξ#゚听)ξ「ゴチャゴチャうるさいわねぇ……私が行くと言ったら行くのよ!」

(;^ω^)「わかったお……ただ危ない事はするなお」

ξ゚听)ξ「戦うのは全てブーンに任せるわ。だから安心して」

(;´ω`)「……」

僕は本当にこの子と組んで良かったのか、と早くも後悔しつつも、ブーンはツンに連れられリムジンに乗る。
そしてクーの家、素直流道場に向かった。



31: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:48:55.56 ID:HJ0JHcdvO
  

そして車を走らせ数分。
ある所でエンジン音が止まる。

ξ゚听)ξ「……着いたようね。降りて」

( ^ω^)「おっ」

二人は執事の扉を開けてもらい車から出る。
目の前には道場、その道場の看板には「素直流道場」と達筆な字で書かれていた。

(;^ω^)「ほー…、でっかいおね」

ξ゚听)ξ「かなり有名な道場だからね……当然でしょう」

( ^ω^)「えっ、この道場ってそんな有名なのかお?」

ブーンの質問にやれやれ、といった感じでため息をつき、話し出すツン。

ξ;゚听)ξ「あんたなんも知らないのね……」

( ^ω^)「無知さには自信があるお」



32: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:50:00.41 ID:HJ0JHcdvO
  

ξ;゚听)ξ「……まぁいいわ。素直流って言うのはとにかく強い流派なの。わかった?」

( ^ω^)「わからんお」

ξ゚听)ξ「いいから行きましょう。これ以上のgdgdはなしよ」

やっと長い前置きが終わり、二人は道場の中へ入って行った。



33: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:52:01.36 ID:HJ0JHcdvO
  

( ^ω^)「たのもー!」

ガラッ、と引き戸を開けるブーン。
そして見たのは道場の真ん中で正座しているクーだった。
クーは白い空手衣に身を包み、黒帯を巻いていた。

川 ゚ -゚)「……待ちくたびれたぞ、ブーン」

と、クーはブーンの後ろにいる女の子に気付き、ブーンに問う。



34: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:54:08.66 ID:HJ0JHcdvO
  

川 ゚ -゚)「……誰だその子は」

と、その質問にブーンが答えようとするのをツンが制し、ツン自身が答える。

ξ゚听)ξ「……私はツン。能力者よ」

てっきりそれは隠さないといけないことだと思っていたブーン。
まさかのツンのセリフに少し焦る。

(;^ω^)「!! それ言っちゃっていいのかお!」

ξ゚听)ξ「いいのよ。てか関係ないのにここにいる方がおかしいでしょ。それに…」

(;^ω^)「それに?」

ツンは小声でブーンにだけ聞こえるように言う。

ξ゚听)ξ「……ブーンがついてるから、大丈夫」

その言葉。
ツンには些細な言葉だったかもしれないが、ブーンにとってはとても大きな、支えになる言葉だった。

( ^ω^)「……おっ!」



35: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:56:57.05 ID:HJ0JHcdvO
  

川 ゚ -゚)「……能力者か。2対1も悪くない」

ξ゚听)ξ「安心して。私は手を出す気はないわ。戦うのはブーンだけよ」

川 ゚ -゚)「……そうか」

と、それを聞くとクーは立ち上がる。
そして左足を少し前に出して、左手をブーン達に向け突き出し、右手をその後方に構える。
そんなクーを見てブーンは話し出す。

(;^ω^)「クー! ……やっぱり僕は君と戦いたくないお」

(;^ω^)「僕達きっといい友達になれるはずだお! 考えなおして欲しいお!」

それに対してクーは無表情で答える。
その目は冷たく、ブーンは寒気を感じた。

川 ゚ -゚)「……駄目だ。私はキミを倒す」

(;^ω^)「……どうしても戦わないといけないのかお」

川 ゚ -゚)「ああ。シャキン様は絶対だ」

( ^ω^)「……そうかお」



36: 入院中(樺太) :2007/04/05(木) 20:58:13.60 ID:HJ0JHcdvO
  

ブーンはポケットからペンを出し、槍へと変える。

川 ゚ -゚)「……始めようか」

クーは左の手のひらを上に向け、クイクイ、と指を動かしブーンを呼ぶかのように挑発した。

川 ゚ -゚)「……来い」

ブーンは槍を構えクーの元へ走り出す。

まるで迷いを断ち切るかのように。





第九話おわり



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